0440
折角なので誰もいないこの場所で、邪気を集める魔道具を使ってみる事にした。この魔道具は使っている最中しか邪気を集めないのは知っているので、最悪魔力供給を切ればその時点で止まる。
先に【浄化】の権能を使ってから魔道具を使えば、俺が邪生になる事はあり得ないので問題ない。さて、使うか! 気合いを入れてから【浄化】の権能を全力で周囲に使いながら魔道具を起動する。
起動した直後から凄まじい勢いで邪気を吸収し始めたので、猛烈な勢いで邪気の吸収と浄化が行われている。コレ、おかしいぞ? こんな勢いで邪気を集めたら、あっと言う間に邪生になるだろう。
生物をあっと言う間に邪生にするような魔道具じゃなかった筈だ。もしかして俺が使ってるから、こんなダイ○ンも真っ青の吸引力になってるのか? だとしたら納得できる話ではあるんだが……。
うん? 勢いが弱くなってきたな……でも吸引力が落ちた訳じゃないな。という事は、この近くには邪気が殆ど無いって事か。……おい、ちょっと待て。コレを使えば、王都一つ分ぐらいは10分掛からず浄化が出来るぞ。
普通なら邪生になるレベルで吸い込んでも、俺なら問題ない。コレって浄化するのに物凄く便利なんじゃないか? 一度村に戻って試した方が良いな。急いで村に戻ろう。
村に戻った俺は、村の中心となる場所に立って最終確認を行っている。邪気を吸引する魔道具は、横20センチ、縦10センチの、掃除機の先に付ける部分みたいな物だ。あのT字型の部分を想像して貰えば分かりやすいと思う。
村の中心で、全力を持って魔力を使い邪気を吸引する。その邪気を【浄化】の権能を使って全て浄化してしまう。これが成功すれば、下界の浄化という俺の使命が大変捗る事になるので、どうしても気合いが入る。
良し! ……いざ!! 俺が全力で魔力を魔道具に入れると、「バキィッ!!」という音と共に壊れてしまった。どうやらこの魔道具、あまり良い素材で作られていなかったらしい。気合いを入れ過ぎたのか、空回りしてしまった。
仕方ない、一度部屋に戻ってオリハルコンかマナリアで作るか。機構そのものは魔神から習っているので、同じ物は作れるんだよ。ただ、神界で教えて貰った時は、こんな物覚える必要があるのか? って疑ってたんだよなー。
部屋に戻ってきたので、さっさと作ろう。面倒なんで同じ形の物をマナリアで作った。再び村の中心に行き、いざ!! ……お、おおっ! ち、ちょっと吸引力が強過ぎませんかねぇ!? これは厳しい……ぞ!。
予想外の吸引力に焦りながらも、集中して邪気を浄化していく。5、6分ほど浄化していると、殆ど邪気を吸収しなくなってしまったので魔道具を停止する。一息ついてあたりを見回すと。ちょっと洒落にならないレベルで浄化されていた。
邪気を感じられる者なら、この村が驚く程に清浄なのが直ぐに分かるレベルで浄化されてしまっている。何て言えば良いんだろう……根こそぎ浄化したとでも言えば良いんだろうか? マナリアが強力過ぎたのかもしれない。
しかし、浄化するのに大変便利な道具が完成したのは間違いない。今度からは、魔道具に注ぐ魔力を調節すれば良いだけだ。今回は気合いを入れて魔力を注いだし、初めての実験みたいなものだからな。これから使い熟せばいい。
部屋に戻った俺はゆっくりと布団に横になって目を瞑る。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界181日目>
おはようございます。昨夜遅くまで色々やっていたので、ちょっと眠いですが問題は無いと思います。それよりも昨夜は便利な魔道具が出来たのでテンションが高いと言うか、気合いが入っている。今のところは使う用事が無いが……。
昨夜使って村を綺麗にしたからなぁ。森や山に行って使っても良いが、わざわざそんな事をしなくても……と思うので、昨日決めた通りザラとエイルズの訓練をしよう。予定を変えたって良い事は無いし、結局あの2人の訓練は必要な事だ。
移動の事もあるし、今の内に鍛えておかないと邪魔になる恐れすらある。連れて行くと決めた以上は責任を持ってやらないと駄目だしな。あの2人も身体強化を正しく使える以上は、そこまでセンスが悪いという訳でもなさそうだし、そこまで苦労はしないだろう。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル、フヨウ」
「ニャー」 「グル」 「ウォフ」 「………」
4匹の水皿を出し、いつも通り聖水を入れてやる。昨夜のお腹がパンパンになった状態は解消されているので、聖水を飲んでも大丈夫そうだ。俺の考えている事がバレたのか、3匹がペシペシ叩いてくる。女の子的には恥ずかしい姿だったからな、仕方がない。
今日は最初から床に座っていたんだが、聖水を飲み終わった後で矢鱈に3匹は引っ付いてくる。フヨウは聖水を吸い上げた後、直ぐに定位置となる首に来たんだが、他の3匹は胡坐の中に入ってきたり顔を擦り付けたりと色々してる。
落ち着きが無いので、ブラッシングをしてやろうと思いブラシを取り出すと、3匹は直ぐにブラッシングがしやすい体勢になった。ブラッシング中はいつも通りうっとりとした顔をしている3匹だが、朝だから眠りそうにはなっていない。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「………」 「………」 「………」 「………」
「相変わらず3匹はうっとりして蕩けそうになってるね。……で、ディルとフォルがブラシを取っていくのも、いつも通りか。アルドはあの2人に一から教えるらしいし、アタシは今日何をしようかねぇ……?」
「何でも良いのではないですか? ギルドに行って後輩をシゴいてやるのも良いでしょうし、【闘気術】の修行をしても良いでしょう。私は姉上と【浄化魔法】の修行ですよ。【神聖八重浄化】は未だに使えるだけですからね」
「私も修行かしらね? 今日は9つ同時発動よりも、それぞれの【属性魔法】の内、使えると便利そうなものを練習しようと思っているの。だからアルド、【属性魔法】の紙束を貸してくれない?」
「ああ、それは構わない。……ここに置いとくな。それよりも昨夜の話を一応しておこうと思うんだが、この事は話さないでほしい。……いや、そこまで真剣になる話じゃないよ。とはいえ、言い触らす事でもないからな」
俺は昨夜のクソガキAと帝国の間者の事を皆に話す。一応【止音】を使っているので音が漏れたりはしない。話を聞いた皆は呆れていたり、溜息を吐いていたりと様々な反応をしている。とはいえ、心の中は殆ど同じ思いだろう。
「またかい!? 帝国の奴等も懲りないねぇ……。あのクソガキの事は確かに言う必要は無いよ。トーカ達が傷付くだけで誰も得をしないからね。それよりも、また帝国のバカどもが下らない事をしてきた方が問題さ!」
「いい加減にしてほしいところだけど、帝国に行くのも悪手だし、実に面倒な状況だね。結局は反撃を繰り返すしかないんだろうけど、その場合必ず後手に回ってしまうのが痛いところさ。何か解決策はあるかい?」
「難しいのではないか? アルメアも解決策が思いつかないから聞いているのだろうが、私も解決策は思いつかないな。地道に反撃をするか、密かに帝国に侵入するか……。帝国は神殿の事でも揺れているらしいが、それでも他国に手を出す余力があるようだしな……」
「他国に手を出すって言うより、勝手な事をされていて、命令を聞かない奴等が続出しているように思うけど? そもそも団長と認められるだけなら、わざわざ王国に来る必要は何処にも無いよね? 今回の奴も欲を掻いて失敗しただけじゃないかな」
「多分そうなんでしょうけど……アルドも言っていたけれど、殺された間者は下っ端で命令されただけみたいよ? 命令を聞かないバカは安全な所に居るみたいだし、余計に終わらないわね」
確かになぁ……。バカを引き摺り出したいところだが、そのバカは穴倉に篭って……うん? 上司がクソガキAを見つけたのは王国内とか言ってたよな?。
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0440終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨116枚
大銀貨219枚
銀貨234枚
大銅貨438枚
銅貨124枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




