0429
何とか村まで帰ってきた俺達は、入り口で登録証の確認を終えたら解体所に駆け込んだ。やれやれ、やっと屋根のある所で休憩できるな。とにかく【乾燥】を使って早く乾かそう。
自分と3匹を【乾燥】させたら、1人1人に【乾燥】を使って全員の衣服も含めて乾かした。それまでジャロムさんとベグさんには待っていてもらったので謝罪し、獲物を出していく。
俺達の方は、オークの邪生とコボルトの邪生。そしてウィンドディアーとレッドパンサー2頭とオークが3体だ。結構上手く戦闘を回避できたと思うんだが、どうなんだろうな?。
全部で金貨1枚と大銀貨36枚と銀貨6枚だった。1人大銀貨8枚と銀貨1枚で、俺は銀貨を断った。浄化に集中する為に戦わなかったし、綺麗に割れるからな。それに結構持ってるし。
俺は大銀貨8枚を受け取り、ジャン達が終わるのを待つ。ジャン達は結構襲われたらしく、それなりの魔物を狩っていた。それでも昨日よりは多くないので、頑張ったんじゃないかな。
そもそも、魔物との戦闘を回避するというのは継続中だ。身を隠したり、戦闘を回避しながら進むのも重要な事なので学ばせたい。自分達で試行錯誤しながら技術を磨いていってくれ。
そうしないと上手くならないし、要点も分からないだろう。ジャン達はもう素人じゃないからな。色々なダンジョンにも行ったし、竜との戦いすら経験してる。それにリヴィも居るしな。
足りない部分は彼女が教えてくれるだろう。なので、俺は相談されたら答えるという形に留めている。その方がジャン達は自由に考えるだろうし、案外面白い事を思いつくかもしれない。
ジャン達も受け取ったので、全員で傭兵ギルドまで走って移動する。そこまで遠くはないので一気に走り、ギルド前の屋根の下で一息吐く。ドアを開けて中に入ると、一斉にこっちを見てきた。
俺達はそれを無視して、ミュウさんの所に行き手続きを頼む。手続きは直ぐに終わったが、今回の事で色々ランクアップしたみたいだ。昨日もランクアップしてたんだけどなぁ……。
フォル、ジャン、ミレイア、リンデがランク6になったが、ここでストップだ。そして、シャローがランク4に、リヴィがランク3になった。2人ともランクは気にしてないみたいだ。
リヴィは元ランク12だから分かるんだが、シャローは何故ランクに興味が無いんだろう。同じ事を思ったのかジャンが聞いたが、ランクが高いメリットが分からないと言い出した。
……確かにランクが高いメリットって何なんだろうな? 獲物の売れる金額が上がる訳でも無いし、何か優遇措置が受けられる訳でもない。メリットが無いと言うのも分かる。
まぁ、ランクが高いと信用されやすいので、全くメリットが無い訳じゃないんだが、狩りだけで生きていくならメリットは特に無い。まぁ、傭兵ギルドの本部がアレだし、しょうがない。
「傭兵ギルドの本部がアレってどういう事ですか? 最近本部から連絡が来なくなっていて心配していたんですが、もしかして本部は何かやらかしたんですかね?」
何故かいつもと違う真剣な表情で聞いてくるので、話し合い用のテーブル席に行き椅子に座って話す。ヴェルがここまで真剣な表情をするって事は何かあるな……。とりあえず、話すか。
「俺達がヴェスティオンに行った時だがな、最初のヴィムの町でギルドと神殿の癒着があったんだよ。バカ高いお布施を傭兵から巻き上げる事を傭兵ギルドの本部が認めてた」
「それでヴィムの町の傭兵は大騒ぎさ。まぁ、当たり前と言えば、当たり前の話なんだけどね。バカ高いお布施を払わせられてたんだ、不満と怒りが爆発したんだろうねぇ」
「私達は直ぐにヴィムの町を離れたので、その後どうなったかは知らないのですよ。神殿との癒着の証拠まで出てきたそうで、相当数の傭兵が何がしかの行動を起こしたでしょうね」
「聖王国の国家解放同盟とか言う、国家転覆を狙った組織にも傭兵が居たな。そいつ等は傭兵ギルドの本部に復讐する為に、聖王国を手に入れて戦争をする気みたいだった」
「聖王国を手に入れてヴェスティオンと戦争ですか? 何でそんな事を考えたのか分かりませんが、出来るとは到底思えないのですが……。頭がおかしくなったんでしょうか?」
「さてな……。そいつ等が言うには、散々裏で汚い事を命じておいて切り捨てられたと言っていた。傭兵ギルドの為に暗殺までやらされたのに、切り捨てられたんだとさ」
「………」
「まあ、私もギルドの裏だったからな、裏の部隊は確実にある。そのうえで、裏の者として真っ当な報酬を貰っていたかは分からない。私の場合は叔父に奪われていたので不明だ」
「神殿が高いお布施を取る為に傭兵ギルドと取引をしたのか、傭兵ギルドが傭兵から巻き上げる為に神殿に近付いたのかは分からないわね。少なくとも繋がっていたのは事実よ」
「ここに居る者達も勘違いしない様にね。あくまでも、ヴィムの町の傭兵ギルドのギルドマスターがやっていたというだけさ。本部も了承していたけど、何処まで関わっていたのか……」
「そういえば、ロットの村で会った傭兵は傭兵ギルドの幹部の話をしてたね。何でも、傭兵ギルドの総長が手出し出来なかったのは、王家と関わりのある奴等だったとかなんとか」
「傭兵国家ヴェスティオンの王家ですか……。昔からあまり良い噂を聞かないんですが、王家とギルドの幹部が癒着していて、総長は手出しが出来なかったと……。何と言いますか……」
「唯の言い訳だね。アタシからすれば、さっさと血祭りにあげておけば良かったのさ。ギルドは傭兵あっての組織であって、ギルドあっての傭兵じゃないんだよ。歴史も知らないのかね」
「元々傭兵は町や村に個別で雇われていただけですからね。最初期の傭兵には、傭兵ギルドなんて無かったんですから当然の事です。本部の連中は何様のつもりなんでしょうね?」
「何様って……本部様なんじゃないか? 所詮はただの管理職でしかないのに、何をイキがってるのかは知らんがな。概ねそんなトコだろうよ。いつの世もアホは変わらないもんだ」
「そういえば、この村の神殿はどうしたのかしら。前にアルドが渡した【浄化魔法】の紙束を奪おうとしていたんでしょう? その後は聞かないけれど、どうなったのか知ってる?」
「実は……真面目で敬虔な者達が、神殿の幹部を叩き出したそうなんです。何でも大神殿から派遣されてきた者達が居なくなったらしく、一気に数が減ったので追い出したと聞きました」
「となると、今までに比べてお布施は安くなったって事か? それなら傭兵も儲かるし、間引きも進むから安全にもなる。まあ、そう簡単に値下げというか、お布施を減らさないか……」
「いえ、半分ぐらいまで減らしたそうですよ。実際それで助かった者も多いみたいですし、少しずつお金を貯めている者も居ます。あっ! それで思い出したんですが……」
「あー……もしかして、また俺に武器を作れってトコか? ……やっぱりそうか。別に悪くは無いんだが、そんなに買っていく奴が多いのか? そろそろ買う奴も居なくなる頃だろう?」
「実はですね……木と石の武器だけでは無くて、銅とか鉄の武器も作ってほしいんですよ。ガルドルさんも最近色んな武器を作り始めたそうで、様々な人物の武器を知りたいと言ってました」
「つまり俺にも色々武器を作れって事か? まあ、構わないと言えば構わないんだが……村に戻ってくる度に、武器を作ってる気がするのは気の所為かね? まあ、とりあえずガルドルさんの所へ行くか」
俺はギルドを出てガルドルさんの所へ行く。ガルドルさんに理由を話し、鉄と青銅をそれぞれ大銀貨1枚分売ってもらう。次に身体強化と隠密の4つの技を使い、外に出て木を2本伐る。
いつもの丸太にしたら収納して宿に戻る。そろそろ夕方か……宿に戻ったら夕食にしよう。
▽▽▽▽▽
0429終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨108枚
大銀貨215枚
銀貨213枚
大銅貨534枚
銅貨91枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




