表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
468/1948

0467




 うぉっ、寒っ……くないな? 何で今日は寒くないんだろう。昨日の朝はあんなに寒かったっていうのに、一転して今日の朝は寒くない。この訳の分からなさも草原なんだろうか? まあ、寒くないならさっさと朝食の準備をするか。


 今日の朝はナンモドキとかす肉と野菜のスープだ。ただし、かす肉は最低限の量にして野菜メインのスープにする。


 まずはナンモドキを作るのだが、全粒粉を取り出し【念動】で浮かせて小麦粉だけを【抽出】する。完全に日本で売ってる小麦粉になったので、そこに塩と馬乳を加えて練っていく。


 生地の塊を5つ作ったら【熟成】を使った後アイテムバッグに入れて寝かせておこう。


 次に聖水を寸胴鍋に入れてかす肉と凍った野菜を半分入れる。十分に煮たら半分の野菜を追加して少し煮る。これで野菜の美味しさと、シャキシャキ野菜が食べられるスープの完成だ。


 ん? 丁度全員が起きたみたいだな。珍しいけど、少し前にもあった気がする。ダリアが入り口を爪でカリカリしていると、フォルが【練成魔法】の【変形】で劣化させて壊した。


 外に出てきた皆は周りをキョロキョロしているが、寒くない事に驚いているみたいだ。気持ちは良く分かる。



 「何でか分からないけど、今日は寒くないね? まあ昨日は急に冷え込んだんだけどさ。地面が少し濡れてるのに寒くないんだから、草原の気候はよく分からないねぇ……」


 「昨日、アルドが朝方に雨が降っていたと言ってましたから、今日と同じで雨が降っていた筈なんですよね? その割には今日は寒くないとは……どう考えていいのか分かりません」


 「色々あるんじゃないかしら? 何も雨が降ったからといって、必ず寒くなるという訳でも無いのでしょう。風の方向とか前日の天気とか色々あるのよ、きっと」


 「そうだろうね。主様が言うには湿度とかも関係するらしいから、まだ地面が濡れている今なら寒くないのかもしれない。結局は分からないから、考えても意味は無いよ」


 「ありがとう……。そうだな、考えても仕方がない事は考えても無駄だと思う。そんなこ、コレは美味しいな!! 昨日のナンモドキと違って真っ白なんだが、もしかして……」


 「コレ凄く美味しいよ! 間違いなく麦白だし、多分最上級の麦白で作ったんじゃないかな? 本当はこんなに美味しいんだねー。それに野菜多めのスープと良く合うよ」


 「そういえば、今日の朝のスープは野菜がたっぷり入っていて美味しいよ。不思議と野菜の甘味と新鮮な野菜が一緒にあるんだけど、コレどうやって作ったんだろうね?」


 「別に難しく無いし、誰にでも出来る方法だよ。単に半分の野菜を煮込んだ後で、もう半分の野菜を入れて火を通すだけさ。それで、煮込んだ野菜の旨味とシャキシャキ野菜が食べられる」


 「「「あー……成る程」」」



 料理をする3人は直ぐに理解できた様だが、料理をしない3人は考えてもいないな。まあ、別に考えなくても良いんだけどさ。今日中にベルーザ村に到着するだろうし、そうすれば野菜の補充も出来るんで沢山使っても問題無いってだけだ。


 実際ベルーザ村はそこまで遠くはない。前に一度戻っているので分かるが、今日の夕方までには確実に到着するだろう。


 前は一人だったので全速力だったが、今回は魔道具を使いながらなので時間は掛かる。それでも2日掛からず戻れるのだから十二分に早いと言えるだろう。


 朝食を食べ終わり、カマクラや焼き場を壊して後始末を済ませたら準備完了だ。早速、魔道具を使いながら北東方向へと走っていく。


 昼になるまでに、ホーンゴートの邪生とブラウンゴートの邪生を浄化した。ホーンゴートはデカい角を持つ山羊の魔物だ。研いで武器にされたりもするので優秀な角ではある、俺達は要らないが。


 売っても良いんだが、大した値段にはならないらしい。邪生の角だから通常よりは高く売れるだろうが、湾曲しているので切る武器にしか出来ない。その為、そこまで需要は無いそうだ。【変形】で真っ直ぐにしたら売れるかね?。


 そんな事を話しながら昼の準備をしていく。昼は朝に使わなかった小麦以外の部分も混ぜて、全粒粉できしめんを作る。うどんと大した違いも無いのでさっさと作り、干し肉と野菜を煮込んで出汁を作る。


 その傍らで、解体しておいた山羊肉を焼いて臭みを取ったら一緒に煮ていく。


 最後にきしめんと野菜を入れて少し煮込めば完成だ。熟成した山羊肉が良い味を出しているのか、物凄く美味そうな匂いがしている。全員の椀に入れたら早速食べよう。



 「んー! コレも美味しいねぇ! 小麦の余りを入れてたから、ちょっと美味しくなさそうって思ったけど、食べてみると気にならないね。なんと言うか、こういう料理だと言われれば納得できるくらいに美味しいよ」


 「ええ。麦の匂いが濃い感じなだけで、そこまでマズくもありませんし普通に食べられます。何故かは分かりませんが、思っている以上に違和感がありませんね?」


 「それは多分、徹底的に【破砕】して【粉砕】したからだろうな。美味しくない部分もキメ細かい粉にしたから雑味を感じ難いんじゃないか? ジャリジャリせずに気にならないから普通に食べられるんだと思う」


 「成る程ね。確かにパンでもジャリジャリしている部分って美味しくないもの。アレが嫌いって言う人も要るけれど、ここまで細かい粉にしてしまえば気にならないのね」


 「思っている以上に、味じゃなくてジャリジャリした感じが嫌なんだと理解したよ。きしめんっていうこの麺は普通に美味しいし、麦の匂いが強いけど、私はこっちの方が好きかな? パンはまた違うんだろうけど、麺ならこっちの方が美味しいよ」


 「これは太くて良いみたいだし、私でも作れそうだな。うどんもそうだが、麺というのは意外に簡単に出来るみたいで、パンよりも楽そうだ。身体強化があれば疲れる事もなさそうだしな」


 「そうだね。ただ、細かい粉が無いと美味しくならない気がするけど……。アルドは細かい粉を作る道具とか知らないの? 普通の人は【錬金魔法】も【練成魔法】も知らないし、使えても絶対に劣化させちゃうから、道具の方が良いと思うんだ」


 「そう言われてもなぁ……。電気使う道具は無理だし、俺と同じレベルの【破砕】や【粉砕】の魔道具なんて魔力の消費がヤバいし……。う~ん………ん? 普通に水車作れば良いんじゃないの?」


 「「「「「「水車?」」」」」」



 ……そういえば、この世界で水車や風車を一度も見た事が無いな。魔物に壊されてしまうから発展しなかったんだろうか? 川の魔物に壊されるとしたら風車の方がが良いのかな。


 とはいえ、最初は水車を考えた方が良いだろうとは思う。風が無いと使えない風車よりは、一定の力が常に使える水車の方が良い。


 俺は皆に水車を説明するも知らないそうだ。アルメアやシュラでさえ知らないという事は、魔物に壊されて廃れたという線は消えたな。魔物の所為で、そういう発想が生まれなかったんだろうか?。


 皆に聞くと、粉は今でも人力で挽いてるらしい。人力でするなら3種類くらいの石臼を用意すれば良いな。細かい粉が挽ける石臼に移し変えて挽いていき、最後に篩に掛ければキメの細かい粉が残る。それもこれもルーデル村に帰ってからだけど。


 昼食を終えた俺達は、後始末をしてから走っていく。魔道具を使い邪気を集めて浄化しながら進み、夕方前にベルーザ村に到着した。


 俺達は直ぐにギルドに行き報告を済ませる。塩を運ぶ仕事はベル-ザ村からの仕事なので、ここで達成を認めてもらわないといけない。その後、ルーデル村に戻って報酬を受け取るという流れだ。


 面倒だが、ギルドが発注した仕事だから仕方がない。少し待たされた後、何故かギルドマスターの部屋に案内された。



 「何でギルドマスターにいちいち報告しなきゃいけないのか分からないが、これがセム氏族長とロン氏族長とウォルガ氏族長から受け取った納品書だ」


 「御免なさいね。私達は各氏族とも連携をしているので、責任はギルドマスターにあるの。各氏族に迷惑を掛けない様にしなければならない決まりがあって、それが守られてるかを確認するんだけど……」


 「どうしました?」


 「いえ……流石に不老長寿の方々だなぁ、と呆れただけよ。塩を持って行っただけなのに、褒め称える言葉しか書かれてないのよ?」


 「それは……また」



 お前さんも呆れるんじゃないよ。そもそも俺達は関係無いだろ。



 ▽▽▽▽▽


 0467終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨135枚

 大銀貨236枚

 銀貨237枚

 大銅貨354枚

 銅貨144枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ