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0047




 <異世界23日目>



 おはようこざいます。昨日のクソ牛は、まだ村の中に居そうです。関わりたくない……。でもフラグ立ってるっぽいのがなぁ……。そんな事を考えながら浄化する。


 折角なので、【浄化】の権能を更に強く使ってみよう。強く、強く、神界の雰囲気に近づいてきたが、更に強くその先へ。……って危ない! やってもいいが、言い訳に困る。


 慌てて浄化するのを止めたら、2人がジト目で俺を見ていた。



 「おはよう、アルド。アタシ前に言ったよね?」


 「アルド、おはよう。これはやり過ぎでは?」


 「おはよう、2人とも。神界の雰囲気に多少近づいたんだけど、これでも多少なんだよね」


 「言い訳出来ない事はするなって言ったろう?」


 「言い訳は出来ないが、見ない振りはしてくれるさ」


 「何の解決にもなってませんよ……」


 「俺が宿泊すると、こうなるって事で……」


 「何の解決にもなってませんよ……」



 大事な事!? だから2度言ったの!? 確かに何の解決にもなってないけど。でもこの部屋がどういう影響を与えるかは、調べてみないと分からないんだよ?。



 「それよりも、昨日のクソ牛がまだ村に居そうなんだけど」


 「村長の家に泊まってるだろうからまだ居るんじゃないかい?」


 「面倒な依頼を持ってくるクソ牛はどうでもいいです」


 「まぁ、アタシもどうでもいいけど。アルドは何で話題にしたんだい?」


 「面倒事って向こうから絡んでくるんだよ」


 「あー……、本当にそうだね。向こうから関わって来そうだ」


 「面倒な……。殴って追い払いましょう」



 朝から気分の悪くなる話をしてしまったお詫びに、濃厚にイチャイチャする。2人は嬉しかったようで、何度も抱きついてきたり、何度もキスをせがんできた。


 服を着て部屋を出る前までずっと離れなかった程だ。2人の気分の良いまま食堂へ行くと……。



 「おはようございます!」


 「何でアンタ達がココに居るんだい?」


 「殿下がお望みなのです……」



 クソ牛は俺と目を合わせようとしない為、俺も無視する事にした。……うん? アホ騎士3人組が居ない? 余計な事になってなければ良いが……。



 「お姉様方! 何故このような下賤で卑しい者を連れているのですか!?」



 ……あぁ、成る程。話の流れが読めたわ。アホ騎士3人組が告げ口でもしたんだろ。もしくは、このバカが天然かだ。



 「はぁ……? アタシをナメてんのかい?」


 「ほう……? やはり死にたいようですね?」


 「やっぱり! お姉様方は騙されているのですね!? ライブル騎士団長!」


 「何か典型的なアホ王族だな? 珍しいのか、普通なのか。どっちなんだ?」


 「下賤な者が! ライブル騎士団長! 直ぐにコレを始末しなさい!」


 「アンタがここまでバカだとはねぇ」


 「本当ですね。城で何を学んできたのでしょう?」


 「ライブル騎士団長!」


 「無駄さ。ライブルは絶対に勝てない。それを昨日、ハッキリと理解させられたからね」


 「えぇ、格付けは既に終わっています。そもそも勝てると思う方がおかしいんですよ」


 「ライブル!!!」



 面倒になったので、アホ王女にピンポイントで殺気と殺意を気絶しないようにぶつける。本当にこういうアホは面倒臭い。



 ガタガタガタガタガタ!!! チョロチョロ……。



 「で、殿下!!」


 「ライブル。こうなる前に、アンタが止めるべきだったんだよ?」


 「そうですね。近衛騎士の責任も果たせないとは……」


 「し、しかし! 王女殿下にこのような事を!」


 「だからこそ、王族の盾である近衛が止めるんだろ? 王族だから手は出せないとか考えてたのか? アホ過ぎるぞ」


 「な、何だと!」


 「死ねば終わりだぞ? 俺を止められるのか? どうやって?」


 「う、ぐぐぐ……」


 「そもそも昨日のバカな3人組の騎士はなんだい? 宿に押しかけて来たんだけど?」


 「あのアホ騎士3人組が、有る事無い事言ったのでしょうね」


 「違うよ、シュラ。無い事無い事言ったのさ。漏らして捨て台詞吐いて、逃げてった負け犬だからねぇ」


 「な、何ですと! あの者ども、嘘を吐いておったのか!」


 「あの騎士ども、近衛じゃないだろ? 胸の印章が違ってたからね。どこの騎士だい?」


 「………はぁ。あの者どもは、南東の侯爵家の騎士です。城でも随分と嫌われております」


 「あの子の実家かい!? それが何故?」


 「代替わりの後、横槍を入れるように派遣してきたのです。離宮の警護ですので……」


 「近衛は城内の警護ですから、離宮までは口が出せないでしょうね」


 「そんな素行の悪い連中が、自由に離宮に入ってるのかい?」


 「いえ、離宮に入れるのは女性だけです。その辺りは、近衛の女騎士が監視しております」


 「ふ~ん……。ん? あの子の実家って、確か帝国の近くだったね? 辺境伯の隣の」


 「あー……。帝国の近くであり、代替わりで不穏な家。怪し過ぎですが、あの王が分かっていない筈が無い。……という事は?」


 「アタシ達にどうにかしろって事かい? 関係ないアタシ達に? 何か違う気がするけどねぇ」


 「もしかして、ライブルがアルドに喧嘩を売ったのも策の1つですか? あの3人組を泳がせる為に?」


 「あれー? アタシ達がぶっ壊したのかい?」


 「いえ、あの者どもは監視下にありますので直ぐに捕らえられます。おい! 聞いていたな?」


 「ハッ! 直ぐに確保致します!」



 ダッダッダッ……。



 4人ほど外へ行ったな。流石にそろそろ威圧を解いて浄化しておくか。それにしても、ガッツリ面倒な政治に関わるハメになってるなー。ここからどう逃げようか?。



 「お、お姉様方。そ、そ、その……」


 「あー……。そういや威圧されてたんだっけ? すっかり忘れてたよ」


 「そういえば、そうですね。まぁ、どうでもいいですけど」


 「確かにね。アルドへの侮辱……忘れてないよ?」


 「な、何故……。お姉様方のような方が、何故こんなみすぼらしい男に!」


 「「!!!」」


 「お、お待ち下さいっ!! お怒りになるのは分かります! されど、おかしいと思うのも当然の事! 本当のところをお教え下さい!」


 「………はぁ。アルドはね、アタシ達よりも強く、アタシ達よりも物知りで、男の不老長寿なのさ」


 「は? ふ、不老長寿!? しかも、男の不老長寿!?」



 不老長寿が男だと、何かあるのか? そういえばダナが男の不老長寿は今は居ないとか言ってたっけ? 何で今は居ないんだ?。



 「そ、そんな……。何故………」


 「アルドは分かってなさそうだね? 男の不老長寿が珍しい事」


 「アルド。不老長寿は居ますが、殆どは私達吸血鬼族の真祖なのです。その真祖も7人しか居ません」


 「今分かってるのは、アルド以外はアタシを足しても8人しか居ないのさ。少ないだろ?」


 「少ないと男の確率が低いのか?」


 「………アルド。吸血鬼族の真祖は女性しか生まれないのです。だから以前、殺し合いになると言ったんですよ」


 「それ以前に男の不老長寿は非常に珍しいんだ。前に生きてたのは確か400年ぐらい前になる筈」


 「つまり、400年ぐらい前から男の不老長寿は居ないって事なのか?」


 「「そういう事!」」



 そりゃ2人からロックオンされる訳だ。400年ぶりに生存が確認されたんだからな。

 

 アレだ、珍獣みたいなもんだ。地球でも大騒ぎになるのは間違いない。滅んだ筈の古代生物……ロマン枠か?。


 急にアホ王女とクソ牛の態度が変わったのも、そういう理由か。王族より珍獣の方がレア度は高いからなぁ。


 シュラに聞いたところ、吸血鬼の始祖は女性で不老長寿の夫が居たらしい。だが病気で亡くなってしまい、始祖の女性も後を追って自殺してしまったそうだ。


 シュラは第一世代、つまり始祖夫婦の子供だ。始祖の血を継ぐ子供であり、吸血鬼族の中でも立場は上から3番目で非常に偉い人物だった。ダナも故郷の里では同じようなものらしい。


 2人の立場が高すぎる……。頑張ろう。



 ▽▽▽▽▽


 0047終了時点


 金貨18枚

 大銀貨53枚

 銀貨23枚

 大銅貨32枚

 銅貨5枚


 風鹿の角槍

 風鹿の角の太刀

 赤豹の爪の小太刀

 剣熊の爪の打刀

 赤豹の爪の小烏丸

 強打猪の牙のファルクス

 剣熊の爪の斧

 風鹿の角の十手

 剣熊と風鹿の革鎧

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊と風鹿の肘防具

 剣熊と風鹿の膝防具

 剣熊と風鹿のブーツ


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