表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
470/1948

0469




 「草原の話をするのは良いんだが、ウチのメンバーは何処に行ったんだ? 食堂には居ないし狩りにでも行ったのか?」


 「皆さんなら、まだ寝てるんじゃないですか? ここ最近は村の拡張工事の仕事を請けて、アルドさんが広げた堀を埋めて村を広げてましたよ。昨日ようやく終わったらしくて大変そうでした」


 「本当に大変そうでした。村の拡張は全体に及んだので、土魔法やスコップなんかを使いながら広げる所へ行って掘る人と、堀まで土を運んで埋める人とに分かれて朝から晩まで頑張ってました」


 「成る程なぁ、それ……うん? どうやら起きてきたみたいだな。お腹が空いて起きてきたのか、これ以上寝られなくて起きたのかは知らないが……。話をするにしても、アイツ等が起きてきてからだな」



 そう言って食事を優先する。女将さんもちょっとした仕事があって、まだこっちに来れないので丁度良い。今の内にさっさと食べてしまおう。少し急ぎ気味に食事をしているとジャン達が部屋を出てきた。



 「すみませーん! 食事を3人ぶ……お帰りなさい。帰ってたんですね。昨日の仕事が大変だったもので、今まで寝ていたんです」


 「知ってるよ。さっき5人組から聞いたからな。それよりも、何回も同じ話をしなくて済むようにリンデ達が起きてきてから今回の仕事の話しをす……どうやら、起きてきたみたいだ」


 「お帰りなさい。部屋のドアを開けたら直ぐに声が聞こえたので、帰ってこられたんだと分かりました。仕事のお話をされるのでしたら、私もお話が聞きたいです」


 「別にそれは構わないんだが、女将さんの手が空くまでは無理だ。だから昼食でも注文してくると良い。俺達はそろそろ食べ終わるが、お前さん達は昼まで寝てたみたいだからな」


 「それは主に誰かさんが強固な堀を作ってくれた所為なんだけど!? 御蔭で埋めるのに土が足りなくて別の所から持ってきたりとか、色々苦労したんだよ。土魔法を使えればと何度思ったか分からないくらい、後悔したよ!」



 何故か元ビキニアーマーズの2人は苦笑いしているだけだ。話を聞くと、肉体労働は慣れているので特に何とも思わなかったそうだ。


 とはいえ、一国の王女がやる仕事ではなかったので苦笑いが出たらしい。ちなみに拡張工事の仕事は、村長の指名依頼だったみたいだ。


 昼食も終わり、ゆっくりしているとジャン達とリンデ達の昼食が来た。それを機に、女将さんも椅子に座り話を聞く体勢になったので詳しく話していく。まずは北への移動だ。



 「ルーデル村からサーサの村までは距離がある。遅い場合は1日掛けてサーサの村への移動となるだろうな。俺達の場合は、1日でその先にあるベルーザの村まで行った。そこのギルドマスターの依頼だったから、詳しい話を聞きに行った訳だ」


 「ところが、ベルーザの村のギルドマスターはアタシ達を騙そうとしてねぇ……とんだ大恥掻いたのさ。サブマスターの獅子族が体の大きな男でね、そいつがギルドマスターのフリをしてたんだ。けど、アルドの挑発であっさりバレてね」


 「そうでしたね。その後、下らない事をした事も含めて詳しい話を聞くと、邪生が増えていて各氏族まで塩を届ける実力があるかどうかを見極める為でした。向こうでは各氏族との協力体制があり、ギルドマスターの責任らしいですから、なんとしても塩を届けたかったのでしょう」


 「へぇー……そこのギルドマスターも大変そうですね。この前も「ギルドマスターがこんなに大変だとは知らなかった!」って、ヴェルさんから愚痴を零されましたよ」


 「ヴェルは何をやってんだい……。下の者に苦労の顔は見せるなって教えてきたのに、忘れてるのかねぇ……。上に立つ者の心構えは何度も言ってやったっていうのに、身について無いって事は聞き流してたんだろうさ」


 「まあ、それはいいとして。その後、俺達は塩を各氏族に運ぶ為に草原を進んで行ったんだ。ガイアルム王国よりも広い草原を、目印も無しに進んで行くんだがら大変な訳だ。各氏族の居留地はおおよその場所しか分からず、そこに居るかも分からない中を進んで行かなきゃならない」


 「私達の速さで半日と少しぐらいかしら? それぐらいで最初の氏族であるセム氏族の所に着いたのよ。そこで塩を3分の1下ろして、今度は西のロン氏族の所へと進んで行ったわ。今度は半日の半分ぐらいだったかしら?」


 「確か、それぐらいだったね。ロン氏族の所でも3分の1の塩を下ろして、最後は5氏族の中でも1番西のウォルガ氏族に持って行けば仕事は完了だったんだよ」


 「ちょっと待ってくれ。1番東がセム氏族、次がロン氏族なのに、急に1番西のウォルガ氏族というのが出てきたんだが……いったいどういう事なんだ?」


 「ロン氏族とウォルガ氏族の間には、コーニャ氏族とボルン氏族が居るんだ。この2氏族の中間辺りには塩の湖があってね。その2氏族はそこから塩を得ているんだよ。まあ、5氏族が塩を得ているんだけども。水の季節は動けないから、その前の補充さ」


 「成る程。食料店に行けば買える様な暮らしじゃないからな……。あっ! 話の腰を折ってすまない」


 「疑問だったんだから、別に良いのではないか? 私達がウォルガ氏族の所に向かって進んで行き、野営をした次の日の朝、逃げてくるウォルガ氏族の女性と子供達を発見した」


 「それが先程言われていた戦争ですか……。私やエイルズもお供をしていれば活躍出来たかもしれないのに、惜しい事をしました。シャンティここにありと、示してみたかったですね」


 「アタシ達は村に居て知らなかったんだし、どうしようもないさ。後悔しても仕方ないし、チャンスが無くなった訳でもないんだ。来たる時の為にも、もっと修行しないとね」


 「話しを続けるよ? ウォルガ氏族の大僧正……この役職はこっちで言う大神殿長みたいなものらしいんだけど、その人から話を聞いたら、西の国が攻めて来てるって分かったんだ」


 「西のムルっていう国が攻めて来てて、アタシ達に助けてくれと言ってきたんだよ。残りの塩を臨時の居留地に置いてきたアタシ達は、最前線で戦ってる戦士達の救援に行く事になったのさ」


 「1日休んだ私達は他の氏族の戦士達と一緒に最前線へと行ったのですが、そこには腹に矢の刺さっているウォルガの先代氏族長が居ました。今の氏族長が泣いている横で、アルドがさっさと矢を抜いて治療してしまいましたが」



 何故か周りからジト目で見られてるぞ。人助けをしたんだから良い事をした筈なのに、何でジト目で見られなきゃならないんだ? そう言うと目を逸らされたが、それはそれで解せぬ。



 「治療した後で詳しく話を聞くと、多数のプレートアーマーを装備して大きな盾を持った重装兵が居たらしく、それで苦戦してたんだと分かったんだ。ちなみに、先代の腹の矢は若手を庇ったからだったよ」


 「草原の民の戦士は、馬に乗って速く移動しながら矢を射かける戦いを得意としていたの。ただ、プレートアーマーと大きな盾で矢を防がれてしまい、更には向こうも大型の弓で射掛けてきたらしく結構な被害が出ていたわ」


 「主様が幾つか提案したんだけど、結局は私達が【火魔法】で敵を倒す事になったんだよ。私達と主様1人の二手に分かれて、敵のプレートアーマー部隊を焼き殺す事になったんだ。それ自体はあっさり終わったんだけど、弓兵の大半と歩兵に逃げられてね。結局、主様が食糧を奪って撤退に追い込む事になったんだよ」



 大分省略しているとはいえ、濃い経験をしてきた気がするなぁ……。何で俺達が行く所では問題がよく起きるんだろう? もう少し緩やかな生活がしたいと思うのは気の所為かね。


 まあ、騒動なんかもいずれは終わるものだけど、早く終わってほしいな。だけど浄化する為に、あちこちに行かなくちゃいけない訳で……きっと新しい所に行く度に妙な騒動に巻き込まれるんだろう。


 ……漫画やアニメやラノベの主人公って凄く大変なんだろうな。俺はコレだけでも大変なのに、作品によっては毎日何かに巻き込まれるんだぜ? 良く耐えられるよ、本当。


 心の底から尊敬するわ。



 ▽▽▽▽▽


 0469終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨135枚

 大銀貨236枚

 銀貨234枚

 大銅貨332枚

 銅貨144枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ