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0505




 王城の玄関でライブルと別れる際に、依頼達成の紙と報酬である金貨2枚を貰った。まさかの別れ際に渡されるとは思わなかったが、形式的な事とか色々あるんだろう。


 こちらとしては貰える物さえ貰えれば、余程に酷くない限りどうでもいい。形式に拘る奴は傭兵には向いていない。


 貴族街の門を抜け、平民街に戻ってきた。やっと気分的にも楽になったな。これから傭兵ギルドに行って報告を済ませたら、北の侯爵領に向かって出発だ。


 まずはギルドなんだが、そろそろ……ん? ギルド前で何か揉めてるっていうか、あれって帝国兵じゃないか?。


 皆の顔を見回すが、あからさまに面倒臭そうな顔をしてるなぁ。仕方ない、ギルドには俺一人で行ってくるよ。皆は宿に戻って片付けと、ラーファンさんに挨拶をよろしく。


 宿代は残ってるけど、返却は不要だって言っておいてくれ。そう言って、ギルドよりも結構手前の位置で皆と別れた。


 ギルドへと歩みを進めながら隠密の4つの技を使うかどうか悩んだが、今さら使った所であまり意味は無いと思い真っ直ぐ進む事にした。


 言い合いをしている様だが、片方は普通の傭兵みたいだ。何で傭兵と帝国兵が言い合いというか、喧嘩腰で話しをしてるんだろうな。


 ギャーギャー言っているが、声を張り上げ過ぎで逆に分かり辛い。横を通るものの、結局俺に絡んでくる事も無かったのでスルーした。


 ギルドに入り、空いている受付に依頼達成の紙を渡すとギョっとされた。おそらく王太子からの仕事だったからだろう。その後は普通に手続きを終えたものの、ランクを上げる様に言われた。


 俺はランク6以上に上げる気は無いと言ったんだが、思っているよりしつこかった。何で受付に決められなきゃならないんだ。


 ミュウさんもそうだが、ギルドの受付って善意の押し付けをする者しかなれないのか? いちいち面倒臭い奴等だよ、まったく。


 ギルドを出て、まだ揉めているバカどもの横を通って宿へ行く。あの帝国兵どもは王国でいったい何をやっているんだろうな? あれもまた醜聞になると思うんだが、面目を捨てたのかな。


 それとも……ちょっと待てよ、確か帝国って傭兵を見下してて、傭兵に逃げられたんだよな? もしかして、帝国って全体的に傭兵を見下してるのか?。


 辺境伯だけかと思ってたら、帝国全体の可能性が出てきたな。とはいえ、揉め事を起こしてる奴等を見ただけだから正しいかどうかは分からないが、その可能性はありそうだ。


 そろそろラーファンさんの宿か。皆は、もう宿の外に居るな。皆と一緒に居るラーファンさんに挨拶をして別れたら、俺達は王都の北門まで歩いて行く。


 登録証を見せて門を抜けて、少し歩いたら一気に走り出す。まずはノースアルムまで行くんだが、このメンツなら直ぐに着くだろう。


 ノースアルム、ナームの村を越えて一気に領都エルンドまで行った方が良いか。昼を少し過ぎるかもしれないが、特に問題も無いだろう。


 その事を皆に【念話】で伝えながら走っていく。初めて【念話】を受けたメンバーはビックリしてたな。


 結局、一気に走ったが昼前に着く事が出来た。エルンドの門で登録証を見せて中に入る。その時に初めて知ったが、登録証を新しく作ったリヴィ以外の、草原に行かなかった居残り組はランク6になっていた。


 現在ランク6以下なのはフォルとリヴィだけだ。と言っても、フォルはそもそも気にしていないし、リヴィは元ランク12だ。どうでもいいんだろう、興味も無いらしい。


 まずは今の内にエルンドで宿を確保しようと思い、色々な宿を巡った結果、小さな宿を借り上げる事になった。一日銀貨1枚だが、安全とゆっくり休める事は重要だからな。10日分である銀貨10枚を支払い、それぞれの部屋へと行く。


 2階の大部屋は8人用の部屋なので広いが、元々この部屋が売りの宿屋だけあって良い部屋だ。窓から見える景色もそれなりに良いし、借り上げて正解だったな。


 1階の食堂で大銅貨18枚を支払い昼食を注文する。今日の内に少しダンジョンを覗くか、明日から攻略を始めるか。色々話し合った末に、明日からに決まった。


 俺はともかく、皆は連日ダンジョンに行っていたので疲れている。その事を考慮して、今日は休みとした。ゆっくり寝るなり遊びに行くなり、好きに過ごせばいい。俺は部屋でゆっくり昼寝でもするかな。


 そう思って部屋に布団を敷き横になると左右にダリアとフヨウが来た。どうやら2匹も寝る気らしいが、その時に気付いてしまった。そろそろ掛け布団が要るじゃないかと。


 ……仕方ない、雑貨屋に何か買いに行こう。俺は起き上がり、皆に「少し出てくる」と言って部屋を出た。宿の入り口で従業員から雑貨屋の場所を聞いたら、そちらの方へ歩いて行く。商店街と言うか、店が集まっている区画があるらしく、近付くと分かるそうだ。


 確かに大賑わいの区画があり、そこは領都の商業区のような所だった。雑貨屋も数軒あり、そこで毛布3枚を大銅貨15枚で買う。それと、綿を銀貨2枚分と麻布3枚を大銅貨9枚で購入した。


 他に買う物も今は無いので、さっさと宿の部屋に戻る。見ていると買ってしまうかもしれないし、アイテムバッグの中を無駄に圧迫するからなぁ。早く帰るのが1番だ。


 部屋に帰った俺は、麻布の中に綿を詰めてダウンジャケットのように区切って【融合】した掛け布団を作った。北海道ではないので、毛布を被った上に掛け布団を被って寝てみる。


 ……うん、普通に温かいので特に問題は無さそうだ。冬というか、水の季節にもこれで対応出来るだろう。この布団は2人用より少し大きい物だが、俺だけ3人で使っている。材料も余ってるし、俺が使う物だけ大きくしておくか。


 完成したので再度寝転がると、ダリアとフヨウが左右に入り込んできた。どうも俺の近くで寝る気らしい。まあ、今日は休みだから好きにするといいさ。そう思っていたら、カエデとマートルも突っ込んできた。 


 3人用だから入れるが、ギリギリなうえダリアが若干潰されてる気がするんだが大丈夫か?。


 ……ダリアさん、俺の上に乗って寝るの止めて貰えませんかね? そう言ったら、股間の直ぐ下の所で寝始めた。もう、好きにしてくれ。



 「ん? ふっ~~~~! はぁっ……。そろそろ夕方か?」


 「いや、もう夜だよ。それにしても、よく寝てたね。皆、お酒を飲んでるから五月蝿くしてるんだけど、それを気にせず寝てるんだから驚きだよ。4匹は起きて夕食を食べてるから、食べてないのはアルドだけさ」


 「そうか……。そう言えば餃子が余ってるから、餃子でも焼いて食うかな」



 俺は窓の近くまで行き、アイテムバッグからフライパンを取り出した。どこに置くか悩んだが決まらなかったので、手枷と足枷を5つ取り出して【分離】し、石製の鍋敷きを2つ作った。


 床から10センチ程度高くなるように作ったので、これで大丈夫だろう。それじゃあ、餃子を焼いていこう。


 フライパンから餃子の焼ける音がし始めると、ダリアが横に来て「私のは?」という眼で見てくる。仕方なく、もう1つフライパンを取り出して餃子を焼いていく。


 ダリアは食べた事があるから欲しいんだろう。気持ちは分かるんだが、夕食を食べたんじゃないのか? と言っても食べるんだろうけど。


 焼けた餃子の半分をダリアの皿に入れてやり、半分は俺が食う……のだが、君達これは俺のだよ。もう一つのフライパンで焼けてる分の幾つかで我慢しなさい。


 ウチの女性陣までこっちを見てるのかよ。仕方ないな、新たにフライパンに出して焼くか。……酔っ払いどもは、美味しそうに餃子を食べながら酒を飲んでやがる。


 気付けば作っておいた300個の餃子が跡形も無く消え失せていて、撃沈した酒飲みどもと4匹が居る。俺は後片付けをした後、纏めて全て綺麗に【浄化】した。なんだか家飲みの、餃子パーティーの後みたいだな。


 【念動】を使い女性陣をベッドに寝かせたら、4匹は3人用の布団に寝かせておく。俺は換気をしながら椅子に座ってボーっとする事にした。


 嵐の後の静けさみたいで、悪くないな。



 ▽▽▽▽▽


 0505終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨142枚

 大銀貨506枚

 銀貨209枚

 大銅貨554枚

 銅貨144枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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