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0039




 村に帰ってきたので、そのまま宿に行く。今日は解体所には行かない。俺の装備が作れていないからだ。宿の裏庭にリヤカーを置かせて貰い、ウィンドディアーとレッドパンサーを解体する。


 各部位に分けた後、ウィンドディアーの角で刃長70センチの太刀を作り、持って帰ってきた木で柄と鞘を作る。レッドパンサーの爪で刃長55センチの小太刀を作り、同じように柄と鞘を作る。


 次にウィンドディアーの骨を芯にして、レッドパンサーの牙を被覆した手斧を作る。最後にレッドパンサーの骨を芯にウィンドディアーの角を被覆した十手を作って全て終了だ。


 ちなみに十手はダナとシュラも欲しがったので3つ作り、その場で渡した。護身用に持っておきたいそうだ。


 鋼製の武器を【分離】し、心鉄と皮鉄を取り出す。肘防具と膝防具の鉄と鋼を交換し、ブーツの鉄も鋼と交換する。少し余ったので、爪先を鋼で被覆しておいた。


 石斧などのゴミは【破砕】し【粉砕】して穴を掘って埋める。生ゴミじゃないので問題ないらしい。


 全て終わったので3人で解体所に売りに行く。登録証を渡して、ベグさんとジャロムさんから査定を受けていると小言を言われた。



 「良い素材が多いのだが、使ったからか中途半端だな。これでは値が付け辛い」


 「すまないね。これからは無いと思うよ。武器も揃ったから」


 「そうであれば助かるが……。ワシ以外だと値付けが出来るかどうか」


 「そんなに面倒ですか?」


 「解体の仕方も綺麗なのだ。そこも考慮せねばならん」


 「成る程ねぇ。ジャロムが納得するぐらい綺麗なんだね」


 「正直なところを言えば、解体所で働いてほしいくらいだ。ワシの跡を継いでもらいたい」


 「おや、そこまでとは」


 「当然だ。解体にわざわざ【錬金魔法】や【練成魔法】など普通は使わん。いや、使えんと言うべきか」


 「魔力量の問題かい?」


 「そうだ。……全て纏めて金貨9枚と大銀貨12枚だな」


 「それでいいよ」



 登録証を受け取り、売却金と木札を貰う。ギルドへの道すがら、1人金貨3枚と大銀貨4枚に分ける。ギルドに入ってミュウさんに手続きをして貰っていると、ヴェルさんが来た。



 「すみません。ダナさん達に依頼をしたいんですが……」


 「どうしたんだいヴェル? 何か問題かい?」


 「いえ、新人を含めて訓練をお願いしたいんです」


 「ああ、毎年の事ですね?」


 「毎年の事?」


 「どこのギルドでも同じだけど、登録して15日ぐらい経つと調子に乗る奴が出てくるのさ」


 「で、どこのギルドでも、この時期にベテランが新人を叩き潰すんです」


 「あー………。命が掛かってるのに調子に乗るのかぁ……」


 「「「新人はそんなもの」」」



 3人でハモったな。しかも、やたら実感が篭ってる感じがする声音だな。ホントに調子に乗るバカが毎年いるみたいだ、信じられないが事実なんだろう。3人とも疲れた表情をしてる。



 「新人どもを死なせない為だ、受けるよ。2人とも、いいだろ?」


 「構いません」


 「俺も問題ない。明日は部屋でゆっくりしよう」


 「アルド。貴方もですよ?」


 「俺に訓練は要らないけど?」


 「指導する側に決まってるだろう?」



 どうやら明日は面倒な仕事らしい。バカどもの相手を俺もするのかぁ……。ランク3だから逃げられないかね?。



 「今回の狩りの結果、ランク4に決まりました。新しい登録証です、どうぞ」



 あっハイ。どうやら逃げられないらしい。もうランク4なのか。ちょっと早くない? 山の魔物狩ったからか? 疑問はあるが悪い事ではないので受け取る。


 ギルドを出て宿に帰り、夕食を3人分注文して銀貨1枚を支払う。お釣りの大銅貨17枚を受け取ってゆっくり待っていると、女将さんがこちらにやって来た。



 「お帰り、3人とも。ゴメンね、朝起き上がれなかったんだよ」


 「ただいま、トーカ。事情は知ってるよ」


 「トーカ、ただいま。夫婦仲が良いのは、いい事です」


 「朝から襲われちゃってねぇ。女の幸せに浸らせてもらったよ……」


 「そりゃ良かったね。ただし迷惑かけるのは止めときなよ」


 「宿の者も困ったでしょう。原因が原因ですし」



 朝に無かった会話が夕方にズレただけか。食事が来たので、俺は右から左に聞き流しながら食べた。食事の後は部屋に戻り、浄化してゆっくりする。


 2人はアイテムバッグから酒とツマミを取り出し飲み始めた。俺は水を飲みながら、武器や料理道具などを浄化していく。纏めてやってもいいが、偶には確認しながら丁寧にしよう。


 2人は全て浄化したのを確認してから、俺をベッドへと引っ張っていく。2人を浄化してから、俺もベッドに入った。



 「今日こそは勝つよ!」


 「今日は連携を密にして勝ちましょう!」



 ……いつも通り2人は満足して眠ってる。俺も浄化して寝よう。おやすみなさい。



 <異世界19日目>



 おはようございます。今日はギルドで面倒な仕事をやらされる事になってます。何となくテンプレが起きそうな気がする。そんな予感を持ちながら、全て浄化しているとシュラが起きた。



 「チュッ!///。おはようございます、アルド」


 「おはよう、シュラ。うん?」



 顔が無理矢理に右に向けられた!? そして唇が塞がれる。



 「チュッ! おはよう、アルド。ん~、チュッ///」


 「ダナ! ズルいですよ!」



 今日は2人とも甘えん坊の日か? そう思いながら3人でイチャイチャする。2人が満足したら服を着て食堂へ行く。あれ? 新しい日課になってる? ……まぁ、いいか。


 食堂に行き、3人分の注文をして大銅貨3枚を支払う。2人は女将さんと朝の話をしてるのでスルー。食事が来たので食事をしていると、女将さんが気になる事を言ってきた。



 「今日3人は、ギルドで新人の訓練だよね?」


 「そうだけど、何かあったのかい?」


 「……ウチの旦那の弟の子がね、村で新人の傭兵をやってるって旦那が言うんだよ」


 「トーカ、手心を加える事はしませんよ。本人の為になりません」


 「シュラさん、そうじゃないんだよ。調子に乗ってるらしくってねぇ、旦那がボッコボコにしてほしいって」


 「あぁ、そっちかい」


 「ウチの旦那はサングの町出身だろ? 弟さんの子も、魔物の強さを勘違いしてるみたいなんだ」



 そんな話を終えて、3人で部屋に戻り浄化と支度をする。武器も防具も置いて行くので、支度は直ぐに終わった。ギルドに到着後、訓練場に行ってヴェルさんから話を聞く。



 「本日は新人達の強制訓練の日です! 毎年の通りにお願いします!」


 「「「「「応!」」」」」



 新人達をそれぞれのグループに分けて、ベテランがシゴいていく。俺達3人の所には5人組と、目つきの悪いガキ2人と女の子3人のチームだった。


 5人組と女の子3人はダナとシュラに任せて、俺は目つきの悪いガキ2人に現実を教える。



 「まずは……自分の実力を知る為に戦おうか?」


 「はぁ? お前、確か俺達と同じ新人だろ? 何様のつもりだ?」


 「何様って……、ギルマスから直接依頼される傭兵様だが?」


 「へぇ……お前、あの綺麗な女の前だからって調子乗ってんだな? 俺が代わりに!?」



 鬱陶しいので、ガキBを上段回し蹴りでぶっ飛ばした。俺は十手を右手で構えてガキAに言う。



 「死ぬ気で来い。それが出来ないなら死ね」



 そう言うとガキAは怒ったのか、一心不乱に攻めてくるが当たらない。動きは素人以下だ、これは酷すぎる。余りにも酷いので、十手で関節を叩いて悪い所を教えていく。



 「お前、俺が叩いてる意味が分かってるのか?」


 「はぁ、はぁ……クソッ! 知るかそんなもの!」


 「仕方ない奴だな、教えてやる。お前は全部が素人以下だ、今直ぐ傭兵を辞めろ」


 「!?!?! ブッ殺す!!!!」



 無理無理。何を調子に乗ってるんだコイツ? 十手も使わず身体強化でボコボコにする。途中から起き上がってきたガキBも交えて、執拗にボッコボコにしてやった。


 途中から泣いて謝っていたが俺の知った事ではない。声も出せないほどに執拗にやったら、周りが物凄く静かになっていた。顔を上げて見渡すと、全員がドン引きしている。


 あれー……? もしかして、やり過ぎ?。



 ▽▽▽▽▽


 0039終了時点


 金貨13枚

 大銀貨22枚

 銀貨15枚

 大銅貨14枚

 銅貨3枚


 風鹿の角槍

 風鹿の角の太刀

 赤豹の爪の小太刀

 黄蛇の牙の打刀

 赤豹の牙の手斧

 風鹿の角の十手

 鋼とオーク革の鎧

 革と鋼の肘防具

 革と鋼の膝防具

 革と鋼のブーツ


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