0471
呪いを飛ばしてくるクソガキが持つメダルの様な道具。それを浄化して破壊する事にした。俺は一旦周りから見えない位置に入ると、隠密の4つの技を使い隠れてしまう。その後、呪いを浄化しながら近付きメダルの様な物を一気に浄化する。
するとメダルはひび割れた後、砕けてしまった。どうやら呪いを与えるだけの道具で、それ以外に意味は無いらしい。
何となく呪神の関わりが無い、たまたま呪いの道具になってしまった物っぽいな。そもそも呪神なら、都合良く呪いを利用できる道具なんて作らないだろう。
クソガキが発狂し始めたので【衝気】を使って気絶させ、【昏睡】を使って強制的に眠らせた。その後、部屋に侵入して中を探る。
新しい宿なのに呪いで汚しやがって……。そう思いながらクソガキの持ち物を探っていると、中型のアイテムバッグの中に手紙があった。
その手紙を取り出して確認すると、帝国の男爵からの手紙だった。要するに俺の暗殺を依頼された奴だったらしい。
呪いのメダルは男爵が持たせた物らしく、暗殺が成功したら白金貨を約束していたみたいだ。本当に払われるかは疑問しかないが、こういう奴はそこまで考えないのだろう。
それと手紙には、「必ずアイテムバッグは返せ!」と書かれていたが、俺はそんな約束はしていない。よって俺が返す義理は全く無いという事になる。
俺は昏睡させたクソガキの首を斬って殺した後、アイテムバッグの中に死体を収納した。中型のアイテムバッグを含め部屋の中の物は全て回収し窓から部屋を出る。
外で待機させていた4匹と合流し、何食わぬ顔で村の中を歩き宿へと戻る。宿の部屋に戻ったら、皆に事情を説明し、隠密の4つの技を使って一人宿を出た。
村の外に出て東の森の中に入り、適当な場所で穴を掘る。中に死体を捨て【浄炎】で燃やした後、【破砕】と【粉砕】を使って完全に処理をしておく。
アイテムバッグの中には男爵からの手紙と、お金しか入っていなかった。クソガキ自身も武器を持っていなかったので、傭兵登録したにも関わらず武器も買わなかったらしい。幾らなんでも怪し過ぎると思うんだが、装う事もしなかった様だ。
このアイテムバッグ……色を抜けないかな? 集中して色だけを抜くように【物質浄化】を使う。集中して……集中して……。本当に出来るとは思わなかったな。
真っ白なアイテムバッグになってしまったが、これはこれで良いんじゃないかと思う。俺の大型のアイテムバッグも白いし。
帝国の男爵とやらがコレを見ても、返せとは言うまい。そもそも同じ物だと思わないだろうしな……儲け、儲け。
中型のアイテムバッグがこれで2つだ。仮に1つを5人組に売ってやったとしても、もう1つは余るな。ザラとエイルズのどっちかにアイテムバッグを持たせれば良いか……持たせるならエイルズだな。
確かエイルズは盾を使って戦う筈だ。ザラよりは壊される可能性は低いだろう。村の宿に戻り、皆に死体を処理してきた説明と、帝国の男爵の手紙を見せる。すると、ダナが激しく怒り始めた。……どういうこと?。
「帝国の貴族でドゥオリム家って言えば、昔アタシを手篭めにしようとしたバカの家なんだよ! 今度はアルドを狙ってくるなんて……! 子孫も碌な事をしないねぇ!!」
「あー……そういえば、そうでしたね。確か……アロウェイル・ドゥオリムでしたっけ? 昔ダナを手篭めにしようとしたバカは。まだ彼の者の家は残っていたんですね、そっちの方が驚きです」
「300人の兵士を使って全滅したって恥ずかし過ぎるものね? 確かによく家が滅ぼされなかったと思うわ。とはいえ、それよりも呪いのメダルなんてどうやって手に入れたのかしら? 地下の市場でも出回る物じゃないと思うのだけれど」
「さて、私は地下の市場なんかは詳しくないから何とも言えないけど……確か呪いの武具を集めようとしていた暗殺者達が居たんじゃなかったかい?」
「そういえば、いたな。俺が全員ブチ殺したが、暗殺の為に集めてたのかもしれない。とはいえ、呪いの武具で暗殺するのが果たして有効な手なのかね? 暗殺技術を磨いた暗殺者の方がよっぽど優秀だと思うんだが、目標を殺せれば何だって良いとでも思ってそうだな」
「元暗殺者としては納得出来ないな。目標を殺せれば何だって良いというのは、それが自分に向かってくる覚悟があるのかという疑問を持たざるを得ない。暗殺は仕事だ。簡単に暗殺が出来る様になれば、誰に対してでも暗殺の仕事が依頼されるだろう。それが王や皇帝相手でもだ」
「本当にね。そもそも真っ先に自分が狙われるっていう自覚が無いんだろうと思うよ。そういう下らない事を考える連中は。地下の市場の話だけど、極々稀に呪いの道具は出品される事はあるらしいよ。<黒蛇>の購入担当から聞いた事があるんだ」
「アタシは利用した事は無いけど、毒剣とか、出所の怪しい魔道具とか、アイテムバッグとか色々売り出されるらしいね。後は奴隷売買か……。借金奴隷が大半だから何とも言えない部分はあるけどさ、あんまり好きじゃないねぇ」
そういえば、この世界には奴隷が居る。地球でも奴隷がいない時代の方が遥かに短く、珍しいとさえ言えるぐらいに何千年も前から奴隷は居た。
この世界の奴隷は、主に借金のかたに売られる借金奴隷が殆どで、それ以外は犯罪奴隷しかいない。
ラノベ等で登場する便利な<奴隷の首輪>とかは当然ながら無いので、見張ってないと暴れ出したりして危険だったりする。だから犯罪奴隷は殆どおらず、犯罪者の9割9分は処刑される。
なので犯罪奴隷自体は滅多にいない。基本的に処刑できない人物や、風俗で人気の種族ぐらいが生かされて奴隷になって売られる。
魔法や闘気術がある世界では、犯罪者が強かったりするので奴隷として使えない事の方が多い。ちなみに、処刑出来ない人物とは元王族などだ。大抵の場合は、奴隷として親族や血縁者などに売られる。理由は高く売れるからだ。
親族や血縁者ならば高い金を出してでも買い取る為、そちらに売られる。極稀に買取を拒否される事もあるらしいが、本人が嫌われているパターンはどうしようもないそうだ。
借金奴隷の場合も、強ければ叛逆される事はあるので、強い護衛が居る者ぐらいしか買わないらしい。後は国が買い上げて戦争に使う事もあるそうだ。
自国の兵士ではなく奴隷を使って攻めさせて、散々死なせた後で兵士を投入するらしい。特に町の門や城門を破る戦いなどで使われる事が多い戦法なんだと。……嫌なもんだ。
「まあ、使わない国も多かったりするんだけどね。城門なんかを破壊して1番乗りをするのは非常に大きな武功だから、その活躍の場を奴隷に奪われるのは業腹なんだろうさ。気持ちは分かるし、奴隷を投入して磨り潰す策よりは好感が持てるよ」
「奴隷を投入する戦いは死屍累々になるそうで、多くの兵の心が保たないそうです。追い立てる側も、攻められる側も耐えられない者が相当出るらしく、今では非難される事も多い戦法ですよ。まあ、それを分かっていてやる国もあるそうですが、碌なものではありませんね」
「特に攻められた側は大変でしょう。死体の片付けもしなければならないもの、耐えられない者が出て当然よ。とはいえ借金奴隷だって多くはないし、あまり使えない戦法である事も間違い無いわね」
あんまり話していて気分の良いものでもないし、もうこの話題は止めよう。それよりも、まだまだ時間はあるんだし、ガルドルさんとウィンさんの所に売りに行ってくるか。俺は微妙な空気を散らすように皆に一声掛けて部屋を出る。
4匹は今回もついてくるみたいなので、一緒にガルドルさんの家まで歩いて行く。ダリアやカエデ、それにマートルもフラフラするので、それに合わせてあっちこっちをウロウロしながら進む。
子供達が寄って来てカエデやマートルを触っているが、相変わらずダリアだけは綺麗に避けていて子供達に追い掛け回されている。
そういう遊びみたいだ。
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0471終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨136枚
大銀貨236枚
銀貨234枚
大銅貨332枚
銅貨144枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




