0482
朝食が終わってもテーブル席に座っている。今日は何をしようか? と考えているんだが、今のところ特に無い。強いて言えば、ギルドに行って依頼の確認をするぐらいだろうか? 村の事に関する依頼なら暇だし請けても良いかもしれないな。
とはいえ村のギルドの依頼の殆どが、アレが欲しい、コレを取って来てくれという依頼ばかりだ。大森林に分け入って獲物を獲ってくる。それが傭兵の当然の仕事でもあるんだが、だからといって俺がやる必要性がどこにも無い。
結局、面白そうな依頼って大体無いんだよな。そんな事を思いながら、ギルドの入り口を開けて中に入る。今回は珍しく、特に喧嘩を売られる事もなく掲示板へと進む。
依頼を確認してみるも、やはり俺が請けそうな面白い依頼は無かったので、諦めて帰ろうと振り向くと裏の扉から大勢入ってきた。
訓練場に繋がっている扉なんだが……アイツ等、朝の傭兵どもだよな? 何でこんな所に居るんだろう。……まあ、いいか、さっさとギルドを出よう。
ギルドの入り口を開けて外に出た俺は、真っ直ぐ宿へと戻る。やる事も無いし、ゆっくりとしながら皆の指導でもするかね。そう思っていると、後ろから走って行く傭兵どもが居た。さっきの奴等だが、よく見ると商人が不機嫌そうに待っていて謝っている。
商人の仕入れの最中にギルドの訓練場で遊んでたって事か、そりゃ依頼人に怒られても仕方がないな。そんな姿を横目で見つつ、俺は宿へと戻った。
部屋に戻り一息ついた俺は、皆の指導をしつつ訓練の手助けをする。あくまでも、分からないなら答えるという形であり、こっちから積極的に教える事は無い。
それをすると教えられた通りにしか出来なくなりそうなので、そういう教え方は最初以外はしない。何も分からない最初だけは、こちらから教えてやる必要がある。
指導をしていると昼になったので、食堂に下りて昼食分の大銅貨18枚を支払う。ジャン達とリンデ達も部屋を出てきたので皆で食事をとり、再び部屋で修行を始める。
夕方まで修行を行い、夕食の為に食堂へと下りてきた。女性従業員に大銅貨18枚を支払いテーブル席に座ると、クタクタになった5人組が帰ってきたようだ。どうやら今日の狩りも大変だったらしい。席に座った5人組は早速注文をしてお金を払っている。
愚痴を言い合いながら「疲れた」を連呼する5人組には関わりたくないのでスルーしよう。愚痴に付き合うのも面倒臭い。
夕食後、直ぐに部屋に戻った俺は、温めた聖水を飲みながら3匹にブラッシングをしている。1匹ずつ交代しながらゆっくりとブラッシングをしているが、丁寧にされるのが嬉しいらしい。
温めた聖水を飲んでいると、シュラが近くに来て温めた聖水を欲しいと言ってきた。水割りを飲んでいたらしいのだが、気温が下がってきたのでお湯で割ってみようと考えたみたいだ。
俺は聖水の白湯をシュラに渡すと、催促してくる3匹に再びブラシを掛けていく。4匹が寝た後、いつもの如く連れて行かれたので【精気】のみで相手をし大満足させておいた。昨夜はディル以外は酒で撃沈してたからなぁ。
……さて浄化も終わったし、とっと寝よう。おやすみー。
<異世界197日目>
おはようございます。明日には出発しなければいけないでしょうから、今日は最後の休みとなります。まあ、今日も昨日と変わらないような1日になるとは思うが、ゆっくりとしよう。椅子に座りボーっとしていると4匹が起きて来た。今日は早いな。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル、フヨウ」
「ニャ」 「ガゥ」 「ワン」 「………」
いつも通り4匹に温めた聖水を出し、フヨウが吸い上げ3匹がゆっくり飲んでいると皆が起きてきた。今日は4匹だけじゃなく皆も早いのか。珍しい事もあるもんだ。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャア」 「グルゥ」 「ウォフ」 「………」
皆が起きたのが早かったので、【空間把握】で自分達の部屋とジャン達の部屋にリンデ達の部屋も浄化しながらゆっくりとする。
全部の部屋と全員を綺麗に浄化したら、ボーっとしたり雑談したりし、いつもの時間になったら食堂へと下りる。いつもの時間というのも結構アバウトだが、然程間違ってはいない筈だ。
食堂に下りた俺は女将さんに大銅貨18枚を支払い朝食を注文する。いつも通りのテーブル席へ行き椅子に座ったら、適当に温めた聖水を飲みつつ雑談をして過ごす。そうこうしていると朝食が来たが、今日はナンモドキと牛乳を使ったスープみたいだ。
シチューっぽくはなくサラっとしているのだが、かす肉が野菜と一緒に入っていて食べごたえはありそうだ。美味しく食事をしていると、ジャン達とリンデ達に5人組も起きてきた。
ジャン達とリンデ達はテーブル席に座ると直ぐに朝食が来ている。……お前さん達、楽でいいな。
朝食後、今日も指導しながらダラダラ過ごすかと思い部屋へと戻る。部屋に戻るとフォルが指導を頼んできたので、アイテムバッグから使っても問題ない物を取り出して【錬金魔法】と【練成魔法】の練習に使用する。
一つ一つ丁寧に教えながらも、何度も何度も失敗させる。何処が間違っているかは自分で気付くしかない。【錬金魔法】や【練成魔法】はかなり感覚に左右される魔法で、他の魔法とは毛色が違う。
魔法を使うというより、魔法で変えると言えば分かるだろうか? 【属性魔法】の様に火や水を使う魔法ではなく、今ある物質を魔力によって変化させる魔法である為、常に使い続ける魔法となる。
火や水を塊にし敵に飛ばす。【火弾】や【水弾】の事だが、飛ばした後は制御などはされないし、する必要も無い。もちろん【魔術】であれば最後まで制御する必要があるのだが、それは横に置いておこう。
【錬金魔法】や【練成魔法】は【属性魔法】などと違い最後まで制御する必要があるので、他の魔法に比べて難しく感覚頼りの部分が大きい。
最後までキッチリ制御しないと失敗するし、途中の制御が甘いと凄まじく素材が劣化する。それでも魔法ではあるので、魔法陣を含めたサポートは受けられている。
サポートの無い【錬金術】と【練成術】に関しては、魔法とは比較にならない程に難しい。俺も何万回失敗したか覚えていない程だ。
丁度素材が無くなったところで昼になった為、1階の食堂へと昼食を食べに行く。女将さんが居なかったので、女性従業員に大銅貨18枚を支払い昼食を注文する。
テーブル席に座り待っていると、村長と女将さんが入口から入ってきた。何かあったのかな?。
「丁度食堂に居たんだね、2階まで呼びに行かなくて済んで助かるよ。実はね、お客さんに頼みがあるんだってさ。村長が言うには、武器が微妙に足りなくなったらしいよ」
「そこからは私が説明します。実はアルドさんに作って頂いた武器の一部が盗まれたらしく、その所為で自警団の武器が足りなくなってしまったんです。盗人は捕まっていないのですが、足りない武器は補填しなければいけませんので……」
「まあ、武器作りは構わないんだが、何が足りないんだ? もしくは新しく別の武器を作るか? どうせ石と木で作るんだし、変えても手間は然して変わらないしな」
「では、長柄の武器を12本お願いします。剣が7本、槍が5本盗まれたらしく、結構な被害を受けていまして……」
「随分数が多いわね? アイテムバッグか何かを使ったのかしら? それとも複数人で一気に持って行かないと、その数を盗んでいくのは難しいと思うけれど……」
「盗んだヤツが捕まってみないと、何とも言えないねぇ。盗人っていうのは、普通なら考え付かない滅茶苦茶な事をするヤツが居たりするからね。もしかしたら驚くような手口かもしれないよ?」
そういえば、地球にもそんな犯罪者が居たなぁ……マヌケな奴からビックリするような奴まで。今回のは、どっちなんだろうな?。
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0482終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨141枚
大銀貨252枚
銀貨238枚
大銅貨119枚
銅貨144枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




