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0411




 「ふむ。今までは色々な事を計る為に悪く言っていたが、なかなか優秀な様だな。お前の様な下賤な傭兵には過分だが、我が国に来る事を特別に許してやろう。感謝するのだな」


 「寝言は寝てから言え。もしくは、冗談は顔だけにしろ」



 面倒になったので言葉でぶった切ってやった。いちいち鬱陶しいし、面倒なゴミの相手なんぞを真面目にする訳がないしな。それ以前に空気が全く読めてないから、まともな話にならない。


 アホは唖然とした顔をしていて、何を言われたか理解できていない様だ。メルとアルメアはクスクス笑っていて、王太子と軍務卿と兵務卿は横を向いてプルプル震えている。


 学者2人はこちらに背を向けてプルプルしている。必死に笑いを堪えているのは分かるんだが、そこまで面白いか? 逆に俺の方が冷め過ぎなのかね? ちょっと分からないな。


 アホはやっと何を言われたのか理解したらしく、顔を真っ赤にしてプルプル震え始めた。そもそも自分の失敗で今の状況になってるっていうのに、本当に学習しない奴だな。


 アホはこんなものと言ったらそれまでだが、幾らなんでもアホ過ぎるだろう。う~ん……何でこんな奴を王国に派遣したんだ? 更なる恥の上塗りにしかならないだろうに……。


 うん? 急にアホは真っ赤になってプルプルするのを止めて、下卑た視線をこっちに向けて来たぞ? 暗殺でも考えたか? どのみち俺を殺す事など出来ないから、どうでも良いんだが。



 「貴様はどうやら我が国に喧嘩を売っているらしいな。私が本国に戻って報告すればどうなるか分かっていない様だ。お前の様な者の命など直ぐに消えてしまうのだぞ?」


 「うん? お前こそ喧嘩を売っている様だな。報告か……大いに結構だ、存分にやれ。王国にあった帝国の暗殺組織を全て潰したのは俺だ。帝国と裏取引していた貴族を潰したのもな」


 「おや? アルド、ハッキリと言ってやっていいのかい? 王国にいた、帝国の間者や工作員の殆どを皆殺しにしたのが私達だという事を。まあ、私達は狙われても問題ないけどね」


 「ええ、そうね。何より、帝国は私達不老長寿に何度も手を出して来ているもの。帝国が不老長寿に手を出した事を情報として流しているらしいし……これから大変でしょうね、帝国は」


 「……不……老………長寿?」



 アホは唖然とした顔をしている。メルやアルメアはまだ慈悲があるらしい。俺なんてバラす気も無かったし、後で酷い目に遭っても知った事じゃなかったんだが……。まあ、いいか。


 みるみる顔色が悪くなっていくアホは放っておいて、俺達はそろそろ帰る事にした。王太子が後で話したかった事とは、この帝国のアホの事だったらしい。王太子も匙を投げた様だ。


 このアホは王国と帝国の親善と称して、王太子を帝国に招く為に来たらしい。どうも世界的に悪評があまりにも立ち過ぎたらしく、何とかイメージを回復したくて帝国は必死なようだ。


 当たり前の事だが、悪評が立ち過ぎると国家としての信用は失われる。とても単純に言えば、話を持ち掛けても信用されなくなるという事だ。特に今の様な状況だと非常に不利になる。


 好き勝手にやっても許されるなんて事は当然ながら無いし、どんなに強い国でも内部からの崩壊は避けられない。大きすぎて潰せないなんて事も、実は無かったりする。潰れる時は一瞬だ。


 過去大きくなった事で、驕って崩壊した国や組織なんて幾らでもある。「自分達は大丈夫」なんていうのは、唯の妄想でしかない。まさに”驕れる者は久しからず”という事になる。


 今現在、帝国は四方八方を敵に回している状況の様だ。周りの国には信用されておらず、神殿も敵に回してしまい、今回不老長寿も敵に回した。どう収拾を着けるのか疑問しかない。


 王太子の心情的にはそんなところのようだ。王太子は帝国の皇太子には同情的な見方をしているらしい。まあ、まだ権力も受け継いでいない18歳の若者でしかないからな。気持ちは分かる。


 王太子も18歳だが、同い年だからか共感してしまっているのだろう。そう思っていたら、実は何度か親善訪問で会って話した事があるそうだ。成る程な、それで同情したのか……。


 向こうの皇族にも会った事があるらしく、王国に対してそこまでの事をしてくる感じは受けなかったらしい。まあ、子供に国の裏側まで教える事は無いだろうし、子供は純粋なんだろう。


 王太子も国を継ぐ以上は、同情する心も抑え込む必要があるのは分かっている。抑え込んで、国として冷徹な判断を下さなきゃならない。王族や王なんて本当に大変な仕事だよ。


 俺は一般人だし楽なもんだ。帰りの馬車でそんな事を話していると、2人からジト目で見られた。実際に不老長寿とはいえ一般人なのは事実だし、俺に何かの権力がある訳でもない。


 今度は2人とも呆れている様だ。権力が無いのは事実だが、誰でも始末できる武力は持っているだろう。そう言われたので、それに関しては頷くしかない。大体の奴は始末できるな……。


 ただ、俺より強い奴が居ないとは限っていないので注意しろ。その事は2人に強く言っておく。俺は、俺が1番強いなどと驕ってはいない。だからこそ警戒に警戒を重ねている。


 いつ何処で、俺が感知出来ない奴が現れるかは分からない。そこは出来得る限り気を付けてくれ。真剣に言ったのが良かったのか、2人も真剣な顔で頷いてくれた。良かった、良かった。


 そう簡単に俺を欺ける奴が居るとは思えないが、万が一というのは何処にでもある。気付いたら手遅れなんて事になったら、悔やんでも悔やみきれない。そういう後悔をするのは御免だ。


 宿に戻ると昼だったので、そろそろ宿を出て村に出発しよう。宿代も今日までの分しか払ってないし丁度良いだろう。送風機と冷房から魔石を抜いて収納し、綺麗にしてから部屋を出る。


 ジャン達やリンデ達にも声を掛け、部屋から出てきた後で浄化する。ラーファンさんに挨拶してから隣の食堂に行き、大銅貨15枚を支払って昼食を注文した後テーブル席に座る。


 ダナ達は話が早く終わったらしく、俺達より先に馬車で帰ってきていたらしい。今回は美容の話は無かったみたいだが、代わりに聖王国や傭兵国家の事を熱心に聞かれたそうだ。


 特にリヴィが居るので聖王国の話が多く、リヴィは疲労困憊らしい。「だから嫌だったんだ!」と言っているが、王族の仕事だから仕方がないだろう。俺達の方よりはマシだろうさ。


 そう言うと、気になったのか俺達の方の事を聞かれたので答えていく。帝国のアホの話になると、当然の如くウチの女性陣は激怒した。ちなみにジャンは白金貨にビックリしてたな。


 ダラダラ話しながら食事を終えて、さっさと王都を出る。門で受付を済ませたら多少歩きで進み、その後一気に身体強化で走る。帝国のアホが関わってきそうだったので逃げたいんだ。


 サウスアルムを通り過ぎ、ディムアスト、ナイダの村、ロワの村、ゴードの町で止まり、ちょっと早いが宿をとる事にした。幾ら俺達でも、半日ではルーデル村まで帰れない。


 どこかで一泊する必要があるので、折角なら町の宿で寝たいんだ。そう思ってゴードの町に止まったんだが、俺達が泊まれる大部屋が空いている宿が無かった。仕方ないな、外で寝るか。


 ジャン達とリンデ達の宿代である大銅貨7枚と、夕食代である大銅貨5枚を渡して町を出る。町の外に出た後、町から離れた場所に土のカマクラを作り、近くの森で狩りをしよう。


 運良くダッシュボーアの邪生を見つけたので浄化してゲットした。血抜きと解体を素早く行い、新鮮な内に皆の所に戻り準備をする。いつも通り食べられる内臓は3匹にあげた。


 焼き場を作り焼き網をセットしたら、解体した肉を焼いていく。皆が好きな香辛料を振りながら焼いていくのを横目に見ながら、俺は骨から出汁をとってスープを作っていく。


 野草を入れて煮込んでいるが、食べられる野草は皆に特徴を聞いて狩りの最中に集めておいた物だ。野草は煮込む前にアク抜きなどは済ませている。【抽出】と浄化を使えば簡単だ。


 なかなか良い感じに出来たんじゃないかな?。



 ▽▽▽▽▽


 0411終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨89枚

 大銀貨165枚

 銀貨126枚

 大銅貨599枚

 銅貨39枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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