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 食堂での昼食後、再び仕事場に戻ってきて椅子に座る。客が来ないのでフヨウとリバーシをして暇を潰す。


 そうしていると客が来たんだが、近衛の女性騎士2人だった。スマッシュボーアの牙を持って来ているので優秀だとは思うんだが……もう1人! お前さんオルニアじゃないか、第二騎士団の。



 「で、お客さんはスマッシュボーアの牙で何が作って欲しいんだ? 盾持ちって事は片手武器だろうから、片手剣か? それとも片手斧か? 短槍の可能性もあるか」


 「いえ、私はメイスでお願いしたい。盾で防ぐか弾いてから攻撃するのが基本なんだが、盾に集中すると攻撃にまで集中出来ないのだ。相手の固い部分に当ててしまう事もあり、それでも壊れ無い耐久力の武器が欲しい」


 「了解、了解。メイスはどんなタイプが良い? 棍棒タイプか、それとも球が付いたタイプか、もしくはフランジが付いたタイプか」



 その女性騎士はそこまで知らなかった様で、オルニアから耐久力の高い武器があるとしか聞いていなかったらしい。せめてある程度は説明しておけよ! そう思いながらも話しを詰めていき、最終的に球が付いただけのタイプに決まった。


 このタイプに棘が付けばモーニングスターとなるが、棘が邪魔な場合もあるので使う人によって分かれる武器だ。


 まあ、棘が無い方が持ち運びに便利なんだよな。それに、球形のタイプは余計な事を考えないで済む。棘が複数当たると分散するんで、球のみの方がメイスとしての威力は高い。少し角度がズレても球形なので問題ないのも良いポイントだ。


 そんな事を考えている間に、護拳も付いた一体成形の球形メイスが完成した。十分に【圧縮】してから【変形】させたので、相当高い耐久力になっている筈だ。


 80センチの柄の先に直径12センチの球が付いている形で、握りには護拳が付いていて殴れる仕様にしてある。つまり、護拳というよりナックルダスターに近いのを付けておいた。


 女性騎士は盾を構えてメイスを振りながら、時折ナックルダスターの様に仮想敵を殴る姿も見せている。どうやら気に入ったらしい。その後、幾つか調節を済ませたら大銀貨1枚を払って帰っていった。


 調節の最中オルニアに話を聞いたら、作ってやった剣は特に問題ないらしい。修理の必要も無いそうで、お気に入りなんだそうだ。良かったなー。


 女性騎士の後には数人来たが、いずれも修理や手直しばかりで新規に武器を作りに来た者は居なかった。近くに近衛の文官は居るんだが、何度も欠伸をしながら別の仕事をしていた。ここまで客が少ないと仕方ないわな。


 結局、今日作ったのは一個だけで夕方が来てしまった。なので、今日のお勤めはここで終わりとなる。今日は殆ど1日座ってただけだったな。これで、いいのかね?。


 帰ろうと立ち上がったら、フヨウが近付いてきて首筋に巻き付いてきた。あれだけ早く動ける癖に未だに首が定位置なんだな。ま、いいけどさ。


 アイテムバッグに荷物を全て詰め、王城への門と貴族街の門を抜けて宿へと戻る。部屋に戻っても誰も居なかったので、まだ帰ってきていないらしい。


 フヨウと2人、ゆっくりと温めた聖水を飲みながら過ごしていると、部屋の扉が勢いよく開けられた。



 「ただいま! ちょっと帰ってくるのが遅くなっちゃったよ。面倒なアホどもが絡んで来なかったら、もっと早く帰ってこれたんだけどねぇ」


 「あのバカな傭兵どもは何なんでしょうね? 解体所で売ってる際に横から来て自分達に売れとかホザいてましたよ。何処の誰だか知りませんが、私達をナメてるんですかね?」


 「余程腹立たしかったんだなー。おっと、ダリアもお帰り。話したい事は色々あるけど、ジャン達やリンデ達も帰ってきたみたいだし、まずは食堂に行こうか」



 部屋を出て皆と合流し、食堂へと行く。4匹は別々だったからか、お互いにじゃれ合ってスキンシップをとっているみたいだ。


 実は今日、俺にはフヨウが、ダナ達にはダリアが、ジャン達にはカエデが、リンデ達にはマートルが付いていた。主にジャン達とリンデ達が危険な目に遭わない様に、護衛として付けておいたんだ。


 食堂に行き、大銅貨18枚を支払って夕食を注文したら適当な席に座る。そこからは怒涛のマシンガントークだった。総勢12名の女性が居る訳で、マシンガントークになるのも当たり前としか言えない。


 何とかマシンガンを逸らし回避し続けた俺とジャンは、楽しい食事にも係わらず疲労困憊になっている。


 夕食後、部屋に戻った俺は改めてゆっくりする事にした。マシンガントークは凄まじかったが、女性陣の話だとダンジョンで苦労したところは特に無かったらしい。それに、簡単に食べられる物を買って行ったが、それが大正解だったみたいだ。


 俺の様にダンジョン内で料理をする事はリスクが高かったらしく、少し試したものの直ぐに止めてしまったらしい。理由は解体に時間が掛かる事と、料理道具などを碌に持っていないからだ。


 元々ダンジョン内で料理する者など殆どおらず、精々持ち込んだ物を焚き火で温めたりするぐらいなんだそうだ。


 当たり前に料理を作っている俺がおかしいと言われた。とはいえ全く無い訳じゃないんだから、料理しても悪い訳じゃない。


 ただ、現地調達した肉だって直ぐに食べられないし、大抵の傭兵はダンジョンに入ってある程度獲物を狩ったら売りに帰る。それを繰り返している最中に、何処かで昼食を食べるので料理をしない。


 そもそもアイテムバッグが無いとダンジョンの中に長時間居る事は出来ず、獲物が溜まったら持って帰らなければならない。料理自体、長時間ダンジョンに居る者の発想だという事になる。だからこそ滅多に居ないという訳だ。


 とはいえダンジョン攻略を行っている者達は料理をするので、変な目で見られる事は無い。



 「今日はゆっくりと色々な層で戦ってみたのさ。どこで戦うのが良いか、どこなら儲かりそうかを1つ1つ吟味していたら結構時間が掛かってねぇ。結局12層まで行って帰ってきたんだよ」


 「12層程度なら然程時間を掛けずに進めるのですが、儲かる魔物はこの程度の層では居ませんね。アルドが居ないので、どうしても転移紋を見つけるのに時間が掛かかってしまうんです。アルドの方も時間が掛かりそうなので、ゆっくり進む事にしますよ」


 「そうね。今日もゆっくりと進んでいたけど特に問題になる事は無かったし、賊の様な連中も見なかったし気配も無かったわ。明日からは分からないけれど、私達なら返り討ちに出来るから問題ないわね」


 「まあ、軽く考えるのは危険だけどね。主様の索敵が無いという事は念頭に置いて行動する必要はあるよ。私も心配はしていないけど、どの層で戦うかの心配はしているんだ。今のところ、儲かりそうな気配は無いからね」


 「私達が出した獲物も大した事はなかった筈だが、声を掛けてきた奴等はしつこかったな。アレはどちらかと言えば、私達のアイテムバッグが目当てだったのだろうが」


 「そうだと思うよ。チラチラとアイテムバッグを見ていたしね。街中で襲い掛かってくるなら返り討ちにするんだけど、必死の勧誘だったから手を出す訳にもいかなかったし。本当に面倒臭い連中だったよ」


 「ふーん、こっちはひたすら暇だったな。客は何回か来たが武器の修理が殆どでな、1度だけ客に武器を作ったがオルニアと一緒に来た女性騎士だった。メイスを作ったんだが……それ以外は王太子とライブルに作っただけだな」



 そんな話をしながら、食後の3匹に強請られてブラッシングをしている。ディルとフォルもしているので3匹とも良い気分の様だ。


 警戒なんかもしていて疲れたのか、3匹は既に舟を漕いでいる。フヨウは暇だったからか元気があるが、3匹が寝ると大人しくしていてくれる。


 3匹が眠ったので【念動】でスライド移動をさせ、皆を【房中術】と【喜昇】で撃沈した。布団に横になり目を瞑ると、【空間把握】を使って2部屋を確認しておく。


 すでに両方とも眠っていたので部屋と人を浄化したら、自分達の部屋と人も浄化して綺麗にする。


 さて、ようやく眠れるな。それじゃあ、おやすみなさい。



 ▽▽▽▽▽


 0490終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨140枚

 大銀貨251枚

 銀貨228枚

 大銅貨294枚

 銅貨144枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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