表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
437/1948

0436




 大森林の高台の上をウロウロしている。何だかんだと言ってなかなか邪生は見つからない。少ない事を喜ぶべきではあるんだが、移動をしているだけなので暇なんだよなー。問題があるよりはマシなんだけどさ。


 少し早いが、そろそろ戻っても構わない気がするな。皆が来るまでに、昼食の準備でもして時間を潰すのも悪くは無い。帰ろうかと思った矢先に邪生を発見した。したんだが……コイツは初めてだな。


 その場所に急行して即座に浄化したんだが、コイツはまた何と言って良いか分からない。1番近い言葉があるならば、多分ワーウルフと言うのが正しいと思う。二足歩行の狼だ。


 獣人族の狼の場合、見た目は殆ど人間と変わらなくて鼻が良いだけだ。しかしコイツは毛むくじゃらで顔も完全に狼だ。足も狼の足を大きくした様な形で、手だけが人間と同じ5本指なんだ。


 妙な姿形をした奴だし初めてみるぞ。ワーウルフって満月の晩に狼に変身するんだっけ? こんな日中でワーウルフなのか? ……って良く考えたら、元の世界は関係無いじゃないか。この世界の魔物なだけだ。


 フヨウの血抜きが終わったので収納し、そろそろ高台の階段近くに帰る事にした。結構離れてしまっているが、俺だけなら素早く帰る事が可能だ。木々の間をすり抜ける様に移動して、あっさりと高台のすぐ上に戻る。


 まだ誰も来ていなかったので、階段を下りて川に行き聖水を作ってきた。フヨウと一緒に聖水を飲みながらゆっくりと待っていると、最初にもどってきたのはディル達だった。どうやら邪生は見つからなかったらしい。


 まあ、見つからない方が良いさ。そう笑い合いながら焼き場を作り、焼き網を取り出す。人数が増えたし焼き網をもう1つ増やしておくか……。焼き場も1つ増やして焼き網を設置したら雑談をしつつ皆を待つ。


 少ししたらジャン達が来たので一気に人数が増えた。ジャン達は魔物を狩りながらウロウロしたものの、結局今日も邪生は発見できなかったらしい。居ない方が良いんだから喜べ、喜べ。


 3匹も帰ってきたので聖水を水皿に出してやると、大人しく飲んでいる。丁度そのタイミングでダナ達も帰ってきたので全員が揃った。ダナ達も邪生を発見出来なかったらしい。高台にしか居なかったのかな?。


 俺が狩ってきた、レッドオーク、ダブルホーン、ワーウルフの邪生の心臓を取り出し3分割にして食べさせる。当然ザラとエイルズは抵抗するので、羽交い絞めにして無理矢理食べさせた。


 思っている様な反応が何も無く、皆がガッカリしている。2人とも胸が大きくなる事は無かったが、代わりに筋肉でしっかりしていた体が、女性らしい柔らかな丸みを帯びた感じに変わっている。


 2人の体はアスリートみたいにムキムキな感じだったんだよな。それが丸みのある柔らかな形に変わったのに、筋肉の質は上がっているのでむしろ強くなっている。当然、魔力も闘気も増大している。


 今は皆で2人の口を塞ぎにかかっているな。ザラとエイルズも自分の体を確認し、これはマズいと分かったんだろう、青い顔で必死に頷いている。特に美容に効果があると聞いた途端に、顔が真っ青になったからな。


 2人のシワや弛みも改善しているので、本格的にヤバい事を理解したみたいだ。手鏡を使って説明されたら、反論のしようが無いだろうね。……さてダブルホーンの解体も【熟成】も終わった。そろそろ昼食にするか。



 「昼食はダブルホーンの邪生かい? いつもの通り硬パンが柔らかいのがありがたいねぇ。寒くなってきたら煮込み系が良いけど、今はまだ早いか……。この暑さだと汗を掻く可能性が高そうだから仕方がないね」


 「焼いているだけでも汗を掻いている者もいますよ。まあ、ジャンの事ですが……。それでも暑さは和らいできましたし、これからは涼しくなっていくでしょう。今日は土の季節20日目ですしね」


 「毎年の通りなら、これぐらいの時期から少しずつ気温が落ちていくんだけれど、今年は少し早かったわね。全体的に言えば、例年通りで差なんて無いんでしょう。後は急に暑くならない事を祈るだけよ」


 「稀にだけど、急に暑くなる年があるよね。土の季節の半分を越えた辺りで、5日から10日ぐらい急激に暑くなったりする事があるんだ。アレがある年って必ずその前に強風が吹くんだけど、あの強風の所為なのかな?」


 「さて、その辺りはよく分からないな。だが、水の季節でも強風が吹くと暖かくなる事もあれば更に寒くなる事もあった。風が何かしらを運んで来ているのではないかと思っていたが、どうなのだろうな?」


 「僕はその辺りは良く分からないよ。そういえばそんな年もあったような気がするって感じだったね。疑問に思った事も無いから特に覚えて無いけど、そう言われたらそんな年もあったかなぁ……ってくらいだよ」


 「僕は覚えています。昔、倉庫整理の仕事をしていた時に、不意に暖かくなったのは良く覚えてるんです。暖かくなってくれた御蔭で、手が冷たくなくなって助かったのは今でも思い出せますよ」


 「私は……そんな事があったかどうか思い出せないな。そんな年があったような無かったような、思い出そうとしても記憶に無い感じだ。多分、そういう年はあったんだろうが、その時に何かを思った程度なんだろう」


 「そうですね。マールは元々暖かいですが、水の季節には当然寒くなります。むしろ風の季節に入りかける時に強風が吹く事が多く、暖かくなったり寒くなったりしますね」


 「季節を運ぶ風と言われたりするが、風の方向やその時の気候の分布によって幾らでも変わるから、強風が吹く吹かないという違いじゃないぞ? 天気とか気温って相当ややこしいんで、俺も詳しくは知らないんだ」



 まさか食事中に天気や気温の話しをするとは思わなかった。ふと上を見上げてみると、分厚い灰色の雲に覆われており、いつ雨が降ってきてもおかしくない天気だ。昼食後は村に帰った方が良いな、コレは。


 丁度ウダウダと話しながらも昼食は終わったので、皆に空の状態を説明してさっさと帰る事にする。焼き網を浄化してから回収し、焼き場を壊して更地にする。作ったまま放置していた焼き場は、魔物か誰かが壊したみたいだ。


 なら壊しておいた方が無難だろう。全員が身体強化を使い移動を開始する。川の向こう岸に渡った段階でパラパラと雨が降ってきたので、慌てて村まで一気に走って帰る。それが良かったのか、本降りになる前に解体所に着く事が出来た。



 「朝から雨が降りそうでしたが、皆さんは狩りに行ってたんですね。相変わらず綺麗に倒してあり、血抜きなどもしてあって助かります。レッドオークの邪生は金貨3枚、ワーウルフの邪生は金貨5枚です」


 「コイツはワーウルフって言うんですか? 二足歩行の狼なんて初めて見たんでビックリしましたよ。邪生だったんで【浄化魔法】が良く効くから簡単でしたけど、本来なら結構厄介な魔物の気がするんですよね」


 「ワーウルフは目撃例ですら非常に少ない魔物ですね。私も解体の手引書の一部に書かれていたのを見たぐらいですよ。少なくとも王都の研究所に送れば、最低金貨7枚の値は付くでしょう」


 「へぇー、あんまり見ない魔物だと思ってたけど、やっぱりアルドが妙な魔物を倒してたのか。出遭う事すら珍しいんだろうけど、それが邪生として居たっていうのは少々気になるところだねぇ……」


 「他にはパープルボアを見つけたくらいかな? あー……いやいやいやいや、売るのは無理ですよ。もし解体所に売ったというのがバレたら、女将さんに殺されかねないでしょう? ですから無理ですよ」


 「殺す、殺さないは別にして、トーカは確実に恨むでしょうね。アルドがお土産にするのは仕方がない事ですよ。貴方が代わりにトーカから恨まれますか? ……でしょうね、私だって絶対に嫌ですし」



 本当にな。女将さんの恨みって、呪いにまで発展しそうで怖いんだよ。




 ▽▽▽▽▽


 0436終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨116枚

 大銀貨219枚

 銀貨213枚

 大銅貨438枚

 銅貨91枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ