0495
食堂に着いた俺達は、中に入り大銅貨18枚を支払って夕食を注文する。テーブル席の椅子に座って雑談をしている皆の横で、聖水をコップに入れてゆっくり飲む。今日は夕食も早いのかよ。
直ぐに来た夕食を食べながら、今日のダンジョン探索の愚痴っぽいものに相槌を打つ。面白い話も特になく、食事が終わったら宿に戻る。宿に着いたら、ラーファンさんに話を通して中庭を使う許可を貰った。
庭の少し右奥の方に、宿の側から見えない様に土の壁を作る。その土壁の向こう側に、縦2メートル、横2メートル、高さ80センチのバスタブを作り横に木ですのこも作った。
底の隅に排水用の穴を空け、木を【変形】し楔形にして中から栓をする。【水魔法】を使ってお風呂に水を入れたら、【加熱】を使って43度まで上げておく。どのみち冷えるから丁度良い温度になるだろう。
風呂の使い方をシュラにレクチャーし、後は勝手に入るように言う。何度か質問されたので答えたら、なにやら納得していた。
俺はその場を離れて井戸へと行き、空中の水分を強制的に井戸に落として使った分を補充しておいた。ついでに井戸の浄化と水の浄化もしておいたので、ラーファンさんに怒られる事は無いだろう。
皆も風呂に興味津々だったので交代で使うように言っておいた。その後、部屋に戻った俺は4匹にせがまれるままにリバーシで遊んでいる。
そういえば風呂のルールというか使い方だが、お湯はなるべく汚さないという事と【清潔】を使う事は言っておいた。裸になって、何度も【清潔】を使った後に流せば、それだけで十二分に綺麗になる。
髪も同じ方法で綺麗に出来る。リンスやコンディショナーは作れる気がしないので却下。それに髪は強靭なうえ艶も十分だしな。無理にケアすると、かえって悪くなりそうな気もするし、素人が手を出すのも危険だと思うんだ。
そんな事を、リバーシをしながら皆に話しているとシュラが戻ってきた。湯気が立つようにホカホカだが、髪が相当濡れてる。
仕方ないなと思いつつ、シュラを椅子に座らせて【加熱】と【微風】で髪を乾かしていく。俺であれば服なら【乾燥】できるが、髪は流石の俺でも無理だ。
【錬金術】や【練成術】は生きている相手には使えない。なので温風で乾かす必要がある。ダナとメルがいそいそと部屋を出て行ったが、どうやら風呂に入るらしい。
3人が1度に入れるくらいの方が良かったかな? まあ、それは明日だな。今日の夜中には邪生狩りに行かなきゃならないし。
ダナとメルが帰ってきたが、最後はお湯が温かったらしいので【空間把握】を使い再び43度程にしておいた。ついでにお湯を浄化して綺麗にしておいたら、今度はアルメアとディルが入りに行った。
俺はダナとメルの髪を乾かしているが、2人とも風呂が気に入ったらしい。
毎日入りたいと言っているが、ネックなのは水なんだよなー。ルーデル村なら川が近くに流れてるから大丈夫だけど、王都の立地じゃ水の無駄使いと言われかねない。
水は重いし場所をとるので運び辛いうえに、魔法を使って運ぶのも限度がある。この世界の魔法は元々在る物を使うのであって、無から有を作り出す奇跡じゃない。
【水魔法】を使えば水を”創り出せる”訳ではないので、この星の水の総量は決まっている。まあ、この星自体が地球より大きいらしく、水も地球より豊富だとは神様から聞いた。
ダンジョンから水を持ち出せば水の総量は増えるのかもしれないが、やる意味があるのかは分からない。
無理にそんな事をしなくても……っと、戻ってきた様だ。今度はアルメアとディルの髪を乾かしつつ、フォルに4匹を風呂に入れてきてほしいと頼んでおく。
2人の髪を乾かし終わったので、椅子に座ってゆっくりとする。部屋を見回すとシュラとダナとメルは既に寝ていた。風呂上りだったからなぁ……水は飲ませたから、多分大丈夫だろう。
アルメアとディルにも汗を掻いている事を説明し、水を飲ませておく。ゆったりしていると、2人も舟を漕ぎ始めた。
ちゃんとベッドで寝るように言うと、ウトウトしながらもベッドに潜り込み寝た様だ。丁度同じタイミングでフォルと4匹も帰ってきたので、フォルの髪を乾かしてやる。
4匹の水皿に冷たい水を入れてやると、風呂上りには美味しいんだろう、凄く喜んでいる。
フォルの髪を乾かしつつ、4匹にも【加熱】と【微風】の温風を当てていると、フォルも4匹も舟を漕ぎ始めた。お湯に浸かる事に慣れていないと、こうなるのは当然か。フォルを布団に寝かせ、4匹を【念動】で一纏めにしたら窓から部屋を出る。
隠密の4つの技を使っているので誰にも気付かれてはいない。王都を出て東へ移動しながら邪気を集める魔道具を使う。草原の時と同じ様に邪生が引き寄せられてくれれば良いんだが……。
そう思っていたら早速ダッシュボーアの邪生が現れたので浄化して始末する。幸先が良いなと思いながら、冷やして血抜きをしたらアイテムバッグに収納して進む。
東にあるイーストアルムの近くまで来たので、今度は北へと行く。王都の周りは環状線のようになっているので、ここを回って邪生を狩ろうと思っている。
ノースアルムまでにビッグディアーの邪生が1頭。ウエストアルム近くでフォレストウルフの邪生が1頭。サウスアルムの手前でオークの邪生が1体。イーストアルムへの途上でコボルトの邪生が1体。
十分過ぎる成果に満足しつつ王都の宿の部屋に戻り、そのまま直ぐに布団に入り目を閉じる。3時間か4時間ぐらい眠れれば良いんだけど……とりあえず、おやすみ。
<異世界202日目>
おはようございます。いつも通りの時間に目覚めましたが多少眠いです。とりあえず朝風呂に行こう。昨夜は邪生狩りの為に風呂には入れなかったしな。俺だけ朝風呂という贅沢を楽しもう。
隠密の4つの技を使って窓から部屋を出た俺は、中庭の風呂まで行く。まずは風呂と水を浄化して、足りない分は上空の水分を降ろした。
どこかの水分量が減るかもしれないが、大した量でもないので影響は無いだろう。【加熱】を使いお湯にしたら、体と服を完全に浄化して風呂に浸かる。
【浄化】の権能なら風呂に入る必要も無いので今まで気にしていなかったが、やっぱり風呂というか湯に浸かるのは良いな。
外で風呂に入るというのも悪くはないけど、外で入るなら温泉に入りたいもんだ。この辺りは火山も無いので探していないし、探す気も無いけどね。折角だから今の内に湯船を大きくしておくか。
縦横3メートルぐらいでいいだろう。それで3人が入れる筈だ。しかし、土を使いすぎたな。どっかから補充しないといけないが、どうするか……。
土の無い部分を1箇所に纏めて、排水を溜めておく穴にすればいいか。方針は決まったので作り変えていると、4匹が近くまでやってきた。どうやら俺が部屋にいないので、俺の所まで来たらしい。
3匹がジッと風呂を見ているので入る許可を出すと、4匹が一斉に風呂にダイブした。バシャっとお湯が飛び散ったので、ゆっくりと入るように叱っておく。
湯船を大きくしたので、もう1度上空から水分を降ろしてきたのだが、上空の水分って恐ろしく冷たいんだよ。流石に風呂に入れると4匹が五月蝿いと思ったので、途中で【加熱】して温めてから風呂に入れる。
湯船を大きくした所為で50センチも無かったが、溢れそうになるまで入ったので十分だろう。4匹が入ってる体積分入らないが仕方がない。
40度くらいまで上げると、3匹は嬉しそうにゆったりしている。湯船の縁に顎を乗せていたり、仰向けで浮かんでいたり、中心で沈んでいたりと好きな体勢で風呂を楽しんでいる。
ちなみに顎を乗せているのはカエデとマートル、浮かんでいるのはダリアで、沈んで微動だにしないのがフヨウだ。若干見づらいが、確かに中心に沈んでいるのが見える。
流石に長時間は危険なので4匹を風呂から出して乾かす。フヨウは付いている水分を吸収すれば済むので便利だ。3匹は持っていた布で拭いてやったら、後はブルブル体を振って飛ばしてしまった。
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0495終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨140枚
大銀貨258枚
銀貨226枚
大銅貨220枚
銅貨144枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




