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0420




 「2つもの心臓をアッサリ平らげたのは良いんだが、お前さん俺の言葉が分かるようになってるな? 分かってるなら飛び跳ねてみてくれ……うん、アッサリ飛び跳ねるよねー」



 この世界のスライムは飛び跳ねたり出来ないんだけど? キミはもう普通のスライムじゃないね。……さて、こいつも責任を持って連れて行こう。それは良いんだが名前をどうするか……。


 何だか柔らかそうでプルンプルンしてるなぁ……。柔らかい……芙蓉だったかな? 確か白い花で葉が柔らかそうなヤツ。うーん……花の名前なんてあんまり知らないから、毎回困る。



 「お前さんの事をフヨウと呼ぶが良いか? ……うん、良いなら飛び跳ねてくれ。フヨウで良いと……ああ、フヨウというのは白い花の名前だな。お前さんが真っ白だからだよ」



 何だか矢鱈に飛び跳ねてるな。アレは喜んでるんだと思うが……まあ、いいや。木も伐ったし、さっさと帰ろうかね。俺はフヨウを拾い上げて襟巻きのように巻く。するとくっ付いてきた。


 そのまま森を出て帰ろうと思ったのだが、川を遡った所にも邪生が1頭いる事が分かった。身体強化をして走って行き、即座に浄化をして安らかに送ってやる。それにしても、こんな所にか……。


 まさかのソードグリズリーがこんな近くまで来てるとはな。気付いて良かったが、予想以上に被害が出る可能性もあっただけに、魔物の分布が変わってるのは少々怖い。とりあえずソードグリズリーの処理をしよう。


 首を切って血抜きをするんだが、切った後にフヨウに「血だけ吸い出してくれ」と頼んだら、血だけを吸い出してくれた。賢いスライムってラノベの様に有用なのか? もしかして。


 ソードグリズリーの心臓を取り出して食べさせてやると、物凄く喜んでる。さっきもそうだが、魔力と闘気の増大だけじゃなくて細胞まで強化されてるよな? それもエゲツない程に……。


 このままいけば、もしかしてスライム最強伝説か? 多分それは無いと思うんだが……邪生の心臓の恩恵が、他の生き物より大きくて強くなりそうなんだよな。弱かった分大きいんだ。


 それ以前に、よくよく考えたら浄化の能力も強くなってない? キミ、存在するだけで浄化してるよね? 何か邪気を食ってるような気がするのは、気の所為じゃないよな。


 ……とにかく宿に帰ろう。俺は身体強化をして走って帰る。部屋に戻ると、リンデとリヴィが来ていたが酒は飲んでいないらしい。3匹はまだリバーシをしている。白熱してるのかね?。


 フヨウがそんな3匹の横に行ってリバーシを観戦しているのだが、観戦中のカエデがギョっとして大きく跳んだ。どうやらビックリしたらしい。スライムってあんまり見ないしなぁ……。


 俺は2メートルの丸太に分けた1本を取り出し、手鏡用に【分離】と【変形】をしていく。ガラスと銀を使って8個の手鏡を作った。朝作った2個と会わせて10個あるし十分だろう。


 丁度昼になったので食堂に行こうと思ったら、リヴィがフヨウを抱えていた。ヒンヤリして気持ち良いらしい。本来のスライムは抱き締められると潰れるくらい弱い生物なんだが……?。


 フヨウだから良いが気を付けてくれよ。……うん? ああ、フヨウと名付けたんだ。それと、フヨウはオークの邪生の心臓2つと、ソードグリズリーの邪生の心臓を食べさせてる。


 その御蔭で、普通のスライムとは比較にならない程に強くなってるんだ。だから抱き締めても潰れなくて無事なんだよ。そうそう、普通のスライムが臆病なのは簡単に死ぬからなんだ。


 そう説明しながら食堂に行き、大銅貨13枚を支払って昼食を注文する。女将さんは怪訝な顔をしたものの、フヨウがセイントと呼ばれるスライムだという事を説明しておく。


 要するに浄化の能力持ちであるという事をだ。フヨウ自身は食堂でリヴィの手を離れた後に近くをウロウロしてたが、移動した場所が全て凄く綺麗になっていた。吸収してるのかな?。


 それを見た女将さんは大変良い笑顔を向けてきたので、フヨウが望むなら構わない事にした。俺から命じるのも違うし、フヨウがやる気になるなら好きにしていいから聞かないでほしい。


 昼食が来るまでの間、フヨウは近くをウロウロして床を綺麗にしていた。【浄化】の権能を使えば同じ事が出来るが、部屋の中ならともかく、誰でも入れるところはマズいからなぁ……。


 そういう場所は言い訳出来るフヨウに任せようっと。昼食が来たので考え事を止めて食事を始める。フヨウもテーブルの上で食事を開始するのだが、触手みたいにして吸収してる……。


 お前さん邪生の心臓を食べるまで、そんな事出来なかったよな? 体の一部を”みにょ~ん”と伸ばして、先っちょから取り込んで吸収してるが、そんなに器用じゃ無かったぞ?。


 そもそもスライムの肉体は弱いから、殆ど変形なんてさせられない。理由は変形させた部分が弱くなり、自重に耐えられないからだ。あれは耐えられる肉体でないと出来ない事なんだよ。


 あっと言う間に吸収し終わったのか、テーブルの上でゆっくりとプルプルしてる。何故か女性陣がそれを見て癒されてるんだが……。癒され……分からなくもないが……どうなんだろう?。


 スライムでもやっぱりペット枠なんだろうか? ただなぁ、3匹までもが似たような目を向けてるんだよなー……。フヨウは既にかなり賢いんだが、皆それを分かってない気がする。


 まあ、放っておけばいいか。食事を終えて、椅子から立ち上がろうとしたら、フヨウが近付いてきて皿の中の残りを吸収し始めた。残りと言ってもソースとか食べられない部分だけだ。


 とはいえ、それらをあっと言う間に吸収してしまった。慌ててフヨウに「俺達の残した分だけだぞ」と言っておく。フヨウは飛び跳ねているので、直ぐに理解したみたいだ。やはり賢い……。


 皆の残した物も吸収してしまい、すっかり綺麗になった皿を見て女将さんが唖然とした顔をしていた。【空間把握】でも分かっているが、後は水で濯げば良いだけの状態になっている。


 現代日本なら、一家に一匹スライムが欲しいくらいだろうなぁ……。ラノベなんかでも描かれたりするが、あまりに優秀過ぎないかなスライムは。ただ、人型になったりとかはしない。


 むしろそっちの方が良い。人型になる方が困るし、話が出来た方が良いとは思うが、そうなるとスライムじゃない気もするし……。何か難しいトコだ。特に気にする必要も無いか。


 昼食後フヨウを連れて解体所に行こうと外に出ると、3匹だけじゃなくダナとシュラも付いてきた。俺の用のついでに、ジャロムさんに帰ってきた事を伝えに行くそうだ。


 そういえば挨拶がまだだったのを忘れてたな。雑談をしながら解体所へ行くと、ジャロムさんとベグさんが商人風の女性と話し合いをしているところだった。結構大きな声だぞ?。



 「あっ、お久しぶりですね。戻って来られていた事は聞いていますが、まだ狩りに行ってないんだろうと話していたんですよ。ところで今日はどうしたんです?」


 「解体所ですから、獲物を売りに来たんですが……。何だか大きな声で遣り合ってますけど、アレって大丈夫なんですか? 随分喧嘩腰っていうか、相手の女性も引く気が無いような……」


 「ハハハハ、アレはいつもの事なんで気にしないで下さい。それよりも……オークの邪生が2体とソードグリズリーの邪生ですか……。帰ってきて早速コレとは、流石ですね」


 「まあ、アルドだからねぇ……。邪生を倒すついでに、何故か魔物に懐かれていたりするんだよ。アタシ達からすると訳が分からない事がよくあるんだ」


 「そうですね。気付いたら訳の分からない事になっていたり、意味不明な事が起きていたり……。何と言うか、飽きないですよね? それだけは間違い無いと思いますよ」


 「ハハハハハ、楽しそうで何よりです。オークの邪生は一匹金貨1枚、ソードグリズリーの邪生は金貨4枚です。合計金貨6枚ですが、良いですか?」


 「はい、それでお願いします」



 最近、お金が溜まり過ぎている気がするな。どこかで使っ……止めとこう。俺だと碌な事に使わなそうだ。



 ▽▽▽▽▽


 0420終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨108枚

 大銀貨208枚

 銀貨213枚

 大銅貨674枚

 銅貨91枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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