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 一旦ダブルホーンの邪生の肉は置いておき、作った干し肉は4匹に上げた。試作なので大して作ってないし、3匹は少し齧って食べるのを止めた。なので、全部の干し肉はフヨウが溶かして吸収してくれた。ありがとう、フヨウ。


 塩で味付けもしていないので美味しい訳が無いんだが、塩漬けの干し肉は、塩が濃すぎて食べるのも大変なんだよな。ダナやシュラだけじゃなくメルやディルも愚痴ってたくらいだから、想像以上に塩がキツいんだろう。


 俺はそこまでキツい塩漬け肉を食べた事は無いが、何とか出来ないかなと思う。多分だけど【抽出】を駆使すれば、固形のコンソメとか作れるとは思うんだけど、俺自身にそこまでの知識が無いので頓挫している。


 というか、普通の一般人にコンソメの元になってる肉とか野菜とかが分かる筈も無く、更に言えば栄養素も分かる訳が無い。素材と栄養素が分かれば【抽出】してしまえば良いのだが、分からないからどうにもならない。


 【乾燥】させた後、豚骨スープを【合成】して作った干し肉とか駄目だろうか? ……駄目だ、想像しても分からない。もしかしたら美味い可能性もあるんで何とも言えないんだよなー。色々試してみるか……。


 カレー粉かスープにしたカレーを【合成】したら……って金が掛かりすぎる。俺達で楽しむにしたって駄目だ、そこまでの金額は出せない。……ある程度の肉の塊を鍋に入れて、旨味を【抽出】する。スカスカの肉はフヨウに食べて貰おう。


 次に塩と胡椒モドキで味を整えたら置いておく。肉を干し肉サイズに【分離】したら、水分だけを【抽出】する。カラカラに乾いたら鍋の中に入れて【合成】し、引き上げてから椀の上で水分だけを【抽出】して完成だ。


 肉の旨味たっぷりの干し肉だがどうだろうか……? 試しに少し千切って食べてみる。……何だこの旨味の塊は。ちょっと濃すぎたか? 口の中に入れた瞬間、猛烈な旨味が舌の上で暴れ回る感じだ。


 水分を取りながら食べると丁度かな? となると、これで完成と言っても良いと思うが、横で食べたそうにしているダナに感想を聞くか。……どうやら十分に美味しいらしい。何故なら全部持って行かれたからな。


 ある程度の薄さに【分離】して作って行くか……。それなりに時間が掛かるものの、普通に干し肉を作るよりも圧倒的に早い。途中で漬け込む旨味スープが無くなったので、追加で肉を旨味スープに変えたりしながら作成し続けた。


 終わる頃には、8キロほどの旨味たっぷりの干し肉が出来上がっていた。途中でそれなりに取られたので、多分作った量は10キロを超えていたと思う。後は綺麗に浄化してアイテムバッグに仕舞っておくだけだ。


 ……3匹も沢山食べたろうに、これが最後な? 俺は3匹に少しずつ干し肉を渡し、後は全てを仕舞った。フヨウはスカスカとはいえ大量の肉を食べているので、もう要らないらしい。


 もう夕方なので食堂に行って夕食を食べるか……。俺は皆に一声掛けた後、4匹と一緒に食堂へと行く。3匹には夕食が食べられるのか聞いたが、問題なく食べられるらしい。それなりに干し肉含めて食べてるんだがなぁ……。


 食堂で大銅貨18枚を支払いテーブル席に座る。皆と雑談しながら待っていると夕食が運ばれてきたんだが、今日は雨で少し気温が落ちたからか煮込み系の料理だった。久しぶりだが煮込まれているのはゴブリン肉らしい。


 特に臭いも無くキツい香辛料が使われている訳でもないので、誤魔化している料理じゃない。つまり、ゴブリン肉は煮込んでも臭みの無い肉と言える。下処理が理由なのか、それとも元々は臭みの無い肉なのか……?。


 ゴブリン肉は脂身が少ないから臭みが少ないんだろうか……異常なほど臭い物を取り除けば、肉自体は臭みの無いスッキリした肉なんだよなぁ。ちょっと鶏肉に近いと言えば分かりやすいかもしれない。そういう肉質だ。


 煮込むと味が染みて美味しいので、焼きも含めて幅広く使える肉らしい。ゴブリン肉は、食べられる様になったらここまでの肉だったとは驚きだ。俺が教えたところではゴブリン肉の食べ方は分かっているが、世界の殆どの地域では知られていない。


 それが良いのか悪いのか俺には分からないが、少しずつ広がって行くんだろうとは思っている。そもそもゴブリン肉だと言うだけで敬遠される所は多いだろうし、ゴブリン肉だと分かったら話も聞かない者も居るだろう。


 宿の旦那さんが言い出した事だから、旦那さんは分かっているし女将さんも分かっている。でも、村の中でもゴブリン肉に拒否反応を示す人も居るだろうから、俺が率先して広めようとは思わない。嫌な思いをしてまで教えてやる必要も無いしな。



 「え? ゴブリン肉かい? 村の中でゴブリン肉を食べる人とか、買っていく人は結構多いよ。一時期は取り合いになった程さ。まあ、理由は安くて食べられる肉だからだね。解体所のジャロムさんは、コボルトを肥料にしてゴブリンは肉として売るか考えてみるって言ってたよ」


 「成る程。ゴブリンはこうやって食べられますけど、コボルトは筋張ってて料理もし辛いですからね。そういう意味では、美味しくない方を肥料にするのは当然と言えば当然ですか……。食べられる魔物が狩られてるんで、肉はともかく内臓は肥料ですかね?」


 「そうだね。ウチの旦那も、最近は内臓料理を出すのは減らしてるねぇ……。村の農家が使う肥料を作らなきゃいけないし、ゴブリン肉が食べられる様になった以上は、別の物を肥料の材料にしなくちゃいけないしね」


 「今度は肥料の材料を探してくる事になったりして。……流石にアタシは勘弁してほしいけど、村の農家が困るなら何とかするしかないだろうねぇ……。今のところ、そういう話が無いのがありがたいけど」


 「流石の私達でも、新しい肥料の材料と言われても困りますよ。持って帰れる物は持って帰ってきて、解体所で渡すしかないでしょう。何がどう肥料の材料になるかも分かりませんし、傭兵に頼む仕事でもないでしょうから……」


 「確かにそうだけど、色んな魔物の納品を求められるかもしれないわね。今の所は十分に肥料などもある筈だけれど、人が増えていったら、その限りでは無いでしょうし……。まあ、あの子が考える事であって、私が考える事じゃないわ」


 「今の村長は、ゆっくりとだけど発展していく村をどうして行くのか、しっかり考えなきゃいけないから大変だね。メルが言うには、アルドが来るまで発展はなかなか進まなかったと言ってたし。村長を継いですぐに発展していくなんて、間違いなく大変だからね」


 「確かにそうだろうとは思うが、メルの代には発展しないという苦しさがあったんじゃないか? 自分の代で発展も無く停滞し続けているというのは、それはそれで大変だと思う。やる気を失うと言うか、何をやっても成功しないというのは辛いものだ」


 「維持する気しかないなら、そこまでの負担じゃないんだろうけど、発展させようとして失敗し続けているなら大変だよ。何かやって失敗したら、失敗した人の責任になっちゃうしね。余計な事をして! って言われたりするんだ。僕も色々言われたことがあるよ」



 今日の夕食中は何故か村の経営の話しになったな。どういうズレ方をしたのか分からないが、こんな話をしていても仕方がないのでさっさと部屋に戻ろう。部屋に戻ったら早々にダウンしたのか、3匹は一塊になっている。


 お腹がパンパンで厳しいんだろう。あれ程食べたんだから当然だとは思うが、それでも言った事を守り全て食べきった事は評価する。ちなみに、フヨウは要らない栄養などは排出するので、”食べ過ぎ”という状態は存在しない。


 水も飲めなさそうなので、3匹には聖水を出していない。フヨウにだけ水皿を出して、聖水を入れてやっている。3匹とも横になって目を閉じて耐えているが厳しいんだろう、目を開けたり閉じたりを繰り返している。


 見てハッキリと分かるくらいに、お腹がパンパンだからなー。今日の夜はジッとしてなさい。



 ▽▽▽▽▽


 0438終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨116枚

 大銀貨219枚

 銀貨213枚

 大銅貨420枚

 銅貨91枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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