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0483




 昼食後、俺とフォルは宿を出て石や木を取りに行く事になった。フォルは練習の為で、俺は頼まれた物を作る為だ。


 先に食料店に行き両替しようと考えて小麦を殻付きで銀貨2枚で購入した。その後、大銀貨を3枚出して大銅貨300枚に両替してもらう。


 折角なので他にも何か買おうと思って卵を5個、銀貨2枚で買った。思っているよりも卵が高いが、一個の大きさが日本の鶏卵の5倍ぐらい大きいので仕方がないのかもしれない。食料店での買い物を終えたので、一路川沿いの道へと行く。


 川沿いを歩きながら石を拾い【圧縮】と【融合】を繰り返していく。森の拠点を通り過ぎ、間引くように木を伐っては【圧縮】して丸太を作る。フォルは俺が落とした不要な枝などで練習しているものの、やはり上手くはいかない様だ。


 一朝一夕で上手くはならないし、練習し続けるしか道が無い以上は毎日の積み重ねが重要だ。フォルも練習したり、しなかったりと不規則なので上達が遅れるのは仕方がないだろう。草原にいる間は練習どころじゃなかったしなぁ。


 フォルは魔力の扱いは優秀なんだから、後は緻密で精密な魔力の使い方と、制御を維持し続ける練習だな。


 ……うん、そう。それが恐ろしく大変なんだ。正直言って、【錬金魔法】や【練成魔法】が使い熟せるなら、高位魔法を制御するのは難しくないんだよ。それぐらいの難易度なんだ。


 若干顔が青褪めている気もするが、ゆっくりやっていけば良い。何より、絶対に使い熟せる様にならなきゃいけない訳でもない。


 不老長寿なんだから、暇を解消する為の練習ってぐらいに考えていればいいのさ。誰かに急かされる訳でも無いし、出来なければ生きていけない訳でも無いんだ。


 そうそう、思い詰めたって上手くなる訳じゃないからな。村の入り口に着いたし、登録証を出し……うん? 何か騒がしいな? 向こうの方から誰か走ってくるが……泥棒!?。


 泥棒とやらが村の入り口を抜ける前に、俺は【念動】を使って泥棒の足を掬ってやった。ものの見事に泥棒はコケて、村の自警団の奴に捕まった様だ。


 もしかして自警団の武器を盗んだ奴か? だとしたら、俺が作る意味が無い様な気がするんだが……いやいや、盗まれた物が見つかった訳じゃないし、早とちりは止めよう。


 泥棒は捕まり自警団に連れて行かれたので、俺達は宿の部屋に戻って依頼された武器を作る。


 村長が駄目なら傭兵ギルドにでも売ればいいやと思い、早速作っていく。長柄の武器を12本と言われたが、素人でも扱いやすいのは槍と相場は決まっている。という事で、普通の直槍を作っていく。


 穂先は30センチで断面は菱形、茎は60センチで全体は2メートル……という感じの槍とする。だって一体成形だし。石突を含めて12本程度なら直ぐに作り終わる。余った材料はフォルの練習に使わせる事にした。


 フォルは早速、【錬金魔法】を使って練習を始めるが相変わらず上手くはいかない。完全に劣化してボロボロになるまで練習を繰り返したものの、多少は改善したかな? という程度にしか上達しなかった様だ。それで素材は無くなった。


 俺は村長のところに作った武器を持って行こうと宿を出たのだが、暇になったのかリバーシばかりで飽きたのか、4匹も付いてくるみたいだ。


 フォルの代わりに4匹になっただけなのだが、4匹になると子供達が近寄ってくる事も多い。子供達の相手をしながら村長の家まで歩いて行く。


 村長の家の前に付いたのだが、何やら人が多く居て言い合いをしているらしい。あそこだけ異様な雰囲気になっている。子供達も怖がってるし、いったい何があったんだ? 俺は近くの人に詳しく聞いてみる事にした。



 「え? ……ああ。実はな、少し前に捕まった泥棒が沢山の家から色んな物を盗んでたらしくって、どれが誰の物か分からないらしいんだ。中には自分の物でもないのに寄越せと言い出したバカも居てな、困ってしまってるんだよ」



 結構厄介な事になってるっぽいな。俺は人を掻き分けて中に入り、村長に武器を渡してさっさと帰る事にした。


 1つずつアイテムポーチに入っていた物を取り出しながら話し合ってる村長に話しかけ、武器を置いていこうとしたら武器が見つかったと言われてしまった。


 本来なら村長が依頼した以上は見つかろうが見つかるまいがお金を払うのが筋なのだが、今回に関しては傭兵ギルドに売るので特に問題は無い。村長の所を出て人を掻き分けて戻った俺は、その足で傭兵ギルドへと向かう。


 入り口の扉を開けて中に入ると、何故か喧嘩をしているバカ2人が居たので無視して受付に行く。



 「ミュウさん、ちょっと聞きたいんだけどヴェルは居る? 実は村長に頼まれて槍を12本作ったんだけどさ、盗まれた武器が帰ってきたらしくって要らなくなったんだ。それでギルドに買い取って貰おうと思ってきたんだけど……何だお前?」


 「おいおいおいおい、なに無視してくれてんだ、コラ! テメェ俺をナメてんのか、あぁん?」



 何だこの不良かチンピラは? この世界でもこういうのは居るんだなぁ……。というか、不良とかチンピラに絡まれるって、元の世界含めても初めてじゃないかな?。


 永遠に無くてもよかった経験を今してるなー……。ウゼー奴だな、まだ喋ってるぞ。挙句に喧嘩していたもう一人はどっか行きやがったし。



 「おいおい、オレ様が怖くてブルってんのか、あぁ? テメェみてぇなヤツがっ!?」



 鬱陶しいので顎を殴って気絶させておいた。正しくは顎を殴った瞬間に【衝気】を使って、二重の方法で気絶させている。


 鬱陶しいアホはこれで沈んだからどうでもいいとして、ミュウさんに再度聞くとヴェルは2階の部屋に居るらしい。勝手に行く訳にはいかないので案内を頼むと、少し待ってほしいと言われた。


 どうしたのかと思ったら、気絶させた奴の懐をゴソゴソし登録証を取り上げていた。どうも問題をよく起こす奴だったらしく、次に問題を起こしたら強制的に登録証を取り上げる事が決まっていたそうだ。


 まあ、不良やチンピラが調子に乗って生きられる様な世の中じゃないからなぁ……。一歩間違えれば死ぬ世の中で調子に乗るアホは、真っ先に死ぬかコミュニティから排除される。つまり村八分どころじゃない、村からの追放だ。


 とはいえ、魔物が居て邪生が居る危険な世界だ。安全なところで調子に乗るだけのクズなんて誰も必要とはしないわな。そのうえ、平和な世の中じゃないんだ。場合によっては、明日は魔物の腹の中かもしれない。


 そんな世界で調子に乗る奴は、本当のバカでしかない。言うなれば、”殺して下さい”と言っている様なものだ。


 冗談でも何でもなくアッサリと殺される世界で、言っていい事でも、やっていい事でもない。それが分からないからバカだのアホだの言われるんだが。


 2階のヴェルの部屋まで案内された後、ヴェルに槍を12本売り大銀貨1枚の収入を得た。ヴェルが言うには、ここ最近は石と木の武器を買って行く者も減ってきているらしい。


 新人も戦いに慣れてきているので、武器が壊れる事も減ってきたのと、鉄製の武器に買い換えている者も増えてきたそうだ。


 元々新人やお金の無い者達の為の武器だからなぁ……。必要とされないって事は新人の生活が上手くいってるって事でもある。


 それはそれで良い事なんだが、それが続くのも今年の間なんだよな。来年にはまた新人が入ってくる。その中の何人が一年間生き残れるかと考えると、難しいところだ。武器だけの問題じゃない。


 まあ、俺が悩んだところで解決しないし意味は無いのでスルーするか。ヴェルに挨拶してギルドを出る。


 宿に帰ろうと歩いていると、村の真ん中に人だかりが出来ていた。何があるのか覗いてみると泥棒の公開処刑だった。どうも盗んだ物が多過ぎて死刑以外に無いそうだ。


 見ていてもしょうがないんで宿に戻ろう。俺は4匹を連れて宿への道を再び歩き始めた。公開処刑とはいえ、やっぱりルーデル村でも娯楽扱いなんだなぁ……。そういう時代か。



 ▽▽▽▽▽


 0483終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨141枚

 大銀貨250枚

 銀貨234枚

 大銅貨419枚

 銅貨144枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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