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0445




 微妙になってしまったギルド内の空気はどうでもいいとして、西の草原に行く事についての問題は特に無いな。宿で寝てる奴等は付いて来ても来なくてもどっちでもいいし、俺達か俺だけで西の草原に行けば済むしな。



 「はい、これで手続きは完了しました。持って行く塩は、本来なら馬車を十台くらい用意して運ぶんですけど、皆さんはアイテムバッグを持っていらっしゃるので問題は何もありませんね」


 「それは良いんだが、俺達が持って行く塩の量で水の季節を越えられるのか? ハッキリ言えば少なすぎると思うんだがな。何十人はともかく何百人分も賄える量じゃ無いだろう。その辺りはどうするんだ?」


 「申し訳ありませんが、その辺りに関しては分かりません。こちらとしては、指定された量の塩を向こうに送るのが依頼内容ですので……」


 「ああ、済まん。そう言えばそうだな。向こうが大丈夫かどうかは向こうの問題か……。普通に考えれば他の所からも塩を買っていて、足りない分をルーデル村から購入する形だろう。となると、近場で塩を買える所があるのか……」


 「まあ、そんな事は今考える必要の無い事さ。アタシ達は向こうに塩を運べば、それで良いんだしね。向こうの魔馬で良いのが居るなら買ってきても良いし、どうするかねぇ……。帝国の魔馬もなかなかだけど、西の草原の魔馬は帝国以上だから楽しみだよ」


 「西の草原では、確か魔羊や魔馬を育てているんですよね。魔羊の肉も美味しそうですし、魔馬の肉もなかなか滋養があって美味しいんですよ」


 「割と有名だけど、向こうでは家畜とはいえ大事な食糧でもあるし、あまり沢山は食べられないわよ? 昔行った時も余り食べられなくて、草原の魔物の肉が良く食べられていたわ。家畜を潰して食べる場合は、御馳走になるみたいね」


 「大事な家畜だし、何より魔羊の毛は温かい服を作るのに欠かせない材料だから、とても大事に育てられるんだ。老いで死んだならまだしも、生きている魔羊を潰して食べるなら当然御馳走になるさ」



 そんな話をしながらギルドの倉庫に行き、中にあった塩をアイテムバッグに入れていく。適当に目視で計っても3トンくらいあるんだが……思ってたよりも多いぞ?。


 馬車十台くらいって言ってたから、馬車一台で300キロぐらい積むのか……良く考えたら、大体そんなものか。


 俺のアイテムバッグに1トン入れて、残りの塩は700キロと300キロずつに分けて持って行く。700キロはダナとメル、300キロはシュラとアルメアのアイテムバッグに入れて運ぶ。


 ダナとメルが持っているのは大型のアイテムバッグだから、700キロを入れたところで特に問題は無い。


 しっかし、なぁ……こんな時代だから仕方がないけど、自分の作った塩と比べると汚い塩だなと思ってしまう。岩塩なんだろうけど、若干土混じりというか綺麗じゃない。


 とはいえ、これが普通で当たり前なんだよな。食料店に行っても売ってるのはこういう塩で、嫌がらせでも無ければ、儲けのために土で嵩増ししている訳でもない。


 そういう時代なんだなぁ……と、塩を見て改めて思った。そろそろ宿に帰って7人を起こして説明しなきゃいけないな。


 俺達は宿に戻り食堂に入ると、今日は珍しく朝に起き出してきた様で7人で朝食を食べていた。俺達は朝食を食べている7人の近くに座り、西の草原に行く依頼の事を話す。



 「……という事で、俺達は西の草原に行く依頼を請けてきた。この依頼に関しては任意とする。つまり、行くも行かないも自由だ。行かないなら、”ちゃんと修行をしておけよ”と言っておくぐらいか……」


 「僕としては……行かなくてもいいなら、少し実家の手助けをしたいと思います。そろそろウチの畑も収穫の時期ですから人手が必要で、身体強化も教えて頂きましたから今までより役に立てるんです」


 「ああ、そういう事か。それなら残るのは当然だな。ジャン達の場合は、しっかり修行をする事と、盛るのを少し自重しろと言うぐらいかね。……うん? リンデ達も村に残るのか。ああ、自分達だけで修行がしたいと……。お前さん達も自重するようにな? 一応王女なんだし、どこで醜聞になるか分からないんだぞ?」


 「「一応……」」



 とにかく、ジャン達とリンデ達は村に残る事になった。久しぶりに不老長寿組だけでの活動になるな。


 俺は女将さんに宿の更新はしない事と、西の草原に塩を届ける仕事を請けた事を伝えておく。後、ジャン達やリンデ達にも明日で最後なので、明日宿の更新をする様に言っておく。……アイツ等聞いてるのか?。


 あの7人は放っておいて、俺達は部屋に戻って準備をする。とはいえ、部屋の私物をアイテムバッグに入れて、【浄化】の権能で掃除をしたら完了だ。


 全て終わり、扉を閉めて食堂に下りると5人組が起きてくるところだった。アイツ等も生活が色々ダメになってるが、ルタは貴族令嬢だろうに……。


 駄目な奴等は放っておいて、俺達は宿を出た後、まずは食料店に向かう。大銀貨1枚分の硬パンを買い、銀貨2枚分の野菜を買っていく。他にも銀貨1枚分の青豆を買い、これで食料店で買う物は終了だ。皆も食べ物をちょこちょこと買っている。


 これ以上出来る準備も無いので出発しよう。村の門番である犬人族にも西の草原へ塩を運ぶ事を伝えて、村を出る。


 北へと向かい分かれ道に着いたら立ち止まり、邪気を吸引する魔道具を使う。皆は邪気が大量に来てビックリしたが、それでも【浄化】の権能の方が遥かに強いので直ぐに落ち着いた。大体5分ほどで浄化は完了したので、アイテムバッグに収納する。



 「それが話にあった邪気を吸引する魔道具かい? アルドがマナリアで作ったからだろうけど、ビックリするほど邪気が集まってきてたね。あの勢いだと、いつ邪生になってもおかしくないよ」


 「確かに、そうだけど……凄い勢いで邪気が来て、凄い勢いで浄化されてたね。僕は不安にはならなかったかな? 絶対に邪気が入れない様な形になっていたし、浄化の壁みたいになってたからね」



 浄化の壁って言うか、邪気を通さない結界みたいにしてたんだが……。結界という概念が無いから伝わらないか。まあ、下らない事を考えてないで先へ進もう。


 少し西へ進んだ後に北へと進んで行き、ある程度の距離を進むと邪気を吸引して浄化する。


 2度目の浄化中に角鹿の邪生が襲ってきたが、浄化して安らかに送ってやった。解体した後でフヨウに心臓をあげると、あっさりと食べ終えた。


 最近、吸収速度だけじゃなく、消化速度というか溶解速度も上がってる気がする。食べたのを確認して更に北へと進む。


 なかなかに距離が長いが、それ以上に浄化をする為に俺が止まっているので時間が掛かる。皆も仕方ないなと笑っているが、ストレスにならない様に解消しておかないといけないな。


 それでも、下界の浄化は浄神からの神命だと知っているので文句は言われていない。


 途中でお昼になったので、焼き場を作り焼き網を渡して準備をする。内蔵は4匹の餌皿に入れ、肉はブロックで皆に渡す。後は皆が自分の好きな厚さに切って焼くだろう。


 香辛料も出してあるし、準備は出来ている。俺は鍋を取り出し、干し肉と野菜を塩で煮込んでスープを作る。旨味の塊である干し肉の御蔭で、とても良い匂いが鍋からしているな。


 スープは【錬金術】を使っているので、そこまで時間が掛からずに完成した。硬パンに水分を【合成】して柔らかくしてあるので、皆の椀にスープを入れて昼食の開始だ。


 スープを作る横で自分の肉は焼いていたので、パンを【変形】しホットドッグみたいに挟んで食べる事にした。


 片手で食べられるので楽ではあるが、普通のホットドッグに比べて5割ぐらい大きい。なので、食べるのがちょっと大変だったりする。


 スープを飲みながらゆっくり食事をし、土の季節というか秋の空気を満喫する。少し乾いている空気が、季節が変わったんだなと分かる部分だった。


 この世界1年目である自分にとっては、”秋の風景はこういうものだ!”というイメージも無いので、何が秋の風景なのか分からないんだ。


 仕方がない事なんだが、それを話すと皆も笑っている。見た事も無いものを理解するのは非常に難しい。それを皆も分かっているんだろう。


 昼食も終わったし、後片付けを済ませたら出発するか。



 ▽▽▽▽▽


 0445終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨116枚

 大銀貨218枚

 銀貨229枚

 大銅貨335枚

 銅貨124枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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