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0426




 宿に戻ると5人組がテーブル席でダラダラしていた。何やってんだと思うが、5人組以外は従業員しか居ないらしい。何故だと思ったら、新しい綺麗な宿に殆どの客は行ったそうだ。


 騒がしく無い分こっちの方が良い、そう言うと5人組も頷いていた。俺達もテーブル席に座り、1人1人の酒を作っていく。不老組とリンデは少し前に酒を作っているので多くはない。


 しかしながら、他の連中の分がそれなりに多いんだ。リヴィは少ないから助かるが、ミレイアとシャローはそれなりに要求してきている。仲間内の分だけでも結構多くて大変だ。


 それでも頑張って作り終わったのだが、横から5人組が酒を持ってきやがった。仕方がなく5人組の分も酒を作っていると、気付いたら夕方だったので大銅貨16枚を女将さんに渡す。


 さっきからそこで、飲兵衛どもと一緒に酒を飲んでるんだよ。チビチビ飲んでるし、ワインだから良いんだろうけどさ。ちゃんと仕事しないと……と思ったら、他の従業員も飲んでるよ。


 女将さんに聞くと、今日は俺達と5人組しか宿泊客は居ないらしい。なので娼婦や男娼達も飲んでるらしい。いつの間に……ってフォルが連れて来たみたいだ。今日は仕事にならないから。


 まあ、買うにしても5人組だけだろうからな。……そうそうウチの王女様達は2人で……ってオイ! 酔っ払って自分からバラしてるんじゃない! ちょっと誰か口を塞げ、色々マズい!!。


 何で酔っ払いというのは余計な事を喋るんだ。言わなくてもいい事をいちいち言うな。酒を作り終わったし、夕食も来たんで食べるか……。このカオス空間で飯を食うのも結構キツいな。


 さっさと食べて部屋に戻ろう。俺は知らないし、酔っ払いの責任なんて持ちたくない。4匹と共にさっさと食事を終えて部屋へと戻った。送風機に魔石をセットし起動する。


 聖水の樽を出して冷やしたら、ゆっくり飲んで落ち着く。酒の臭いはともかく、絡んでくるのは勘弁してもらいたい。後、妙な事を口走るのも止めてほしい。ハッキリ言って面倒臭い。


 いつも思うが、酔っ払いほど碌でもない奴は居ない。そんな事を考えているとダリア対フヨウ、カエデ対マートルでリバーシを始めた。横で見ていると、ディルが部屋に戻ってきたようだ。



 「おかえり。あの酔っ払いどもはどうだった? ……ああ、やっぱりか。寝る前に浄化しておけば問題ないだろうさ。吐いた奴は居ないんだろう? だったら後回しで良いよ、面倒だし」


 「まあ、気持ちはよく分かる。口を塞ぐ為に、早々に王女様達は部屋に戻しておいた。夕食の食べ方はともかく、酒の肴のゴミを散らかしてしまっているのは、どうしようもないな」


 「殻を割って食べる堅実かたみだっけ? どう見てもクルミにしか見えないんだけど、この季節の物だったんだな。元の世界では食べなかったから、いつ採れるか知らないんだよ」


 「堅実はこの時季だが、殻を割るのが面倒でな。ハンマーを使えば済むんだが、中には堅実同士をぶつける形で割る者もいるな。私もやった事があるが上手くいかなかった」


 「殻は身体強化か【練成術】で割れば済むから良いんだけど、残りの殻がな……フヨウに掃除してもらった方が早いかもしれない。わざわざ俺が集めて粉砕する意味も無いし」


 「そうだろうな。何よりスライムの溶かす能力なら、堅実の殻などものともしない……。フヨウに殻を溶かしてもらって、中身を受け取れば良いのでは? とりあえず、頼む」



 そう言って堅実を1つフヨウに渡すディル。フヨウは堅実を取り込み殻を溶かしたが中身は溶かさずディルに返した。……まぁ、言葉が分かるんだから、殻だけ溶かすのは当たり前か。


 ちょっとだけ、全部溶かすのを期待したんだが、流石にそれは無いか……。中身を食べたディルは、またフヨウに殻を溶かしてもらっている。身体強化で壊せばいいと思うんだがなぁ……。


 今まで握力で壊せなかったから、握って壊すイメージが持てないんだろうか? 俺はディルから堅実を1つもらい、身体強化した握力で握ってみる事にした。


 バキィッ!!。


 ……うん、予想の中にはあったんだよ。纏めて握り潰すの。あったんだけど、こんなに脆いとは思わなかった。済まないフヨウ。飛び散った破片を含めてフヨウが回収してくれている。


 ディルからジト目が飛んできているが仕方がない。俺はディルからもう一つ貰って身体強化を使った後、慎重に握っていった。殻が割れた時点で手を開くと、中身が残った堅実があった。


 一瞬感動しかけたが、よくよく考えるとアホらしい事だ。中身を口に入れ、殻をフヨウに渡すと喜んで溶かして吸収した。前に聞いた事があるんだが、フヨウは味覚が全く無い。


 味を感じる器官そのものが無い様なので、味というもの自体が分からないらしい。まあ、味覚が無ければ分からないだろうし、そもそもスライムに味覚が要るのか? という話だ。


 それに味が分かると掃除とか出来なくなると思うので、味覚は無いままで良いんじゃないかな? フヨウと言うか、スライムは溶かして吸収し栄養になるなら何でも良いみたいだ。


 しかも、スライムは必要の無い栄養は水分と共に体外に排出するらしい。スライムが居ると植物が良く育ちそうだな。実際にスライムは森の中に居るので、成長の一因だとは思う。


 そういう理由で【世界】は作ったんだろうか? 俺は十分にあり得ると思っている。元の世界でも菌類がやっていたような事だ。この世界では、そこにスライムも加わっているに過ぎない。


 自然の循環の一部に居るのがスライムと考えれば、人間種より役に立っていると言わざるを得ない。3匹は先程帰ってきたダナ達から酒を貰い飲んでいるが、フヨウは断ったみたいだ。


 前に飲ませたら、体に力が入らなくなっていたからな。スライムにとって酒は飲んではいけない物となったかもしれない。でも飲兵衛のスライムが生まれるよりは、遥かに良いと思う。


 どこからでも侵入し、家の中の酒を飲み尽くす。そんなスライムが現れたら大パニックになる事間違いなしだな。……下らない事を考えるのは止めよう、連れて行かれてる最中だし。


 【房中術】と【喜昇】で全員を撃沈し、椅子に座ってゆっくりと聖水を飲む。すると、フヨウが水を欲しがったので水皿に入れてやり、一緒にマッタリした時間を過ごす。


 俺はフヨウに、食堂を綺麗にしてくるのは良いが、ゴミと思わしき物だけにする様に言っておく。スライムに睡眠が要るのかどうかは知らないが、元気そうなので先に言っておいた。


 俺は布団に横になり、目を閉じて【空間把握】を使う。今日は2部屋とも寝ているようなので、浄化してから寝る。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界177日目>



 おはようございます。今日は朝から雨です。雨自体は弱いんだが、狩りに行けるほど弱いわけでもない。今日は一日休みにするしかない天気だ。季節の変わり目は仕方がないか……。


 日本でも春雨とか秋雨とかあったしなぁ。季節の変わり目には雨が多いというのは、この世界でも変わらないらしい。その割には春の雨は少なかったような気がするが……。まぁ、いいか。


 【空間把握】でいつも通りの不老組とジャン達とリンデ達を浄化していると、食堂が恐ろしく綺麗になっているのに気が付いた。御蔭で眠気が吹っ飛んだが、綺麗過ぎるだろ!。


 間違いなくフヨウの仕業だが、とんでもないレベルで綺麗にしてる。何と言えば良いんだろう、元の世界の清掃会社がガン泣きするレベルと言えば伝わるだろうか? そんな感じだ。


 洗剤も何も要らず、あらゆる汚れを溶かして落としてしまうんだから、当然なのかもしれないが……。それにしても、朝から女将さんのテンション高そうだなー。それは間違いないだろう。


 そのフヨウは何故か俺のお腹の上で寝ているんだけど……。スライムが睡眠をとるのか知らないが、お腹の上でダラーンという感じのアメーバっぽくなっている。


 力が完全に抜けているように見えるので、寝ていると思うんだが……?。



 ▽▽▽▽▽


 0426終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨108枚

 大銀貨209枚

 銀貨213枚

 大銅貨609枚

 銅貨91枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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