0457
カマクラに戻ってきた俺達は、さっさと中に入って入り口を閉じた。面倒な奴に絡まれるのも鬱陶しいし各氏族の戦士が集結してるんで、手を出してくるバカが居ないとは限らない。
ウォルガ氏族に手を出さなくても、俺達に手を出すバカが居る可能性は十分にある。
それもあって閉じておいたんだ。【空間把握】では近くに寄ってくる者は居ない様だが、まだ夜は浅いからな。深夜になってから強襲してくる奴が居るかもしれない。
特にさっきの戦士長2人は可能性が高いと思っているので、しっかりと警戒しておかないとな。
【光球】を使いカマクラ内を照らしたら、4匹がリバーシを求めてきたので出してやる。ついでにミードも求めてきたので、いつもの撃沈コースらしい。
ミードを舐めながらリバーシをするのは良いんだが、2戦目、3戦目になるとおかしな手に……あーあー、何でそこに打つかな?。
酔っ払いどもの対局は、訳が分からない事になっている。いつもの事とはいえ、打てない所に打とうとしてるぞ。
そろそ……撃沈した様だ。【念動】で優しく持ち上げて4匹を端に寄せると、いつも通り連れて行かれた。【房中術】のみで、いつも通り撃沈したら寝転がる。
【探知】や【敵意察知】に【悪意感知】を使っても、殆ど俺達に対して向かってきていない。【空間把握】で調べたら、多少の敵意や悪意を持っているのは、アホの戦士長2人だけだった。
アイツ等の氏族の戦士達も、俺達に敵意や悪意を向けていない。となると、俺達を怒らせた事は黙っているみたいだな。
まあ【神眼族】と不老長寿達を愚弄しましたってバレたら、戦士長の地位を剥奪されかねないもんな。そりゃあ意地でも黙ってるだろうよ。2人程度なら何も出来ないだろう。俺もゆっくり寝るかね。
それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界189日目>
おはようございます。今日は西の戦場へと行く日ですが、どこまで進むんでしょうか? 最悪、相手は草原まで侵入していて、砦か何かを築かれている怖れも無い訳じゃない。橋頭堡を築かれると厄介さは跳ね上がってしまうんだが。
まぁ、悪い予想ばかりしていてもしょうがない。向こうに行って状況を確認してから考えるしかないな。ここに居たって前線の状況は全く伝わってこないし。そろそろ外に出て朝食の準備をするか。
カマクラの入り口を壊して開けて外に出る。焼き場に焼き網をセットしたら、寸胴鍋を取り出してかす肉と野菜を煮込んでいく。聖水で煮込んでいるからか、煮込み系の料理はどれも美味しいんだよな。
【浄化】の権能や【錬金術】と【練成術】も使っている所為だと思うが、スープが澄んでいて雑味が無いんだ。
昨日の肉類は冷凍して保存してあるので、まだまだ腐ったりはしない。アイテムバッグに入れると温度は保たれるので、雑菌が繁殖出来ない温度なら腐らない。
そのうえ【浄化】の権能で完全に綺麗に浄化しながら収納してあるので、雑菌がそもそも付いていない。多分数ヶ月は保つと思う。
料理も大詰めだ。最後に馬乳を入れて、味を整えたら完成。食べる前に温めたら良いので、後はどうしよう? 4匹もまだ起きてこないので、手持ち無沙汰なんだよなー……。
そういえば蛇の肉って鶏肉みたいな味って言われてるよな? イエローボアの肉は鶏肉と牛肉の間みたいな感じだったんだけど。
鶏肉にしては、割と脂肪がある感じだったんだが、今あるのはビッグボアの肉だからな……。とりあえず焼いてみるか。
俺はビッグボアの冷凍された肉を取り出し、少し切って焼いてみた。塩を掛けただけだが、食べた感じは鶏肉だ。ただし噛めば噛むほど味が滲み出てくる、美味しい鶏肉だ。
昨日のダッシュボーアの脂は置いてあるんだよなー、土で作った壺に入れて。……今やるとしたら、から揚げぐらいかね? ただし硬パン粉のから揚げだが。
まあ、やってみて美味ければ沢山作ろう。俺は昨日の豚脂を取り出し、鍋にそれなりに入れた後【加熱】して溶かしていく。
一口大に切った蛇肉に塩と胡椒モドキを振りかけたら、硬パンを【破砕】して【粉砕】したパン粉を付けて揚げていく。
【加熱】と【空間把握】を使い中までしっかりと火を通しながらも、ジューシーさが無くならない様に細かく調整する。料理は科学だという言葉を聞いた事があるが、あれは本当かもしれない。
豚脂の良い匂いがする蛇肉を揚げていると、ようやくウチのメンバーは起き出したらしい。一斉に起きてくるのはどうなのかね? どう考えても腹が減ったから起きてきたんだろう事が分かりすぎる。
料理中なので、簡単に朝の挨拶をした後でスープを温める。【加熱】を使えば直ぐに終わるので、自分で椀に入れてもらおう。
聖水を少量【合成】した硬パンを渡して、皿にから揚げを盛ったら完成だ。やっと終わった……。流石に11人分のから揚げは大変だよ。それじゃあ、いただきます。
「んー! このから揚げって美味しいねぇ! 噛めば噛むほどジワーって美味い味が出てくるんだよ! いやぁ、朝から美味しい物が食べられると、気分が良くていいね! 今日は特に美味しいよ」
「本当ですね。噛むほどにジワーって美味しい汁が出てきます。……これがビッグボアの肉ですか? 蛇肉は何度か食べた事がありますが、こんなに美味しい物ではなかったような?」
「邪生の肉は美味しいんだけれど、これはまたちょっと違うわね。引っ掛かってるのは焼いてるんじゃなくて、揚げているからじゃないかしら。焼くよりもジューシーで肉汁が多いのよ」
「確かにそうだね。噛めば噛むほど味が出てくる肉と、ジューシーな肉汁と脂の旨味が凄いよ。これだけ油が多いのに、全くしつこくないのが凄いね。油でギトギトって感じは、全くしないんだ」
「周りのカリカリ部分を越えると、ジュワっと肉汁と旨味が溢れてくる。これは本当に美味しいな。邪生の肉だから、そう簡単には手に入らないだろうが、偶に食べたくなる美味しさだ。頻繁に食べると、流石に油がクドいかもしれない」
「どうだろうね? 僕は毎日1回なら食べられるかなー。とにかく美味しいのは間違い無いんだけど、美味しいからこそ飽きたくないって思う。幾ら美味しい物でも毎食食べたら、絶対に飽きるだろうしね」
だろうな。どんな物でも毎食は絶対に飽きる。その自信は俺にもあるな。まあ、それは横に置いといて、から揚げは好評みたいだ。
この世界じゃ、油を大量に使う料理って贅沢な部類だろうし、そもそも殆ど見た事が無いんだ。揚げ物も滅多に見ないし、見るのはフリッターぐらいなんだよな。
つまり大量の油で揚げるんじゃなく、少量の油で揚げ焼きにした物なんだ。まあ、大量の油をどうやって廃棄するんだという事情もあるので、仕方がないとは思う。
そこら辺に捨てる訳にもいかないし、穴を掘って埋めるのは駄目だろう。後は明かりに使うくらいかな? 再利用としたら、そこまで悪くないだろう。
朝食後、焼き網を回収して浄化したら、焼き場とカマクラを壊して出発の準備をする。準備を終えて待っていると、昨夜も来た戦士が集落の西に集まってほしいと言ってきたので直ぐに行く。
すると、集結していた者達が一斉にこっちを見たが、直ぐにウォルガの氏族長がやってきた。
「我等はこのまま進みますので、ついてきて頂けますか? 出来うる限り速さは合わせますので、お願いします」
「そっちの速度で構わない。昨夜も言ったが、馬よりも俺達の方が早く、俺達の方が長く走れる。だから気にしなくていい」
相変わらず信じられないみたいだが、さっさと行けという態度を出すと出発し始めた。中には馬も持ってないのかと嘲笑う者も居たが、俺達は全く気にしない。出発していく奴等の最後尾から走って行くが、正直言って遅い。
遅いのだが邪魔者が多い為に魔道具は出せない。とはいえ、暇なので出来得る限り邪気を浄化していく。久々に権能のみで浄化してるような……?。
それにしても、本当に遅いなぁ。
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0457終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨115枚
大銀貨216枚
銀貨217枚
大銅貨334枚
銅貨124枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




