0424
俺とフヨウは森の拠点から西へと進む。こっちは魔銅の鉱床がある方角だが、重要なのはその先だ。西にずーっと進んで行くとココ山なので、この方角は魔物が移動した方角となる。
1番危険な方角なんで俺が担当するんだけど……。【探知】で近くに居ない事は分かっているので、隠密の4つの技を使い移動していく。4つの技を使っても体温や臭いは誤魔化せない。
なので、4つの技も万能ではなく注意が必要だ。特に魔物の中には鼻が良い狼系の魔物や、体温を感知出来る蛇系の魔物などが居る。一気に駆け抜ければ良いと言えなくもないんだが……。
森の中であり障害物も多いから難しいだろうな。……ん? この反応は邪生か。素早く移動し邪生を浄化してしまう。邪生になっていたのはコボルトだった。相変わらずの安らかな顔だ。
死体の首を切って血をフヨウに抜いてもらう。前回気付かなかったが、血を吸収しているのと同時に水分を下から排出しているみたいだ。大量に水分があってもしょうがないからだろう。
十分に血を抜いてもらった後、心臓を抜き出してフヨウに食べさせる。喜んで溶かして食べたフヨウは、当然の事ながら魔力と闘気が増大して、体というか細胞も頑強になった。
後はアイテムバッグに収納し、再び移動する。時々立ち止まって目を瞑り、【探知】を使って広範囲を調べていく。邪気のみを調べるなら、かなりの広範囲を調べる事は既に出来る。
そうやって調べていると、2箇所から強い邪気を感じる。恐らく邪生の反応だろうが、どちらも地面の下だ。厄介で面倒臭い事になりそうだが、諦めて浄化しに行こう。……ハァ。
森の中の大きな岩のある地点まで来たら、【探知】を使って地面の下を調べたらピンポイントで浄化をする。岩の下に隠れるように居るんだから、倒した後も面倒極まりないな。
【念動】で岩を持ち上げて、【魔術】を使って死体を地面の上まで上げる。デカいモグラの邪生を移動させたら岩を降ろす。デカいと言っても1メートルぐらいなんだよな……。
面倒になった俺はフヨウに全部食べる許可をだしたら、飛び跳ねて喜んだ。邪生の上に乗った後、広がって覆いかぶさり取り込んで吸収し始めた。……消化と吸収が早くなってるのか?。
初めて会った時に比べて、消化と吸収の速度がかなり早くなっている。結局、1メートルサイズのモグラを5分掛からず吸収してしまった。細胞が頑強になった事が原因っぽいな。
まあ、悪い事じゃないんで問題は無いんだが。次に行くか……。200メートルほど更に西に行った場所で、地面の下を【火魔法】で熱する。全て焼き殺したら、今度は気温まで冷却する。
実は地面の下の方にビッグアントの巣があるんだが、その巣の女王蟻が邪生になっていたんだ。御蔭で大繁殖しかけていた。全く、蟻の王国とか止めてくれよ。あまりに嫌過ぎる。
十分に巣が冷えたら、フヨウに全て食べてきてもらう。理由は面倒だからだ。【魔術】で地面の上まで持ってきても良いんだが、それよりもフヨウに処理して貰う方が早いんだよ。
邪生となっても女王蟻である以上は、子供を生む事しか出来なかったんだろう。一番奥で邪気に塗れた子供を生み続けていたみたいだ。いっそ憐れと言うべきなんだろうか?。
まあ、既に浄化して綺麗になったから問題は何も無いんだが……暴れない邪生と言えるんだが、淡々と邪気塗れの子供を生み続けるしかないというのも、何だか悲しい話だと思ってしまう。
そんな事を考えている間に、フヨウは全ての蟻を喰らい尽くしたらしい。俺の下に戻ってきたフヨウは首の定位置に来たので、再び進んで行く。邪気の反応だけを探っていくのだが……。
流石に大量に邪生がいる訳でもない様だ。まあ、忙しいほど邪生が居たら、既に村が滅びてないとおかしいか。それでもちょっと探しただけで3体なんだから、多いと言えば多いと思う。
フラフラと進んで行くものの、これ以上行くとココ山の領域に入るという所まで進んでしまったので戻る事にした。結局昼になる前に終わってしまったが、今日はここまでにしよう。
川沿いに出て【探知】を使いながらゆっくりと下っていく。魔物が近くに居るが俺には気付いていないので素通りしていく。結局、森の拠点への道まで戻っても邪生は見つからなかった。
森の拠点に入って皆をゆっくり待つ事にする。既に隠密の4つの技は解除しているので、気配で俺を見つけ出す事は皆でも可能だ。なるべく周りに人の居ない場所で待つかな……。
待ち合わせ場所と言うか、仕事が終わったら森の拠点に集合と決めてあるので、終わったら帰ってくるだろう。屋台を冷やかしたり、地面に座って色んな傭兵を観察しながら休む。
フヨウも首から下りて、胡坐を掻いている俺の足の間にすっぽり納まる様にしている。ダリアもそうだが、胡坐の間に納まるの好きだなぁ……。別に良いんだが、狭くないのかね?。
そろそろ、昼かな? という時間になったので、昼食のサンドイッチをフヨウと一緒に食べる。食事後、聖水を飲みながらゆっくりしていると、ダナ達が向こうからやってきた。
こっちの事は既に見つけていたのだろう、一直線にこちらへ来ている。森の拠点に入ってからは、俺は【探知】と【悪意感知】しか使っていない。まあ、他の技を使う意味が無いからだ。
「こんな所に居たんだね、分かりやすくて助かるけどさ。普通に探す場合はむしろ見つけ難いかねぇ……。気配が少ないから分かりやすいけど、目で探すとなると見つけ辛い場所だ」
「あえて、この場所に居るのか、単に人が多い場所は面倒だったのか……。しかし建物が密集している隙間に、広い場所があるのは不思議ですね? 建物に囲まれてる気分になります」
半円形に20メートルほど、何故かぽっかり空いた場所があったんだよ。後ろは俺が昔作った壁なんだけど、半円形に空間を空けて建物が建っている。何の為に空けてあるんだろうか?。
まあ、考えても意味は無いだろう。誰も分からないパターンもあり得る。ダナ達は俺の近くに座って昼食を食べる様なので、聖水の樽を出して冷やしておく。まだ暑いうえに昼だからね。
「この暑い時間に冷たい飲み物は助かるよ。もう土の季節の16日目なんだから、流石にそろそろ涼しくなってほしいもんさ。いつまでこの暑苦しいのが続くんだろうねぇ……」
「まあまあ……。流石にそろそろ落ち着いてくるでしょう。朝や夜は気温は下がってるんですし、涼しくなって来ている以上は、もう少しの辛抱でしょう。毎年の事ですよ」
「毎年の事とはいえ、今年はアルドの魔道具があったからマシでしたよ? いつもの火の季節だと、もっと大変で体力が削られ続けていたでしょう」
「まあ、そうなんだけどねぇ……。その話はいいとして、他のメンバーはまだ森の中をウロウロしてるんだろうけど、邪生は見つかったのかね? アタシ達は見つからなかったよ」
「だからこそ、早く帰ってきたとも言える訳ですが……。邪気に関しては私が良く分かるので見逃しは無い筈ですけど、代わりに魔物が多かった印象ですね。しかも小さな魔物です」
「そういえば、そうだったわね。ウサギ系の魔物やネズミ系の魔物が多かったかしら? 普通なら他の魔物のエサになるような小さな魔物が多かったのは、邪生の影響なのかも……」
「こっちは3匹の邪生が居たよ。コボルトとモグラと蟻だった。面倒臭かったんで、モグラと蟻は全部フヨウに食べてもらったよ。結局その3匹以外は確認できなかったな」
「地面の下まで確認したのかい? 流石にアタシ達だとそれは難しいね。しかも蟻系の魔物が邪生になってると、場合によっては出てこない可能性もあるから、ずっと分からないかも……」
「厄介な事ですね。虫地獄でもそうでしたが、本当に虫は面倒極まりないと思いますよ。とにかく少しでも邪気を強く感じたら、地面の下も疑った方がいいのでしょうね」
おっ! ダラダラ話していると、ディル達も帰ってきた様だ。
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0424終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨108枚
大銀貨208枚
銀貨213枚
大銅貨626枚
銅貨91枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




