0400
流石にそろそろお前達だけで攻略して貰わなきゃ困るぞ。そう言うと、少し緊張した表情をしたものの覚悟は決まった様だ。まだ俺達に助けてもらえるし、今の内に多くを経験しろ。
その事を思い出したのか、一つ頷くとジャンは落ち着いた。ミレイアとシャローはジャンが落ち着かせればいい。後で3人で買出しに行くように言い、昼食を終えた。
再び中庭に戻り、2人に【集中】を使って修行をさせる。身体強化をしながら動く事にも慣れてきた様だ。リンデと違って魔力も闘気も少ないので効果は小さいが、上手くなっている。
邪生の心臓を手に入れたら、丸々全部リヴィに食わせるか……。そんなことを考えつつ組み手の練習を続ける。夕方を目前にして修行は終わり、後は明日から実戦をさせるだけとなった。
少し早いが2人を浄化して食堂に移動する事にした。【念話】でディルに伝えておいたので、ジャン達も連れて来るだろう。食堂で大銅貨15枚を支払って夕食を注文したら席に座る。
少し話していると全員が来たので、明日の事を話し合う。ジャン達は雑貨屋に行ったり食料店に行ったりして準備をしていた様だ。方位磁針モドキの確認をしたか聞くと、確認したと答えた。
一応壊れてなかったらしく、問題なく使えるらしい。そういえば、リヴィはダンジョンアタックはした事あるのか? そう聞くと「何度もある!」と言うので、多分大丈夫なんだろう。
夕食後、部屋に戻って3匹を梳きながら皆の進捗を聞く。昨日と変わらなかったが、フォルはほんの少しだけ劣化がマシになったらしい。本人的には上手くなった気は欠片も無いそうだ。
とはいえ、少しずつしか上手くならないのは仕方がない事で、誰しもが通る道だとしか言えない。3匹が寝た後、皆を【極幸】と【至天】でキメてしまい、さっさと寝る事にした。
ジャン達は起きていたがリンデ達は寝ていたので、部屋を含めて強力に浄化しておく。さて、そろそろ寝ようか。今日も一日お疲れ様でした。
<異世界171日目>
おはようございます。今日はダンジョンアタックの日です。リヴィは正しい身体強化が出来るようになってから初めての実戦だが、多分それほどついて行けないと予想している。
邪生の心臓を食べていないので、普通の傭兵と何も変わらないんだ。その所為で体力が少ない。全く無い訳じゃないが、並の傭兵と変わらない程度でしかない為、それではついて来れない。
とはいえ、邪生を狩ってきて食わせるかと言ったら、それも違う感じがするんだよな。まあ、体力が無くなったら休憩するか【生命活性】で強引に回復させればいいか。多分大丈夫だろう。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」
「ニャ~」 「グルゥ」 「ワン」
3匹に聖水を入れてやったんだが、それよりも先に3匹は甘えてきた。何か心境の変化でもあったのか、単にそういう気分なだけか。3匹は一頻り甘えた後、聖水を飲み始めた。
俺もゆっくりと聖水を飲み、今日の予定というか予想をしておき用意する物を決めていく。結局はダンジョンの地形によって幾らでも変わるので、分からないと言うしかない。
それでも最低限の予想は出来るので予想するのだが、現在の持ち物で十分だという”いつも通り”の結論に至る。まあ、結局そんなものだよなぁ、と思うのもいつもと同じだ。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ」 「ガゥ」 「ウォフ」
「今日はダンジョンだけど、王都横のダンジョンはこれで何回目だろうね? 使いやすい位置にあるから当然なんだけど、最奥に行っても竜が出ないからねぇ……。行く意味あるかい?」
「竜と戦うだけではないと思いますが……ゾンビダンジョンのようなパターンもありますし、竜が居るとは限っていませんよ。他のダンジョンに行くのも良いと思いますが……」
「ルーデル村に帰る事を考えるなら、王都のダンジョンは場所が良いのよね。1番近いダンジョンと言えるし、平均的で普通のダンジョンだから稼ぎやすいわ」
「そうだね。ここのダンジョンは本当に普通だから、新人からベテランまで使える良いダンジョンだよ。ここまで整ってるダンジョンってなかなか無いから、結構貴重だと思う」
「酷いダンジョンも多少あったが、そういうダンジョンに比べればここは楽だし予想しやすい。確かに新人にもベテランにも使える良いところだと思うが、腕前はどうだろうな?」
「楽だから腕が磨かれないって事はあるのかもしれないね。僕としては北の侯爵領にある戦闘ダンジョンでも良いと思うよ。あっちも使いやすいと聞いたけどね?」
「そうだな。あの戦闘ダンジョンもそれなりに使いやすいと思う。意外にと言ったら悪いかもしれないが、稼げる魔物が群れてる事が多いんで、稼ぎやすいダンジョンだよ」
そんな話をしながら送風機と冷房から魔石を抜く。ラーファンさんの宿なので、放置して行っても大丈夫だ。部屋を出て直ぐにジャン達とリンデ達に【覚醒】を使ってさっさと起こす。
隣の食堂に行き大銅貨15枚を支払って朝食を注文する。テーブル席に座って聖水を飲みながらゆっくりしていると、ジャン達とリンデ達がやってきた。まだ寝惚けているらしい。
5人全員が寝惚けているという事は、”そういう事”だ。このお猿さん達は~……。昨日ダンジョンに行くって言っておいただろうが! 夜中に起きて盛ってたな、間違いない!。
シャキっとさせる為に、一瞬だけ殺気と殺意を5人にぶつける。一気に目が覚めたらしく、”マズい!”という表情をしてるが遅いんだよ! 慌てて謝罪をしてくるので仕方なく受けた。
ダンジョンアタックの日に疲れを残すとか、お前等死にたいのか? と言っておく。他の傭兵だってそんな事はしない。ダンジョンアタックの前は体を整えておくのが、傭兵の常識だぞ。
俺が常識がどうこうと言うのはおかしいのかもしれないが、ならば余計に常識を持って行動しろと言いたい。説教はここまでにしておくが、少しは反省しろよ。じゃないと獣以下だぞ。
朝食後、そのまま王都を出てダンジョンへと行く。全員アイテムバッグ持ちなので荷物は持ち歩いている。その為、わざわざ部屋に戻って準備をする必要は無い。待っているのは7組か。
朝から盛況らしく、前のチームが入って行くのを待つ。俺達の順番が来たので中に入り、直ぐに<脱出紋>から離れる。次の人の邪魔にならない為にもさっさと移動しよう。ほら行くぞ!。
1層は草原らしく、朝から元気に狩りをしている新人達が見える。木の棒を持ってネイルラビットやビッグラビットを追い掛け回している姿に少しほっこりする。新人達、頑張れよ!。
心の中でエールを送っていると、ジャン達は陣形を整え終わったらしい。シャローを先頭に、左後ろにミレイア、右後ろにジャン。ミレイアの後ろにリヴィ、ジャンの後ろにリンデ。
そういう並びで進むらしい。殿にリンデとリヴィを置いた形か……。まあ、本当の殿は俺達なのでちょっと違うが。人の流れを見たのだろう、ジャンは西に行く事を決めた様だ。
西って事は、またダンジョンの中が変動したのか? 幾らなんでも神様に聞いていたペースより遥かに早い気がする。……もしかして、俺が浄化しているからペースが早いんだろうか?。
邪気の量が減ったから、それに合わせてダンジョンの内部構造が変更されてる? ……どんな予想をしたって無駄か。自動システムが勝手に決めてる事だし、考えても答えは出ない。
西に進みながらボーッとしていたが、ここはダンジョンだ。ちゃんと緊張感を持っておかないといけない。そう思い直して気合を入れる。【空間把握】に転移紋の反応があった。
方角は間違ってなかった様だ。しかし、何か揉め事か? 傭兵が転移紋の周りに集まってるぞ。余計な事に巻き込まれる前にさっさと先に進めよ~、頼むぞジャン。
▽▽▽▽▽
0400終了時点
大白金貨3枚
白金貨8枚
大金貨36枚
金貨89枚
大銀貨170枚
銀貨127枚
大銅貨186枚
銅貨39枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




