0423
夕食後、部屋に戻って寛ぐ。明日から狩りとはいえ、慣れているうえ邪生探しだ。無理に魔物と戦わなくてもいいので、皆にも魔物を避ける練習をさせよう。それが1番良いだろう。
となると、4匹もそれぞれにバラけさせるか……。ダナ、ディル、ジャンのチームに1匹ずつ行かせて、俺はフヨウと一緒に動くかな。一緒に動いて身を隠せるのはダリアかフヨウだけだ。
正確に言うと首に巻ける奴だけなんだ。カエデとマートルは隠密の技の時に片手が塞がってしまうから、咄嗟の時に対応出来ない。だから、両手が使えるのはダリアかフヨウだけとなる。
椅子に座って考え事をしていると、3匹がペシペシ足を叩いてきた。どうやらミードが欲しいみたいなので、4匹の水皿に入れてやる。すると、3匹は大人しく舐め始めたのだが……。
フヨウは体の一部を触手のようにしてミードを吸収した途端、ふにゃふにゃになりグッタリしてしまった。多分酔っ払ったのだと思うが、若干アメーバっぽくなった。……う~ん?。
アルコールで細胞の状態を維持できなくなったのかな? 力が入らなくなったので、アメーバの様な状態になったという事なんだろうか? 何だか神秘を垣間見ているような気がする。
3匹もそこまで時間を掛けずに撃沈した。魔豊蜂のミードって何故か強力なんだよなぁ……。アルコール度数高いのかな? 面倒臭いからいちいち調べたりはしないけど、ちょっと気になる。
ベッドに連れて行かれたので、【精気】のみを使い十二分に全員を満足させた。今は布団に寝転がって部屋と皆を浄化している。【空間把握】を使ったものの、両方の部屋は無理だった。
どっちも起きて盛っているので、さっさと寝る事にする。今日も一日お疲れ様でした。
<異世界176日目>
おはようございます。今日は森の拠点付近で邪生を探す日です。普通の魔物は他の傭兵達に任せて、俺達は邪生狩りに勤しまないといけない。縄張り争いはいつまで続くんだろうね。
どの生き物も自分の縄張りを持とうと虎視眈々と狙っているし、既存の魔物は奪われまいと抵抗する。普通の光景と言えなくもないが、今はそれが大規模に起きている状況だ。
言うなれば、この辺り一帯は魔物の戦国時代みたいなものになっている。下剋上を狙う者が縄張り争いを繰り返しているので、いつまで経っても落ち着かないんだろう。仕方がないとも言える。
今まで抑圧されていた魔物達も居ただろうし、下剋上は地位が確定するまで続くだろう。まあ、こっちがするのは邪生狩りなんで、下剋上は好きにしてくれとしか言えないんだよなぁ……。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル、フヨウ」
「ニャー」 「ガゥ」 「ワン」 「………」
4つの水皿に聖水を入れてやると、美味しそうに3匹は飲み始めた。フヨウだけは触手で吸い上げてしまい、お代わりを要求された。恐ろしく飲むスピードが速いんだけど、大丈夫か?。
何だか怖くなってくる速度だったぞ、3匹も唖然としてるだろ? フヨウは気にもせず、お代わりも直ぐに吸い上げて吸収してしまった。飛び跳ねているので喜んでいるらしい。
まあ、天然には存在しない水だからな、聖水は。そもそもセイントだし、浄化の効果が非常に強い聖水は好みの水なんだろう。3匹も聖水は喜んで飲むから何かありそうなんだが……。
調べる気にもならないので調べていない。そもそも今以上に強力な聖水は作れそうなんだよ。神殿崩壊の時の感覚で使えば強力な聖水が出来そうなんだが、作る意味があるのか疑問だ。
そんな事を4匹に話してみると、「作れ!」という感じでベシベシ叩かれた。仕方なく聖水の樽をもう一度出し、【集中】も使って【浄化】の権能を使う。ただし制限してだ。
正確には、【物質浄化】のみを集中して行使する。前後不覚になりながらも意識を強く持ち【集中】を解除する。樽が真っ白なのは元からなので変化は無い様に見えるんだが、果たして。
【空間把握】を使うと恐ろしい事実が分かった。理解出来ない水が出来上がっている。キラキラ輝く神聖で荘厳な水が樽の中にあるんだが、コレって色々大丈夫か? ……まずは飲んでみよう。
うん、特に問題ない。美味しい水だが……コレは純水じゃないな。【空間把握】で詳細を調べても純水でない事は分かるのだが、それ以外がさっぱり分からない。こんな事は初めてだぞ。
まさか自分で理解不能な物を作ってしまうとは……。とりあえず水を催促する4匹にあげると、滅茶苦茶喜んでるな。今度からこの水じゃないと満足しなさそうだが、まあいいか。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ」 「グル」 「ウォフ」 「………」
「水の樽を出してどうしたんだい? っていうか、4匹が飲んでるその水は何? 何かアタシ、物凄く嫌な予感がするんだけど……そこまで滅茶苦茶な事をした訳じゃないのかねぇ?」
「確かに空間が真っ白にはなっていませんね? とんでもない浄化力の水ですから、空間自体が白いナニカになっているのかと思いましたが、そうではないようですよ?」
「流石にあそこまでにはしないよ。五つの権能の内、【物質浄化】だけを全力で使ったんだ。だから【浄化】の権能は物質にしか作用していない。代わりに、水はああなったけどね」
そんな話をしながら送風機の魔石を抜いて部屋を出る。ジャン達とリンデ達に【覚醒】を使ったら、食堂で大銅貨32枚を払い朝食と昼食を注文する。今日は邪生狩りだからな。
「お客さん、ちょっといいかい? 実はね、王女様達の部屋を何とかしてほしいんだよ。毎晩アレの声が聞こえてくるらしくてね、他の部屋のお客さんが凄く迷惑してるんだ」
俺はそれを聞いた途端に部屋に戻り、持っている魔鉄で防音の魔道具を作り食堂へと向かう。丁度リンデとリヴィが眠そうな顔をしながらやってくるところだったので説明して渡す。
「お前さん達のアレの声がデカくて五月蝿いらしいんで、この防音の魔道具を渡しておく。別にするなとは言わないが、言えば作ってやったんだから、今後は恥を掻く前に言えよ」
そう言って渡すと、2人は顔を真っ赤にして黙り込んでしまった。王国の王女と聖王国の王女だから、気を付けてくれないと困るんだが……盛ってる時に冷静になれと言うのも酷か。
真っ赤になって俯いている2人とは対照的に、ウチの女性陣はニヤニヤしながら2人を見ている。変な男に騙されるよりはマシだから何も言わないし、2人の自由ではあるんだが……。
ん? そう言えば、フォルが2人の部屋に行ってたが、アレはいったい何をしに行ってたんだ? ……聞いてもしょうがないし、【空間把握】がバレかねないんで聞かない方が絶対にいいな。
朝食を食べた後、昼食を受け取ってから宿を出る。食事中に今日は邪生狩りだという事を皆に説明してあるので、スムーズにチーム分けをする事が出来た。揉める要素も無いけどね。
1つ目のチームはダナ、シュラ、メル。2つ目のチームはディル、アルメア、フォル。3つ目のチームはジャン達、リンデ達、3匹というチーム分けになった。後は俺とフヨウとなる。
ジャン達がイマイチ信用出来ないので、3匹を付ける事になったんだ。ジャンに3匹の昼食を渡しておき、一路森の拠点へと進む。川の傍を歩くのも久々だなぁ……良い気分にしてくれる。
マイナスイオンの御蔭かどうかは知らないが、気分が良いのは間違いない。皆もゆっくり歩いているが、速度は気にならずイライラも無い様だ。俺達は良い気分のまま森の拠点に着いた。
ここから、それぞれの方角に向かって分かれて進んで行く。東はジャン達で、北はディル達、北西はダナ達、そして西は俺だ。東は村があるのと、そこまで森が深くないから楽だろう。
まずは森のような場所で、何かを探す事と魔物を避ける事に慣れてもらわないとな。メンバーが多い分避けるのは難しいだろうが、コレも積み重ねれば経験になる。大事な事だ。
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0423終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨108枚
大銀貨208枚
銀貨213枚
大銅貨626枚
銅貨91枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




