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 皆の酒作りも終わり、少し早いが女将さんに大銅貨18枚を支払い夕食を頼んでおく。皆は早速酒を飲んでいる様だが、あまり飲み過ぎない様に注意しておく。雑談という名の酔っ払いの相手をしていると、食堂にヴェルが姿を現した。


 ヴェルが来たので、女将さんに大銅貨1枚を渡してヴェルの夕食も注文する。ヴェルは俺に礼をしたので直ぐに気付いたらしい。俺は気にするなという風に手を振りながら席に戻った。


 「丁度皆さんが居られて何よりです。皆さんに聞きたい事と王城からの手紙があるのですが、どちらを先にしましょうか?」


 「どっちでも良いけど、折角だから先に話してみな。どうせ相談か依頼だろ? アンタ達の手に負えないなんて事は、そんなに無い筈なんだけどねぇ……」


 「手に負えない事ではなくてですね、<土の季節の実力試し>をどうするのか相談させてほしいんですよ。アレはダナさんが作られたものですし、ダナさんが手合わせして叩き潰す為のものでしょう?」


 「叩き潰すというか、調子に乗らせない為のものさ。調子に乗る奴は簡単に死ぬっていう事と、自分の弱さを自覚させる為にやってた事だからね。ヴェルがやれば良いだろう? 久しぶりの息抜きだと思えば良いんだよ」


 「成る程、息抜きですか。確かに書類仕事とか馬鹿の尻拭いとかでイライラも限界に近かったですし、合法的に叩き潰しますか……。あっ! これが王城からの手紙ですけど、こっちにも少し話が来てますよ? 何でもヴェスティオンの王女を脅したらしいじゃないですか。向こうの一部のギルドマスターからは「良くやった!」とか「ありがとう!」という手紙が来てましたよ?」


 「リズロッテはそこまで嫌われていたのですか……まあ、自業自得ですね。ディルを無理矢理に勧誘というか自分のチームに入れようとしたり、アルドとジャンに対して暗殺者を差し向けたりしましたからね。だからこそ、暗殺者の死体を寝所に放り込まれるんですよ」


 「”だからこそ”の意味がさっぱり分かりませんけど? 確かに暗殺者を差し向けるなんて、一国の王女がするべき事じゃありませんけど、その報復で死体を寝所に放り込むと言うのもどうなんでしょう?」



 ルタが呆れた様な表情と声でシュラにツッコミを入れた。まあ、やったのは俺だからシュラに言うのは間違ってるんだが、俺は後悔もしていなければ反省もする気は無い。


 もう少し正確に言うと、そもそも反省の必要が無いと言った方が正しいだろう。暗殺者を差し向けた以上は殺されても文句は言えない。当たり前の事だ。



 「それは、そうなんですが……殺さない報復が死体を放り込むっていうのもちょっと……。自分がやられたら、軽く引き篭もりになる自信はありますよ? 少なくとも10日ぐらいは、寝ている最中にうなされると思います」


 「だから、やったんだよ。殺していない以上は感謝してほしいくらいだ。いつでも殺せたし、証拠も無く闇に葬っても良かったんだ。なのに生きてるんだぞ? 更に恨んでくるなら、次こそ命は無い」


 「えー……物騒な話は止めて下さい。聞いていただけでも面倒な事になるので、私の知らない所でやって下さいよ。ギルドマスターとして云々とか言われるの面倒臭いんで」


 「あー……これはまた面倒な事を言い出したね。何でも騎士団の実戦訓練の場としてダンジョンを活用する事にしたらしいんだけど、ダンジョンの魔物の素材を加工出来る物が多くなくて困ってるらしいね。それで主様に臨時で武具の製作を依頼したいらしいよ? 土の季節40日からだから、まだ時間はあるし急ぎではないみたいだ」



 実は最初に手紙を受け取ったのは俺だったんだが、王城からの手紙ってビックリするぐらい読み難いんだ。まさか、あんな訳の分からない修飾語や美辞麗句が大量に書かれている物が手紙だとは、驚くしかない。


 最初は暗号文の書かれたものかと疑ったくらいだ。読む側に負担を掛ける手紙っていったい何なんだよ、本当に訳が分からない。


 その暗号文っぽい何かに慣れているアルメアに、解読を依頼したという訳だ。アルメアは解読と言われて苦笑いをしていたけど、俺が言いたい事も分かるらしい。


 手紙のマナーというのはもちろん分かるんだが、相手に伝わらない手紙にいったい何の意味があるのかと聞きたいもんだ。飾り立てる事を重視し過ぎて、手紙という物の本来の意味を忘れてるんじゃないか?。



 「現在は土の季節33日だから、後7日か……。少しはゆっくり出来そうだが、早めに行かなきゃ五月蝿そうだな。1日前に向こうに着いていれば良いだろう」


 「普通は王城からの召還なら、2日前とか3日前には王都に行っておくのがマナーなんですが、それは貴族のマナーであって庶民のマナーじゃありませんからね。貴族の場合、着いた後で面会の申し入れとか色々ありますから面倒臭いんですよ。父や兄が面倒臭そうに申し入れの使者に持たせる手紙を書いていました」



 そんな話をしていると夕食が運ばれてきた。今日のパンは矢鱈白いが、そういえば小麦粉を取られたんだと思い出した。


 中庭で挽いた小麦の不要部分は穴を掘って埋めたので、別の料理に使われる事は無い。ちょっと勿体ない事をしたのかもしれないが、それは仕方がないな。


 最初にパンを千切って食べてみると、いつものパンよりは美味しい。だけど2次発酵までしていないからか、そこまで柔らかく美味しい訳では無い。


 とはいえ、いつもより美味しいからか皆は喜んでいるみたいだ。……ウチの女性陣を除いて。



 「アレ? 感想を聞きに来たんだけど、ダナさん達はあんまり喜んでないみたいだね? 私は凄く美味しかったんだけど、どこか駄目なところでもあったかい?」


 「いや、別に駄目って訳じゃないんだよ。十分に美味しいさ。でもねぇ……アタシ達はこれより更に真っ白なナンモドキを食べた事があるし、あれの小麦粉は本当に真っ白だったんだよ」



 ダナがそういうと女将さんは俺を捕まえて、旦那さんの居る調理場へと連れてきた。旦那さんはギョっとした後に謝ってくれたが、女将さんは「美味しい!」と言われなかった事が許せないらしい。


 仕方がないのでアイテムバッグから全粒粉を出して、【抽出】を使い真っ白な小麦粉にした後に【破砕】して【粉砕】する。


 その小麦粉を見た途端、旦那さんはビックリして指で触り感触を確かめていた。物凄く真剣で流石料理人と思う姿だ。感心しながらも馬乳と塩を出して準備したら、練っていきナンモドキを作る。


 練りあがったらフライパンと蓋を出して【加熱】して焼いていく。俺の料理風景に旦那さんも女将さんも唖然としていたが、こういう料理なんで諦めてほしい。


 出来上がったナンモドキを試食してもらうと、美味しかったのか女将さんは妙な納得をしていた。旦那さんはナンモドキが屋台で売られていたのは知っていたが、作り方は知らなかったらしい。


 俺の作り方も正しくは無く、所詮はナン”モドキ”でしかない事は伝えておく。馬乳の部分は牛乳でも構わないし、普通に水でも問題ない事を伝え、ある程度焼かせて貰ったら食堂に戻る。……馬乳が無くなったか。


 ナンモドキを皿に載せて戻ると、皆は食事をほぼ終えている状態だったがジっとこっちを見てくる。何かと思ったらナンモドキが欲しいらしい。仕方ないので皆で分ける様に言うと、一斉に手を伸ばされて俺の分はどこにも無かった。


 諦めて食事を再開するも、ナンモドキを齧りながら酒盛りを始める始末だ。しかも干し肉を出してくれとまで言ってきたので、仕方なく出してやる。


 食事を終えた後、鍋を出して残っている凍らせた野菜とかす肉と干し肉を入れ【加熱】して煮込む。煮込んでいる最中に【熟成】を少し使ってみたら、煮込み時間が少なくて済むという新しい発見をした。


 まだ食べたそうにしていた4匹の皿に入れてやり、【冷却】で少し冷ましてやると美味しそうに食べ始めた。


 匂いが強かった所為か旦那さんが調理場から出てきたので、スープを食べて貰いかす肉の作り方を教える。


 漫画やアニメみたいな大袈裟な驚き方をされたが、そこまでか……?。



 ▽▽▽▽▽


 0473終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨140枚

 大銀貨252枚

 銀貨232枚

 大銅貨313枚

 銅貨144枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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