0491
<異世界200日目>
おはようございます。今日も近衛の本部に行き、客を待つ仕事です。これって、いつになったら終わるんだろうな?。
ある程度の人員に行き渡るまでって言われているが、このままのペースだといつまで経っても終わらない気がするんだよな。
起き上がって椅子に座り聖水の白湯をコップに入れる。飲みながらボーっとしていると、小さな音がする。【空間把握】で調べると小雨が降っていた。
今日はどうするんだろう? 雨の日は流石に中止かもしれないけど、1度は近衛の本部に行ってみる必要があるな。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル、フヨウ」
「ニャー」 「グル」 「ワン」 「………」
4匹にも聖水の白湯を出して、再び考える。今日が雨でも皆はダンジョンには行きそうだが、俺はどうするかな……。
1人でダンジョン攻略をしても良いし、ダンジョン内の海の層に海産物を獲りに行っても良い。まあ、雨が降っても休みじゃない場合もあるので確認してからだが。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ」 「ガゥ」 「ウォフ」 「………」
「今日もダンジョン攻略だけど、どこまで攻略しようか? 18層ぐらいでお金稼ぎが出来ると良いんだけど、難しいかね? 20層を越えると大変だから勘弁してほしいんだけど、どうなるのやら……」
「流石にそこまでは分かりませんね。上手くいけば稼げる層が早めに登場するでしょうが、あまり早いと私達以外の傭兵もそれなりに居そうですし……取り合いは面倒ですから、結局先に進む羽目になりそうですけどね」
「とりあえず、今日は本腰を入れて12層から先を攻略するべきだ。その過程で稼げる層が見つかるかもしれない。どのみち、ある程度は進まないと稼げる場所なんて無いのだから、進むのが先だよ」
アルメアが話を纏めて、俺達は部屋を出る。皆が起きた段階で【覚醒】を使ってジャン達とリンデ達を起こしているので、後は待つだけだ。直ぐに部屋を出てきた2組と合流し、食堂へ行き大銅貨18枚を支払って朝食を注文する。
意外に早く運ばれてきたので直ぐに食事を始める事になった。若干急かされてる感じがして嫌だなぁ……。朝食後、小雨は続いていたが食堂前で皆と別れる。
俺は今日のお供であるダリアを抱き上げ、一気に貴族街の門まで走っていき許可証を見せて通過する。王城への門も通過し、近衛の本部に着いたら直ぐに建物の中に入る。【乾燥】を使って衣服を乾かしたら、食堂に行って少し休憩する事にした。
食堂に着くと、何故か鍛冶師兄妹が居て食事をしているぞ? 都合良く今日の予定を聞ける相手が居たので聞いてみると、今日も普通に仕事らしい。
確かに俺達の居た場所は天幕の様な物が付いてたけども、小雨の中でも炉に火を入れるのか? 危険だと思うんだが……。
そう思って聞いてみると、雨が強くなると炉の火を落として食堂で仕事をするらしい。でも、今日の様な小雨だと普通に仕事が出来るので、このまま訓練場に行くつもりみたいだ。
バルナーとそんな話をしている最中に、ウェルナとセルナはダリアと遊んでいた。……君たち、自由だね。
昨日と同じ、テーブルと椅子のある臨時の仕事場に到着した俺は、早速椅子に座ってボーっとする。天幕があるので濡れていないからか、ダリアもテーブルの上に横になり目を瞑っている。
眠る訳では無いのだろうが、起きている気も無いらしい。そんなダリアを見ながらボーっとする俺……何か駄目人間みたいだな。
姿勢を正して座っていると、騎士が2人やってきた。2人とも剣の修理に来たらしく、バルナーに渡した後、ウェルナとセルナをナンパしている。
よくある事なんだろう、2人は笑顔で流して終わりだったが手馴れているなぁ。ダリアとリバーシをしながら聞いていたが、しつこい程では無かったので助ける必要は無かった。
その後も、ダリアと遊んだりしながら過ごしていると、若い少年の様な騎士と女性騎士がやってきた。女性騎士の方は30代半ばくらいの年に見えるので、若い騎士の教育中だろうか?。
「ここで武器を作ってもらえると聞いたのだが……貴殿が王太子殿下が仰られていた錬金士か?」
「錬金士ではないな、ただの傭兵だよ。【錬金魔法】も【練成魔法】も使えるがね。それで、素材と作らせたい武器は?」
「僕の武器をお願いしたいんだけど、見て分かる通り僕の体は小さい。だからこの体に合う武器が欲しいんだ。そんな武器はあるかな?」
身長で言うと150センチに届くかどうかというところだ。ちなみに女性騎士の方は180センチを越える身長をしている。
それはともかくとして、持って来た素材はレッドパンサーの牙と爪と骨だった。少年騎士の力と素早さを調べ、更に器用さなども調べた結果、大脇差に決まった。
打刀でも良かったんだが、身長の問題があり大脇差となった。もともとショートソードを両手で持って戦っていたらしく、短めの得物を両手で持つ事に違和感を持ってなかったので選んだ。
大脇差も何度も作っているのでパパッと作ってしまい、今は試しに振らせて調整している。
「いやー……凄いね、この剣! 何と言うか、凄く斬れそうな気配が漂ってるんだ。こう……スパッと斬り裂いてしまいそうな、それでいて上手く使わないと自分も斬りそうな怖さがある。こんな剣は初めてだよ、ありがとう!!」
「ありがとうございました」
「それが仕事だからなぁ……。まあ、気に入ってくれたようで何よりだ」
少年騎士は大銀貨1枚を払った後、大変嬉しそうな顔で去っていった。その後ろを自分の事の様に喜んでいる女性騎士がついて行く、そんな2人を見送って俺はまた暇そうにボーっとし始めた。
「凄かったですね? 流石は近衛の凸凹夫婦です。年上なのに少年の様にしか見えませんでしたが、あれで52歳だって言うんですから驚きですよ、本当に。小人族ってああいう背丈らしいとは聞いてましたけど……」
「ああ……あの少年は小人族だったのか。何故か背が伸びない不思議な種族がアレかぁ。非常に器用だけど、代わりに長寿で小さいっていう妙な種族。俺も聞いた事はあったけど、見たのは初めてだ。確か200年近く生きるんだっけ?」
「妙な種族って……。ええ、確か寿命は200年ぐらいだったと思います。良いですよねー、寿命が長いって。私達みたいな短命種には羨ましさしかありませんよ。ところで、アルドさんって種族はなんですか?」
「俺? 俺は人間だよ。ただし、不老長寿の人間だけどね」
「「「えっ!?」」」
驚き過ぎて固まってるぞ、鍛冶師兄妹。それはそれとして、さっきの少年騎士と女性騎士は夫婦だったのか。女性の方は獣耳があったので獣人族なんだろう。
寿命が100年無い種族と200年近く生きる種族の夫婦か……まあ何も言うまい、夫婦で覚悟を決めてるんだろうしな。
おっと、また客が来たぞ。早く仕事しろよ鍛冶師兄妹、修理だぞ? ようやく再起動したか。不老長寿で驚いたのか、人間の不老長寿だから驚いたのかどっちだ?。
……気にしなくていいか。気にする必要のある事だったら、ウチの女性陣が前もって教えてくれてる筈だし。
その後、2人の客に武器を作ったところで昼になった。食堂に行き大銅貨2枚を支払って昼食を注文する。テーブル席に2人前を持っていき、ダリアと並んで食べようか。
既にダリアは食べており、俺も食べ始めようと思ったら、目の前にライブルとオルニアが座った。……もしかして、何か用事か?。
「長々と喋る時間もありませんので単刀直入に伺いますが、騎士どもはアルド殿のところへ行っておりますか?」
「うん? 何でそんな事を聞くのか分からないが、4人に作ったな。ただ、王太子とライブルを入れれば6人だが。それがどうかしたのか?」
「やっぱり……実はですね、周知したにも関わらず、大半の者はお金儲けの為に素材を全て売っているらしいんです」
そりゃ、金儲けが出来るならするだろうよ。
▽▽▽▽▽
0491終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨140枚
大銀貨254枚
銀貨228枚
大銅貨274枚
銅貨144枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




