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0450




 セム氏族の所で少し高値で馬乳を銀貨2枚で買ってきている。ベルーザ村で売る時は小樽一個で銀貨1枚だそうだが、俺達は自分達の足で来ている。


 なので普通なら安い筈だが、俺はベル-ザと変わらない値で買った。安くするのが面倒だと言って小樽2つ分購入してきた。


 馬乳酒というのがモンゴルにあった筈なので、おそらく酒は作れるんだろう。俺は作る気が無いので誰にも言っていない。絶対に作れと言われるのが目に見えているし。


 俺が馬乳を買った理由は、単に飲んでみたかったのと鍋料理を作ろうと思ったからだ。


 馬乳で煮込んだ鍋物って美味しそうじゃないかな? 馬乳とはいえ干し肉と一緒なら、それなりにコクとか出そうだ。それに、一緒に煮込む野菜はまだある。


 ある程度セム氏族の所から離れたら、魔道具を出して浄化していく。セム氏族の所は滞在中に浄化を終えているので問題は無い。何故か僧侶っぽい人からジロジロ見られたが。


 あの視線は、多分俺が浄化してるのがバレてたっぽい。にも関わらず何も言ってこなかったという事は、確信までは持っていないんだろう。ならば、認めなければ逃げ切れるだろう。


 とにかく、ウォルガ氏族の所へ届けるまでは足止めされるのは困るし、草原に逗留させられても困るんだよ。最後にはルーデル村に帰るんだしさ。


 セム氏族の大長老からは、真っ直ぐ西へ行くとロン氏族の所に着くだろうと教えてもらった。どうもセム氏族の居た所は、いつもの場所らしい。


 草原全体で見ると、5氏族は横並びになるのが普通なので、各氏族の所へは真っ直ぐ西か東へ行けば良いそうだ。もちろん居ない可能性も無い訳じゃないので、探す必要はあるみたいだが。


 どこに居るかがアバウトなのはしょうがないんだろうな。この広い草原で適した居場所を決めるのは難しい。


 毎年微妙に違ってるし、大きく居場所を変えなければいけない年もある。なので現実的じゃ無いんだろう。生きていけない場所に居ても仕方がないし、氏族を死なせる訳にもいかない。


 上に立つ者は大変だと思いながら走っていると、昼になったので焼き場を作り焼き網を出す。移動中も2頭ほど邪生が寄ってきたので浄化した。このままだと邪生の肉が溜まる一方だ。


 仕方がないなと思いつつ、邪生の心臓を分けて食べるもフヨウ以外は殆ど効果が無かった。フヨウは未だに細胞が強化されている。


 解体した後の肉を【熟成】して皆に渡す。既に香辛料は出してあるので、皆は好きに味付けして食べている。俺は少しずつ食べながらの干し肉作りだ。


 少しでも保存食にしておいて、長く食べられる様にしておかないと損だからな。アイテムバッグの中でも腐る以上は絶対じゃない。凍らせれば長く持つだろうが、凍った肉はちょっと……。


 何か旨味とか色んな物が無くなって、スカスカな肉のイメージがあるんだよな。俺が作る干し肉は水分が少ないが、ちゃんと旨味は豊富にある。だからこそ美味しいんだが、幾ら長く保存できてもマズいのは流石になぁ……。


 フリーズドライと似た様な事も出来るんだけど。その場合の栄養素はやっぱり減ってると思うんだ。生鮮野菜が1番良いのは当然なんだよな。


 昼食後、再び移動を開始する。西へ西へと移動しながらダナやアルメアやディルにも【気配察知】を使ってもらい、ロン氏族のゲルを探すと北西の方向に見つけた様だ。


 今は邪気の吸引と浄化で手一杯なので、【気配察知】や【空間把握】は使えないと言うか使う余裕が無い。慣れれば大丈夫だと思うが、今は無理だ。


 ロン氏族のゲルに近付き塩を持って来た事を伝えると、割と丁寧に案内された。セム氏族の時と同じように1つのゲルの中に塩の樽を置いていき、1トン分を置いたらゲルを出る。


 ロン氏族の所でも、塩を持って来た者を歓待しようとしてダナと言うか【神眼族】に気付かれた。


 氏族を挙げての歓待をしようとする大長老を宥め、ウォルガ氏族の所に塩を持って行かなければいけない事を理由に歓待を断る。少し恨めしい視線を向けられたが、他の氏族の事もあるので文句は言えなかった様だ。


 そういう押し付けが嫌だから逃げるんだって気付けよなー。……まあ、ウチのメンバーもいちいち教えてやらないんだけど。


 ロン氏族の所で塩を降ろしたので、これで2トンの塩が無くなった。大分アイテムバッグの中がスッキリしたと言える。塩を持っているのはメルとアルメアだ。2人には申し訳ないが、このまま塩を運んでもらおう。


 俺のアイテムバッグは邪生の肉が増えてきている。勿体ないので保存食にしているが、このまま増えていくと皆にも分ける必要があるな。


 肉ばっかり持っていてもしょうがない。そんな事を考えながら西へと移動を続けるが、夕方になったので今日はここまでだ。


 いつも通りに土のカマクラを作り、焼き場を作って焼き網を取り出す。ロン氏族の所からは邪生が居なかったので肉は増えていない。


 干し肉を取り出したら聖水を少し【合成】して柔らかくして焼いていく。次に硬パンに聖水を少し【合成】して柔らかくしたら、【変形】で食パンの形にして焼く。


 両方焼けたら野菜と挟んでサンドイッチの完成だ。俺は途中からスープを作っていたので、自分のサンドイッチは自分で作ってもらった。


 スープを椀に入れたら、夕食を食べ始める。4匹にも同じ物を餌皿と水皿に入れたので、俺も食べよう。草原の夕日を見ながら食事をするのも慣れてきたような気がする。物悲しいような気がしていたが、慣れれば唯の夕日だなぁ……。


 まあ、感情的なものなので、夕日そのものは何も違いなど無いのだが。慣れたからか、そんな風情の無い事も考えてしまう。


 食事後、直ぐにカマクラの中に入り【光球】で照らす。4匹がリバーシを求めてきたので取り出し、ついでに干し肉も求めてきた。仕方なく【分離】して少しあげると、齧りながらリバーシを始める。


 ……器用だね、君達。そう思って見ていたら女性陣にも求められたので【分離】して渡すと、酒のツマミにされてしまった。まあ、草原の中に居るし、夜は暇だから酒を飲むのも分かるけどね。


 酒を飲まない俺とディルは、互いに【念話】を使ったりして遊んでいた。青豆を少し食べながら聖水を飲んでいると、3匹が撃沈寸前だったので、浄化してやると眠ってしまった。


 やっぱり3匹は浄化に弱いな。【念動】で3匹を僅かに浮かし、スライドさせるようにカマクラの端に移動させる。全員を【房中術】と【喜昇】で撃沈したら、おやすみなさい。



 <異世界186日目>



 おはようございます。今日はどこまで進めるでしょうか? 予想ではウォルガ氏族の近くまでは進めると思うのですが……。2氏族を探しながらでも2氏族分は移動出来ているので、ウォルガ氏族の所までは行けるかもしれないな。


 間のコーニャ氏族とボルン氏族には会いに行く必要が無いので素通りしよう。余計な揉め事とか要らないし、通り道の近くに居るなら纏めて浄化すれば良いだけだ。そんな事よりもカマクラの外に出るか。


 昨日と同じ朝焼けの中、昨日と同じようにスープを作り始める。香辛料にも限度があるし、調味料なんて時代的に殆ど無い。更に言えば素人料理だ。昨日と同じ物は作りたくないが、調味料も無いのにどうしよう?。


 ん~……。駄目だ、分からん! 昨日と同じでいいや。


 こういう時、料理の上手い奴はパパっと簡単に凄い料理を作るんだろうが俺には無理だ。諦めて昨日の朝と同じ物にしよう。


 手軽に食べられるし、間違ってはいないだろう。そう思って作り始めると4匹が起きて来たのだが、今日は皆も起きてくる様だ。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャ」 「ガゥ」 「ワン」 「………」


 「今日はアタシ達も早く起きられたね。昨夜お酒飲んだ割には珍しい事もあるもんだ。それはいいとして、朝からスープかい? 昨日もそうだったけど、草原は朝肌寒いから助かるよ」


 「内容は昨日と同じになってしまうが、済まないな」


 「別に気にしなくても良いと思いますよ。10日ほど同じ料理とか、過去にもありましたので特に気にしません」



 10日も同じ料理とか……俺は耐えられないだろうなぁ。



 ▽▽▽▽▽


 0450終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨116枚

 大銀貨218枚

 銀貨224枚

 大銅貨335枚

 銅貨124枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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