0480
部屋に戻った俺は、ビキニアーマーズが何故部屋に居るのかを一応聞いた後で、武器が決まったかどうかを聞く。
すると、今も悩んでいるらしく決まっていないとの事だった。ザラは長物で、エイルズが片手武器なのは変える気は無いらしいが、それ以外が決まらないそうだ。
まあ、好きなだけ悩めば良いと思い、まずはエイルズの盾を作る事にした。木で凧の形を作り、内側に少し湾曲させる。次に取っ手を作ったら、ダナが持っていた革を貰って加工しベルトを取り付ける。
その後、盾の前面に魔鉄を被覆したら完成だ。なかなか良い感じのカイトシールドになったんじゃなかろうか? 全部魔鉄にすると重くなるだけなんで、あんまり意味が無いんだよな。
確かアーサー王の伝説に出てくるガラハッドの盾は、全部が鋼鉄製の盾だったと思うんだが、そんな物よく使うよな? 重くて使い難いと思うんだがなぁ……。それとも、そんな盾を使えるガラハッドはスゴイ! って事なのかね?。
メルのタワーシールドだって薄く被覆してあるだけで、中身はかなり軽量化してある盾なんだよ。まあ、アレは被覆してある岩硬竜の鱗がシャレにならない防御力を誇るので、軽い割には異常な防御力を持つんだが……。
完成した盾を横に置き、魔鉄で十手を作る。十手が出来たら、次はダガーだ。持ち手と鞘は木で作ったが、後は全て魔鉄で作っておいた。
それをジーっと見ていた2人だが、一向に欲しい武器を言わないので困った。聞いてみても適当な返事を繰り返すだけになってしまっている。どうやら、焦っているらしい。
今すぐ決めなくても良いんだが、このままだとズルズルと引き摺るだけで結局決められなさそうだ。……どうしたもんかな? 俺も困ったので、2人と色んな武器の話をしていく。アレでもないコレでもないと言い合いながら、何とか決める事が出来た。
ザラが最終的に望んだのは、管槍だった。珍しい物をとも思うが、俺も作ってみたかったので了承した。管槍というのは名前の通り管が付いている槍の事で、素早く突き、素早く戻す事が出来る槍の事だ。
ただし突きに特化してしまうという欠点もある。俺のように斬る事もする者にとっては、使い勝手が悪いと言えるからなー。
残っている木で柄を作り、超魔鉄で穂を作る。穂の長さは、穂先40センチで茎が80センチで全体は2メートルにした。突きに特化するので刃は三角錐の形にし、若干の軽量化を施した。逆輪、胴金、管止めを超魔鉄で作り【融合】して固定する。
拳一つ半から二つ分の大きさの管を作ったら、革を巻いて最後に端を結んで輪っかにする。この輪に左手を入れて落ちないようにしたら、管を持って槍を突く。これが管槍だ。
素早く突けるからかザラが凄く喜んでるな。実際、管槍は優秀な槍なんだよ。俺達の場合は身体強化や武器強化を使って斬る事もあるから使い難いが、連携を考える場合と少数の敵相手なら、隙が少ない管槍は強い武器だと思う。
次はエイルズの武器だが、結局同じ物に落ち着くとはなぁ……。ちなみに作るのは金砕棒だ。久しぶりの物なので可能な限り地味に強力な武器にしようと思う。当然持ち手の下は丸い輪の部分を作り、先にいく程太く、大量の棘が付いている物を作っていく。
持ち手の直径は5センチ。先端の太さは倍の10センチで全体の長さは1メートル30センチだ。まさしく、何処からどう見ても金砕棒と鬼だ。
何だろうな、相変わらずの素晴らしいフィット感。納まるべきところに納まってる感じがするんだよな。左手に盾を持ち、右手に金砕棒を持ったエイルズは嬉しそうに武器を振っている。危ないからそろそろ止めような、部屋が壊れると困るしさ。
しかしまだまだ余ってるんだよな……どうしたら使い切れるんだろう。チェインメイルでも作れば一気に減るかとも思うんだが、そんな無駄使いをしてもしょうがない。使い道が無いなら置いておくか。
案外王太子に売ったら良い値で買ってくれるかもしれない。その場合、刀身とか剣身とかを作れと言われかねないが……。
使うかどうか分からないが、一本だけ大太刀を作っておこうと思ったので作刀する。刀身は1メートル40センチで茎は50センチ。持ち手の部分は60センチで全体が2メートルの大太刀を作った。
超魔鉄であれば、俺が武器強化をすれば劣化は無いだろうから、重装兵でも数人纏めて斬り裂ける。範囲が広い武器は便利だから用意しておくに越した事はない。
何故かエイルズがジーっとこっちを見てくるが、お前さんだと扱えないからあげないよ。場合によっては手首を壊しかねない武器だし、見た目ほど簡単な武器じゃない。
振り回すにもコツは要るし、普通の剣と同じ様に扱うとポッキリ折れるかもしれない。刀の扱い方を練習しないと刀は使えないんだ。
「そうなんですか。随分長いですけど、幅が狭くて薄いから使えると思ったんですが難しいんですね。ザラも興味があったみたいですけど、諦めたみたいです」
「私が興味を持ったのはアルメア様も使われていると聞いていたからですよ。まさか扱うのが難しい物だとは思ってもおらず、剣と同じ様に考えていました」
「まあ、当然剣から派生した武器なんだけど、斬る事に重点を置いた扱い方をしないと簡単に折れるんだ。叩き切るんじゃなくて、斬り裂くように使わないと斬れない剣だと言えば伝わるか?」
「切れ味がとても鋭いから、上手く使えば竜でさえ斬り裂く剣と言えるんだけどね。斬れなかったのは岩硬竜くらいかな? あの竜には弾かれたから驚いたよ。私の大太刀は、主様が氷擲竜の素材で作って下さったのに弾かれたのさ」
「「氷擲竜……?」」
どうやら2人は岩硬竜どころか氷擲竜も知らないらしい。皆が説明して驚いているが、そもそも竜の素材で出来た武器自体滅多に見ない物なので凄く驚いている。
ウチのメンバーの装備の大半は、竜の素材か希少金属製の物が殆どだと聞いた2人は卒倒しかけているみたいだ。
竜素材を持ってないのは、リヴィ、ザラ、エイルズの3人だけだからな。しかも2人は希少金属製の武器も持っていない。それを聞いた2人は「怖くて持ちたくない」と言ったが、俺は見つけたら持たせる気だ。
アイテムバッグの中にある素材は神の金属の為に保管している物だから使えない。次にダンジョンに行った時に希少金属製の武器が見つかれば良いが……。
まあ、見つからなくても2人は傭兵歴が長いから大丈夫だろう。超魔鉄だってそこまで悪い素材じゃないし、最高峰の素材と比べれば劣るというだけだ。他の傭兵が知ったら激怒するかもしれない程の贅沢と言える。
……せっかくだから王都に行くついでに、王都のダンジョンか、侯爵領のダンジョンにでも行ってみようかな?。
王都のダンジョンは竜が出なくなったが、侯爵領のダンジョンは最奥に竜が居るかもしれない。暇が出来たらマールに香辛料を買いに行くついでに、ダンジョン攻略をしてきても良いと思う。
次に行った時も蜂蜜が手に入ったら、古い蜂蜜を売れば儲かるだろう。蜂蜜は腐らないとまで言われるから置いていても問題ないし。
ダラダラとダンジョンの話などをしていたら、もう夕方だったので全員揃って食堂へと下りる。女将さんが居なかったので、いつもの女性従業員に大銅貨18枚を支払い夕食を注文した。
テーブル席に座り雑談をしていると、ジャン達やリンデ達も部屋を出てきて席に座っていく。一応魔力や闘気の循環という基本中の基本を修行していたらしい。
上手く扱える様になれば、それだけ魔法や闘気術の精度も上がるからな。思っているよりも基本の修行って大事なものだ。そんな話をしていると、夕食が運ばれてきた。
俺達以外にもそれなりに宿泊客が居るみたいで、食堂の席はほぼ満席になっている。なんだか珍しいと言ったら怒られるだろうか?。
でも、俺達以外が泊まってる光景って最近見ないんだよなぁ……。経営は大丈夫なんだろうか? 食堂での食事だけでもやっていける気はするので、大丈夫だと思うんだが。
後、ザラとエイルズに渡していた、普通の魔鉄製の十字槍と盾と金砕棒は予備にするらしい。
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0480終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨141枚
大銀貨252枚
銀貨238枚
大銅貨209枚
銅貨144枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




