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0488




 訓練場に着いた俺は、他の鍛冶師の直ぐ近くに用意してあったテーブルの後ろの椅子に腰掛けた。【錬金魔法】や【練成魔法】を使う以上は必要な物が特に無いので、椅子とテーブルだけで特に問題は無い。


 早速テーブルの上にフヨウが乗り、何やらジェスチャーをしてくるが、どうやらリバーシの事らしい。仕方がないのでテーブルの上に出してやると、俺と対戦したいらしいので始めた。まあ、客が居なくて暇だから良いけどな。


 そうしていると、客の居ない他の鍛冶師も近寄ってきて話しかけてきた。簡易炉を使っているのがバルナーで、武器の細工や装飾をするのがウェルナとセルナだそうだ。全員が人間族なんだが、それ以前に兄妹らしい。


 ソリッサ鍛冶工房という店をやっていて、親父さんが現役で働いているらしく、腕を認められてココに居るそうだ。


 それを言われても、優秀かどうかなんて知らないしな。バルナーはともかくウェルナとセルナは話を完全無視して、フヨウとリバーシをしている。


 どうもフヨウさんは一切手加減をする気が無いらしく、2人をフルボッコにしている様だ。交代しながらやっているが、2人とも全く歯が立たないようで途中から諦めている。


 最後まで諦めなければ逆転できるゲームだと教えたら、急にやる気が復活したんだが……それもどうなんだ?。


 そうこうしていると客が来ていたらしく、1人の騎士に声を掛けられた。流石に客を待たせるのは悪いので、フヨウと対戦しているセルナは放っておいて客の注文を聞いてみる。



 「これって何の素材なんだ? 見た事の無い物だし触った感じも知らないな……」


 「それはビッグボアの歯と骨です。3層の辺りで出てきたので、この大きさなら武器に出来るんじゃないかと……」


 「大きさよりも、これの質で武器を作るのか? 作っても良いが大した質の武器にはならないぞ? ちょっと魔力を流しただけで質の悪さが分かるくらいには酷いんだが」


 「えっ!? そんなに質が悪いんですか?」


 「ああ、これは流石に無い。俺だって武器にするのはイエローボアやレッドパンサーが最低ラインだ。ダンジョンならサイクロプスの骨ぐらいなら武器に使った事はあるが……そうだな、最低でもスマッシュボーアの牙ぐらいにした方が良い」


 「「「「スマッシュボーア……」」」」



 騎士はともかく、何でお前ら鍛冶兄妹まで驚いてるんだよ。


 青銅や鉄と違って、魔物の素材は魔力や闘気に対する耐久力が優秀なんだ。とはいえ、弱い魔物だとその耐久力も大した事は無い。だからこそ、弱い魔物の素材を使う意味は無いんだ。


 説明すると騎士も鍛冶兄妹も理解したのか頷いている。この素材でどうしても武器が欲しいなら、棍棒か杖ぐらいにしておいた方がいい。剣や槍にすると簡単に壊れてしまうだろう。そう言うと、騎士は素材を売ってくると言って歩いていった。


 悪い事をしたかと思うが、どうも騎士個人のお金で作るらしいので無駄な物を作らない方が良いと思うんだがなぁ……。


 そう言うと、鍛冶兄妹はウンウンと頷いていた。無駄金出させて質の悪い物を作って売るのは、流石にちょっと遠慮したい。


 そんな話をしていると新しい客がやってきた。その騎士は使っている鉄の剣の修理にやってきたらしい。


 バルナーが受け取ってバラした後、刀身を簡易炉で熱している。どうやら歪んでいたらしく熱して叩いて直すらしい。本職の鍛冶仕事を見るのは初めてなので楽しみだ。


 ガルドルさんの鍛冶仕事って見た事が無いんだよなぁ。……あったかな? 覚えてないな。なら無いって事にしとこう、記憶に無いんだし。


 おぉー、カンカン叩いて直してる。想像する鍛冶仕事そのものだなぁ……歪みを調節しながらカンカン叩いて直していく。その後、研いで剣に組み立てたら完成。


 騎士は修理代を払って去って行った。どうやら、またダンジョンに行ってくるみたいだ。鍛冶兄妹から聞いたところ、近衛の人員で見回りや護衛以外のメンツは、全員ダンジョンに行っているらしい。


 近衛騎士が傭兵みたいな事してるのかよ、と思ってしまうがクレームはあまり無いそうだ。


 何でも騎士が傭兵と一緒に戦ってたりするらしく、助けられたり魔物が少なくて助かるらしい。多過ぎても少なすぎても困るが、先に進む為のルート上の魔物は減っているので非常にありがたいみたいだ。


 それに傭兵は魔物の取り合いに慣れているとも言えるので、表立って文句を言う者はいないらしい。



 「それでも、傭兵には血の気の多い奴はいっぱい居るだろうからなぁ……余計な揉め事になってるんじゃないの?」


 「それが、そうでもないみたいだぞ? 騎士に喧嘩売った奴はいるらしいけど、その殆どはぶっ飛ばされたらしい。流石に鍛え方が足りない奴は負けたらしいけど、それ以外は勝ってるらしいから揉め事は殆ど無いみたいだ」


 「近衛の騎士さん達もお金儲けが出来る今はありがたいらしいし、揉め事起こして取り止めにされても困るみたいよ。今までと違って、頑張れば小金持ちくらいには成れるかもしれないって思ってるんだって」


 「それはそれで、どうなんだ? 近衛騎士っていう名誉を手に入れてるんだから、それで満足してれば良い気はするんだがな。金まで欲しいのか? って思わなくはない。自由になったからこその傭兵であり、危険の裏返しの報酬の筈なんだが……」


 「あー……それな、騎士でも重傷を負ったりしてる者も居るらしい。俺が聞いた話じゃあ、森で奇襲されたとか、山で見えない位置から攻撃されたとか、体当たりで吹っ飛ばされたとか。色々ダンジョンの洗礼も受けてるみたいだぞ」


 「奇襲をされると、流石に近衛の方達でも難しいそうよ。中には大怪我を負って、近衛を止めなきゃいけなくなった方もいるんだって。何でも近衛の文官になるらしいから、お仕事はあるみたいだけど」


 「まあ、近衛といえども騎士だけじゃないだろうからなぁ、仕事内容は。調整とかしなきゃならない事は山ほどあるだろうし、戦ってりゃ済むワケ無いか……騎士さん達も大変だ。俺は鍛冶師だから気楽で助かる」


 「そのかわり、自分の腕やら何やらで繁盛するかどうかが決まるんだろう? それもそれで大変だと思うけどね。俺なんて傭兵を含めて色んな事してるから、それなりに金は持ってるしゆっくり暮らせるからなぁ……俺の方が気楽かもな」


 「はははははは! そりゃ、羨ましい!」



 別に冗談でも何でも無く、ただの鍛冶師に比べりゃ金持ってるし裕福なのは多分間違い無いと思うぞ。


 それにしても客が来なくて暇だな。フヨウもテーブルの上でアメーバみたいになってる。余程暇なのかリラックス状態にまでなってるとは……気を抜きすぎだろうに。


 そう思っていたら客が来たよ、王太子とライブルって客が。……何でお前さん達が来たんだ? そもそも暇なんて無い地位と身分だろう。そんなホイホイ王城抜け出して大丈夫か? この国。



 「やあ、久しぶりだね。長々とした前置きをしたりはしないから安心してほしい。実は妹に聞いたのだが、良質な魔鉄を持っていると聞いてね。それを私とライブルに売ってほしいのと、その魔鉄で武器を作ってほしい」


 「お久しぶりです。実は前に王太子殿下にと作って貰った剣とは別の剣を2振りお願いしたいのです。槍に関しては元々の規格がありますし、メイスに関しては前に教えて貰ってますから問題ありませぬ。なら後は剣という事になりましてな」


 「特に剣は近衛でも採用されている様に、武器としてはありふれた物だ。他国でも武器と言えば剣と言われる程だからね。だからこそ我が国としても、他国の剣を上回りたいんだ。その為に君にお願いしたい。ちゃんと報酬も用意しているし依頼にさせてもらう」


 「まぁ……そこはいいんだが、この剣じゃ駄目なのか?」



 そう言って俺が取り出したのは、マナリアのロングソードだ。特殊な物じゃなくて極めてスタンダードな剣だが、マナリア使ってるしこれ売っても良いんだよな。ああ、それと大太刀も出しておくか。


 何か鍛冶師兄妹が固まってるな。



 ▽▽▽▽▽


 0488終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨140枚

 大銀貨248枚

 銀貨228枚

 大銅貨314枚

 銅貨144枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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