表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
467/1948

0466




 夕食作りを始めるんだが硬パンは昼で無くなったので、夕食にはナンモドキを作ろうと思う。ボウルに小麦粉と馬乳と塩を入れて捏ねていく。


 纏まったら叩いて捏ねてを繰り返し、ほどよいところで【熟成】を使い休ませる。それを3つ作り4等分ずつにしたら薄く延ばして焼いていく。


 面倒なので網で焼いているが特に問題は無いだろう。皆にナンモドキを焼いてもらっている間に、聖水と干し肉と凍った野菜を入れて煮込んでいく。


 塩と香辛料で味を整えたら完成だ。ナンモドキも全員分焼けたようなので食べようか。



 「このナンモドキって簡単に出来て良いね! でも、何でモドキなんだい? 元々の物とは違うからモドキなんだろうけど、普通の料理に見えたけどねぇ……?」


 「本来のナンはイーストという物、分かりやすく言えば昨日言ってた酵母を使って発酵させるんだよ。それをしないからナンモドキなんだ。他の名前も有ったような無かったような……確かインドでは発酵させるかどうか、全粒粉かどうか、揚げるかどうかで名前が変わった様な記憶があるんだが、詳しくは覚えていないんだ」


 「まあ、仕方がないのではないですか? 細々とした違いを正確に把握している者は料理人くらいでしょう。アルドが覚えていなくても不思議ではありませんよ。それにアルドの故郷は日本という所であって、インドという所ではなかったと思いますし」


 「ああ。そういえばナンって小麦粉で作るんだっけ? この世界は未だ全粒粉が当たり前だから、小麦粉という言い方もおかしいと言えばおかしいのか。機械が無ければ小麦粉を作るのは大変だろうし、当然だな」


 「全粒粉ですか……? ああ、全部挽くか中身を挽くかの違いですね。小麦の粉だから小麦粉なのは当然ですが、確かに中身だけを挽いた物の方が上質なのは当たり前ですからね。アレは麦白とか上質粉と言われてますよ」


 「成る程な。俺が【錬金術】や【練成術】を使えば簡単に小麦粉……麦白は作れるんだけど、普通なら大変な筈だしな。確か地球でも、挽いた後の粉を篩に掛けてたんだっけ? そうやって大きい物を取り除いて、粉の質を上げてたって何処かで読んだな」


 「主様がその篩とやらを作ってあげたら、美味しいパンが食べられそうだね。麦白の方が美味しいパンになるのは当たり前だけど、あの作業ビックリする程に面倒なんだよ。昔1度だけやって、2度とやらないって心に誓ったくらい面倒臭いんだ、アレは」


 「私はこのナンモドキでも十分美味しいがな。ふんわりと馬乳の香りがして、思ってるよりも美味しいと思うのだが……。まあ、私は麦白のパンなんて食べた事も無いから、なんとも言えない部分はあるけども」


 「別に言っても良いんじゃない? ここでだって、多分本当の麦白のパンを食べた事があるのってアルドだけだと思うよ。昔孤児院で麦白作りをやらされたが事あるけど、思ってるよりも白くならないんだ。アルドが言う真っ白なんて、それこそアルドにしか作れないんじゃないかな?」


 「まあ、道具だけで作ろうと思ったら難しいだろうな。とはいえ、麦白の方が美味しいだろうが、麦白のパンばかり食うと太りやすいんだがなぁ……」


 「「「「「「えっ!?」」」」」」


 「炭水化物とか糖質とか色々あるんだけど、説明するのが面倒なんで分かりやすく言うと”美味しい物は太る”んだよ」


 「「「「「「あー……」」」」」」



 何だろう……あっさり納得したな。この世界でも”美味しい物は太る”という事は知られているんだろう。当たり前のように全員が納得したし。


 とはいえ、俺達が幾ら食べても太る事は無いし特に問題は無いんだが、その辺りの事は忘れてるのかね?。



 「俺達の肉体は邪生の心臓で強化されてるんで太る事は無いんだけど、もしかして皆は忘れてるのか? この肉体は必要な栄養の量が多いからな、食べないと簡単に痩せるくらいだぞ?」


 「そういえば、そうだったね。前にアルドが言ってたっけ、”必要以上の栄養は吸収されない”だったかな? その御蔭で非常に太り難いって」


 「ダナは特に気を付けていましたからね。昔から気を抜くと太ると言っていましたし、よく食事量を減らしたりしていました。……そういえば、節制しているところを全く見なくなりましたか……」


 「私もそうよ。太りやすくて困っていたけれど、今は特に気にしなくなったわね。邪生の心臓の御蔭で体が引き締まって綺麗になったし、食べても太らないもの。考えなくて良くなったから楽になったわ」


 「気にせずとも太らなかったのはシュライアだけだろうね。この子は昔から太る事は無かったから、他の姉妹からも目の敵にされていたよ。節制している皆の前で美味しそうに沢山食べてたからねー」


 「それはまた、羨ましいな。私も太りやすい体質だったから、仕事のためにかなりの節制をしていた。今はそんな事をせずとも太らないので、とても楽になったのは間違い無い」


 「僕は元男だから皆とちょっと違うかな? 僕の場合は食べ物に気を付けないと、吹き出物とか出来たりするんだよね。そういったものが出来ると困るから、食べ物にはかなり気を使っていたよ。今は何を食べても大丈夫なんだけどね」



 まあ強化された肉体だから当然と言えば当然だな。既に食事は終えて、現在はかす肉作りをしながら皆と話をしている。


 ランスディアーとフォレストウルフの邪生の腸だ。脂が溜まっていくが、これは仕方がないと諦めている。フヨウなら処理してくれそうだが油でテカテカのフヨウも何か嫌だしなー。


 明かりに使う事は出来るんで、適当に纏めて獣脂として売るかね。土を【融合】して【変形】させて作った瓶に適当に獣脂を入れていく。


 その後、干し肉を作り、いつも通り残りカスはフヨウに処理して貰った。全て終わったので、カマクラの中に入って入り口を閉じて休む。


 既に辺りは真っ暗だが、そこまで寒くは無く普通に過ごせている。やはり朝方に雨が降った影響で、あんなに寒かったんだろう。


 それが草原の天候だと言ったらそれまでなんだろうが、やっぱり自然の厳しい場所だと改めて思う。ここで生きてきたらこれが普通なんだろうが、他の土地の者からすれば非常に厳しい場所だ。


 色々考えてみるが、生活が楽になるような知恵はあんまり浮かばないな。全く無い訳じゃないが、彼等が気付きそうなものとか、技術的に無理な物が殆どだ。


 仕方ないと思うが、この時代の技術レベルで使える物って考えると縛りがキツ過ぎる。俺達だけなら適当にどうにかするんだが、草原の民が使う物なぁ……。駄目だ、考えるのを止めよう。


 自分が必要とする物じゃないから身が入らないというか、気持ちが入らない。4匹の相手をしている方が……おっとミードか? 今日は飲みたい気分なのかね。4匹の水皿にミードを入れてやると、少しずつ飲んでいる。


 皆も飲んでいるので欲しくなったんだろうか? ブラッシングしながら見ていてもよく分からないが、美味しそうに飲んでいるので気にしない事にした。


 ミードを飲み始めて1時間も経たない内に、4匹は撃沈した。既にイビキっぽいものを掻きながら寝ているので、そっと【念動】でスライドさせるように端へ寄せる。


 全員を【房中術】と【鋭覚】で撃沈したら、俺も横になって目を瞑った。【空間把握】を使い皆を綺麗にした後に外を確認すると、また雨が降ってきているなぁ。


 小雨程度にしか降っていないものの、また明日の朝も寒くなるみたいなので、さっさと寝てしまう事にする。


 それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界192日目>



 おはようございます。外を【空間把握】で確認すると、雨は降っていない様ですが地面は濡れているみたいです。


 昨日の朝と同じく寒そうだなー。まあ、外に出て朝食の用意をしなきゃいけないんで、覚悟をして気合いを入れて外に出よう。


 よしっ! それじゃあ、いざ、開門!!。



 ▽▽▽▽▽


 0466終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨135枚

 大銀貨236枚

 銀貨237枚

 大銅貨354枚

 銅貨144枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ