0405
3匹の水皿に聖水を入れてやり、自分のコップにも入れて冷やして飲む。喉が渇いていたのか直ぐに飲み干してしまったので、もう一杯入れて冷やす。ゆっくりとした良い時間だと思う。
そんな良い時間を過ごしていたら、3匹が足元で遊び始めた。たまに俺の足にペシペシ肉球が当たるんですがね……。微妙に肉球の感触が気になるんだよな。何と言うかワザとやってるな?。
ペシペシしてくるダリアを抱えて肉球マッサージをしてやると、ふにゃふにゃになってしまった……。大丈夫かと言いたくなる程ダラーっとしてるんだが、何なの君達の視線は……?。
はいはい、分かりましたよ。俺はカエデとマートルの肉球もマッサージしてやる。揉み揉みされると気持ちいいのかダラーっとし始める2匹。ときおりピクっと反応するのが面白い。
そんな風に遊んでいると皆が起き出してきた。どうやら朝の3匹との時間はここまでの様だ。それはそれとして、皆の意識が完全に覚醒してないのか酷い有様だ。シャキっとしなさい。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ」 「ガゥ」 「ワン」
「「おはよう」」
「今日もダンジョンに行くのは良いんだけど、ジャンが入れ込んでなければいいんだけどねぇ……。責任感はある方だから、何とかしようとし過ぎる恐れがあると思うんだよ」
「それは朝の様子で見極めるしかないでしょう。とはいえ、ミレイアやシャローがどうにかしてるでしょうから、そこまでにはなってないと思いますよ?」
「そうね。流石に自分1人で何とかしようとは思わないんじゃないかしら? ジャンも1人ではないわ。だからこそ、潰れたりはしないと思うのよ」
「1人じゃないと言うべきか、1人にして貰えないと言うべきかは分からないけどね。とはいえ、メルが言った通り、ジャンのフォローはミレイアとシャローがしてるだろうさ」
「あの3人は、3人になっても上手くフォローし合っている。いや、上手く噛み合っているというべきか……。見事に対立する部分が無いか、あっても誰かがフォローする形になっている」
「面白い形だと思うのと同時に、集まるべくして集まっている感じだよね、あの3人。これから先、人数が増えるのかもしれないけど、結局変わらない形になる気がするよ」
「あの3人が中心となって、人数が増えても同じ形にするだろう。何より、同じ形が維持出来ないと仲間に入れないと思うんだよな。特にミレイアが許さないだろうし……」
あの3人と言うより、あの形を決めたのは多分ミレイアだろう。ジャンのハーレムを維持管理するのはミレイアだろうなぁ……。もともと正室が管理するものだしな。日本でもそうだった。
古い時代から、側室なんかを纏めていたのは正室だ。そこに旦那の意見は入らないんだよな。大奥とかあるけど、あれも同じで奥の事は女性が決めるんだよ。そこに男は入れない。
ジャンもきっと同じ状況の筈だ。そう考えた時に気付いてしまったんだが、俺は違うよな? ダナが管理している訳でもなく、やっぱり俺達は不老長寿が集まっただけだな。
まあ、俺達には俺達の形がある訳だし、既存のハーレムの形じゃなきゃいけない訳じゃない。俺達は俺達らしく生きていけば良い。そんな事よりも、そろそろ食堂へ行こうか。
俺は送風機と冷房から魔石を抜き、ジャン達に【覚醒】を使ったら部屋を出る。食堂に行き、大銅貨15枚を支払って朝食を注文したらテーブル席に座る。皆と雑談しながら朝食を待つ。
ジャン達と朝食が同時にきたからか、ジャン達は急いで食べ始めた。あんまり焦ると喉に詰ま「ゴホッ! ゴホッ!」。ほら見ろ、言わんこっちゃない。焦らなくていいから落ち着け。
朝食後、王都を出てダンジョンへと入る。1層から11層へと進み、ここの平原でブラウンゴートなどを昼食用に狩っていく。その後、16層の転移紋まで行き昼食とした。
「昨日は9層だったけど山の地形で食事をとって、今日は16層の山の地形で昼食かぁ……。昨日と違って転移紋の位置が分かってるのと、身体強化を使うとやっぱり早いね」
「そうだな。皆が速く無駄なく移動したからだろうが、それでも早いと言えるだろう。問題はここからだ。昨日見たが、ここからは洞窟だからな。場合によっては遭難しかねない」
「ええ。ジャンが地図を書き、私達が警戒しながら進む事になります。両殿下にも頑張ってもらわなくてはなりません。突破には時間が掛かるでしょう。本当に洞窟は厄介です」
「本当にそうですね。今までどれ程ポイズンバットやブラックバットと戦ってきたか分かりません。ここは平均的なダンジョンですが、それでも厳しい数が出てくるでしょう」
「あー……。洞窟のコウモリ達かぁ……。アレ大変なんだよねー。薬も持たなくちゃいけないし、傷も負いやすいから本当に嫌われ……あれ? 薬の用意してないんだけど?」
「最悪は不老長寿の皆さんに頼るしかありませんが、早めに【清潔】を使えば毒は落とせますよ。リヴィも【清潔】は使えるんですから、傷を負ったら直ぐに使って下さい」
「あぁ……うん、分かった。それにしても、薬が無くても【清潔】で十分だなんて知らなかったよ。知っていれば、もう少し攻略出来たかもしれないのにさ。あの虫だらけのダンジョン」
「「「「………」」」」
「うん? どうしたんだい、皆?」
非常に大きな溜息を吐いた後、リンデが虫地獄のダンジョンの事を話し始めた。昼食を食べながらする話では無いが、それでも話さずにはいられなかったんだろう。大変だったからなー。
リヴィは話を聞きながら、ゆっくりと顔を引き攣らせるという高度な事をやっていた。聞き終わった後にボソっと「聞くんじゃ無かった……」と言ったが、俺達は攻略した側だ。
聞くだけより遥かに大変だったと言いたいところだが、言ったところで意味は無いと思い直して止める。あの虫地獄は聖王国でも嫌われているダンジョンらしいが、当たり前だな。
あんな所を好きになる奴なんて、一部の物好きぐらいだ。後は生活の為とか、そんなところだろう。思い出したくないのは、浄化した以上は中の構造が変わっている可能性があるからだ。
つまり最後に苦労したのが俺達で、それ以降は虫が減っているか、出てこなくなっている可能性があるんだ。もう2度と行きたくないんで確認する気も無いが、マシになってれば良いな。
「良くあの虫だらけのダンジョンを攻略出来たね。私でさえ、なるべく近付きたくないダンジョンなんだよ。あそこに傭兵を増やす為とはいえ、初めての時は後悔したんだ……本当に」
「あれの為にランク12になったのかと考えると、何とも言えなくなりますね。正直に言いますと、私でなくて良かったと思います」
さて、そろそろ食後の雑談も止めて出発しようか。そうしないと、この2人ずっと喋っていそうだからな。後片付けと浄化を終わらせたら、ジャン達は転移紋に乗って移動した。
俺達も移動して17層へと進む。ジャン達は既に準備を終えていて、どの方角に行くかを迷っている。今までと同じパターンなら西よりの何処かとなるが、確信は当然持てない。
だからと言って、適当に進む訳にも行かない困った状態なんだろう。ジャンは西に行く事を決めて進んで行く。通路や小部屋でコウモリに襲われながらも、倒しながら地図を描いていく。
西の行き止まりまで進んだが転移紋は発見できず、少し戻って北西方向に移動していく。洞窟の地形で厄介なところは、中途半端な位置に転移紋があると分からないところだ。
転移紋の位置も、当たり前だが端じゃない。脱出紋に近い層もあれば、端っこに転移紋があったりもする。転移紋の近くを通っても全く分からないので、迷う可能性が高い。
1つの場所を調べなかったばっかりに、延々と彷徨う羽目になる事もあり得る。そういう場所なんだと覚悟をして進む必要があるんだが、あっさり見つかったみたいだ。
良かった、良かった。ウロウロし続けるのは御免だからな。
▽▽▽▽▽
0405終了時点
大白金貨3枚
白金貨8枚
大金貨36枚
金貨89枚
大銀貨170枚
銀貨127枚
大銅貨156枚
銅貨39枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




