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0404




 古傷が治って喜んでいるリヴィは横に置いといて、二郎刀をどうしようかな? 誰か使いたい人が居るかと聞いてみたが誰も居ない。ちなみに、理由は”重そう”だからだった。


 皆が拒否する空気の中、名乗りを挙げたのがリヴィだった。オリハルコンの武器を要らないという俺達が信じられないと騒いだが、俺達の武器の素材を説明したら直ぐに納得した。


 どうするかを聞くと、ロンパイアよりも重いが使えなくはないとの事だった。邪生の心臓を食べていけば、今よりも楽に使えるだろう。俺がそう言うと、また大きな声で騒ぎ始めた。


 どうやら邪生の心臓の効果で騒いでいるらしいので、場合によっては命を狙われる事を教えると直ぐに黙った。リヴィも同じで、殺してでも奪い取るような人物に心当たりがあるらしい。


 恐怖が理解できて何よりだ。地球の話だが、美女の生皮を剥いだり、処女の生き血を風呂に入れて浴びた異常者の話をすると静まり返った。皆もそこまでの異常者は想像していなかった様だ。



 「いやいや、そういう異常者は世の中に居るぞ。自分が美しくなる為なら、他人の命なんて何とも思わない女は何処にでも居る。自分が良ければ他人の事なんて考えない奴は居るだろ?」



 俺がそう言うと全員が押し黙った。別に女に限らず男にだって居る。そういう奴等は何を仕出かすか分からない。だからこそ、ずっと黙っている必要がある。異常者に言葉は通じない。


 皆も正しく理解したのか若干青褪めているが、やっと危険性を正しく認識したのかもしれない。まぁ、こんな気持ちの悪い話はもう止めて、そろそろ夕方だし王都に帰ろうか。


 そう言って17層へと行き、直ぐに脱出紋に乗って帰る事にする。光が止むと、そこは洞窟の地形だった。どのみち今日はもう無理なので、ジャン達とリンデは少しホッとした顔をしている。


 洞窟に苦手意識でも出来たのかな? まあ、トラウマじゃないだろうから克服できるだろう。王都の解体所に行って獲物を売り払ったのだが、ジャン達が随分喜んでいる。


 聞いてみると、鍛冶師組合と帝国の工作活動で質が悪い鉄が多かった為、鉄の信頼が落ちていて魔物素材が高騰しているらしい。なので、それなりに高値で売れたんだそうだ。


 売ったのはソードグリズリーとアーマーベアだから高値も付くか。そういえば、リヴィはロンパイアを止めて二郎刀を使っていくみたいなので、洞窟の中でロンパイアは【粉砕】して埋めてきている。


 解体所を後にして食堂へと移動し、大銅貨15枚を支払い夕食を注文したら席に座って一息吐いた。聖水の樽を出して3匹の水皿に入れたら、冷やして皆に好きに飲むように言っておく。


 自分のコップに入れて飲んでいると、今日のダンジョンについての話し合いになった。失敗した部分は話し合い、改善して次に生かさないといけない。そういう認識は共有している様だ。



 「今日のダンジョンで失敗だったのは、移動速度の遅さだと思います。明日はもう少し早める事は可能ですが、警戒もしなければいけないので、そこまで早くは出来ませんね」


 「ジャンの言う通りだ。身体強化で移動すれば早くはなるだろうが、そうなると突然襲われるかもしれない。それに、魔物に激突する可能性も考えておかないといけないだろう」


 「出会い頭に衝突という事も、無い訳ではありませんしね……。迂闊に速度を出すと、取り返しの付かない怪我をする恐れもあります。今のまま慎重に進むべきでしょう」


 「どのみち、今日よりも明日の方が早く進めますよ。今日は転移紋の位置が分かりませんでしたが、明日は17層までは分かっているんですから。ダンジョンが変化しなければ……」


 「それはどうにもならない事だよ、リンデ。私も経験があるけれど、次の日にダンジョンが変化すると、結構立て直すのは大変なんだ。ガッカリしてやる気を無くすんだよね、アレ」


 「そこは明日ダンジョンに入ってみないと分かりませんから、横に置いておきましょう。それより、問題なのは森の地形などに時間が掛かる事です。何とか早く突破出来ませんかね?」


 「難しいんじゃないか? 木という障害物に加えて魔物も出てくるし、転移紋の位置を把握して最短距離を進む以外に方法があるとは思えないんだが……」


 「私も同じですね。物理的な障害である以上は仕方がないと思います。それに、森の地形にも木々の密度の濃い所や薄い所などがありますが、どうやって見極めるのか……」


 「密度が薄ければ移動は楽でしょうが、そちらの方向に転移紋があるとは限っていませんからね。転移紋の無い方向に行っても仕方ありませんし、諦めるしかないのでは?」


 「そうだね。少しでも楽に進める様に考えるのは間違って無いけど、それで進む事が遅くなったら意味が無いよ。それよりも安全を考えた方が良い。結果、早くなる事も多いからね」



 俺達は話し合いに参加はしていない。ギブアップするまではジャン達が攻略する側なので、俺達が口を出しても邪魔になるだけだ。自分達の力で、出来る事と出来ない事を考える必要がある。


 出来ない事を考えても仕方がないが、そういうのは経験して分かる事だ。少なくともジャンが経験しなきゃいけない以上は、経験する機会を取り上げる訳にはいかない。……頑張れよ。


 夕食をとりながらの話し合いは結局答えが出なかったらしく、明日も同じ様にして進むみたいだ。やり方を変えたからといって必ず早くなる訳でもないしな。難しいところだとは思う。


 部屋に戻る時にリヴィに部屋に来るように伝えると、リンデも一緒に来た。別に良いんだけどな。部屋でミノタウロスを出し、それぞれの素材に【分離】していく。……早速酒か?。


 酒飲みどもは放っておき、白い革を作ったら指貫グローブを作る。次にブーツを作ったが余ったのでブラも作っておいた。大きくなる可能性が高いので、多めに作っておく事にした。


 やはり肌に張り付くらしく、最初は不快そうにしていたリヴィも途中からは気にならなくなったみたいだ。ダンジョン内で作ったばかりではあるが、ブーツをバラし脛当にしておいた。


 残った少しの素材は中庭に穴を掘って【粉砕】して捨てる。部屋に戻ると酒飲みどもが撃沈していて、リヴィもリンデも撃沈していた。一応浄化しておくが、体の事を考えて飲め。


 飲むなとは言わないが、体に悪い飲み方をするんじゃない。言ったところで、肝心の酒飲みどもは撃沈していて聞いてないんだがな。シラフなのは、いつも通りディルだけかよ。


 【鋭覚】と【精気】でディルを満足させ、椅子に座って聖水を飲む。【空間把握】を使ったものの、ジャン達は浄化出来なかった。さて、そろそろ寝るか。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界172日目>



 おはようございます。今日はダンジョンアタック2回目です。昨日よりは進めるだろうけど、どこまで行けるかは分からない。場合によっては、洞窟で躓く可能性も無い訳じゃないし。


 特にジャン達は洞窟に苦手意識があるからな。まあ、ダンジョンの中で最大の鬼門である以上は、仕方がないと言えるんだが……。一歩間違えれば遭難するのはキツイよなぁ……。


 方位磁針モドキがあったところで、入り組んでいる洞窟の地形ではそこまで役に立たない。マップを書くのが1番良いんだが、そうすると攻略に時間が掛かりタイムアップとなる。


 ダンジョン内で野宿するのが自殺行為である以上は、夕方になったら帰るしかない。少しずつ進むのが当たり前ではあるんだが、攻略する以上は早く進まないと時間切れになる。


 悩ましいところだが、誰しもが悩むところだ。ジャン達には大いに悩んでもらいたい。それもまた経験であり、皆で悩んだ思い出となるだろう。……俺にはそんな思い出が無いな。


 別に良いんだけど、こう……何か引っ掛かるところがあるんだよな。少しなんだけど。



 「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」


 「ニャー」 「グルゥ」 「ワォン」



 まあ、今日という日も思い出か……。



 ▽▽▽▽▽


 0404終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨8枚

 大金貨36枚

 金貨89枚

 大銀貨170枚

 銀貨127枚

 大銅貨171枚

 銅貨39枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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