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 迂闊な奴から死ぬのは当たり前だし、魔物と言ったところで元々は動物なんだから、学習すれば厄介なのは当たり前の事だろう。


 地球の日本だって、学習した害獣に田畑を荒らされて困っているぐらいだ。魔物がより巧妙になるのは傭兵が居る以上は避けられない事だと言える。


 そもそも狩りと言うのは、人間種と魔物の殺し合いであり喰らい合いだ。相手を殺して食うという、自然のままの関係とも言えるのが傭兵と魔物なんだ。


 殺し合いなどという一番相手が学習する事をやっている以上は、常に対策をし続ける必要がある。


 そんな事を考えながら川の傍を歩いていると、男2と女4に分かれて口論しているチームがあった。


 何でこんな所で口論なんかしてるんだと思いつつも、避けて通っていく。変な事に巻き込まれでもしたら休みが潰れるかもしれないからな、避けるのは当然だ。



 「あんた達が昨夜、宿の部屋に娼婦を買いに行ったのは知ってるのよ!! 私達に手を出してる癖に娼婦の所にも行くなんて、本当に碌な事をしないわね! そんな無駄なお金があるならチームの為に使いなさいよ!!」


 「フザケるな!! 俺達だって、お前等が男娼を買ってるのは知ってるんだよ! そもそも俺達はそれを知って買いに行ったんだ! 浮気がどうとか言うなら、お前達の方が先だろ!!」



 何と言うか、どっちもどっちとしか言い様の無い喧嘩だな。そもそもこんな川の傍で口論するのもおかしいが、それ以上に内容がおかしい。どっちも買ってるんじゃ、お互いに文句は言えないだろうに。


 おいおい、まだ口論というより口喧嘩を続けてるぞ。引っ込みがつかなくなったのか、感情で喚いているのかは知らないが、チームが割れる原因なんて些細なものか……。


 この世界ではキリスト教どころかユダヤ教が無いし、そもそもの宗教が無い。だからこそ、処女や童貞に然したる価値も無いんだ。ヨーロッパで言うなら古代ローマ時代かそれ以前の貞操観念なので、特にどうこうとか言う奴は誰も居ない。


 そもそも神官でさえ普通に結婚し、浮気して追い掛け回される世界なのに、貞操観念を言う意味が無いだろう。


 ちなみに浮気や不倫は悪い事とされているが、それだけで処刑されたりとか局部を切り落とされたりはしない。当事者で話し合うだけだが、大体子供は神殿に預けられる事になる。


 だからこそ、神殿に併設されている事の多い孤児院があんな事になっていたんだが……。言葉は悪いが、神殿だって受け入れたくて受け入れている訳では無いと思う。


 それでも、国や個人からの寄付を貰っているにも関わらず、着服したりするのでクズと言われるんだよな。真面目にやっていれば尊敬されるだけだったし、浄神が激怒する事も無かったっていうのに……。


 門番に登録証を見せて村の中に入り、まずは宿へと帰る。部屋に入って皆に解体所に行くか聞くと、ダナとシュラだけ挨拶に行くと言ったので一緒に行く。


 宿を出て解体所に行くと、何故かさっき川の傍で口喧嘩していた男女6人組が居た。雰囲気は悪く無さそうだが、仲直りしたのかね?。



 「いらっしゃい! 久しぶりですね、今日は……オーク3匹だけですか?」


 「実はですね。オークを売りに来たんですけども、ちょっと相談したい事がありまして……ジャロムさんは居ますか?」


 「え、ええ……ちょっとお待ち下さい」



 そう言ってベグさんはジャロムさんを呼びに行ってくれた。ふと横を見ると、男女6人組が入り口の方に歩いて行くのが見える。どうやら売却が終わったらしいが、これから大丈夫なのかねー、あの6人は。


 6人組をジっと見てた俺が気になったのかダナとシュラが聞いてきたので、川の傍で口論していた話をする。2人も微妙な表情をしながら、「良くある事さ」と言っているので忘れよう。



 「用事があるとか聞いたので来たが、用事とはいったいなんだ?」



 俺達の所にやってきたジャロムさんに、旦那さんとの話し合いで出た要望などを説明していく。要は、かす肉作りと獣脂作りを解体所でやってくれないかという事だ。



 「ふむ、保存食と臭いは有るものの明かりに使える油か……。しかも今までは大半が捨てておった部分だ。加工すれば儲かるとなれば当然やるが、いったいどうやれば良いのだ? 金が掛かりすぎれば損になるので出来んぞ?」



 俺は余っている鉄を取り出し大きな中華鍋を作る。近くの土を【融合】で固め【圧縮】し下の方が開く筒の様な物を作ったら、その上に中華鍋を乗せて開けた部分から薪を入れて火を点ける。


 オークを解体し腸を取り出したら開いて水洗いした後、【清潔】を使って綺麗にし一口大に切っていく。鍋に水を少量入れたら少しずつ腸を入れていく。


 腸から油が出てくるので揚げていき、十分に揚がったら取り出す。後はその繰り返しだ。揚がった物に【乾燥】を使用し少し食べて貰う。



 「ふむ……グニュグニュしておって噛み切り難いが味は悪くはないな。……成る程、野菜等と一緒に煮込んで食うのか。それと、鍋に残っている油が思っているよりも多いな。正直に言えば、明かり用の油はあればあるだけ売れるだろう。ただ、肉の臭いが強いのが問題か……」


 「何か香草を混ぜたりしてみますか? 多少臭いは減ると思いますが……それとも、その辺りは商人に任せてしまいますか?」


 「そうだな……商人に任せてしまった方が良いな。こっちで作ったとしても、レシピを寄越せなどと言ってくるだろうし、相手をするのも面倒だ。どのみち奴等が努力するべき部分でもあるしの。こっちは腸から油を取り出すだけで儲かるのだ。欲を掻く必要も無い」


 「説明はこれで終わりですから、後は残っている腸を全部揚げていきますよ。それと、鍋なんかは置いていきますから使って下さい」


 「流石にそこまでしてもらう訳にはいきませんよ、キチンと対価はお支払い致します」


 「いえいえ、構いませんよ。正直に言って、早く整理したい物でしかありませんので……」



 俺とダナとシュラは草原での戦争の話などを、腸を揚げながらしていく。鉄が何故余っているのか、何故アイテムバッグの邪魔物になってしまっているか等を話していくと、かなり呆れられた。



 「鉄の全身鎧を着る400の兵士を、お主等だけで倒したのか……。確かに鉄の全身鎧は重いし、鉄を張った盾を持つなら更に鈍重であろう。そのうえでの【火魔法】だ。確かに耐えられんだろうが……エゲツないな」


 「ですね。言葉は悪いですが、完全に焼き殺していますよね? それも重くて逃げるのが難しい相手を、圧倒的な魔法力で焼き殺してしまうとは……」


 「そう言われてもねぇ。向こうが重装兵で来た以上は、こっちは対策を取るさ。草原の民が使う大弓でも抜けない以上は、更に強力な手を使うしかないだろう? アタシ達が殺される訳にはいかないしね」


 「それに、鉄のプレートアーマー相手には非常に良い戦い方でしたよ。王国の魔法士隊でも同じ事は出来そうですし、帝国が攻めてきたら焼き殺せば良いと分かりましたしね。どうせライブル辺りが、帝国との戦争があれば関わらせそうですし」


 「そう言えば、お前さん達は帝国との戦争に関わっていたんだったな。また帝国が攻めてくる可能性があるのか? 間者の連中はここ最近大人しい様だが」


 「帝国が攻めてくるかは分からないよ。向こうは虎の子の精鋭部隊を出してないから言ってるだけさ。その精鋭部隊が、鉄のプレートアーマーを装備してる部隊だからねぇ」


 「成る程、そういう事か。案外帝国なら銅の全身鎧とかも作っていそうな気がするが、どのみち動くのが難しい装備だからな。装備する者も相当に鍛えておらんと扱えまい」


 「帝国は混乱が落ち着いたか、それとも混乱が続いているのか……。向こうの方には行く気が無いので、どっちでも良いんですけどね。ただ、混乱の所為で物価なんかが面倒な事にならなきゃ良いんですが……」



 どこまで影響があるのか、いつまで影響があるのかは難しいからなぁ。



 ▽▽▽▽▽


 0476終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨140枚

 大銀貨252枚

 銀貨232枚

 大銅貨295枚

 銅貨144枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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