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0506




 <異世界206日目>



 おはようございます。昨夜ゆっくりとした後に布団に寝転がったら、気付いたら朝でした。


 こういう寝方って、あんまり体に良くないと聞いた気がするが、どうなんだろう。この肉体自体が普通じゃないので、日本の知識は当てにならないのかもしれないが。


 今日からダンジョンアタックだが、今日を前座としても明日には攻略は終わるだろう。奥まで行って竜が居るかは分からないが、出来れば黒い奴は居てほしい。


 ただ、黒い奴が居るって事は、呪いの武器があるって事なんだよなー。それだけが若干憂鬱ではある。



 「おはよう。ダリア、カエデ、マートル、フヨウ」


 「ニャ」 「ガゥ」 「ワン」 「………」



 いつもなら直ぐに水を飲みに来るんだが、今日は水皿に聖水を入れてやっても来ない。どうにも布団の中が温かくて出たくないみたいだ。気持ちは分かるし、そこは人間種も魔物も変わらないんだなと分かると、何故だか笑ってしまった。


 3匹はキョトンとしているが、布団から出たくないんだろう。顔だけ出していたり、引っ込んで出てこなかったりしている。ダリアは引っ込んでしまっており、フヨウはどこに居るかも分からない。カエデとマートルは横向きで、顔だけ出している状態だ。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャ」 「グル」 「ワフ」 「………」


 「何だい、寝転がったままかい? そんなに寒くもないだろうに、布団の中が温かいからって出てこないのは駄目だよ。出てこない奴はこうだ!」


 「ニャーッ!」 「グルッ!」



 既に起きて温めた聖水を飲んでいたマートルと、吸い上げていつも通り首に巻きついていたフヨウは問題ないが、未だ布団に篭っていたダリアとカエデは布団を剥がされた所為でビックリしたみたいだ。


 ダナに抗議している様だが、聞き入れてもらえていない。結局、諦めたようで温かい聖水を飲みにきた。



 「しっかし……気持ちは分からなくもないけど、やってる事が人間種と変わらないねぇ。温かい所から出たくないのは分かるけど、そういう時ほど意を決して出るもんさ」


 「私も昔、ああやって剥がされた事がありますよ。あの当時は布を何枚も重ねて被ってましたけど、剥がされる事に変わりはないんですね」


 「私はそういう経験ないわね。基本的に暖炉のある部屋で寝ていたし、普通に起きられたわ。と言っても、祖母は私より早く起きて、暖炉に火を入れていてくれたからだけど」


 「まだ暖炉を使う季節ではないね。水の季節に入って、今以上に寒くなってからさ。それに、宿の部屋には暖炉が付いていない所も多いから難しいだろう」


 「アルドに温かくなる魔道具でも作ってもらったら良いんじゃないか? 何でも作れる訳じゃないだろうが、それぐらいなら問題あるまい」


 「温かくなる魔道具かぁ……どんなのだろうね? 僕だと想像も付かないや」


 「期待しているところ悪いが、温める場合は魔道具じゃない方が効率は良いんだよ。簡易的な暖炉でも作って、炭でも燃やしてる方が温まるんだ。


 効率を無視するなら魔道具を作ってもいいけど、魔石の消費が大きい事に注意しないといけないな。夜中付けっぱなしで、魔石を一個消費するぐらいかな?」


 「それなら大丈夫なんじゃないの? ダンジョンへ行けば手に入るし、水の季節に使えればそれでいい訳だし。魔石が80個もあれば足りるよね?」


 「仮に作るとしても、ダンジョンから帰ってきてからだな。それも何処まで効果があるか分からない物になる。場合によっては、2個使わないと部屋が暖まらないかもしれない」



 そんな事を話しつつ【覚醒】を使って7人を起こしておく。部屋を出て1階に下りたら、大銅貨18枚を支払って朝食を注文する。テーブル席に座って待っていると、ジャン達とリンデ達が部屋を出てきた。


 丁度同じタイミングで朝食が運ばれてきたので、早速朝食を頂く事にした。可も無く不可も無く、丁度良い感じの飽きないタイプの朝食を食べた後、宿を出る。領都を出て東のダンジョンに歩いて行き、門番に登録証を見せて中に入った。


 ダンジョン前は朝早い時間でも賑わっているなぁ。五月蝿いくらいだ。チームに入れてもらおうと声を張り上げる者、前衛を募集するチーム、浄化魔法を使える傭兵を求める者。様々な理由でメンバーを求める者達が大きな声を挙げているので、まさに喧騒だ。


 その中を進んで行き迷宮紋の前に並ぶ。俺達の前に3組ほど居るが、直ぐに俺達の番が回ってくるだろう。


 ダンジョン前でメンバーを募集している奴等が居たが、大抵の傭兵は固定でチームを組んでいるので近付く事は無いらしい。ああいうのは、裏切り上等という奴しか参加しないそうだ。


 ダンジョン内で裏切られたら死ぬしかない。その為、ああいう募集に参加する奴は殆どいない。とはいえ、全く居ない訳でもないし、参加しても問題ない者達も居る。


 その辺りは傭兵の間で噂になったりするらしく、気の良い奴ならタダで教えてくれたりするそうだ。


 おっと、俺達の番が回ってきたな、それじゃあダンジョンに進もうか。光が消えると、そこは荒野だった。1層目から荒野か、まずはどっちに……北西ね、了解、了解。


 俺は皆を連れて邪気吸引機を使いながら北西へと進んで行く。多くの者が北西に進んでいるのは【探知】で分かる為、さっさと次の層へ進もう。


 北西の転移紋から2層へと進み、2層の荒野を北へと進む。北の転移紋から3層へと進み、北東の転移紋から4層へ。4層は木が疎らに生えた森だった。


 浅い森なので進み易く、東の転移紋から5層へ。5層は南東へと進み、転移紋から6層へ。6層は南へと進み、転移紋から7層へ。


 光が止むと洞窟だった。意外に早く出現した気がするな。南西へと進み転移紋から8層へ。8層は西の転移紋へ。9層は北西の転移紋へと進み、10層に着いた。


 洞窟の地形だが、流石に人数が多い為に数の暴力状態だった。いつもはコウモリが数の暴力を使ってくるのだが、今回は俺達が数の暴力を使った形だ。


 光が止むと海だったので、10層で少し早い昼食にする事にした。ここでは砂浜が無く、崖しかないらしい。その為、崖から【念動】を使い魚や貝を引き上げていく。


 既に焼き場を作り、焼き網の用意はしてあったので、皆が思い思いに焼いている。久しぶりの魚介バーベキューに喜んでいるメンバーの横で、ザラとエイルズがビックリしていた。


 内陸国である王国では、海の魚は高級品だからなぁ。驚くのは仕方がないか。俺は皆の横で全粒粉を塩と聖水で練ってチャパティを作っている。


 練り終わり【熟成】を使ったら直ぐに円形にして焼いていく。焼き網は場所が無いので、【念動】で宙に浮かせたまま【加熱】を使って焼いている。超魔鉄の焼き網も3つあるんだが、それでもいっぱいとは……。


 宙に浮かせているチャパティが焼けたら、1人に1枚ずつ渡していく。人によっては多いかもしれないが気にしてはいけない。


 古い時代は沢山食べるものだ。事実、この世界では女性も沢山食べるし、太っている人は少ない。理由はよく動くからだ。農業や商業でも動くし、村や町を守るために戦闘もする。食べる量は多いが、消費量も多いので太れる人が少ない。



 「コレ、意外に美味しいね。丸ごと全部粉にしてたから、もっとパサパサしてるのかと思ったらんだけど、そうでもないし。かと言って、水分が多くてネチャっとしてる訳でも無い。丁度良い感じで美味しいよ」


 「アルドは全部を粉にした方が良いって言ってましたね。中身だけを粉にした真っ白な小麦は美味しいですけど、反対に体には良くないと……。不味い物には体に良い物が多く、美味しい物は食べ過ぎては駄目だと。あくまでも食べ過ぎが駄目なだけらしいですが」


 「うん、本当に美味しいわね。アルドの作る料理が美味しいのは、やっぱり水が違うからよ。聖水を料理に使ってるし、前は浄水だったわ。殆ど全ての料理に関わるのが水だもの、水が良いと美味しい物が作れるんじゃないかしら」



 まあ、それもあるな。



 ▽▽▽▽▽


 0506終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨142枚

 大銀貨506枚

 銀貨209枚

 大銅貨536枚

 銅貨144枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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