0416
先輩からオシオキされた奴等は放っておいて、俺達はギルドの建物に戻ってきた。一応掲示板を確認するものの、相変わらず碌な依頼が無いので宿に帰る事にする。もう昼だしな。
宿の食堂で女将さんに大銅貨12枚を支払って昼食を注文する。どうやらジャン達は帰ってきていないみたいだな。いつも通り泊まってくるのかもしれない、親御さんへの挨拶だし。
昼食後は自由行動にし、俺は部屋に戻って送風機を設置したら魔石を入れて起動する。さて、午後から何をしようかと思ったら、ダリアが俺の足をペシペシ叩いてきた。いったいなんだ?。
色々聞いてみた結果、リバーシを出して欲しいと言っているのが分かったので3つとも出しておく。ダリアとマートルは早速始めたのだが、カエデは暇なのか俺の方にやってきた。
俺も暇だったので、ブラシを出して梳きながら2匹の戦いを見学する。流石に夜じゃないからか、カエデが眠そうになる事は無かったが、気持ち良いからか「ゴロゴロ」鳴いている。
その「ゴロゴロ」の度に、ダリアとマートルが反応するのが何とも言えない。リバーシに集中出来ないのか、気になってしょうがないのか。心ここにあらず、という感じになっている。
結局、よく分からない試合となって終わった後、ダリアとマートルはブラッシングを求めてきた。右手と左手でブラシを掛けていると、リヴィとリンデが部屋に来てブラシを取られた。
「しかし、この子達は綺麗な毛並みをしているね。多分ツインホワイトだろうと言ってたけど、見た事も無いほどの綺麗さだし、尋常じゃない魔力と闘気を感じるよ」
「本当にそうですね。どの国の王でも従える事の出来ない、ある意味で本物の聖獣ですよ。こんなに綺麗な毛並みなのに信じられない程の強さなんですから。邪生の心臓って凄いですよね」
「本当にそうだね。……う~ん。つまり、これ程の事が私達の体の中でも起きているって事だよね? ……ここまでの事が起きていれば、体があそこまでになるのは当然なのかな?」
「ん? 何かあったのか?」
「何でもないよ」 「何でもありませんよ」
おっと聞いちゃいけない事だったか。多分夜中に関する事だとは思うが聞く気は無い。聞いたところで意味は無いし、深堀するところでもない。それにしても2人はする事が無いのか?。
「何か私達を暇人か何かと誤解してないかい? 私達は理由があって訪ねてきたんだよ。ちなみに理由なんだけどさ……ちょっと聞いたんだけど、【房中術】という技があるんだって?」
「ああ、そりゃあるが……。つまり、【房中術】を教えろって事か。……うーん、教えても良いんだが……2人なら大丈夫かな? ある程度は魔力と闘気を使い熟せないと無理だからなぁ……」
どうしても教えてほしいと言うので、仕方なく人体の構造から順番に教える。2人の手を握り【房中術】を受けた時の感覚を教え、今度はお互いに手を握って技を掛け合う。
更に部屋の中に居たディルやフォルからも教えてもらいながら練習したが、今日の半日で使えるようにはならなかった。まあ、ゆっくり覚えればいいし、乳繰り合ってれば使えるだろ。
どう考えても、2人はその為に教えろと言ってきたんだろうしな。元々そういう技じゃないんだが、いつからそういう技だと認識されたんだろうか……。最初に違うって言ったよな……?。
最初にダナに教えた時も、そういう技じゃなくて肉体を整えて活性化させる技だと言った筈なんだ。なのに、どこでエロ技に変わってしまったんだろう? ……考えても分からないな。
面倒なんで考えるのは止めて、夕食を食べに食堂に移動するか。部屋の中に居る皆に声を掛けてから食堂に移動し、大銅貨12枚を支払って夕食を注文する。……あれ? この人は……。
いつもの女性従業員だぞ? どうやら、この人は新しい宿に行ってないみたいだ。顔見知りが居てくれると助かるんで、俺としてはむしろありがたい。ベテランっぽい人だからな……。
この人が1番居ないって思ってたよ。テーブル席に移動して椅子に座り、ダラダラと話しているとダナ達が帰ってきて同じテーブル席に着いた。どうやらダナ達は色々見回ってたらしい。
その少し後にメルとアルメアが帰ってきた。2人は村長の所に行って村の現状なんかを聞いてきたそうだ。席に着いて直ぐに、現状の問題点なんかを話し始めた。……食堂でして良い話なのか?。
「あの子に聞いたところ、どうも魔物素材が高値で売れているらしいのだけれど、買い叩く商人や奪っていく傭兵が居るらしいわ。傭兵は暴力で脅しているみたいね」
「ギルドでは話が無かったけど、ギルドも脅して奪っている傭兵を探しているみたいだね。ただ……奪われた者達が報復を恐れて口を噤んでるらしくて、遅々として進んでないそうだよ」
「ヴェルは何をやっているんだか……? とはいえ帰ってきて直ぐにそんな話を聞くとねぇ……誰かさんが解決しそうじゃないかい? 今までにも似た様な事は沢山あったし」
「そうですね。アルドの場合、何の脈絡も無く絡まれたりして叩き潰してしまい、後で発覚する事もありましたし。今回もそんな感じで叩き潰しそうな気がします」
「その場合はさ、俺が原因なんじゃなくて、不用意に俺に絡んできた奴等が原因だよな? 完全に自業自得だと思うんだが、何故か俺が原因みたいに言ってないか?」
何でコイツ等は目を逸らすんだろうな? どう考えても俺の所為じゃないにも関わらず、何で俺の所為みたいに言うんだよ。悪いが俺は納得はしないぞ。大体はアホの所為だろうに。
「まあ、それはともかくとして……。その傭兵どもは見つけたら潰せば良いんだけど、商人どもはどうするんだい? 傭兵と違って騒ぎ出すと面倒だよ? アイツ等も噂をバラ撒くし」
「確かにディアーナの言う通り面倒な相手ではあるんだけどね、利に聡くて敏感なのも商人どもさ。下らない事をすると損をするという形にすれば、自然とバカな事はしなくなるよ」
「姉上の仰る通り、あの者どもは儲からない事は一切しませんし、利をくれる相手を敵に回したりはしませんからね。それでも敵に回すなら……最初から敵対するつもりだという事です」
「ああ。シュライアの言う通りさ。その場合は、何らかの組織が後ろ盾として付いているだろうね。ここ最近の事を考えると……帝国か神殿。多分、そのどちらかだとは思う」
「どちらにしても最後の悪足掻きと言えばいいのか、それとも断末魔と言えばいいのか……。これが最後、もしくは最後に近いと私は思う。帝国も神殿も争える力はもう殆ど無いだろう」
「ディルの言う通りだと僕も思うよ。神殿は既に一枚岩じゃなくて分断されてる。内側に居た僕でさえ知らなかったけど、分断されるとここまで脆いとは思わなかったよ」
「どんな大きな組織や国でも、倒す場合は分断しての各個撃破が基本となる。それぐらい、分断するというのは効果があるんだよ。たとえ相手が、世界中に広がる神殿という組織でもな」
「商人や傭兵は最初から一枚岩では無いし、神殿も内部がボロボロ。帝国は、国としてはまだ耐えているけれど、内部の統制が効いていないわね。敵はそこまで強くは無いみたい」
「それはそうでしょうが……ここで気を緩ませず、引き締めた方が良いのではありませんか? 昔から城に来る愚かな商人は多く居ましたが、アレ等は相当にしぶとく面倒ですよ?」
「リンデもかい? 私のところも昔からそうだったよ。面倒でしつこい上に、しぶとく付き纏ってくる。そういう面倒臭くて鬱陶しいのが商人って奴等さ。何度激怒しかけたか……」
「一国の王女を激怒させたりするとか、別の意味で凄い商人だねぇ。勿論凄いバカって意味だけど、裏から怒らせろとでも指示されてたんだろうさ。わざわざ第一王女にする事じゃないしね」
ワザと怒らせるのはともかく、怒らせて引き出せるものって何だ?。
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0416終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
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銀貨120枚
大銅貨560枚
銅貨39枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




