0432
大銅貨3枚を追加してジャン達の昼食も注文しておいた。ジャンには【房中術】の細かい部分と次のステップを教えたんだが、アレも一時凌ぎにしかならないんだろうな。頑張れよー。
俺には応援する事しか出来ないからなぁ……。ジャンには【念術】は教えられないから、後は【鋭覚】と【精気】だ。しかし、この2つまで学ばれるとジャンは相当苦しくなるだろう。
自分の食事は終わっているので、心の中でジャンに手を合わせたら傭兵ギルドに行く。身体強化を使って一気に進み、入り口前で【乾燥】を使ってから中に入る。雨の日は少ないな。
中に入ってミュウさんの所に行こうとすると、ガルドルさんが居たらしく呼び止められた。丁度ヴェルもガルドルさんと同じテーブルに居たので、昨日の武器の事を話してたんだろう。
それよりも、なんでビキニアーマーズがここに居るんだ? そのうえビキニアーマーを着ておらず革鎧になっている。まあ、そこはいいか。それよりも、椅子に座って話を聞こう。
「昨日、お前さんが買っていったんで、もしかしたら今日にも納品に来るんじゃないかと思っとったが、まさか本当に来るとは思わなかったぞ。それで、どんな武器を納品にきたんだ?」
「どんなと言われても普通の武器ですよ。新人でも使いやすいのと、頑丈な武器ですね。ショートソード、パルチザン、戦斧、メイス、そしてハチェットです。普通でしょう?」
「うむむむむ……。確かに普通と言えば普通だな。平凡と言えば平凡だが、中身が全く平凡でないのはお主の企みか……。別に良いとは思うが、見抜けぬ者に使わせるのも業腹じゃな」
「分かりますけど、調子に乗って自滅するのも本人の自由でしょう? 足をすくわれるバカが悪いと言えば、それで終わる話ですよ。それに結構面白いと思うんですけどね」
「この斧は逆に使い難いと思わない? ハチェットって言ってたけど、斧とハンマーを上手く使って戦える奴は多くないと思う。ただし、使えるなら凄い威力になるのは確実だろうね」
「私は無理ですけど、エイルズなら使えるのでは? 私はこちらの槍がなかなか良いと思います。パルチザンと言いましたっけ、突き刺す事も切り裂く事も出来そうですし」
「その代わりに先に重心が寄ってて重そうだよ? 上手く扱えないと、振り回されるのは変わらなさそうだけどね。私の作ってもらった戦斧よりも短いし、欲しい物は無いなぁ……」
「2人が欲しいなら、魔鉄で武器を作ってやっても良いけど、どうする? ……実は魔鉄は余っていてな、使う事も無いんで使ってやっても構わないんだよ。俺達は要らないし……」
「魔鉄が余ってるっていうのも凄いけど、魔鉄で作って貰うほどのお金が無いよ。そもそもルーデル村に来たのも、お金を稼ぐ為に来たんだしね。色々なヤツを狩って稼がないと……」
全ての武器をヴェルに預けると重そうに持って行った。ヴェルが戻ってくるまで、ガルドルさんと斧やメイスの有用性について話す。威力と頑丈さを考えるとメイスは優秀だからな。
色んな人に言ってきたが、剣と言うのは、あくまでも携帯しやすい武器であり汎用性の高い武器だ。その分、他の様々に特化した武器よりも、色々な部分が劣るのは仕方がない事でもある。
ちなみに、俺が作る石と木の武器では普通の石を使っている。石の武器というのは通常の場合黒曜石を使うのだが、アレはガラスの成分を含んでいるので鋭く鋭利な刃となる。
そもそも黒曜石は火山地帯などで見つかる物で、マグマが冷えて固まった後の物だ。俺は普通の石を【圧縮】で非常に硬く圧縮し、【変形】で鋭利な刃を作り出している。
なので、石と木でも十分に優秀な武器となる訳だ。……ガルドルさんに聞かれたから知ってる範囲で答えたけど、黒曜石は知っていたみたいだが、アレがガラスだとは知らなかったらしい。
仕方がないとは思うし、成分分析が出来ないと分からないからしょうがない。見た目が石に見えるから黒曜石って言うんだしな。そこらに落ちてる場合もあるから、石だと思うか……。
ガルドルさんは、ガラスを武器に使っていたという部分にショックを受けているらしい。この世界でも古くから黒曜石は武器として使われているし、ガルドルさんも知っている。
作ったことも何回かあるようで、その分ショックが大きい様だ。強引に斧やメイスの話に戻しておく。ガルドルさんとしては剣に拘る気も無ければ、有用な武器が作れれば良いそうだ。
有用な武器といわれても色々あるので、それぞれの武器のメリットとデメリットを説明しておく。武器は道具でしか無く、結局はどう使うかが全てだ。鍛冶師の範囲外なんだよなぁ……。
鍛冶師は使う側じゃなくて作る側だから、どう使うかに関しては関われない。致し方が無いが、鍛冶師としては納得いかない部分だろうか? 使う人の為に作っているんだしな。
ヴェルから大銀貨4枚を貰ったので、ミュウさんの所に言って手続きをする。依頼の紙は無いが、傭兵ギルドからの依頼なので特に問題は無い。細かい事はギルド側でしてくれている。
登録証を出すものの、よく考えれば依頼を達成してお金を貰えれば良いだけで、わざわざ手続きをしに来る意味はあるんだろうか? いや、長い間ギルドに来ないと失効するんだけどさ。
それまでの間は来なくても特に問題ない気がするんだよな。まあ、適当に来ていれば登録証を失効する事も無いから良いんだけど……。それにしても、ランク6以上は本当に価値が無い。
そう言うと、ミュウさんもヴェルもジト目で見てきた。「ランクを上げたところで、ギルドの腐った連中に金を毟り取られるだけだろう?」と言うと、黙ってしまったのが答えだろうに。
実際にヴェスティオンでは傭兵ギルドの幹部か何かが、神殿と結託して傭兵から金を毟り取ってたんだからしょうがないだろ? ヴェスティオンの不祥事とはいえ、無関係じゃないしな。
信用が無くなる時っていうのは、一瞬で無くなるからなぁ……。「気を付けないと、他人事だと言っていられなくなるぞ?」……ガルドルさんも同じ事を考えていたらしい。やっぱりか……。
危機感が薄いというか、大丈夫なのかと心配になるレベルだな。まあ、その前に誰かしらが文句を言いに来るだろうけど……。ルーデル村のギルドは好き勝手に出来るギルドじゃないしな。
村長が居て、ジャロムさんが居て、ガルドルさんが居て、ダナや俺達が居る。……うん、調子に乗る前にボコられるのは確定してるな。だからこそ大丈夫だろうとは思う。信用してやろう。
ギルドを出て宿に戻る。何故かビキニアーマーズもついてくるみたいだが、それはどっちでも良い。走って宿まで戻り、入り口で【乾燥】を使って2人の衣服や体も乾かしてやる。
扉を開けて中に入ると、そこには飲んだくれ共が居た。何だよこのカオスな空間は……。5人組とミレイアとシャロー、そしてリンデとリヴィ、更にはウチの女性陣と女将さんまで……。
ジャンは居ない……あ、居た。床で寝てるのかと思ったら酒に弱かったらしく、ウンウン唸っている。大丈夫かよ……。俺は直ぐに【浄化】の権能を使って、ジャンを内側から浄化する。
「すみません、助かりました。【清潔】を使えば少しはマシになるかと思ったのですが、全く効果が無く。【聖潔】は酔っている状態じゃ使う事も出来ませんでした」
「ああ、成る程な。アルコールが集中の邪魔をするんだろ? 酔えば酔うほど魔法は使い難くなるし、他の技も使い辛くなる。どんな技でも集中出来ないと使うのは難しいからな」
「本当ですね。今まではお酒を飲むって時には断っていたんですが、まさか麦茶の中に入れられるとは思いませんでした。御蔭で気付いた時には間に合わず、魔法が使えなかったんです」
「それにしても、何でこんな事になってるんだ? ……いや、やっぱいい。聞く気にもならん。夕食まで部屋に居るか。ジャン、お前も部屋に戻るといい」
ジャンは若干フラフラしながら部屋に戻って行った。俺も酔っ払いの相手なんてしたくないので、さっさと部屋に戻ろう。
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0432終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨108枚
大銀貨219枚
銀貨213枚
大銅貨488枚
銅貨91枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




