0481
宿の経営を心配してもしょうがないんだが、俺達としても安心して泊まれる宿が傾くのは困るので、もうちょっとお金を使った方が良いのかね? 聞く事も出来ないので何とも言えないが、表情に出すわけにもいかないので考えるのを止めよう。
いつものメンツ以外は傭兵と商人の様だ。そういえば、商人と護衛の傭兵はよく来てたけど、アレは大森林の素材を買う為に来てるんだろう。大森林の御蔭で潤ってるし、大森林の所為で苦しいのが、ここルーデル村なんだろうな。
夕食後、俺達は部屋へと戻るが鬱陶しい事だ。商人も傭兵も、どちらからも少しの悪意がこっちに向いていた。あの量なら、ウチの女性陣に性欲を向けていただけだろう。それでも鬱陶しい事に変わりは無いが、下らない事をしてきたら消えるだけだ。
部屋に戻ると4匹からミードを要求されたので水皿に入れてやると、いつも通り飲みながらリバーシを始めた。
皆もミードを欲しがったのでコップに入れてやると、味わいながら飲み始める。最近はちゃんと味わって飲むようになってきたんだ。多分、慣れただけなんだろうが。
そうやって飲んでいる皆を見ながら【空間把握】で調べるも、今のところ傭兵どもに問題は無さそうだ。酒でリバーシの内容がおかしくなり始めた頃に、皆も撃沈し始める。
前にも言ったが、魔豊蜂のミードは味が軽い反面アルコール度数が高い。だからこそ量を間違えやすいんだが、また失敗したらしい。
ダナ達は撃沈してしまい、そこかしこで寝息を立て始めたので【念動】でベッドへ移動させる。そうしていると4匹も撃沈した様なので、【念動】で移動させる。浄化などをしながら後片付けをしていたら、俺とディル以外は全員撃沈していた。
【房中術】と【鋭覚】でディルも撃沈させたら、俺も布団に横になった。目を瞑り【空間把握】を使い確認すると、今日は2部屋とも寝ていたので浄化して綺麗にしておく。
その後、商人と傭兵の部屋を確認すると両方とも酒盛りをして眠っていた。どうやら犯罪は犯さなかったらしい。
これなら寝ても問題ないなと思い、俺も寝る事にした。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界196日目>
おはようございます。今日は特にする事も無いのでボーっとするか寝て過ごすか、そんな怠惰な過ごし方でもしてみようかと思っています。
とはいえ、どうせ何かで潰れそうな気はしている。今までの休みも何故か妙な事が起きたり、変な思い付きで潰れてきたし。まあ、思い付きは自業自得なんだがね。
椅子に座ってゆっくりとする。このボーっとしている時間が1番良いのは間違いない。今日は面倒臭い気分なんで、【念動】でコップを出して聖水を入れて【加熱】で温めた。
更に【念動】を使って飲む。手を使わずに済んでいるが、無駄に疲れるから止めよう。【念動】の訓練にはなるだろうが、手を使う方が遥かに楽だ。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル、フヨウ」
「ニャ」 「グル」 「ワフ」 「………」
気合いを入れて、4匹にも【念動】で全て用意してやると、興味深そうに見ている。4匹には【念術】を見せてはいるが教えていない。使えるか分からないし、危険な技が多いからだ。迂闊に真似されても困るので俺は教えない。
興味深そうに見ていたが、聖水が温まると興味を失ったように飲み始めた。フヨウは聖水を吸い上げた後、直ぐに首に巻きついてきたが、俺は気にせずまったりとしている。
【空間把握】を使いジャン達とリンデ達の部屋と人を綺麗にした後で、宿の中を確認する。
商人も傭兵も何か問題を起こしたわけでも無さそうなので、警戒はそろそろ解除しよう。これくらいなら特に負担になる様な事でもない。
アイテムバッグの中を整理するつもりで探していると干し肉はともかく、かす肉が余っていた。干し肉は保存が利くし何処でも食べられるんだが、かす肉は少々困るな……旦那さんに渡してしまうか。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「ガゥ」 「ワン」 「………」
「アイテムバッグを確認して、いったいどうしたんだい? かす肉? ああ、草原から帰ってきたから余った分がどうしようもなくて困ってるって事か。トーカにでも渡したら喜ぶだろうさ」
「そうですね。そもそも邪生の腸ですから普通の魔物の物より美味しい筈ですし、トーカなら喜んで受け取ると思いますよ。更に言えば、本職の料理人がどういう料理にするのかも気になります」
「それはそうね。王道の煮込み系だと嬉しいし楽しみだわ。それはそうと、大森林の邪生ってどうなってるのかしら? ギルドに行ってないから聞いていないけれど、減ったのか、それとも増えたのか、ちょっと気になるのよ」
「それは何故だい? 今までと同じで……ああ、そういうこと。主様があの魔道具を使って邪気を大量に浄化しているからね。確かに邪生が減っていても不思議じゃないか……。でも、他所から邪気が流入するから、結局変わらない気もするけど?」
「どうなのだろうな? ダンジョンが邪気を吸収しているのが事実である以上は、そこまで多くの邪気が流入する訳でもないのかもしれない」
「ダンジョンも吸収出来ないくらいに溜め込んでる可能性もあるけどね。考えたら際限が無さそうだけど、ダンジョンが邪気を発散してくれると助かるとは思うよ。それなら世界中の邪気を浄化しやすくなるし」
「まあ、現地のダンジョンを攻略しないと、ダンジョン内の邪気を浄化できないとなると大変だからなぁ……。俺だって何処にダンジョンがあるのかは教えて貰ってないし、世界中を調べなきゃならなくなる」
「それは、イヤだねぇ……。世界中を旅するってとんでもなく大変だし、山の中に分け入って探す羽目にもなりかねない。何しろ、昔はその辺りに大勢住んでいた場合、ダンジョンがある可能性が否定出来ないからね」
「ダンジョンは人間種が大勢居る場所に作られやすいというのは分かっていますが、過去に大勢住んでいた場所のダンジョンがどうなるかは分かっていませんからね。とはいえ、大抵ダンジョン近くから人が居なくなる事はありませんが」
「儲かるし、食べ物も手に入るからな。私もそうだが、入る者は幾らでも居るだろう。多くの者が集まるのは古代から変わらない事だと思う」
ダンジョンの話に逸れてしまったが、邪気を大量に浄化した結果か……。とはいえ、世界中に存在する邪気の総量からすれば、俺が浄化した量は微々たるものでしかない。
今までよりも多いんだが、それでも世界に影響を与えるかと言われれば疑問符が付く程度だ。まだまだ先は長いな。そう考えながら食堂に行き、厨房の旦那さんにかす肉を渡しておく。
アイテムバッグに入れていたし、入れる前に【浄化魔法】で綺麗にしている事を伝え、早めに食べるなら問題は無い事も伝えた。旦那さんは早速齧りながら料理を考えている様だ。
俺は邪魔をしない様にそっと厨房を出ると、女将さんに大銅貨18枚を支払い朝食を注文する。いつものテーブル席に座り朝食を待っていると、商人と傭兵が食堂にやってきた。彼等の朝食は、俺達の朝食よりも早く出される。
その事で何故か商人と傭兵はこちらを見下すように見ているが、俺達の朝食はかす肉入りの物に変更されただけだろう。
だいたい2キロぐらい余ってたから、それなりに使わないと減らないと思う。アレも保存食ではあるんだが、早めに食べた方が良い食材でもあるし。
調子に乗るドヤ顔がウザかったが、彼らは朝食を食べて宿を出て行った。その後、直ぐに朝食が出てきたって事は、奴等にこっちの朝食を見せる気は無かったって事か。
多分、女将さんの配慮だろうな。あのドヤ顔のアホどもの事だ、違うと分かるとキレて暴れてたかもしれない。
奴等の食べていたのと同じスープに、かす肉が足されている。サラっとしたスープみたいだったのが、ガッツリ系に変わってるって事か。
なかなか美味しいし、流石は旦那さんだと思える。領都の小さい宿もそうだが、料理の美味しい宿っていうのは本当に良い宿だよ。
さて、朝食は終わったが……今日はどうしよう?。
▽▽▽▽▽
0481終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨141枚
大銀貨252枚
銀貨238枚
大銅貨191枚
銅貨144枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




