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0049




 酒盛りが酒宴に変わった。酔っ払いどもは碌な事をしない。部屋にあった酒を全部持ってきやがった。こりゃ明日は酒を作る事が決まったな。………はぁ。


 とりあえず、おかしな事になる前に宿泊費を払っておく。10日追加で銀貨3枚を払い延長する。


 「そういえば、ヴェルは何で宿に来たんだい?」


 「アルドに依頼があったんです。石と木の武器をもう少し作って欲しくて」


 「なんでまた。低ランク向けには十分な数を作りましたよ?」


 「依頼してきたのは村の警備隊です。警備隊も予算があまり無いのは知られていますから。それでも村を守るには、少しでも良い武器が欲しいんですよ」


 「成る程。それなら構いませんよ」


 「納品するのは、普通のショートソードと槍です。両方10本ずつですね」


 「了解です」


 「あれ? ……お酒が無いっ!」


 「ありゃ、もう無いのかい? しょうがない、今日はお開きだね」


 「えーっ! まだまだ飲めるのに!」


 「無いものは無いんだから、しょうがないだろ。ヴェル、諦めな」


 「お酒も無くなったので、今度は部屋で楽しみましょう!」


 「そうだね! 直ぐに部屋に戻ろう!」



 両側から腕を組まれて部屋に連行された。今日は1日中ペースを乱されっぱなしだったな。浄化してたらベッドに引っ張り込まれたので、【房中術】を結構本気で使って相手をした。


 2人は簡単に撃沈したのだが、何故か凄く嬉しそうだった。全て浄化して、もう寝よう。おやすみー。



 <異世界24日目>



 おはようございます。今日は警備隊に依頼された武器作りの日です。どっちかのアイテムバッグ借りようっと。丸太と岩運びが面倒臭いんだよホント。作るのは楽なのに。


 全て浄化していると2人が起きてきた。


 「「ん~、チュッ!///」」


 「おはよう、アルド。昨夜は素敵だったよ///」


 「アルド、おはよう。ダナの言う通り、素敵でした///」


 「2人とも、おはよう。昨夜は結構本気で【房中術】を使ったからね」


 「「やっぱり!」」



 2人は朝からテンションが高く、浄化している最中に抱きついてきたり、キスをしてきたりとやりたい放題だった。何とか落ち着かせて、服を着て食堂へ行く。


 朝から2人の雰囲気が今までと違っている。どこが違うのか問われても明確には答えられない。とはいえ何かが違う。……何だろう?。



 「3人とも、おはよう。……御二人の体は、そうなったんだね」


 「おはよう、トーカ。うん、その通りさ」


 「トーカ、おはよう。なるべくして、なったんですよ?」


 「そうだろうね。おめでとう!」



 何の事? 何か俺だけ仲間外れにされてるけど? 良く分からないが、女将さんも2人も嬉しそうだから悪い事じゃないんだろう。聞かない方がいい事もある。


 3人分の朝食を注文して大銅貨3枚を支払った後、いつもの席に座る。2人はある程度会話をしたら、隣の席に座った。



 「今日は依頼の武器を作るんだけど、アイテムバッグ貸してくれない? 素材持って帰ってくるの大変だからさ」


 「暇だからついて行くよ?」


 「そうですよ。離れる必要がありません」


 「いいのか? たぶん物凄く暇だと思うけど」


 「別にいいさ。偶にはそういう日があっても」


 「そうですよ。……昨日も碌に仕事をしていませんが」


 「3人で一緒に行こうか」



 食事の後に今日の予定を決めて部屋に戻る。準備を整えて出発し、森の拠点近くへ。そこで木を伐って丸太にし、石を岩にして収納していく。アイテムバッグの御蔭で直ぐに終わった。


 まだ昼前にもなっていないが、村に戻りギルドに行く。訓練場に入って隅の方へ行き、武器作りを開始する。それほど時間も掛からず武器は完成したが、十分に使える仕上がりだ。


 ギルドに戻り手続きをしよう。そう思い移動を始めると変な奴が絡んできた。



 「ちょっといいかな、キミ。彼女達から離れたまえ」



 何だコイツ? 何か凄いキャラが現れたぞ。キラキラした服に、昔の貴族男性が履いてたカボチャパンツみたいなのを履いてる。更にマントを着けて、細身の剣を腰に差している。


 キャラが濃すぎるだろ!? イケメンだけどさぁ……。西洋風のバカ殿にしか見えない。4人ほど女を侍らせているが、4人の女は男の後ろで頭を下げて謝罪してるし。バカ殿、空気読め。


 何でこんなバカ殿が居るんだ? こんな奴等が村に居たか? 居ないよな? 俺が悩んでいると、無視されたと思ったのかバカ殿は怒り始めた。



 「キミ、ボクの言葉が聞こえなかったのか!? さっさと離れたまえ!」


 「いきなり何を言ってるんだ、お前は? っていうかお前誰だよ?」


 「ハッ! 下賤な者はこれだから困る。ボクは高貴な吸血鬼であるロムワル家の男、シャルワ・ロムワルさ! 2度と忘れない様に、その悪い頭に刻んでおきたまえ」


 「シュラ、この面白い奴は高貴な家なのか?」


 「プッ……。確かに面白い者ですね。ロムワル家というのは真祖の家臣の家です。真祖の1人の雑用係を代々やっている家ですよ」


 「成る程、代々おもしろ雑用係なのか。大変だな」


 「ブーッ!! アハハハハハハハハ!!! か、勘弁しておくれよ。お腹が痛い」


 「キッサマーッ!!!」


 「ロムワル如きが何様のつもりですか?」



 シュラから結構な殺気が飛ぶ。即座にバカ殿と女達は硬直した。ロムワル家をバカにした辺りから、女達もこっちを睨んでたからな。それ以前からシュラの機嫌が悪い事に気付けよ。



 「な、な、な、何故ボクを睨むんだっ!?」


 「………はぁ。吸血鬼族の恥なので今すぐ皆殺しにしたいのですが、いいでしょう。私の名はシュライア。シュライア・メルド・アンセルです。分かりましたね?」


 「「「「「………」」」」」


 「吸血鬼の癖にシュラの顔も知らないなんて、どんだけ頭が悪いのさ。滅ぼされたいのかねぇ」


 「うん? どういう事?」


 「真祖の中でシュラは上から2番目なんだ。吸血鬼全体では、長を頂点とする事が決まってるから3番目だけどね」


 「つまり、実質シュラの上は1人しか居ないのか?」


 「戦闘能力で言えばシュラがトップさ。だから、知らないじゃ済まされないんだよ」


 「俺をとやかく言ってたが、自分の方がアホだったと」


 「そういう事さ」



 その後、バカ殿と女達は泣きながら土下座謝罪をやっていた。この世界でも土下座はあるらしい。そんなどうでもいい知識を一つ身につけた。しっかし、何でアホは自爆しに来るんだ?。


 今回の事で吸血鬼の中で揉め事とか起きないのか聞くと、ロムワル家というのは第二世代の真祖に従っているらしい。つまり始祖の直接の子供ではない家だ。


 圧倒的にシュラの方が上なので、揉め事が起きようがない。むしろ、この件で文句を言えば根切りにされかねない。第一世代と第二世代には、絶対に超えられない壁があるそうだ。


 それが始祖の血を直接継いでいるかどうかで、第一世代はもう2人しか居ない。シュラのお姉さんは、昔から世界中を飛び回って自分の伴侶を探している人なんだそうだ。


 ちなみに、第一世代以外は先祖返りであり【真祖】の意味が違っている。始祖の血を持つ【真祖】と、ただの先祖返りだ。この差は他の種族では想像出来ない程の”絶対の差”らしい。


 バカ殿と女達を許した後にミュウさんの所で手続きを終えて、宿に昼食を食べに帰る。



 「全く、度し難い程の愚か者でしたね。あれが吸血鬼族だと思われたくありません」


 「まぁ、自分の種族の恥だからねぇ。怒るのも分かるよ」


 「そういえば、ダナも先祖返りなんだよな?」


 「そうだよ。ただアタシの場合は、ちょっと特殊なんだよね」


 「そうなのか?」


 「そうなんだよ。その辺りは昼食を食べながら話すよ」



 宿に帰ってる最中もシュラの機嫌が悪い。怒る気持ちも分かるんだが、俺は嫌いじゃないんだよなー。完全にボケ担当だったし、あそこまでキャラが濃いなら怒る気も無くなる。


 バカ殿に関しては、怒りが一切湧かなかったからなぁ。



 ▽▽▽▽▽


 0049終了時点


 金貨18枚

 大銀貨53枚

 銀貨20枚

 大銅貨23枚

 銅貨5枚


 風鹿の角槍

 風鹿の角の太刀

 赤豹の爪の小太刀

 剣熊の爪の打刀

 赤豹の爪の小烏丸

 強打猪の牙のファルクス

 剣熊の爪の斧

 風鹿の角の十手

 剣熊と風鹿の革鎧

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊と風鹿の肘防具

 剣熊と風鹿の膝防具

 剣熊と風鹿のブーツ


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