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0437




 ベグさんがパープルボアを売ってほしそうに見ているが、俺は完全に無視する。シュラも言っていたが、女将さんから恨まれるのは洒落にならないんだよ。俺達が泊まってる宿の女将さんだから、出来れば機嫌を損ねたくない。


 他のメンバーの査定も終わったようなので、雨の中を一気に走って傭兵ギルドまで行く。入り口の屋根の下で【乾燥】を使い衣服を乾かしたら、ギルドの扉を開いて中へと入る。相変わらずだが、中に居る奴等が一斉にこっちを向くのはなんでだろうな?。


 そんな視線を全て無視してミュウさんの所へ行く。誰も受付に並んでないので何処でも良いんだが、基本的に傭兵は同じ受付嬢に任せるのが普通だ。理由は小さな事も含めて理解しているからで、やってきた事をリセットされたくないって事だ。


 理解していない受付嬢だと、最初からになりかねないので同じ受付嬢の所に行く。ランクアップの功績の半分ぐらいは達成してるのに、そのランクの最初からにされたら堪ったものじゃないな。ランク6になればどうでもいいが……。


 ワーウルフの邪生には少し驚かれたが、その程度で終わった。今回でシャローのランクが5に、リヴィのランクが4になった。ランクアップが早いのか、リヴィが何とも言えない顔になってるな。経験があるんだから早くて当たり前だろうに。


 そう言うと、「それもそうか……」と納得していた。元ランク12だし、色々な経験はして来てるんだから早いのは当然だ。ギルドも役に立つ傭兵は早くランクを上げるみたいだし、当然の結果と言えるんじゃないか?。


 ダナいわく、裏ではそういう査定をしてるんだとさ。ギルドにとっても必要な措置で、実力の無い奴は危険だからランクを上げないが、実力のある奴はさっさとランクを上げて活躍させないと困るんだそうだ。


 十分な実力があるのに小物を狩る事ばかりさせてしまうと、他の新人傭兵や実力の無い者達にとって迷惑でしかない。だからこそ、さっさとランクを上げて実力に合った狩りをしてもらわなきゃ困るそうだ。まあ、当然の事だな。



 「一度に持ってこられる魔物が多い所為で、ランクが上げ難いので困ってるんですが……。もう少し細かく持ってきて貰えませんか? シャローさんもリヴィアーテさんも、そして他の皆さんも、本来ならランク6で問題の無い実力なんですよ」


 「まあ、当然と言えば当然なんだけどね。アルドが鍛えた以上は最低でもランク6の実力にはなるさ。実際にはそんな低い訳じゃないんだけども、”最低”でもランク6にはなる。それが当たり前の鍛え方をしているからねぇ……」


 「代わりに、全員が全員付いてくる事が出来るようなやり方ではありませんけどね。才能や能力の無い者は容赦なく捨て置くというやり方ですから仕方がないんですが。そもそもアルドはついてこれる者にしか教えませんし」



 そんな話をしていると、ヴェルが近付いてきて話に参加しだした。



 「そうなんですね。やはり教えていただく事は出来ませんか……。まあ、叶うとは思っていませんでしたけど、もしかしたらという思いもありました。とはいえ、今は新人や若手を教える引退者が3名に増えてるので良いのですが」


 「その3名はちゃんと教えているのかしら? 新人の前で威張りたいだけの者なら、止めさせなきゃ駄目よ? 新人や若者の為の教育なのに下らない事をする者が居れば、最後には新人や若手が近寄らなくなるし、それでは何の為に始めたか分からなくなってしまうわ」


 「分かっています。指導員は最初に実力を見る決まりにしていて、実力の足りない者や、現役の頃に素行の悪かった者は排除しているんですよ。その御蔭で、今のところは悪い噂はありません」



 指導をしてくれる者が居れば少しでも早く新人を抜け出せるだろうし、死亡率も多少は下がるだろう。もちろん指導員の言う事を聞かない者も居るだろうが、ソイツが死んでも自業自得だ。前に問題を起こした、クソガキAとBみたいなもんだな。


 そういえばクソガキAは処刑前に逃げたらしいが、まだ生きてるのか、それともどこかで野垂れ死んだのか……。逃げたところで何も持っていなかった筈だし、何処かで野垂れ死んだんだろうとは思う。まあ、生きて復讐してきても殺すだけだがな。


 手続きを終えたので、走って宿に帰る。女将さんが食堂に居たので、今の内にパープルボアを渡す。女将さんはキョトンとしていたのでダナとシュラが効能を教えると、大変嬉しそうな笑顔で持って行ってしまった。感謝の言葉も無かったんだが……。


 <触らぬ神に祟りなし>とも言うし、女将さんの邪魔はせずに部屋に戻ろう。リンデ達も部屋に来たが、ザラとエイルズを呼んだらついて来ただけだ。ギルドで聞いたんだが、サイクロプスの骨の武器が脆くなってしまっているらしい。


 理由は武器強化だ。生物由来の素材は劣化し難いとは言っても、劣化しない訳じゃない。何度も魔力で武器強化をしていれば、段々と劣化していくのは当たり前の事だ。ちなみに、魔力金属は生物由来の素材より劣化し辛い。


 とはいえ、竜の素材や希少金属の様に殆ど劣化しない訳ではない。それでも魔鉄が余っているので、使ってやる事は吝かではないんだよな。邪魔なだけだし、引き取ってもらえると整理出来るんだが……。まあ、とにかくザラとエイルズの武器を作るか。


 ザラは前回と同じように十字槍を作れば済むので、さっさと作る事にした。穂先は60センチにし、穂全体は140センチとなる。柄はザラが使い易い160センチにしたので、全部で220センチの十字槍だ。


 ザラは感触を確かめているが具合は良いらしい。さて、問題はエイルズの武器だ。何と言っても、武器強化で劣化させていたのはエイルズの方なんだ。魔力の扱いが下手だと武器を劣化させやすいんだが、何も考えずに武器強化を使っていたみたいだ。


 魔力の扱いは修行をさせるとして、エイルズが求める武器は片手で扱える武器なんだよなー。左手に盾を持ち、右手に武器を持って戦うスタイルだから、どんな武器を持つか悩むんだろう。俺に聞かれても困るし、他のメンバーだって困る。


 前に作ったのは戦斧だったんだが、戦闘に集中していると刃の方向を忘れて叩きつけてしまう事があったらしい。その為、今回はメイスにしてほしいとの事だ。刃の方向を忘れるってどういう事だ? 訳が分からないが本人が言うんだから事実なんだろう。


 今回作るのは、鬼人族に良く似合う金砕棒だ。久しぶりだが、アレなら武器がどんな方向に向いてようが関係が無い。ちゃんと手元の所を輪にして、半分から先に棘を付けて完成だ。丸ごと魔鉄で作ったので耐久力も十分にある。


 右手で振り回しているが、手元の輪の部分が分からないらしい。なので、輪を握って叩きつける方法を教えておく。多少は遠心力を加える事が出来るんだよな、あんまり意味は無いけど……。どうやらエイルズは金砕棒を気に入った様だ。良かった、良かった。


 その後、また酒飲みどもが昼間から酒を飲み始めて宴会のようになったので、俺は無視して干物作りを始めた。ダブルホーンの邪生の肉はまだまだ余っているので、薄く【分離】した後に水分だけを【抽出】している。


 干し肉だが味付けしたような物ではなく、正真正銘の保存食としての干し肉を作っている。古い時代では塩漬けにして作っていた干し肉だが、俺の場合は腐敗の元である水分だけ抜いて、旨味は残す干し肉が作れる事に気付いたので現在試験中だ。


 カラカラの干し肉が出来たが、コレは乾燥し過ぎなのか……? とりあえず食べてみるか。カラカラだからカチカチだ。噛んでいるとジワーっと味が出てくるが美味しくない。血生臭さは無いのでマズい訳じゃないんだが、単体で食う物じゃないな。


 ただ保存食かと聞かれたら保存食だ。料理に使う保存食と言うべきで、単体で食う物じゃない。でも料理に使うなら味が付いていない方が使い易いだろうから、コレで良いのかもしれないな。


 酒の肴にとダナが欲しがったので上げたが、微妙な顔をしている。保存食だと言ったら凄く納得したので、保存食としては”有り”なんだろう。単体用なら俺も味付けするんだけど、どうしよう?。



 ▽▽▽▽▽


 0437終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨116枚

 大銀貨219枚

 銀貨213枚

 大銅貨438枚

 銅貨91枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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