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0044




 夕方にはまだ時間があるので、新たな武器を作る。ダナかシュラのアイテムバッグに入れておいて貰えばいい。素材はレッドパンサーとスマッシュボーアの爪と牙、そして骨だ。


 作るのは小烏丸とファルクス、そして余った素材で道具を作る。まずは小烏丸だが、これは剣太刀と言われる物で刀身の半分から先が両刃になっている物だ。


 まずは解体してあるそれぞれの素材を【融合】し【圧縮】する。レッドパンサーとスマッシュボーアは同じ材質の骨か分からないので分けておく。


 骨で刀身を作りレッドパンサーの爪で被覆する。折角なので、柄も鞘も骨で作った。味気ないので、鞘の表面にレッドパンサーの皮を引っ張りながら【融合】しておく。


 次はファルクス。この剣はとても古い剣で、ダキア人が使っていたとされる剣だ。緩やかに湾曲していて、内側に刃が付いているのが特徴となる。


 日本刀とは逆側に刃が付いていると考えると、分かりやすいだろうか? 昔ネットで見たが、古い時代には鎌の刃の形の剣が多いと紹介されていた。


 ファルクスはスマッシュボーアの牙で作る。刀身の長さは100センチ、持ち手の部分は30センチで作製した。全長130センチの剣で、当然だが両手剣に分類される。


 鞘も同様に牙で作り、スマッシュボーアの皮を引っ張りながら【融合】して作った。


 それなりの素材が残ったので爪切りや小さなハサミに包丁と、T字カミソリと普通のカミソリなどを作って終了だ。前に作った物は素材に戻しておく。


 爪切りと小さなハサミは3人分作ったので2人に渡しておく。そろそろ夕食の時間だから食堂に行くか。……と思ったら、2人は小樽を担いで下りていく。まだ飲むのか?。


 食堂で3人分の注文をしたらタダだった。そういえば【熟成】したレッドパンサーの肉とスマッシュボーアの肉を、宿に御裾分けしておいてって頼んだのをすっかり忘れてたな。



 「やっと下りて来たんだね、3人とも! 今日の料理は特に美味しいよ! たっぷり食べてって頂戴!」


 「今日は期待してるよ! お酒も持って来たんだからね!」


 「スマッシュボーアの肉が楽しみですね!」


 「確かにな。あの肉は凄く脂が乗って、綺麗なサシが入ってたからなぁ……」


 「お客さん、肉を見極められるのかいっ!?」


 「多少だけですよ。幾らなんでも本職のようには無理」



 中学の頃、友達の家が精肉店だったんで、夏休みとかにコッソリとアルバイトしてた事があり、肉の事は少し分かるんだよ。専門的な事はサッパリだが。



 「お酒も美味しいし、今日はイイ日だねぇ」


 「そうですね、食事の後が本番ですが……」


 「あぁ、勿論さ。アタシ達を朝から待たせてるんだ、凄く期待してるよ?」


 「私も凄く期待していますよ? こんなに焦らされるとは思いませんでした」



 御二人さん。その非常に艶っぽい流し目、止めて貰っていいですかね? 俺よりも周りの男の反応が凄いんですよ。ここは悪乗りした方がいいのかね?。



 「明日、足腰が立たなくなっても良いなら喜んでするけど?」


 「「///。お願いします!!」」



 即答ですか? そうですか。まぁ、いいけどさ。食堂で大声で言う事じゃないよね。女将さんはさっきから黙ってミード飲んでるし。今日のこの空間、カオス過ぎない?。


 そんな酒飲みのカオスな空間を眺めていると料理が来た。スマッシュボーアのステーキ、レッドパンサーの肉で出汁を取った野菜のスープ、そしていつものサラダとパンだった。



 「このステーキ美味しいねぇ!」


 「このソースも素晴らしいですね!」


 「肉汁と……ワインかなコレ。他にも柑橘系の香りがするな」


 「お客さん、凄いね……」


 「アルドの料理は美味しいんだよ」


 「そうなんです。とても美味しいんですよね」


 「本職の人が見たら、鼻で笑われるけどね」



 いやー、こりゃ美味い。ホントに美味いわー。肉と脂を殺さずに焼いてあるんだよ。流石プロだわ、スゲー。これは素人には無理だ。


 【錬金術】でも【練成術】でも、最高の火加減って無理だからなぁ。ここら辺が本職と素人の違いで、俺が料理チートをしない理由なんだよ。


 お腹も満足し、2人は高いテンションで部屋に戻る。部屋に戻り浄化していると、早々にベッドに引っ張り込まれた。もう限界らしい。


 2人は撃沈しては復帰、撃沈しては復帰を繰り返したが、遂に完全に撃沈した。ベッドの上が大変な事になっているが、全て浄化して俺も寝る。


 それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界22日目>



 おはようございます。今日はいつも通りの目覚めです。浄化しながらボーッとしていると、2人は起きたのだが……。



 「おはよう、アルド。とってもスゴかったから起き上がれない///」


 「おはようございます、アルド。私も腰を初めに色々ダメです///」


 「おはよう、2人とも。今日はゆっくり休めばいいさ」


 「うん……、チュッ!///。朝の挨拶だけはしておかないと」


 「チュッ!///。挨拶はとっても大事ですからね」



 浄化が終わってから、いつも通りにイチャイチャした。2人と違い俺は問題ないので、起き上がり服を着て食堂へ行く。


 朝食を注文し大銅貨1枚を支払うと、女将さんがニヤニヤしながら来た。



 「お客さん、おはよう。ダナさんとシュラさんは起き上がれないんだね?」


 「おはよう、女将さん。2人も昨夜は頑張ったんだけどね」


 「2人相手にして問題ないのかい? お客さんは凄いねぇ……」



 朝食を食べて部屋に戻ったが、2人はまだ起き上がれないらしい。仕方がないので、昨日作った武器も含めてリヤカーに積んで出発する。久しぶりのソロ狩りだ。


 村を出て、身体強化を使いながら北へ進み、分かれ道を西へ行ってキャンプ地に到着。椅子とテーブルがそこにあるんだけど、今日は1人で時間もあるんだよな……。


 周りから木を伐ってきて石を集める。椅子を8つ、テーブルを2つ追加した。更に、全ての椅子とテーブルを圧縮した石で被覆して完成。


 誰でも使える椅子とテーブルが出来た。石で被覆したのは長く風雨に耐えられるようにする為だ。折角作った物が簡単に壊れていくのを見るのもなぁ……。


 丁度いい気分転換になったので、気分良く北側から迂回して山へ行く。山に近づくと、早速魔物が出て来た。



 「「ピィーッ!!!」」



 ウィンドディアー2頭か。リヤカーからファルクスを取り出し、八双に構える。長大だが身体強化があるので問題ない。一気に近づき、正面から頭に振り下ろした。


 ドガンッ!!


 武器強化をしていないにも関わらず、首の根元まで刃がメリ込んだ。直ぐに手を離し、小烏丸を抜いてもう1頭の首を斬る。一撃で首を落とせたので、上手く作れている様だ。


 それにしてもアレだ。ファルクスは使った感じ、巨大な鉈だ。だからこそ非常に使いやすい。振り回して叩きつければ良い武器というのは楽でいい。


 刀も剣も斬る動作というのは必要だ。剣だって叩きつければ良いワケじゃない。ちゃんと斬る動作をしないと斬れない。斧と同じ使い方でいいのは、本当に楽なんだ。


 それよりも楽なのがメイスや杖や棒になる。あれらの武器は刃筋さえ考える必要が無い。前に持っていた鉈は、戦闘用と道具用の両方を考えていたので中途半端だった。


 そんな事を思い出しながら、死体を解体した後に処理して先へ進む。少し進むと魔物が再び現れた。



 「「グルルルルル!!!」」



 ソードグリズリー2頭だった。槍を持って突撃し、右のソードグリズリーの首を武器強化した槍の穂で薙ぐ。首を落として直ぐ、もう1頭と正対する。そいつは一瞬で仲間が殺られたからか混乱している。


 即座に槍を首に刺し込み、右に薙ぐと血が噴出した。直ぐに後ろに飛び退いて油断なく構えるが、どうやら死んだ様だ。死体は解体と処理をしておく。


 獲物の量が多くリヤカーが一杯なので、村に戻る事にする。一旦キャンプ地まで戻り、そこで早めの昼食にした。熊肉を【熟成】して塩を振り、フライパンで焼く。


 面倒なので、フライパンを【加熱】で熱して焼いている。普通の魔法使いには絶対出来ない荒技だ。食事後、武具のアップデートを行う。上手くいく事を祈るばかりだ。



 ▽▽▽▽▽


 0044終了時点


 金貨17枚

 大銀貨36枚

 銀貨15枚

 大銅貨36枚

 銅貨3枚


 風鹿の角槍

 風鹿の角の太刀

 赤豹の爪の小太刀

 黄蛇の牙の打刀

 赤豹の爪の小烏丸

 強打猪の牙のファルクス

 赤豹の牙の手斧

 風鹿の角の十手

 鋼とオーク革の鎧

 革と鋼の肘防具

 革と鋼の膝防具

 革と鋼のブーツ


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