0418
現在王都への道をひた走っています。もうそろそろ王都が見えてくる筈なんだが……【空間把握】は自分を中心にした範囲だから、目よりも遠くが見えないんだよな。おっ、見えた!。
夜に走るなら【暗視】があれば良いんだが、それよりも【空間把握】の方がハッキリ見えるからな。結局【空間把握】が使えるなら、【暗視】は使わないというか使う必要が無い。
壁を飛び越えて、一路王都の大神殿へ。1度だけだが会っているので、あのジジイの気配は分かる。……ん? 部屋の前まで来たが起きてるな。何で1人しかいないのに起きてるんだ?。
俺は【衝気】を使い気絶させてから、手枷と足枷を嵌めて【白痴】を使ってから起こす。起こされたジジイは辺りを見回した後、俺を見て笑みを浮かべた。……何だこのジジイ?。
「やっとお迎えが来たか。そなた……いえ、貴方様に初めてお会いしたのは、丁度【神聖八重浄化】を使われた時でしたな。あれを見た時から、こうなる事は分かっておった事です」
何か急に語り出したぞ? もしかして自分に酔ってるのか? 俺が神妙に聞いているとでも思っているのだろうか、このジジイは。聞きたい事を聞いたらさっさと始末して帰ろうっと。
「お前の話はどうでもいい。それよりも、何故俺を襲わせた? こんな手紙で洗脳した挙句、元<黒蛇>の連中を俺に嗾けてくるとはな……。王都の神殿は、どうやら滅ぼされたいらしい」
「何ですと!? 貴方様が神殿の者達を率いて下さるのではないのか!? その金色の目は、神に関わりのある者の目でございましょう!! 何故、神殿の者に道を示して下さらぬ!?」
「何言ってんだ、コイツ? 俺が浄神から頼まれたのは世界の浄化だ。お前等の事なんぞ頼まれてもいない。それどころか、敵対してきた神殿の者は全て根切りにしろと命じられている」
「なっ!? そ、そんなバカな!? 我等は浄神様に仕える者達じゃぞ!? 何故根切りになぞ、されねばならんのだ!? 我等の奉仕を何だと思っておられるのじゃ!!!」
「はぁ? お前等は【浄化魔法】を独占し、金儲けにしか使ってないだろうが。下界の浄化をするのが神殿の役目だぞ? そんな事も理解していないから、浄神が激怒してるんだよ」
ジジイはまだギャーギャー口走っている。ちらちらドアを見ているが、誰かが助けにきてくれないかと思っているらしい。【止音】を使っているので意味は全く無いがな。本当に下らん。
「どのみち、神を激怒させているお前達に生きる価値なぞ無い。お前達が下界の浄化もしない所為で、俺が下界に派遣されたんだよ。つまり、お前達はもう要らんという事だ。じゃあな」
俺はジジイの首を【念動】で圧し折り、死体をアイテムバッグに回収する。神官長の時と同じく、祭壇に行き首を切り落としてから奉げる。首から下は、その場に捨てて【粉砕】した。
最後に全てを綺麗に浄化するのだが、折角なので可能な限り綺麗にしてから帰ろうと思う。【集中】は使わず可能な限りやったが、物凄く荘厳な気配のする場所になってしまった。
それに、少しだけだが邪気を浄化し続けてる気がするんだが……。よし! 見なかった事にして帰ろう! 明日も早いからな、さっさと帰って早く寝ようっと。それじゃあ、さよならー。
再び夜の道をひた走る。今度は王都からルーデル村へだが、全力の身体強化で走っている。【魔術】や【闘気術】も併用して走ればもっと早く移動できるが、そこまでする必要が無い。
アホの所為で睡眠時間が削られたが、これで神殿関係のゴタゴタは殆ど終わりだろうと思う。結局、大神殿とやらのトップ2人を俺が始末する結果になってしまった。何でだろうな……。
いちいち阿呆に関わりたくなんて無かったんだが、阿呆がこっちに無理矢理関わって来るんだよな。さっきのジジイも神殿が助かるとか意味不明な事を言ってたし……。アイツ等は絶対に頭がおかしいぞ。
そもそも神殿を腐らせてきた奴等が、何で神殿を救うとか考えてるんだ? 頭が沸きすぎてて、カルト宗教の狂信者にしか思えない。自分に都合の良いものしか見えないと言う、幸せ回路かよ。
そうとでも考えなきゃ理解不能だが、そう言えば日本にもそんな奴等いたなぁ……。世界が変わっても、異常者という存在は同じらしい。神殿という閉じられた世界に大量に居そうだが。
俺がそれにいちいち関わってやる義理は無いし、無理矢理に関わってくるなら全員殺す。そもそも異常者に言葉を尽くしても意味が無い。奴等はひたすらに押し付けてくるだけだ。
何故って? 異常者だからだよ。一般人と異常者は相容れないんだ。一般人は話を聞くが、異常者はゴリ押ししてくるだけだ。ゴリ押しする奴は、全員異常者だと思えばいい。
まともな奴なら、同じだと思われたくないのでゴリ押しを止める。止めない奴は異常者だ。そうやって区別すればいい。異常な奴の相手をするなんて、ハッキリ言って時間の無駄だ。
おっと、そろそろルーデル村だな。行って帰って来る事自体は夜の内に出来るんだが、そうなると睡眠時間が減ってしまう。この肉体は睡眠時間が少なくても大丈夫とはいえ、俺は寝たい。
そもそも少なくても大丈夫というだけで、寝なくても大丈夫な訳じゃない。睡眠はこの肉体でも必要なんだから、ちゃんと寝たいんだよ。それを邪魔しやがって……異常者どもめ。
部屋に窓から中に入って一息吐く。椅子に座って聖水を飲むのだが、【止音】を使っているので皆の睡眠の邪魔にはなっていない筈だ。……はぁ、疲れた。飲み終わったら、さっさと寝よう。
村に帰ってきた日に揉め事に巻き込まれるとか、本当に勘弁してもらいたい。とにかく一ヶ月、つまり30日ほどはゆっくりと休もう。その頃には涼しい秋の気候になっているだろうし。
……ふぅ。飲み終わったんで、布団に入ってさっさと寝るか。今日は右がダナで、左はフォルだ。意外にダナは寝相が良いんだよな。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界175日目>
おはようございます。皆はもう起きていて、俺が最後でした。まぁ、そこまで時間に差は無いらしいが、微妙に眠いのは【生命活性】で何とかするか。部屋と皆を浄化して挨拶をする。
椅子に座り聖水の樽を取り出してコップに入れていると、3匹が俺の足をペシペシしてきた。どうやら聖水が欲しいみたいなので、3匹の水皿に入れてやると美味しそうに飲み始める。
「今日は起きるのが遅かったけど、また夜中に何かあったんだね。おそらくは昨日の夕食の時のおかしな連中だと思うんだけど……。本当のところは分からないから、聞きたいんだけど?」
「昨日の傭兵と商人は神殿に関わりのある連中だった。王都の大神殿、そこの大神殿長の差し金で俺を襲ってきた奴等だ。元凶は大神殿長だが、現場で襲ってきたのは元<黒蛇>だ」
「えっ!? <黒蛇>の者がアルドを襲ったのかい? ……いったい何でだろう? そもそもアルドは僕等の中でも3人に手を出しただけだし、アイツ等は調子に乗ってたから仕方がないし……」
「簡単に言うと、大神殿長に俺の所為で<黒蛇>のボスが死んだと信じ込まされていた。それで襲ってきたんだ。村の神殿に居て待ち構えていた奴等は、昨夜皆殺しにしたよ」
「まあ、そのアホどもは殺されて当然だろうね。アルドの命を狙ったんだ、殺されたって文句なんて言えないさ。それにしても、神殿の連中は本当に碌な事をしない奴等だよ」
「皆殺しの後、王都に行って大神殿長を殺し祭壇に首を奉げておいた。これで王国の神殿のゴタゴタは終わりだと思う。後は、一度瓦解してからどう立て直すかって方向に進むだろうな」
「瓦解してからか……まともな人も居たし、そういう人が中心になって上手くいってほしいんだけどね。あんな所でも僕達が育った所だから思い出はあるし、頑張ってほしいよ」
まあ、後は任せるしか無いだろうな。本当にまともな奴が出てきて纏めるだろうが、時間が経つと腐るだろうなぁ……。そこの対処をするのかね?。
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0418終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨102枚
大銀貨208枚
銀貨213枚
大銅貨699枚
銅貨91枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




