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0492




 「騎士どもが金儲けを優先する所為で、魔物の素材や肉などの値が下がっていましてな。その所為で傭兵ギルドからクレームが入ったのですよ。買い取り価格が下がり過ぎると傭兵が生活出来なくなると言われては、こちらもダンジョン禁止を通達せねばならなくなります」


 「普通ならそれで終わりなんです。ですが、傭兵ギルドからも騎士が転移紋へのルート上の魔物を倒してくれるのは助かっていると言われまして……。そこで、1日に入れる人数を減らす事になりました。簡単に言うと、各騎士団ごとに交代制とする事にしたんです」


 「結局2人は何が言いたいんだ? 何か言いたい事があるんだろ?」


 「ええ。その事もありましてな、明日からはダンジョン前で仕事をお願いしたいのです。ダンジョンの周りに色々な店があるのは知っていると思いますが、その内の1軒を傭兵ギルドから借りてきました。勝手ではありますが、明日からはそこでお願いします」


 「俺としてはどっちでも良いんだが、あの鍛冶師兄妹がどうするのかと、記録を取る文官は派遣されるのかを聞きたい」


 「ソリッサ工房も移る事になります。それと……何故か私が記録を取るように言われましたので、明日からは私です」


 「あ~~……そりゃ、ご愁傷様です。まぁ、あの文官も他の仕事ばっかりしてたしな。文官を無駄なところで使ってもしょうがないんだ、記録取るぐらい馬鹿でも出来るだろって事だな」



 物凄く納得できない顔をしているが、俺達と顔見知りであるというだけで選ばれてる気がする。それを言うと愚痴を零してきそうな気がするので、いちいち言わないけど。


 昼食後、仕事場に戻り鍛冶師兄妹に明日から移動になる話をすると、既に知っていたらしい。


 向こうだと簡易炉じゃなくて、ちゃんとした炉があるので仕事がしやすくなると喜んでいる。俺は何処でも良いが、天幕があるだけよりも建物の方が良いのは当たり前だ。


 昼からも再びボーっとしていると疎らに客が来たがハッキリ言って少ない。結局、夕方になるまでに俺が武器を作った客は3人だった。昨日よりは多いけど、それでも客が少なすぎる。仕方がないと諦めるか……。


 ダリアと共に、夕暮れの町をゆっくり歩いて帰る。卵などをアイテムバッグに入れたままだが、浄化しているうえに凍らないギリギリの温度で収納したので腐ってはいないだろう。


 食べ物は冷却保存しているので問題ないとは思うが、何処かで料理して減らさないとなー。


 宿に戻るとラーファンさんから「皆さん食堂でお待ちだそうです」と言われたので、直ぐに食堂へと移動する。皆が居るテーブルに近付き注文したか聞くと、俺が来るまで待っていたそうだ。


 なので、大銅貨18枚を支払い夕食を注文したら、素早く席に戻る。すると、直ぐに夕食が運ばれてきたので、会話よりも食べる事を優先する羽目に。雑談は宿の部屋でするか。


 夕食後、部屋に戻ってゆっくりとするべく、聖水を温めてコップに入れているとペシペシされた。ミードだというのは直ぐに分かったので、4匹の水皿に入れてやると少しずつ飲み始めた様だ。



 「今日はどうだったんだい? 昨日は客が少なかったって言ってたけど、今日はそれなりに居たんだろう?」


 「昨日よりは多いけど、たった6人しかいなかったよ。それと、明日からダンジョン前の建物で仕事をする事になったから」


 「……何かあったのですか? 近衛の本部に呼んでおきながら、今度は別の場所でやれというのはどうなのでしょうね?」


 「距離の問題じゃないかしら? ダンジョン近くの土地を持っているのは傭兵ギルドよ。小さな土地とはいえ、多くの者が行き交う場所を国じゃない組織が押さえているもの。国でもなかなか口を出せないわ」


 「何でも、騎士の数が多過ぎて買い取り価格が下がっているらしい。それで、騎士の数を減らすというギルドの要望を聞く代わりに、騎士団が鍛冶の出来る建物を借りたみたいだな」


 「成る程。確かに浅い層では騎士が多かったからね。13層以降では騎士の姿を見る事は無かったから、それなりに進めているというべきなのかな? とはいえ、傭兵でも15層以降は全く見ないから、実力に大した違いはないのかもしれない」


 「身体強化がある程度出来る騎士と、ダンジョンを良く知っている傭兵か……。どのみち私達にとってはどうでもいいな。明日からは20層でミノタウロスとケンタウロス狩りだ」


 「ミノタウロスもケンタウロスも、お肉はそれなりに美味しいからね。1体持って帰って来て、アルドに干し肉にしてもらおうかな? お酒飲む時に良さそうだし」


 「別に構わないが、それなら普通に美味い奴を道中で1体狩って行けば良いんじゃないか? 1体だけならそんなに手間でも無いだろうし」



 俺の意見を聞いた皆は、どの層の魔物で干し肉を作ってもらうかの話し合いを始めた。酒を飲みながらなので、何とも言えないグダグダ感のある話し合いだが、食べたい肉がそれぞれにあるらしい。まあ、好みはあるしな。


 豚系や牛系ならそれなりに美味しいんだろうけど、脂身の少ない肉は美味しくなるんだろうか? 面倒なんで狩っていない鳥系の魔物とか、山羊系や羊系の肉の干し肉って聞いた事が無いんだよな。


 水分を抜けば良いだけだと言いたいが、それで美味しいかは別だしなぁ。魚介の干物の方が美味しいかもしれない。


 そんな事を考えながらも手を抜かずにブラッシングしていると、3匹は限界だったらしく直ぐに眠ってしまった。


 いつも通り【念動】で移動させた後、皆を【房中術】のみで満足させた。横になって目を瞑り部屋と皆を浄化した後、ジャン達の部屋とリンデ達の部屋を確認する。


 2部屋とも起きているのでさっさと寝るか。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界201日目>



 おはようございます。今日はダンジョン前の建物で仕事をする日です。どの建物かは分からないが、適当に聞いて歩けば分かるだろう。


 それよりも、来る人数が少な過ぎて無駄な時間を過ごしている気にならなくもない。そもそも魔物の素材に抵抗があるのかもしれないし、武器強化もそこまで望んで無いのかもな。


 とはいえ、鉄製の武器と比べれば優秀な素材も沢山あるんだが、優秀な素材だと武器強化無しで鉄を斬り裂けるのに……勿体ない。


 売って金が欲しいというのは分かるが、鉄が斬れる武器を持っていれば武功をあげる事もできるだろうに。目の前の金に目が眩んでるのかね?。



 「おはよう。ダリア、カエデ、マートル、フヨウ」


 「ニャア」 「ガル」 「ワン」 「………」



 4匹の水皿を出して、温めた聖水を入れてやる。ゆっくりと飲む3匹を横目に見ながら、俺も気を抜いてボーっとする事にした。


 フヨウは吸い上げた後、直ぐに首に巻きついて来たが、3匹は飲むのに時間が掛かる。ゆっくりしていればいいのに、飲み終わった3匹は俺を床に下ろして甘えてきている。


 甘えるのは構わないんだが、3匹が一斉に圧し掛かるのは止めてくれ。流石の俺でもいきなり来たら倒れるから。倒れた俺に甘えてきてるので、むしろ倒す気だったんだなぁ。


 まあ良いんだけど。何が楽しいんだが分からないが、3匹は楽しそうだ。とはいえ、すまんが座らせてくれ。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャ」 「グル」 「ワン」 「………」


 「4匹とも朝から甘えてるのかい? それとも寒くなってきたからくっ付いているのかい? まぁ毛が変わってないから、まだ寒くはないんだろうけどね」


 「これからの季節は憂鬱ですよ。熊のきぐるみは貰っていますけど、アレを街中で着る訳にもいきませんからね。暖かくなる服とかありませんか?」


 「風を通さない様に密着させた服とか、後はコート類ぐらいしかないんじゃないか? ダウンジャケットとかもあるんだろうけど、暖かさはきぐるみが1番だからなぁ……」


 「まあ、そうでしょうね。あの猛吹雪の中や、氷原でも耐えられるんだから凄いわ。あれ以上となると、流石に難しいと言わざるを得ないんじゃないかしら。難しいを通り越して、無茶なのかも……」


 「全身が温かいし、冷たい空気に晒されずに済むからね。あれ以上に暖かい服というのは流石に聞いた事は無いよ。後は魔道具を作ってもらうくらいじゃないかな?」



 温める魔道具ねぇ……。



 ▽▽▽▽▽


 0492終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨140枚

 大銀貨257枚

 銀貨228枚

 大銅貨256枚

 銅貨144枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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