0409
買う物は無かったものの、魚醤を見つけたので銀貨1枚分購入しておく。前に買ったのは使い切ってしまってもう無いからだが、ついでに大銀貨5枚を大銅貨500枚に両替してもらう。
次は武具屋に行くか。今の俺達は十手とアイテムバッグを持ってるだけで、武器や防具を身に着けていない。とはいえ、これは傭兵なら普通の事で、町中でフル装備など普通はしないものだ。
宿の部屋などに置いてくるのが基本で、町中でフル装備のまま歩き回っていると、巡回の騎士に連れて行かれる事もある。にも関わらず、何故かフル装備のバカ共が武具屋に屯しているな?。
「これどうよ! 俺様に似合うと思わねぇか? なかなか良い感じの重さもしてるし、俺様の新しい武器にピッタリだろ! こいつも俺様に使われたがってるぜ!」
「何言ってやがる! テメェはそういう武器しか使えねぇんだろうが! ちったぁ反省しろ、このバカが!! いったいお前は幾つ武器を壊してきやがったと思ってる!!」
「はぁ? ウルセーんだよ! 俺様が前で戦ってやってるからだろうが!! お前等みたいな後ろからチクチクしてるだけの奴等が何言ってやがる! 文句があるなら前に出やがれ!」
何でコイツ等は武具屋の中で喧嘩をしてるんだ? ……あーあー、店主に叩き出されたな。まあ当たり前っちゃ、当たり前だ。店の中で喧嘩するなんて奴等は、邪魔者でしかない。
ああいう奴等ってよく居るけど、お前等が1番邪魔だって分かってんのかね? 騒いでる時点で分かってないんだろうけどさ……。気を取り直して、どんなのがあるか1つ1つ見ていくか。
剣のコーナーから見ていくが、何と言うか意味が分からないな。例えばだが、剣1本とっても作られたコンセプトがある筈なんだ。耐久性や切れ味、メンテナンスのしやすさ等々……。
だけど目の前の剣は、何をコンセプトに作られたのか分からない。普通でもなければ、平凡でもない。何を考えて、何の為に作ったのか……。とりあえず、剣っぽい物を作った感じだ。
別に耐久性を重視した訳でもなく、切れ味を重視した訳でもない。剣としての強みが無い。そんなのばっかり並んでるんだけど、普通の傭兵はコレで戦ってるのか……。そりゃ大変だ。
他の物も見ていくが、コレと言ってピンとくる物が無い。剣や槍は買わず、斧や棍棒を買った方がマシだな。剣とか槍を使ってる奴は多いんだが、王都の武具はあんまり良い物じゃない。
特に剣や槍がよく使われるなら、剣や槍が良い物じゃないとおかしいだろうに……。何でよく使われる物が洗練されていかないんだよ。普通は沢山作る物が良くなっていく筈だろう。
アレか? 帝国の所為でこんな事になってるのか? いや、それは違うだろうな。鉄の質は落とせるだろうが、発想や経験まで邪魔する事は出来ない筈だ。つまり、鍛冶師の質の問題か。
王都だから武具屋だけで数軒ある。他の店も見てから結論を出すべきだな。……その後、他の店を見て分かったんだが、最初の店は1番品揃えの悪い所だった。その事には安堵したよ。
流石にアレが普通とか言われたら、この国は大丈夫か? と思ってしまうからな。とはいえ、一部の店にグラディウスが売られていたのは、何とも言えない気分になったが……。
しかも質があまり良くなかったし、材質も悪かった。何と言うか、俺が教えた奴等の作品じゃないと思う。グラディウスのコンセプトじゃなくて、とにかく真似しただけの物だった。
【空間把握】で調べたが、あれじゃ直ぐに折れるか曲がるぞ。頑丈で耐久性が高いのがグラディウスの特徴なのにな。表面だけ真似て儲けようとするから、ああいう粗悪品になるんだ。
何か元の世界の隣の国みたいだな。他国の製品の表面だけ真似て、勝った気になってる国。そういう感じが粗悪品からは滲み出てるんだよ。楽して儲けようとして失敗する感じがさ。
そろそろ宿に戻るか。リンデも帰って来てるかもしれないし、誰かを待たせてるかもしれないしな。俺は皆に声を掛けて宿に戻るが、ちょうど宿の前で豪華な馬車と鉢合わせになった。
中からリンデとライブルが出て来て、俺達に乗るように言ってくる。変な催し物とか要らないぞ? 乗る必要があるなら乗るけどさ……。俺達は馬車に揺られて王城まで連れて行かれた。
ちなみにジャン達は乗っていないのと、ディルとフォルは乗っていない。彼女達は宿の部屋で修行をすると言って、王城には来なかったんだ。正確に言うとフォルがかなり嫌がった。
王城には狂信者どもが居るから行きたくないって言われると何も言えないんで、一応ディルを護衛にする形で置いてきたんだ。俺達だって狂信者には会いたくないんだけど仕方がない。
フォルが会うと、どうなるか読めないところが怖いんだよな。狂信者ってだけで既に行動が読めないのにさ、教祖が来るようなものだろ? 狂乱の宴になるのは簡単に想像できてしまう。
そんな怖い事を考えていたら馬車が止まった。城に着いたみたいなので、馬車から降りてライブルに付いて行く。どうやらダナ達は別らしい。という事は、多分だけど第二王妃の方か……。
また美容に関して色々聞かれるんだろうなぁ……。ご愁傷様です。俺達が案内された先の部屋には王太子と軍務卿と兵務卿、それにオッサン2名と目つきの悪い優男が1人居る。
「久しぶりだね。このまま色々と話しをしたいんだが、先にとんでもない物を片付けておかないと、ゆっくり話も出来なさそうだから頼むよ。妹が言うには、七色竜を退治したとか?」
「ああ。七色竜の死体自体はアイテムバッグに入れてあるが、何処に出せば良い? この部屋にそのまま出すのか? まあ、広い部屋だからギリギリ大丈夫だとは思うが……」
「ふむ。殿下、ここでは難しいかもしれませぬし、中庭の方にお出でになられた方が宜しいのではないでしょうかな? 後の話よりも、先に終わらせておいた方が良いと思います」
軍務卿の一言で中庭に移動する事になったのは良いんだが、オッサン2名と目つきの悪い優男は付いてくるのかよ。オッサン2名は何か学者っぽい感じだからいいけどさー。……ウゼー。
優男がずっとこっちを見下してるんだよ。鬱陶しい上に面倒臭い奴みたいなんだが、ちょっとだけ面白いのは誰も触れないんだよコイツに。腫れ物扱いされてるの、自覚してるのかね?。
中庭に着いたので、七色竜をアイテムバッグから出す。早速オッサン2人は近づいて、鱗の硬さや牙の形や鋭さなどを調べているみたいだ。ところで、あの優男はいったい何なんだろうな。
「これが七色竜ですか? ……ふーむ、これが七色竜だという証拠はいったい何処なんでしょうな? 七色竜だと言うのであれば、それを証明して頂かねば認める訳にはいかぬのでは?」
「さて? それはこれから検証される事ですからな。少なくとも頭ごなしに否定しては何もなりますまい。我が国は否定から入るほど野蛮ではありませんからなぁ」
兵務卿が優男に反論したが、”我が国”ねぇ……。という事は、あの目つきの悪い優男は王国の者じゃないって事か。それで矢鱈にこっちを見下す態度だった訳だ。……成る程なー。
「ほう……ガイアルム王国は、我がディザルオン帝国を野蛮と侮辱なされるのですかな? これはこれは、ずい「アホの帝国かよ」ぶ……」
「「「ブッ……」」」 「………」
その場に居たライブルと軍務卿と兵務卿は噴出してしまい、王太子は必死に堪えている。そんなに面白いか? 単にアホをアホと言っただけだぞ? 普通の事でしかないと思うが……。
何か知らないが、優男は怒りで顔が真っ赤になってるな。しかしなぁ……アホな失敗を繰り返したのが帝国だぞ? あれだけの失敗をやっておいて、笑われずに済むと思ってるのかねぇ?。
そろそろプルプルが限界に達しそうだ。こいつの怒りが爆発したところで、俺にとってはどうでもいいし興味も無いんだけどなー。
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0409終了時点
大白金貨3枚
白金貨8枚
大金貨36枚
金貨89枚
大銀貨165枚
銀貨126枚
大銅貨626枚
銅貨39枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




