表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/1948

0042




 昼食が終わり、ゆっくりと休憩する。川のせせらぎが聞こえてきて、鳥の鳴き声が聞こえてきた。とても優雅な時間だ。



 「リスの肉、ホントに美味しかったねぇ」


 「えぇ。アレなら野営の食事としても十分です」


 「美味しくなる魔物は他にも居るかもしれないね」


 「そうですね。色々倒してみましょう」



 どうやら2人は花より団子の様だ。時代的な部分でもあるが、生活に余裕が無いと無理か。食い気の話を聞いていてもしょうがないし、そろそろ出発しよう。


 出発し更に西へと進むと、山に近くなって来た所為か登りになってきたな。斜面を登るように進んでいると横から魔物が現れた。



 「これは、ゴブリン!? 妙な反応が4匹こっちに来る!」


 「「「「グギャギャ……」」」」


 「こいつは、アースゴブリンだよ。厄介な……」


 「確かに厄介ですね……」


 「どういう事?」


 「こいつは穴を掘る能力持ちさ!」


 「いきなり足元に穴を開けられるんです」



 あー……、そういう能力か。とはいえ魔力反応で分かるんだよなぁ。足元に反応があったので、俺は直ぐに前に跳んで槍で首を斬った。穴を掘る以外は普通のゴブリンと変わらないな。


 気付けばシュラが2匹とダナが1匹倒しており、戦闘は終わっていた。処理をさっさと済ませて先に進む。少し進むと、今度はコボルトっぽい反応だ。



 「何か、コボルトっぽい反応が5匹来る」


 「「「「「グルルルル……」」」」」


 「イエローコボルトかい」


 「コレは普通の者より鼻が良く、どこまでも追い駆けて来ます」


 「ここで倒せばいいさ」



 鼻が良いだけなのでさっさと始末する。処理も素早く済ませて先へと進もう、雑魚と戦っても儲からない。旅の事を考えても、できる限りお金は稼いでおきたいところだ。


 儲かる魔物を探しながら進むも、アースゴブリンとイエローコボルトが4匹ずつ出て来ただけだった。日帰りなのでここで終わりにして帰る事にする。


 帰りは身体強化を使いながら帰路を急ぐ。修行になって丁度良いのだが、失敗しながらなので止まっては進むの繰り返しだ。


 結局、村に着いた時には夕方だった。直ぐに解体所に行き査定を頼むと、ベグさんとジャロムさんが来た。



 「今日の獲物は、投石リスと鉄蟷螂。それにアースゴブリンとイエローコボルトか」


 「投石リスが解体されてますね。食べました?」


 「ああ、昼食になったよ」


 「成る程な、それ以外は問題なく綺麗だ。投石リスは1匹大銅貨3枚だが2匹の肉が無いので、投石リスは全部で大銅貨6枚という所だな」


 「鉄蟷螂は1匹大銅貨6枚、アースゴブリンは1匹大銅貨3枚、イエローコボルトは1匹大銅貨6枚です」


 「ゴブリンとコボルトは同じかぁ……」


 「鼻が良い、能力持ち、それ以外に違いが無いからな」


 「あー……、確かに」


 「鉄蟷螂は食べる所が無いけど、代わりに鎌が使えるからその値段なんですよ」


 「成る程」


 「その値段でいいよ」



 受付で登録証を返して貰い、売却金と木札を受け取る。ギルドへの道すがら、売却金を1人大銅貨38枚に分けた。これが今日の収入か……。


 ガックリしながらギルドへ行き、入り口の扉を開け中に入る。ミュウさんの所で手続きをして宿に帰った。


 宿の食堂で3人分の注文をし、大銅貨3枚を支払って一息吐く。



 「今日の収入はちょっと少ないな」


 「まぁ……とはいえ、少ない時はこんなものでは?」


 「そうだね。今日は高く売れない魔物ばっかりだったけど、そういう日はこんなものだよ」


 「そうなのか……まぁ、当然と言えば当然か」


 「それよりも、今日は身体強化で疲れました」


 「ホントにねぇ。あんなに大変だとは思わなかったよ」


 「身体強化に集中すると前を見てないんですよね。あんなに転ぶなんて……」


 「アタシもさ。子供じゃないんだけど……」


 「ゆっくり慣れていけばいいさ。いつか笑い話になる」


 「そこまで頑張るとしますか」


 「アルドに見捨てられたくはないしね」


 「見捨てはしないよ。丁寧に容赦なくシゴくだけだ」


 「「えーっ……」」


 「どっかのジジイと同じやり方だよ」


 「「闘神様……」」



 食事をしながら、この話はテンション下がったかな? 食事後、ダナとシュラは酒場に酒を買いに行ったので、俺は先に部屋に戻る。武具や道具を浄化していると、2人が帰ってきた。



 「アルド、いつもの【熟成】を頼むよ」


 「了解」


 「アルド。今日はエールを買ってきたのですが、美味しくできませんか?」


 「ん~? 蒸留してウイスキーにするぐらいか?」


 「それは!? 美味しいのかい!?」



 何だか”作れ”という圧が凄いので作る事にした。とにかくエールの水分を減らせば、蒸留したのと変わらないよな? それと危険な成分は除去しておこう。


 エールに【抽出】を使い、水だけをある程度抜く。更に【抽出】を使って危険な成分を除去する。ついでに【浄化】もしておこう。


 全てのエールに対して行い、一つの小樽に纏める。アルコールは40度くらいあるだろう。


 その小樽の中身を【熟成】して完成……? 味が分からないので、完成したかどうかが分からない。とにかく飲んで貰おう。



 「「ゴク……ゴホッ!! ゴホッ!!」」


 「アルコールは40度くらいだから、かなりキツイ酒だって言ったのに……」


 「キツイけど、美味しいねコレ!」


 「ホントに! このお酒は、ゆっくり味わうお酒ですね」


 「ウイスキーは、あんまり味が無いって聞いた事があるんだけど違うのか?」


 「??? ……美味しいよ?」


 「えぇ、とても美味しいですよ?」


 「いや、美味しいなら良いんだ」



 酒の味が分からない俺が言っても仕方ないな。それに、どう考えてもウイスキーの造り方と違うし。アレはウイスキーモドキだ。色々違って当然だな。


 そういやシードルとか、蜂蜜酒であるミードとか、酒って色々あったっけ? 食料店で何か探しておくか。


 2人はウイスキーの所為で酔いが速かったのか、気付いたらテーブルに突っ伏して眠っていた。2人をベッドに運び、浄化して俺も寝よう。おやすみなさい。



 <異世界21日目>



 おはようございます。昨日は珍しく夜の性活が無かったので少々早く起きました。さっさと浄化して起きるか。朝早い為に浄化しても2人が起きる気配は無かった。


 折角なので宿を出て朝の散歩をする。朝焼けの中、村をフラフラ歩いていると食料店に荷物が運び込まれていた。


 良く見ると、赤い実やブドウが見えたので大銀貨1枚ずつ買い部屋へ運ぶ。昨日のエールの小樽とブドウを浄化する。次にワイン樽から発酵の為の酵母を【抽出】して小樽に入れる。


 ブドウを【破砕】し【錬金術】の【発酵】を使い発酵させる。発酵したら漉して【熟成】を使うのだが、駆け足過ぎて味は大丈夫なんだろうか?。


 気にしても仕方ない。赤い実はどう見ても西洋リンゴだったので、シードルを作る。……と言ってもワインと作り方は同じだ。


 ただ、発酵中に炭酸が出てくるのでシュワシュワと音がして、部屋に甘い香りが広がる。椅子に座ってリンゴを食べていると2人が起きてきた。



 「うん? ……あれ? おはよう、アルド。何で椅子に座ってるんだい?」


 「おはようございます、アルド。この香りは何ですか?」


 「おはよう、2人とも。これはシードルの匂いだよ」


 「「シードル?」」



 2人にシードルの説明をしたが、その説明中リンゴの名前がアルダという事が分かった。そのアルダを酒にしたんだと説明したが、不思議そうな顔をした。


 この辺りには無いので分からないらしい。完成しているのでコップに一杯ずつだけ飲ませると、「美味しい!」を連呼した。更に飲もうとしたので止めたが、目が諦めていない。


 目を逸らす為に、浄化して濃厚にイチャイチャしていたら2人がベッドに誘ってきた。昨夜無かった事が原因らしい。嬉しい誘いだが、もう朝のいつもの時間である。


 2人にはディープキスで諦めて貰った。恨みがましい顔をされても……。朝から余計な苦労をした気がする。



 ▽▽▽▽▽


 0042終了時点


 金貨13枚

 大銀貨20枚

 銀貨15枚

 大銅貨40枚

 銅貨3枚


 風鹿の角槍

 風鹿の角の太刀

 赤豹の爪の小太刀

 黄蛇の牙の打刀

 赤豹の牙の手斧

 風鹿の角の十手

 鋼とオーク革の鎧

 革と鋼の肘防具

 革と鋼の膝防具

 革と鋼のブーツ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすくて面白かった [気になる点] すいませんハーレムもののようなのでここまでにしときます。 [一言] 書き留めが凄いあってビックリしました、他の作品で会えたら幸いです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ