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0443




 硬パンなどはあるし、干し肉もある。食料店は空いてるんだろうか? ちょっと外に出てみるか……。


 俺は訓練終わりのザラとエイルズと自分を浄化したら、宿の玄関を開けて外に出てみる。結構な風が吹いているが、人が吹っ飛ぶ程じゃないな。


 急いで食料店に行くと、店は空いていて安値になっている物がそれなりにあった。野菜類もそれなりに安かったので銀貨1枚分購入し、小麦も銀貨1枚分購入したら食料店を後にする。お昼は普通にうどんで良いか……。


 宿に戻ると、ジャン達が起きて食事をしていたので、その横でテーブルの上を浄化した後、丸太を取り出して板にしたらテーブルの上に置く。小麦を取り出し殻などを【分離】したら、中身を【破砕】して【粉砕】し綺麗な粉にする。


 後は手持ちの聖水と塩で小麦粉を練っていく。既に慣れたものなので、身体強化を使いながら捏ねていく。


 ふと、ここまで簡単に出来るなら、蕎麦を打っても良いなと思う。食料店にも蕎麦は売ってなかったので、この辺りでは栽培されていないんだろう。


 この辺りは暖かい地域だし、王国だけではなく聖王国の北端まで小麦が作れる地域だ。春撒き小麦なら北端でも作っているらしいので、小麦が作れない地域はもっと北なんだろう。


 そういう小麦が作れない地域でも作れるのが蕎麦だからなぁ……。この辺りだと育てる必要が無い。


 うろ覚えだが、蕎麦より小麦、小麦より米の方が収穫量が多かった筈だ。わざわざ収穫量の少ない穀物を作ったりはしないだろう。


 それを考えると、何故この辺りに米が無いのかは不思議ではある。地球の事を考えても、ヨーロッパ地域にさえ米はあったというのに……。


 おっと、下らない事を考えていたら麺を打ち終わってしまった。後は切って……良し、完成!。


 鍋の中に野菜と薄く切った干し肉を入れて少し煮込む。香辛料で味を整えたら、うどんの麺を入れて少し煮込めば出来上がり。味噌煮込みならぬ、肉煮込みうどんの完成だ。


 旨味たっぷりの干し肉から良い味が出ているので、香辛料は最小限しか使っていない。……ところで、何で料理の最中ずっと旦那さんが横で見ているんだろうか?。


 えっ!? いや、別に構いませんけど。ある程度は余分に作ってるんで、旦那さんと女将さんの分くらいはありますよ。食器が無いんで、それだけはお願いします。


 そんな話をしていると、2階から皆が下りてきた。ザラとエイルズは近くで見ていたし、ジャン達とリンデとリヴィは昨日と同じで昼前に起きてきている。5人組は料理途中で食料店に買い物に行った。


 俺は作ったうどんを、皆が持ってきた椀に入れて渡していく。



 「うどんを食べるのは久しぶりだね! 気温が下がってきているから、やっと暖かい物が食べられるようになったよ。火の季節だと汗だくで食べる羽目になるからさ。……うんっ! 美味しい! で、これがこの前作ってた干し肉かい? 普通の干し肉とはやっぱり違うねぇ……」


 「旨味がたっぷりで、干し肉なのに噛むとジワーっと美味しい肉汁が出てきます。これ……もしかしたら、普通のお肉より美味しいかもしれませんよ? 干し肉なのに新鮮なお肉より美味しいとか、反則でしょう」


 「何に対して反則なのか分からないけれど、このお肉は本当に美味しいわ。……えっ!? まだまだある? 皆の椀を見ると結構使ったように見えるけれど……あと7回作れる量があるのね? ……よく味わって食べましょう。直ぐに無くなる気がするわ」


 「確かにね。後7回分と言われても、そこまで持つとは思えないしね。何より美味しいのがいけない、これだと沢山食べてしまうのは仕方がないよ。直ぐに無くなると思っておいた方が良いね」


 「それにしても美味いな。久しぶりに食べるが、美味しさは今までで1番なんじゃないか? 皆も言っているが、この干し肉が本当に美味しい。もはや保存食とは言えない美味しさだな」


 「うんうん、本当に美味しいね。美味しくて、あの2人は一心不乱に食べてるよ。気持ちは分かるし、仕方がないんだろうけど……もう少し落ち着いて食べれば良いのにね」


 「「無理です!」」



 そこまでか? 確かにこの干し肉の凝縮された旨味は凄いが、麺を作る時に聖水を使ったのが地味に効いてるっぽいな。


 これは俺の予想でしかないが、浄化作用のある物は美味しく感じるように肉体は出来てるんじゃないかと思う。足りない栄養が含まれている食べ物を美味しく感じるように。


 そう考えると、聖水を美味しく感じるのも頷ける話なんだよな。浄化作用がある物を美味しく感じるなら、聖水を使ってる物は全て美味しく感じるという事になる。


 料理に水は必要不可欠だ。つまり、聖水を使えば大半の料理は美味しく感じるようになるという事になる。実際は、そこまででも無いだろうが。


 これって結構凄い事だと思うんだが、気の所為じゃないよな? 浄水はともかく、聖水は完全に俺にしか作れないから再現性は無いけどさ。


 まあ、美味しくなるなら何でもいいか。皆も満足したようだし、フヨウに綺麗にしてもらったら浄化して後片付けは終わりだな。


 ギシギシという音は治まってきたが、未だ外は強風が吹いている。とはいえ、俺が食料店に行った時には多少の人は買出しに出掛けていたので、買い物に言っても問題ないとは思う。


 そこら辺を旦那さんに言っておいたので、夕食は普通に宿の料理が食べられるかもしれない。偶に料理をするくらいなら構わないが、別に料理が得意な訳でも無いし、お金払って食べる方が楽で良い。


 購入した野菜や小麦は余っているが、別に大量でもない。あと一回の料理分があるかどうかだ。明日の狩りの昼食で使っても良いので、無理に夕食を作らなくても良いだろう。


 ……さて、昼から何をしようかな? 2人の訓練は昼前で終わってしまったので特にやる事も無い。部屋に戻って4匹と遊んでやるか。最近あんまり遊んでやってないし、不満も溜め込んでいるかもしれないし。


 部屋に戻った俺は、4匹を浄化しながら撫でたり、リバーシをしたりしながら過ごす。4匹も激しく喜ぶというよりは、俺に引っ付いていたり、顔を擦り付けたりしている。


 ゆったりしながらも、引っ付いて離れない感じだと言えば伝わるだろうか。ダリアも胡坐の中に居て離れようとしない。


 する事は無いから別に良いんだが、猛烈に甘えている気がする。ゆっくりゆったりしているのに、梃子でも動かない気がするんだけど……。


 そんな4匹と夕方になるまで遊んだりして、スキンシップをとっていた。夕方になったので食堂に下りると、5人組が宴会をしているぞ?。


 どうやら少し前から、食料店に行って酒とツマミを買ってきたらしい。飲んでいる酒は俺が作った物のようだが、まさか新しく作らせる為に買ってきたのか?。


 あまり頻繁に言ってくるなよ。俺だって酒作りの為に居る訳じゃないんだからな? 分かっているのか、いないのか……。


 分かっていて聞き流している感じか。酒飲みは本当に面倒臭いな。俺が煙草以上に酒を嫌う理由だ。元々煙草を吸っていた事もあるが、それ以上に酒は理性を低下させるので面倒臭いんだ。


 普段は何の問題も無いのに、酒を飲むと面倒な人物って居るだろ? アレって酒の所為なんだよ、だから酒は好きじゃない。


 煙草は理性を低下させたり、酩酊状態になったりしないだけマシだと思ってる。元の世界の日本でも、酒が原因の交通事故はあっても、煙草が原因の交通事故というのを俺は聞いた事が無い。


 理性の低下っていうのは、それだけ怖い事なんだよな。突然豹変して暴力を振るう人とか居るし、酒の規制は煙草に比べると随分甘かったと思う。


 それだけ酒造会社が強かったんだろうけどさ……。おっと、元の世界の事はどうでもいい。女将さんに聞いてこないとな。


 ……どうやら夕食は普通に出るらしいので、大銅貨18枚を支払い注文する。何でも昼と夕方の間ぐらいから強風は無くなっていたらしく、村の人は普通に外を出歩いていたらしい。


 中途半端な時間と言うか、昨日の夜から強風だったからか……。妙な時間に強風域が通り過ぎて行ったみたいだ。



 ▽▽▽▽▽


 0443終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨116枚

 大銀貨219枚

 銀貨232枚

 大銅貨353枚

 銅貨124枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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