0487
<異世界199日目>
おはようございます。今日は近衛の本部に行って魔物素材を扱うお仕事です。よく考えたらこの仕事はいつまでやるんだろうな? そこら辺も聞いておいた方が良いか。まずは起き上がる前に、いつもの浄化をしておいて……と。
椅子に座ってゆっくりとしながら聖水の白湯を飲む。麦茶を作ろうかとも思うが、これから冬だしなぁ。
麦茶は体温を下げる効果があるから、夏場は良いんだが冬場に飲むのは止めといた方が良いな。代わりと言っても何も思いつかないし困ったもんだ。
そういえば魔物産の牛乳とかはあるんだし、それを飲んでも良いかな。他には……俺ってハーブ系は興味が無かったから本当に駄目なんだよ。チャノキがあったら緑茶を飲むんだが、この辺りの国々には全く無かったし……。
影も形も無いとはまさにこの事だ、と言わんばかりに見つからない。米もそうだが、日本に関わりのある食材が少ない所為で、知っている料理が碌に作れないんだよ。
そもそも料理の<さ・し・す・せ・そ>の内、在るのは砂糖と塩だけだ。まともな酢ですら無い。
ワインビネガーという酢が在る筈なんだが、この辺りでは腐った物と判断されて捨てられているのかもしれない。そのうえ、俺自身がワインビネガーを使った事が無いので、どんな料理に合うのかも分からない。
知らない物を適当に使うのは流石に怖いんで、ワインビネガーは【錬金術】で作れるだろうけど作っていない。料理漫画なんかで、ワインビネガーは米酢と違って独特な癖があるって読んだ事があるのも、二の足を踏む理由だ。
そもそも米酢は米と麹が必要だし、醤油と味噌は麹が必要なのは知ってるんだが、麹ってそもそも何? と言われたら、菌としか答えられない。そんな程度の知識しか無いんだよ。
米麹というのは知ってるが、じゃあ別の麹があるのか? となると全く分からないんで、どうしようもない。
米麹というのは収穫した米というか籾にくっ付いてるらしいんだが、漫画とかで見た程度しか知らないので、それがどういうものかという知識が碌に無いんだよなぁ……。
【錬金術】や【練成術】が使えても、知識が無ければ豊かな食生活にはならない。料理とか食べ物って本当に大変だよ。
今の所は自分で魚醤を作ったりしてみるぐらいかね? まあ、色々してたら何か思い出すか、思いつくだろ。それぐらい適当で丁度良いと思っておこう。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル、フヨウ」
「ニャ」 「ガゥ」 「ワン」 「………」
昨日、飲み残していた水皿の水を捨てて浄化し、新たに聖水の白湯を入れてやった。すると、昨夜と同じ様にゆっくりと飲みながらウトウトしている。
今日は寝足りないのかな? そんな事は無いと思うんだが、昨日も何だかんだで早めに寝てたしなぁ……。
どうやら聖水を飲みながら頭が覚醒してきたらしく、眠そうな表情ではなくなってきた。単に覚醒してなかっただけみたいだ。
フヨウに関しては見ても分からないので最初から諦めている。スライムを見て機微を理解しろと言われても困るしな。もし言ってくる奴が居たら、まずはお前がやってみせろと俺は言うだろう。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ-」 「グル」 「ワフ」 「………」
「今日は近衛の本部に行ってライブルとの話し合いだけど、実際に必要なのはアルドだけなんだよねぇ……。アタシはダンジョンにでも行ってこようかな?」
「どうしたんです? ダナがアルドから離れてダンジョンに行くなんて初めてのような気がしますが、何か悪い物でも食べましたか?」
「同じ物しか食べてないだろ! 別に変な事じゃなくてね、それなりにお金が減ってきたんで稼ごうかと思っただけさ。まだまだあるとはいえ、このままお酒を作ってもらい続けると結構なペースで減っていくんだよ」
「ああ……そういう事ね。確かに、私もそれなりには減っているのよ。アルドがお仕事している間にダンジョンに行くのは悪い事じゃないし、今の私達なら効率良くお金が稼げる筈だものね」
「身体強化を使って一気に進み、後は魔物を虱潰しに倒していけば直ぐにお金が稼げるさ。ただし他の傭兵の獲物を奪わないように、かなり先まで進む必要があるだろうけどね。今日は様子見で明日が本番かな?」
「そうだな。今日はルートの下調べで、明日からが本番となるだろう。アルドから方角が分かる魔道具を借りて行けば、それなりに効率良く進めると思う。それでも私達だと転移紋を探すのに時間が掛かるだろうが……」
「それは仕方がないよ。アルドが言うには【探知】という【念術】が使えれば見つけられるらしいけど、ディルはまだ無理なんでしょ? ……うん、そんなに簡単に使えるものじゃないって事は知ってる。僕も【錬金魔法】や【練成魔法】を習ってるからよく分かるよ」
そんな話の最中にジャン達とリンデ達に【覚醒】を使い無理矢理起こしておく。宿の入り口に移動して部屋から出てくるのを待っている間に、超魔鉄を使って方位磁針モドキを4つ作っておく。
一つはアイテムバッグに収納し、もう一つはディルに渡しておく。残りの二つは起きて来たジャンとリンデに渡して、ジャンからは前の方位磁針モドキを回収する。前の方位磁針モドキは中庭に行って【粉砕】して埋めておいた。
宿の隣にある食堂に行き、大銅貨18枚を支払って朝食を注文する。待っている間にジャン達とリンデ達と今日の予定について話す。
「近衛の本部には皆で行く必要があるとは思うんだが、面通しが済めば後は俺以外は自由になると思う。で、ダナ達はダンジョンに行って金を稼いでくるらしいんだが、ジャン達とリンデ達はどうする?」
「僕は……。僕達もダンジョンに行ってお金を稼ごうと思います。皆さんが草原に行かれていた日の半分ぐらいは、村の拡張をしていて稼げてないんです。村の拡張は練習にはなりましたが、金額的には安かったもので……」
「私達もジャンと同じ理由でダンジョンに行こうと思います。ただ、私達は個々の実力がバラバラですから、ジャン達ほど進めないとは思いますが」
「進めるかどうかは、あまり関係無いんじゃないか? アルメアが朝に言ってたが、自分達の力で効率良く稼げば良いだけさ。無理せずに効率良く稼げる層で魔物を狩ればいい。皆、正しい身体強化は出来てるんだし、武器が武器だから簡単に稼げるだろう」
朝食が終わったので、全員で貴族街への門を抜けて王城への門も抜ける。ビキニアーマーズは俺が王城への門すら抜けられる許可証を持っている事に驚いていた。
その直ぐ後にリンデが”技を使って無断で門を越えるから王太子殿下が渡した”と説明したら白い目を向けられたが……。
その時は無断だろうが何だろうが越える必要があったから越えただけで、用も無いのに面倒な身分と関わったりはしない。そう言ったら、リンデとリヴィから白い目を向けられたぞ? 何でだ?。
近衛の本部に着いたので、リンデが説明し門番にライブルを呼びに行かせた。ライブルが来るまでは門の前で待つのかと思ったら、兵士に案内されたのでついて行く。
リンデが居る以上はおかしな所に案内したりはしないだろうと思っていると、近衛の本部の応接室のような大きな部屋に案内された。
その後、直ぐにライブルが来て話し合いになったが、話す内容は少なかった。話し合いは20分程度で終わり、俺は今、訓練場へと歩いている。
決まった事を簡単に纏めるとこうなる。
・作った物の質と量で報酬が決まる。
・査定は近衛の文官が居るので、その者が記録している。
・俺が作るのは刀身などの部分のみ。ただし、場合によっては他の鍛冶師のサポートもする。
・必要なら騎士の武器の相談に乗る。
・仕事の期間は、ある程度の人員に武器が行き渡るまで。
結局、この程度の事を話し合ったというか、確認しただけだった。
ライブルは忙しいのか直ぐに出ていったので、何か厄介な案件でも扱ってるのかもしれない。ちなみに、皆は既にダンジョンへと向かっていて、俺の近くにはフヨウが居るだけだ。
そろそろ訓練場に着くな。
▽▽▽▽▽
0487終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨140枚
大銀貨248枚
銀貨228枚
大銅貨314枚
銅貨144枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ
 




