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0403




 皆から口撃されているリヴィは横に置いておくとして、まずはソードグリズリーの死体を素材として使えるようにする。今まで何度も素材として使ってきたので、もう慣れたものだ。たかがソードグリズリーだしな。



 「はいはい、そこまで! そんな事よりも、まずはリヴィの長柄の武器を作る。どんな武器が良いか、何が使いやすいかによって色々変わるんで、先ずは一つ一つ説明していく」



 結果的にリヴィが選んだ長柄武器は、ハルバードだった。使い熟せるのかは知らないが、本人が望んだ物だし良いだろう。まずは、ソードグリズリーの骨で柄と芯になる部分を作っていく。


 槍の部分は円錐状にし、斧刃部分は三日月型、その反対の鉤部分はピッケルの様にした。全体で2メートルとし、槍部分は20センチ、斧刃は30センチ、ピッケルは長さ10センチだ。


 ピッケル部分は短い分太くしてバランスをとってあるが、それでも扱い難いとは思う。どちらかと言うと、斧刃部分がメインという武器になってしまっているんだ。これは難しいな……。


 人相手ならこれで十分なんだが、魔物相手だとこの槍の穂先の長さは足りないだろう。中途半端な物になってしまっているし、どうしたものか……。俺が悩んでいると、リヴィが相談をしてきた。


 3つ武器が付いてるので選んだが、使い難いとの事だ。……まぁ、そうだろうね。とはいえ、一度は振ってみないと分からないから仕方がない。バラして別の武器にしよう。


 様々に話し合いを行い、最終的に決まったのはロンパイアだった。また古い武器を……。まぁ良いか、長巻や薙刀と似た様な物だから、作り易いと言えば作り易い。まずはバラすのが先だが。


 ロンパイアという武器は、1メートル程の柄と1メートル程の刃を持つ武器だ。ただしファルクスと同じで刃は内側に付いているのが特徴となる。つまり、刀とは逆側という事だ。


 ソードグリズリーの骨で柄と芯の部分を作り、刃の部分に爪を被覆する。あっと言う間に完成したので、試しに振らせる。どうやら特に問題は無い様だ。やれやれ、無駄に時間を喰ったな。


 まだ余っているので、骨で持ち手と鍔を作り刃を爪で作ったカットラスを作る。カットラスは船上で使われていた剣で、マチェットに似た鉈っぽい剣の事だ。湾曲した刃を持っている。


 湾曲の仕方はファルシオンに似ていると俺は思う。まぁ、そんな事を考えながらもさっさと作った。護拳は付けていないが特に問題は無い。本物も時代が過ぎると付けなくなっている。


 携帯するのに、西洋剣の特徴であるデカいバスケットとかガードを付ける必要は無いしな。あんなの付けてたら邪魔でしょうがない。日本刀が鍔しか付けてないのが良く分かる。


 カットラスも渡して振らせたが、こちらも問題は無い様だ。リヴィが持っている木の小盾に、ソードグリズリーの骨を被覆して防御力を上げてから返した。後は革を使って防具だな。


 まずはリヴィを真っ直ぐ立たせてソードグリズリーの革を沿わせていく。ピッタリではないが、丁度良い隙間を空けながら革を【変形】する。俺達と同じ革鎧なので大した手間は掛からない。


 そもそも俺達が鎧を着ているのは保険の意味合いしかないしな。戦闘では避けるのが基本であり、攻撃を受ける事自体を避ける必要がある。よってガチガチに固めたり等はしない。


 軽く動きやすい防具が主体であり、重さで動きが鈍るとかは阿呆のする事だ。そう言いながら、剣帯とブーツを作っていく。何とも言えない様な、妙な表情をしているので聞いてみた。


 どうやら、ソードグリズリーの革で鎧を作る事自体があり得ないらしい。リヴィが元々着けていた鎧は、いわゆる鉄の胸甲だったそうだ。良い革の鎧というのは、鉄製の鎧より高価だからなぁ……。


 気持ちは分からなくもないが、俺達は竜革の鎧だし諦めてもらおう。そう言うと、リヴィの目が点になっている。俺はその間にブーツに骨を被覆して仕上げていく。よし、完成した。


 一頻りリヴィが驚いて騒いだ後、ようやく出発となったが緊張感が無くなってるな。痛い目を見るぐらいなら良いんだが、とりあえず気を付けて見ていてやらないといけないか……。



 「南東に進んで行くんですが、緊張感が緩んでいます! ここはダンジョン内で死ぬ可能性もあるんだと、緊張感を持って警戒に当たって下さい!」



 どうやら、ジャンの引き締めは成功したらしい。さっきまでの緩んだ空気は無くなった。南東へと進みながら、ソードグリズリーやアーマーベアを倒していく。リヴィも数体倒していたが武器は良好みたいだ。


 特にロンパイアが気に入ったのか、ショートソードとバックラーを仕舞って振り回している。アーマーベアもあっさり斬る事が出来たからだろうが、テンションが高いのはどうなんだ?。


 落ち着いてハシャいでいるとでも言えばいいのだろうか? そんな微妙な空気を滲ませながら、南東の転移紋から16層へと進む。再び南東へと進みつつ、熊系の魔物を倒していく。


 この辺りまでは傭兵が来ていないのか、魔物が結構多いな。南東の転移紋まで来た時、ここから南に呪いを感知した。また呪いの武器を持つ奴が居るらしい。とにかく行ってこよう。



 「ここから南に呪いの武器を持つ奴が居る。俺は行って浄化してくるんで、済まないが少し待っててくれ。それじゃあ、行ってくる」



 俺は南へと身体強化を使い走っていく。辿り着いた所で見たのは、目に付く全てを斬り殺している真っ黒なミノタウロスだった。持っている呪われた武器は、まさかの二郎刀じゃないか。


 二郎刀とは、中国の道教の神<顕聖二郎真君>が持っていたとされる大刀の事だ。正しくは<三尖両刃刀>と言って、矛先が3つに分かれて両刃が付き、剣のような形をしている。


 刀身は80センチぐらいだろうか? 柄が2メートルほどという事は短めに作ってあるんだな。呪神も何の為にあんな物を作って、ダンジョンに送り込んだのやら。しかも最近だろ?。


 訳が分からないが、さっさと浄化してしまうか……。俺は自分自身に【集中】を使い、前後不覚になるまで集中しながら浄化をする。前回と同じく気付いたら浄化が終わっていた。


 二郎刀も綺麗に真っ白になってるなー。うん、前回と同じでミノタウロスも真っ白になってるんだよ。まあ、収納して皆の所に戻るか。そういえば……ってオリハルコンで出来てる!?。


 二郎刀がオリハルコンかぁ……中洋折衷ってところか? まあ、どうでもいいし皆の所へさっさと戻ろう。俺は二郎刀を担いで身体強化を使い走っていく。皆は車座になり雑談していた。


 俺は皆の近くで二郎刀を地面に置き、ミノタウロスを取り出して心臓を抜き出したらリヴィに食べさせる。当然の如く拒否してきたので、皆で取り押さえて無理矢理に食べさせた。


 滅茶苦茶睨んでくるものの、最初の一口以降は抵抗をしなくなっていた。食べて美味しいと忌避感は薄れるんだよな。リヴィが蹲ったので、早速何かの効果があったらしい。



 「痛い痛い痛い痛い……何故かすっごく胸が痛いんだけど!? いったい何なのコレ!? 滅茶苦茶痛いんだよ本当に!! ちょっと誰か助けて!!」


 「あーはいはい。リヴィ、まずは鎧を脱ぎましょう。結果はどうなるか知りませんが、とにかく大きくなる事は間違いありません。私も大きくなりましたし、女性は皆そうなります」



 リンデはそう言いながらリヴィの革鎧を外していく。元々Bに届かないくらいだったが、今はBの中間ぐらいまで大きくなっている。アレ? あんまり大きくなってないな?。


 あんなに痛がったんだから、もっと大きくなっているのかと思ったじゃないか。何であんなに痛がったんだろうな? 胸に病気でも抱えてたのか、もしくは怪我でもしてたのか?。



 「あれ? リヴィ、昔怪我をして胸が抉れてたんですよね? 左の胸の傷が無くなっています。あまり大きくなっていませんが、痛かったのは古傷が治ったからですか……」


 「えっ!? ……本当だ。子供の頃の傷が治ってる……えっ!? なんで? なんで治ってるの!? いやいやいやいや、おかしい! おかしいって、コレ!?」



 そういえば抉れた形っぽかったが、あれ古傷だったのか……。女性しか相手にしないのは、もしかして古傷を隠したかったからか? 分からないが、聞かなくてもいい事だな。


 古傷が無くなったのは良かったと思うが、そろそろ落ち着け。



 ▽▽▽▽▽


 0403終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨8枚

 大金貨36枚

 金貨89枚

 大銀貨170枚

 銀貨127枚

 大銅貨186枚

 銅貨39枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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