0478
俺は部屋に戻る前に、5人組に魔力と闘気の使い方を磨く事を教えておく。魔力と闘気を使えるようになって一人前ではなく、使えるようになって初めて新人なんだと説明した。
魔力や闘気を肉体や武器に流すと身体強化や武器強化となる訳だが、それで終わりじゃない。
簡単に言うと、最初のフォルは魔力に関しては静かな清流の様な流し方だったんだ。だからこそ技術の高さに驚いたんだよ。
5人組の方は荒れ狂った暴れ川みたいなものだと考えれば分かりやすいだろう。当然の様に暴れる魔力と闘気で、魔銅が強く傷付くので大きく劣化する訳だ。つまり同じ魔力でも、フォルが流せば劣化はなかり抑えられる。
ゆっくり丁寧に説明してやったからか、流石に5人とも正しく理解できた様で何よりではあるんだが、自分達の実力不足が原因だと知って凹んでいる。まあ、これに懲りたら一日に少しずつでも修行するんだな
そう言って俺は部屋に戻った。しかし、5人組は魔銅が劣化して壊れたらどうする気なんだろうな? 山で戦うのも難しくなるんじゃないかと思うが、あの子等の選んだ道だから仕方ないだろう。
実家に戻る事にならなきゃ良いがな……って、この村なら俺が作った石と木の武器を買えば良いだけか。
武器強化に頼りすぎた結果だな。俺が作った武器でも限界が近付いてるって事は、相当武器強化を使った筈だ。
俺が使えば殆ど劣化無しに使えるのが魔力金属だが、他の奴じゃ流石にそこまでの精度では使えない。それでも魔力に耐性のある魔力金属が一年保たないのは、使い過ぎだし下手過ぎだ。
俺はアイテムバッグから鉄を取り出して、拳大の大きさにした後に魔鉄も取り出す。鉄の塊に可能な限りマナに近づけた魔力を流し続けてみるものの、大した反応は無い。
【練成術】の【浸透】と【蓄積】と【均質】を使いながら、限りなく純粋なマナに近づける為に【集中】も使う。前後不覚になるほどに集中していたら、ダナに叩かれて集中が切れた。
ダナが怒っているが、どうやら声を掛けても何をしても反応が無かった事が原因らしい。心配を掛けてしまったみたいなので謝罪をしてから手の平を見ると、そこには超高純度の魔鉄が在った。
おそらく世界中を探しても、ここまで高品質の魔鉄は存在しないだろう。……うん、確実にヤベー物をまた作ってしまった。しかも元は唯の鉄なもんだから、マジでヤバい。
語彙力が著しく低下する程ヤバいなコレ。……そうだ! ビキニアーマーズの武器をコレで作ってやろう! ……無駄か、俺達が出所だってバレるだろうしなぁ。
ダンジョンの中で見つけた武器を素材に戻して使った。……うん、言い訳として無難なところだな。こういうのは無難なのが一番良い。まずは残りの鉄を全て超高純度の魔鉄にしよう。
そこまで大量に残っている訳じゃない、大体120キロぐらいだ。解体所で作った中華鍋が直径1メートルぐらいあるんで、アレで結構使えたから良かった。
………よし! 出来た! 次に焼き網の魔鉄も素材に戻してーっと。こっちも結構あるんだよな、これも超高純度の魔鉄に変えるか。
………よしよし、これで完了だ。全部で155キロの超高純度の魔鉄が出来たぞ。明日ビキニアーマーズの2人に何が欲しいか聞くかな。
「………アルド、ソレどう考えても表に出せないやつだよね? 何でそういう物を作るのさ! 後の事を考えないのかい!?」
「いや、ダンジョンで見つけた武器を素材に戻して使ったと言えば、言い訳としては無難だし問題ないだろ? それに、俺達には要らないからビキニアーマーズの武具に使う予定だし」
「ああ、あの2人の武具ですか……ならば良いのではないですか? アレ等がアルドの事を喋っても先程の言い訳がありますし、使い道があるのであれば目くじらを立てる程の事ではありませんよ」
「まあ、そうねぇ……。焼き網に魔鉄を使うとか色々おかしい使い方をしているけれど、使い道があるだけマシでしょうね。それに、あの2人の武器は普通の魔鉄だったわよね?、もっと良い武器に替えてあげるべきよ」
「あの2人の武器は、確か主様が作ったんだったね。その御蔭なんだろうけど、思ってるよりも戦えるみたいだ。あのシャンティの子孫が傭兵をやっているというのも、面白い話ではあるんだけど……」
そんな話をしている横で、俺は魔鉄のフォークや魔鉄の焼き網に魔鉄のブラシを作っていた。一旦素材に戻したので、もう一度作っておかなきゃいけない。俺が作った魔鉄は<超魔鉄>と呼んで区別するかね。
そもそも魔鉄自体が魔力を帯びているので、普通の純鉄以上に錆び難いんだが、超魔鉄はその比じゃないな。コレ錆びるのかなぁ……?。
極めて錆び難そうだが、それは使い勝手が良いだけなので問題なし。あの2人の武具も作って多少なりとも減らせば十分かな?。
農具作りが終わった後に作ってしまおう。そう思いアイテムバッグの中を確認しながら考えていると、ベッドへと連行された。
【房中術】のみで全員を撃沈し、俺も出しておいた布団に横になる。【空間把握】で確認するとリンデ達の方は無理だったので、ジャン達だけ浄化したらさっさと寝るか。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界195日目>
おはようございます。今日は農具を作ったりと色々しなければいけません。
それにしても、農具を作るのは久しぶりだが、前に作った農具は壊れたりしてないんだろうか? そう簡単に壊れる様な物は作ってないが、壊れるときは壊れるしなぁ……。
とにかく俺が気にしてもしょうがないので、依頼の分を作って納品すればいいか。思考を放り投げた俺は、起き上がって椅子に座り温めた聖水を飲む。
ボーっとしながら何も考えずに頭を真っ白にしていると、4匹がモゾモゾし始めた。どうやら起きるみたいだ。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル、フヨウ」
「ニャ」 「ガゥ」 「ワン」 「………」
4匹の水皿に聖水を入れて温めてやると、ゆっくりと飲み始めた。いつも通り吸い上げたフヨウは、定位置である首に巻きつきに来たので好きにさせる。
俺もゆっくりとした時間を過ごしていると、何故かダリアは俺が寝ていた布団に行き横になった。もしかして寒かったのか?。
……どうやら、まだ眠たいだけらしい。寒いのならきぐるみを出してやるんだが、まだその時期じゃないみたいだ。
気付いたらダリアだけじゃなく、カエデやマートルもウトウトしている。気を抜いて寝られるのが久々だったからか、まだ精神は回復していないのかもしれない。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「………」 「………」 「………」 「………」
「アレ? ダリア達は寝てるのかい? いや、単にウトウトしてるだけか……。暖かくはないけど、寒くもない気温だからね。寝やすいと言えば寝やすいから気持ちは分かるけど、もうちょっとシャキっとしなよ」
「村に戻ってきて、安心して眠れるようになったからでしょう。完全に回復するまでには少々時間が掛かるのかもしれませんし、放っておけば良いのでは?」
「そうね。回復が足りないのなら、ゆっくりさせてあげれば良いと思うわ。ただ生活のリズムが崩れると、後が大変だけれど」
「あー……それはね。私も崩れた事は何度もあるけど、その都度戻すのが大変なんだよね。昼過ぎに起きたりなんかすると、そのままズレ続けたりするんだよ」
「私の場合は暗殺の依頼によってズレる事がよくあった。その所為で不規則な生活になっていたが、そういうものだと諦めていたな」
「僕はある意味決まった生活だったね。夜が本番だから、昼過ぎか夕方まで寝てて、それから仕事の用意をしてたよ。仕事の時間は必ず夜だし」
そんな話を聞きながら、部屋を出て食堂へと下りる。女将さんに大銅貨18枚を支払い朝食を注文したら、いつものテーブル席に座る。聖水を出して温めたら好きに飲むように言い、雑談をしながら待つ。
何と言うか、日常に帰ってきた気がする。
▽▽▽▽▽
0478終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨140枚
大銀貨252枚
銀貨238枚
大銅貨250枚
銅貨144枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




