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0459




 「どうやら気に入らない者も居るようだが、そういう奴ほど下らない誇りで氏族を傷つけるという事は覚えておくようにな?」


 「「「「「………」」」」」


 「もう一つは徹底的に夜に攻撃する事。夜は敵も休むだろう、だからこそ狙い目だ。休んでいる敵に向かって矢を射って、敵が動き出したら逃げる。これを敵が撤退するまで延々と繰り返す。これの利点は、生き残った者がこちらとの戦争を嫌がる事だ」


 「それはどういう事で?」


 「散々嫌がらせをされ続けるんだ。そんな相手となんて戦いたくないだろう? だからこそ生き残ったとしても、こちらと戦う事を嫌がるようになる。仮に戦場に出てきても士気は全く上がらないだろうな」


 「……成る程。後々の事を考えると、なかなか良い戦い方と思えます」


 「納得いかない奴も多いみたいだな。最後に一つ加えるなら、俺達が出てプレートアーマーの部隊を全員焼き殺すという方法もある。言葉は悪いんだが、俺達だけで戦争に勝つ事は可能だし、様々な方法が使える。草原の戦士だと出来る事が限られてるから、ああいう提案しか出来ないんだよ」



 場が静まりかえったな。キレそうな奴も居れば、仕方がないと肩を落とす者も居る。まあ、好きにすればいいさ。俺達を襲ってきたら問答無用で殺すだけだ。


 それは誰が相手であっても変わらない。俺達を殺そうとする以上は、殺される覚悟があると見なす。こんな時代だから、口に出さずとも分かっている者は多いがな。


 今までも、手を出してきたのはバカばっかりだった。危険な時代なのに、危険を理解していないバカって居るんだよなー。特に権力階級のバカは救いようが無いし。……思い出すだけでも腹立たしいので、思い出すのは止めよう。



 「氏族長、如何されますかな? 一つ目か、二つ目か、それとも三つ目か」


 「父上……俺は三つ目が良いと思います。不老長寿の方が出来ると仰っておられる以上は、確実に出来るのでしょう。魔法を学ぶ為の紙束は写させて頂けました。我等も魔法が使えれば、もっと戦いの幅が広がるのでしょうが今は出来ません。だからこそ、俺は見せて頂きたいと思います」


 「草原の民が武功を捨てる事になりかねないが、それでも良いんだな?」


 「構いません。お願い致します」


 「私からもお願い致します」


 「分かった。どういう隊列にするのかは知らないが敵は確実に倒す。ただ、プレートアーマーを着た重装兵や、大弓を持った弓兵だけじゃないだろ? 幾らなんでも、そんな編成で攻めてくる奴はいない」


 「ええ。その重装兵と弓兵の後ろに、いつもの歩兵が300程と輜重隊と思われる者達がおります」


 「敵を倒したついでに奪えないもんかね? その食糧。……迷惑料として貰って行っても良いと思うんだが、どう思う?」


 「「それは、良いですな」」



 ウォルガ氏族長の親子はソックリな笑顔で同じ事を言い放った。この辺りは本当に親子そっくりだな。


 ……さて、食糧を奪うなら1番良いのは今の時間からの攻撃か。敵を倒し撤退させ、その途中で食糧を強奪する。となると、敵を理性的に撤退させる必要があるな。


 俺はその事を話して戦闘内容を詰めていく。最初はキレて人の話を聞かなかった連中も、俺が提案した恐ろしい戦闘内容に、最後は顔が青くなっていた。さて話も終わったし、そろそろ戦闘に行こうか!。


 俺達はフルゲの外に出て、これから戦いに行く事をこの場の戦士達に伝えた。地響きが鳴るかの如き咆哮に面倒臭さを感じつつ、俺達はフルゲの収納を待って出発する。


 草原の民は最低でも一つの氏族で一つ以上アイテムバッグを持っているらしく、移動はコンパクトに纏めて行うんだそうだ。1番多く持っているのはセム氏族で三つ持っているらしい。


 草原にはダンジョンが二つあるらしく、セム氏族の水の季節の居留地近くと、ボルン氏族の風の季節の居留地近くにある。


 その辺りで古くから見つかった物を大切に使っているそうだ。草原の民は移動するからな、有るのと無いのとでは大違いだろう。


 敵の姿がまだ見えないが、思っているよりも後退していたのか。なんでも若い戦士を庇って矢を腹に受けてしまったらしく、その後散開するように撤退してきた様だ。


 先代氏族長が腹に矢を受けて、いつ死ぬか分からないとなれば戦線が崩壊しても仕方ないな。


 おっと、そろそろ敵が見えてきたので一旦ここで止まろう。敵さんが慌てて横一列の縦二列に整列しているが、前の重装兵で前面を、後ろの重装兵で上面を防ぐらしい。


 まだ近付いてもいないのに盾を上に向けているが、体力や筋力は持つのか? このまま矢も射らず牽制していたら、盾を持つ腕が耐えられなくなったりして……。流石にそこまでバカじゃないか。


 俺達は1人と六人に別れて敵に近付く。どこまで近付くと矢を射ってくるのか計っていると、大体70メートルぐらいだった。随分近付くまで射ってこないな。まあいい、100メートル地点まで後退して始めるか。


 俺は【念話】で合図をし、全員一斉に【火弾】を敵軍に放っていく。特に奥に居る弓兵を重点的に狙い、相手の弓の弦を焼き切るように放つ。


 向こうは六人で23個の【火弾】、こっちは1人で22個の【火弾】だ。流石にこれ以上は俺でも無理だな。動かずに集中しても22個が同時発動の限界だったが、よくやったと言えると思う。


 敵軍は阿鼻叫喚の地獄絵図になっているが、俺達は気にせず放ち続ける。プレートアーマーの下の肉体が耐えられないのだろうが、そんな事はこちらの知った事ではないので手を緩める事はしない。


 近付きながら放ち続けていると、熱で焼かれうめき声も挙げられなくなった鉄の山と、逃げていく弓兵と歩兵が見える。どうやら重装兵は、ほぼ皆殺しに出来たらしい。


 放つのを止めて【空間把握】で戦士達を確認すると、吐いている者が大量に居た。戦士長クラスは顔を引き攣らせているだけで済んでいる様だが、他の連中は耐えられなかったらしい。


 まあ、風に乗って肉が焼ける臭いもするしな。吐いても仕方がないか……。



 「おーい! お前らー! 敵が逃げていったから、今の内に鉄の武具を回収するぞー! 吐いてる奴は吐き切ったら手伝えよー!!」



 そう声を掛け、俺は焼き殺された死体の山へと向かう。ウチのメンバーもとっくに魔法を使うのを止めて、死体の処理へと動いている。【浄化】の権能を使っているので、邪生になれる者は居ないから安全だ。


 まずは死体の山を【冷却】し、一つ一つ手作業で武具と死体に分けていく。死体は近くに大きな穴を作ったので、そこにどんどん放り込む。


 各氏族の戦士達もようやく吐き切ったのか手伝ってくれる様になった。しっかし弓兵の死体もそれなりにあるが、大弓の大半は燃えていてゴミになってしまっている。ちょっと勿体ないな。


 そんなこんなで穴の中の死体を【破砕】して【粉砕】しながら処理していき、夕方頃には全てが終わった。そういえば昼食を食べてない気がするな。後でゆっくりと夕食を食べよう。


 俺は残骸になった鉄を全て纏めて【融合】したら、鉄だけを【抽出】して純鉄の塊を作り4つに分割する。後は4氏族に分ければ終わりだ。


 そう思い渡そうとしたが、戦っていないのに受け取れないと拒否された。なので5分割にし、後始末も含めた全員で受け取るべきだと主張した。



 「正直に言うと、こんな大量の鉄なんて貰っても邪魔なんだよ。俺達の事を考えるなら、むしろ持って帰ってくれ。なんなら、その鉄で鉄弓でも作ろうか?」



 そう言うとウォルガの先代が興味を示したので、炭で鋼を作り、それを芯にして鉄弓を作り上げた。もちろん弦も鉄のワイヤーで、3本ほど予備を作っておく。


 先代さんは引けなかったが、身体強化モドキを使って無理矢理射った。かなりの威力が出たらしく「凄い弓だ!」と喜んでいる。


 周りから凄い視線が飛んでくるので、已む無く「一氏族に1つな?」と言って3つ作った。なんで無駄に疲れてるんだろうな?。



 ▽▽▽▽▽


 0459終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨115枚

 大銀貨216枚

 銀貨217枚

 大銅貨334枚

 銅貨124枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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