0435
食堂に来たビキニアーマーズの食事代も出してやる事にする。大銅貨2枚を女将さんに渡して2人の分も注文したら、テーブル席の椅子に座ってゆっくりと待つ。皆と雑談していると朝食が来た。
今日は朝から肉が多いので確認してみるとゴブリン肉だった。癖が無いので、知らないとずっと分からないままだろう。ビキニアーマーズも美味しそうに食べている。今度はダナとシュラがニヤニヤするのか……。
朝食を終えてダナとシュラがネタばらしをしているのを見ながら、ビキニアーマーズはこれからどうするんだろう? と少し心配になったので聞いてみる。リンデ達とも関わり持ったしなぁ……。
「実はですね……私達だけでは、これ以上強くなれないんじゃないかと思いまして、出来れば教えを請いたくてこの村まで来たんです。故郷で過ごしている内に、強くなりたかったのを思い出しまして……」
「アタシもザラと一緒で、ディアーナ様に憧れてたのは強くなりたかったからだという事を思い出したんです。一度思い出したら、今は強くなるチャンスなんじゃないかと思えてきて……」
「成る程ねぇ……。それでアタシ達って言うか、アルドに教えて貰おうと思って村まで来たという事かい。……何と言うか、予想通り過ぎて何とも言えないね。結局はアルドが決める事だけど、どうするんだい?」
「どうすると聞かれてもな……。2人の事は知らない訳じゃないし、そもそも身体強化を教えたのは俺達だ。正直に言えば、揉め事さえ起こさないなら好きにして構わない。今さら2人増えたところでなぁ」
「大した違いはありませんね。この者達とて、それなりの期間傭兵をやってきてますから一度叩き直しますか? 今日は大森林に行く予定でしたが、身体強化が出来るなら跳び越えられますし……」
「この2人は王女様達のチームに入れれば良いわね。どのみち、昨夜2人にヤられたみたいだし! 仲良しなのは良い事よ。……まあ、冗談はそれぐらいにして……チームとしても丁度良いと思うのだけれど、どうかしら?」
「魔力の多い吸血鬼と闘気の多い鬼人だから丁度良いんじゃないかな? しかし、シャンティの者と一緒に居るというのも久しぶりな気はするね。3代目辺りから、完全に使用人の立場をとる様になってしまったし」
「それは……仕方がないんじゃないか? そもそもシャンティ家の初代だけだろう? 王族なのは。2代目からは吸血鬼族の里で生まれているのだから、王族意識など殆どあるまい。3代目だと完全に無いだろう」
「それに、王族だとか言ってると里の中で爪弾きにされかねないんじゃないかな? 小さな村とかじゃ、妙なプライドとか持ってると危険だと聞いた事があるよ。誰も助けてくれなくなるって」
「村八分か、まあ在って当然だとは思う。良い悪いは別にして、どんな所でも多くの人が住んでいるなら秩序はある。それがおかしな形だろうが、一方的だろうがな」
「小さな村だと、爪弾きにされたら生きていけないからね。それを利用するクズは昔からいるよ。最近っていうか、ここ100年ぐらいはあんまり聞かなくなったけどねぇ……。昔は酷かったもんさ」
「里や村の長が殺されたなんて話も良く聞きましたけどね。ああ、またクズが殺されたか。そういう風にしか思えなかったですし、実際まともな者なら殺されたりしませんからね」
ウダウダと喋っていても仕方がないんで、そろそろ宿を出るか。その前に女将さんに頼んで、リンデ達の部屋を2人部屋じゃなくて4人部屋に変えてもらう。4日分の大銅貨16枚を支払って宿を出た。
いきなり部屋を変える事になった迷惑料として、4日分の2人部屋の宿代は返却しなくても良いと言っておいた。実際、急に部屋を変更してる訳だしな。気付いたら、随分大所帯になったなぁ……。
14人と4匹だから多いのは当然か。川の傍を遡りながら、いつも通り川幅の狭いところから跳んで行く。俺は最後に跳ぶのだが、ザラとエイルズよりもリヴィがビビるとは思わなかった。
早く跳ぶ様に言うが、なかなか決心が付かないらしい。後ろから蹴り飛ばしたい衝動に駆られるが、ここはグッと我慢する。向こう岸で全員が呆れている事を教えてやると、ようやく跳んだ。
最後にフヨウを首に巻いた俺が跳んで全員が渡った。ジャン達とリンデ達は南東を、ダナ達は南を、ディル達は南西を、そして俺は高台の上を調べる事になった。昼には高台のいつもの所に集合する様に言っておく。
皆が移動を始めると、俺は隠密の4つの技を使い高台へと一気に移動する。この高台の向こうからオーガはやってきたと思っている。案外マートルもここから下りてきたのかもしれないな。
俺は隠密の4つの技を使ったまま【探知】を使い邪生の位置を調べていく。早速発見したので急行し浄化すると、スリムなオークの邪生だった。……スリムという事は、コイツはレッドオークか。
ザラとエイルズにも邪生の心臓を食べさせないといけないので、この場では解体せずフヨウに血だけを吸い取って貰う。相変わらず、要らない水分はお漏らししてるのか地面が濡れている。
再び邪生を探してウロウロし始めるのだが、高台の上は結構な広がりがある。階段を作った所は上空から確認すると尖った部分の先端の様な場所だ。西の山の方へも広がっているし、南西の方にも広がっている。
何処にどういった魔物が居るのかは知らないが、大森林というだけあって【探知】を全力で使っても全容が分からない。今初めて分かったが、ここまで広いと魔物が居なくならない筈だ。
ある意味でルーデル村も最前線と言える場所だった。聖王国と違うのは虫地獄では無いという事だ。あっちは食べ物とかの意味でキツ過ぎる。同じ最前線ならこっちの方が遥かにマシだろう。
そんな事を考えていると再び邪生を発見したが……冗談だろ!? あれってダナに教えてもらったパープルボアじゃないか!? 肉を食べれば絶倫になれると言われてるヤツだぞ!?。
実際、かなりの効果があるのは間違い無いらしい。俺はパープルボアを喰らおうとしていた邪生のダブルホーンを浄化する。その後、逃げるパープルボアの首を刎ねて血抜きをフヨウにしてもらう。
パープルボアを食べないように頼み、ダブルホーンの血抜きもお願いする。【空間把握】などで確認しているんだが、どうやらフヨウがお漏らししている水分には、植物の栄養素が多く含まれている。
ハッキリいうと、窒素、リン酸、カリウムだ。作物に必要な3大栄養素を出してるんだから驚くしかない。もしかして森が豊かなのはコレが理由なんだろうか? 他の魔物にも、似た様な者は居るのかもしれないな。
パープルボアとダブルホーンを収納したら再び移動を開始する。特に方角などは考えずにウロウロしながら邪生を探しているだけなので、そこら辺に居る魔物は全て無視している。
無視しているのだが、何でアーマーラビットとか、スパイクラットとかが居るんだろうか……。コイツ等って森の中に居る魔物だったか? 荒地とか荒野に居る魔物じゃなかったっけ?。
大森林の魔物の生態って、思っているよりも滅茶苦茶なのかもしれない。聖王国の最前線も、森の奥深くまでは行った事が無いらしいし、ここでも大森林に入ったのは俺達が初めてなぐらいだ。
全く分からなかった事が少しずつ明らかになってきていると考えれば、決して悪い事じゃないんだが……。解ってくる度に、訳が分からなくなる。そういえば神様が言ってたな、この世界には妙な場所が幾つかあるって。
なんか混沌としている場所が幾つかあって、神様でも対処を諦めたらしい。理由はその状態で維持されている為、迂闊にイジらない方が良いそうだ。確か、大森林もその1つで<特異点>と呼んでいた筈。
様々な魔物が関わる事で、奇跡のバランスを生み出している。そういう場所なので、神様も手を出せないそうだ。生態系を変える訳にもいかないし、仕方ないんだろう。
下らない事を考えてないで、邪生を探そう。
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0435終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨108枚
大銀貨219枚
銀貨213枚
大銅貨438枚
銅貨91枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




