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0498




 王都に戻り途中で鍛冶師兄妹と別れ、その後オルニアとも別れた。オルニアはミレイアの変わりっぷりに何とも言えない顔をしていたが、最後には全てをスルーする事に決めたらしい。


 食堂に行き、大銅貨18枚を支払って夕食を注文したら席に座る。皆は今日のダンジョンの話をしているので、俺も横から聞く事にした。それなりに儲かったのかね?。



 「今日のダンジョンはちょっと失敗だったね。17層の辺りでウロウロして高値で売れそうなのを探した所為か、あそこまで無駄な時間を使う事になるとは思わなかったよ」


 「急いでいないとはいえ、無駄な時間を使ったのは微妙でしたからね。あれなら昨日と同じでも良かったと思います。まあ、面白い物も見られたので良しとしましたが」


 「面白い物?」


 「実はね、魔物同士がぶつかって喧嘩を始めたのよ。最後は首を落として終わったけども、ダンジョンに支配されてる筈なのに喧嘩を始めたから面白くて」


 「へぇ~、そんな事もあるのか。ダンジョンに関しては俺もよく知らないからなぁ……。完璧に操るという事はしていなくて、どちらかと言うと誘導に近いのかもな」


 「その後は普通に獲物を狩っていたんだけどね。ブラックシープが体当たりを仕掛けてきた時だけだよ、ぶつかって喧嘩を始めたのを見たのは」


 「私とアルメアが戦っていたのだが、夜の地形でな。【暗視】を使っていた私達は明かりを点けていなかったのだ。おそらくは、その所為でぶつかったのだろう」


 「という事はね、夜の地形の魔物にも関わらず、ブラックシープは暗闇では何も見えてないって事なんだ。何で夜の地形なのに、暗闇が見えない魔物を選んだんだろうね?」


 「その辺りが気にならないと言えば嘘になるけど、きっと考えても答えが出ない部分だと思う。適当に黒い魔物を選んだ可能性もあるんだ。それよりも、ジャン達とリンデ達は余裕が出来たか?」


 「それなりに、というところでしょうか。稼げてはいますけど、あまり稼ぎ過ぎると安くなってしまいますし難しいところです。リザードマンも増えてきた所為か、若干値が下がり始めてきたんですよ」


 「ジャンにも言ったのだが、やはり食べられる魔物の方が良い値で売れ続けると思うのだ。食べれば無くなるし、美味しい食材だと貴族どもは必ず食指を動かすからな。元貴族の私が言うのだから間違いは無い!」


 「自信満々に言うのもどうかと思いますが、我が国でも貴族は同じですね。見栄であろうが、食欲であろうが、やる事は全く何も変わりません。まあ、貴族が無駄なお金を使うから平民が儲かるのですが……こうして傭兵になってみないと、美味しい物を食べたいだけの言い訳にしか聞こえませんでした」


 「言いたい事は分かりますよ。私も王族から傭兵にならなければ、分からなかった事は沢山あります。リヴィはともかく、私は自分で選ばなければ傭兵にはなれませんでしたし。上から見下ろすだけでは、世の中の半分も分からないと痛感します」


 「私だって、なりたくて傭兵になった訳じゃないんだけど? 結果的には自分からなった事に間違いは無いけどさ……。兄達に危険な事をさせる訳にはいかなかったのと、私の方が注目されやすいという理由からだね。とはいえ、私もリンデと変わらないよ。傭兵になってから分かった事は本当に多いんだ。世間を知っていると、兄達の言う事がバカバカしく聞こえる事はよくあったよ」


 「まあ、知らない者に想像しろというのも難しい事だ。ザラとエイルズは今日どうだったんだ? 魔力と闘気は大分増えてたから、リンデとリヴィについて行けた筈だが……」


 「そうですね、ついて行く事が出来る様にはなりました。ただ、増えた分の魔力と闘気が使い熟せていません。と言うより、アルメア様やシュライア様はこんな領域で戦っていたのかと思うと、今までの自分達は何だったのかと……」


 「本当にね。これほどの力をキチンと使い熟すって、そう簡単な事じゃないのは直ぐに分かったよ。いったいどれほどの努力をすれば使い熟せる様になるのかサッパリ分からないけど、これからも努力していくしかないと、ザラと新たに決意したよ」


 「2人とも思っているより真面目だったんだな。最初の出会いがアレ過ぎて、そういうイメージが持てなかったんだよな。それは横に置いといて、勘違いしてる様だから訂正しておくが、完全に力を使い熟せているのは俺だけだからな? 俺以外は今も努力中だ」


 「「「「「「うんうん」」」」」」



 ザラとエイルズは腑に落ちたのか、妙に納得した顔をしている。魔力と闘気が増えても、それを使い熟すのは簡単な事じゃない。


 特に身体強化の感覚はかなり異なってしまう。つまり増える毎に感覚を修正しなきゃいけなくなる。まあ、だからこそ最小の魔力と闘気を使って、身体強化の練習をさせるんだがな。


 その辺りは修正しながら理解するだろう。感覚の部分は他人がゴチャゴチャ言ったところで意味は無い。それよりも、何度も何度も繰り返させる方が重要だ。


 ダンジョンアタックを繰り返す事が2人にとっての良い練習となるだろう。皆も俺無しで戦う事が良い訓練になっているみたいだし。


 夕食後、部屋に戻り椅子に座ってゆっくりとする。温めた聖水を飲みながらボーっとしていると、ダナとシュラが風呂に入りたいと言ってきた。


 どうやら2人とも完全に気に入ったらしい。中庭に行き、残っている湯船の水を完全に浄化して綺麗にしたら、井戸から水を追加する。もう一度湯船の水を綺麗にしたら、ダナとシュラも浄化しておいた。


 湯船の水を【加熱】を使ってお湯にしたら、後は2人の好きにさせる。上空から水を降ろして井戸に水を補給したら、井戸を完全に浄化して部屋に戻った。


 全員が風呂に入ると水の消費が激しいからなぁ……やっぱり水の豊富な所でやるべきだ。王都の近くには川なんて無いし、地下水が豊富という訳でも無い。攻められ難く守り易い地形ではあるけど、それだけだ。


 元々この国の王都は、前の国の王都をそのまま使っているので仕方がないんだろうけど、今ならもうちょっと商業寄りの所に遷都しても良いんじゃないかと思う。


 まあ歴史というものもあって、反対の嵐だろうけどね。貴族とかってそういうトコ気にするからな。繁栄する場所の方が自分達にとっても旨味はあるだろうに、それよりも歴史が大事かね?。


 まあ、俺が庶民だからこその発想なのかもしれない。貴族には貴族の言い分とやらがあるんだろう、きっと。


 そんな事をウダウダ考えているとダナとシュラが戻ってきたので、今度は3人で入ってくる様に言う。風呂を大きくしているので、3人同時に入れる広さがある。そう言うと、メル、アルメア、ディルが風呂に行った。


 【空間把握】を使い、風呂のお湯の【浄化】と【加熱】は終わっているので、ゆっくりしてくると良い。そう言って送り出した。ダナとシュラの髪を乾かしているんだが、最早眠たくなってきたらしい。


 体が温まり、多少汗を掻き、体力も使うからだろう。良い気分で舟を漕いでいる。【念動】で倒れないようにしているが、髪を乾かし終わる前に寝てしまった様だ。


 2人を【念動】でベッドに運び、ゆっくりと寝かせる。終わって一息吐こうと椅子に座ると、3人が戻ってきた。3人の髪を乾かしながら、フォルと4匹に風呂に入ってくる様に言う。


 3人の髪を一斉に乾かしていると、やはり良い気分で舟を漕ぎ始めた。うつらうつらしていて良い気持ちなんだろうが、こっちは【念動】で倒れない様にしながら髪を持ち上げて隙間を作り、【加熱】と【微風】まで使ってるんだけど?。


 結構大変なんだが多分誰も分かってくれないと思う。精密制御の修行と思って諦めるか。……髪を乾かし終わる頃には眠っていたので、ベッドへと寝かせてゆっくりする。


 若干慌しかったが、フォルと4匹はゆっくりしている様だ。温めた聖水を飲みながらボーっとしていると帰ってきたので、フォルと3匹を乾かす。同じ様に眠そうにしているのは人間種も魔物も変わらないな。


 既に眠っているフォルと3匹を乾かし終わったら、【念動】で布団と定位置へと寝かせる。さーて、俺も風呂に入ろうっと。



 ▽▽▽▽▽


 0498終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨140枚

 大銀貨349枚

 銀貨226枚

 大銅貨186枚

 銅貨144枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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