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 部屋を出て1階に下りるとラーファンさんが居たので、5日分の宿代である銀貨3枚を支払っておく。ついでに、ジャン達とリンデ達に【覚醒】を使って、起こしてから隣の食堂へと行く。


 食堂に入りテーブル席に座ると、近くに居る傭兵達が大きな声で喋っていた。聞かせたいのか聞かせたくないのか知らないが、もうちょっと声を落としても全員に聞こえるぞ?。



 「おい、聞いたかよ? 何でも昨日の夜、神殿の中で殴りあいになったらしいぞ。下っ端の神官が大勢出て行こうとしたそうだが、上の連中が無理矢理止めようとしたらしい」


 「何で上の連中が止めるんだ? 出て行くと言ってる連中を無理に引き止めたって、上手くいく筈がねぇだろうに……。神殿の上の連中ってのは、そんな事も分かんねぇのかよ」


 「どうも聞いた話じゃあ、神殿の上の連中は碌な修行もしてないんで、【浄化魔法】が使えないらしいぜ。若い頃は使えたんだろうが、今はもう無理なんだとさ」


 「それで無理矢理引き止めるのか? あんまりにもバカすぎるだろうよ。んな事したって下っ端の連中が納得する訳ねぇよ。神殿の上の連中って俺らより頭悪いんじゃねぇの?」


 「何つーかバカだよなぁ? 下っ端の連中は国に雇われて浄化所ってところで働くんだってよ。何でも王太子殿下の肝煎りで作られるらしくって、【浄化魔法】が教えてもらえるそうだ」


 「へー、そりゃすげぇ。俺もそこ行ったら教えて貰えんのか? いや、ちょっと待て、無理だって決め付けるのは早ぇだろうが! 俺だって頑張れば使えるかもしれねぇだろ!!」



 これ以上は聞く意味が無いが、神殿の中はそろそろ終わりかな? 実際に浄化をしていた連中がゴッソリ居なくなったら、神殿は間違い無く傾く。そうなれば腐った連中を一掃できる。


 そういう予定で進めているんだろう、あの狂信者どもは。とにかく関わりたくないので、俺達は見守るだけで……。うん、そう。絶対に狂信者には関わらない。それが1番良いんだ。


 そんな話をしているとジャン達とリンデ達が来たので、大銅貨15枚を支払って朝食を注文する。待っている間に今日の予定を話すんだが、早速リヴィが嫌そうな顔をしている。


 修行と聞いて嬉しそうな顔をする奴なんて殆ど居ないだろうが、身体強化の修行だと言うと一応は納得した様だ。これからも移動する度に背負われるのは、流石に嫌なんだろうな。


 朝食後、部屋に戻り準備を整えたら、ラーファンさんに断りを入れて中庭を使う許可を貰った。酒は昨日の内に作り終わっているので、リヴィの修行に集中する事が出来る。


 【集中】を使い1から教えていくのだが、やはり教えられた身体強化モドキなどが足を引っ張っている。才能やセンスはそれなりにあって、リンデと変わらないくらい優秀だ。


 にも拘らず、間違った事を覚えている所為で矯正するのが大変だ。それだけ努力してきたのだろうが、それが足枷となるっていうのは皮肉というか何と言うか……。これは駄目だなぁ。


 リヴィは矯正し辛い程に染み付いてるみたいで上手くいっていない。最後の手段にしたかったんだが、【忘却】を使うか。俺は【集中】を使いながら不要な記憶と感覚を【忘却】させる。


 少しずつ忘れさせながら、正しい身体強化や感覚を刷り込んでいく。あまり褒められたやり方ではないが、こうでもしないと矯正できない。それ程までに間違った方法が染み付いている。


 御蔭で俺も集中しなきゃいけないので大変だ。一つ一つ教えながら違和感を持たれない様に【忘却】させるには、俺自身も相当集中しなきゃいけない。これを使い熟す気は無いんだが……。


 それでも矯正するには止むを得ないな。昼になったので隣の食堂に行き、大銅貨6枚を支払って昼食を注文した。今は俺とリンデとリヴィと3匹しかいない。修行もこのメンツでやっている。


 他のメンバーは自由に食事をとるみたいだ。雨は降ったり止んだりを繰り返していて、皆は買い物に行ったりしているらしい。食料店にも行ったらしいので、何か買ってきたんだろう。


 昼食後、中庭に戻って修行を再開する。リンデとリヴィの双方に【集中】を使い、リヴィのみに【忘却】を使いながら正しい方法を教えていく。魔力と闘気の感覚、身体強化の感覚。


 これらは大分教え込めたと思う。2人は一言も発さないまま修行に没頭している。傍から見たらそう見えるだろうが、当然【集中】を使って強制的に無理矢理集中させているからだ。


 非道なやり方と言われるかもしれないが、普通は集中力なんて長続きしないんだ。それを強引にさせているに過ぎない。本人の能力以上に集中する事は、そもそも根本的に不可能だしな。


 それなりに教えられたので、今度は身体強化と足運びや体重移動の運動を始める。よく考えたらだが……たった一日で、少しとはいえ正しい身体強化が使えるってやり過ぎか?。


 まぁ、気にしなくても良いか。闘神直伝の運動をさせながら間違っている箇所を指摘していく。リヴィは魔法が使えないらしいので、そこを矯正する必要が無いのは助かる。


 シャローは多少間違ってたんで矯正したんだが、これが結構大変だったんだよ。微妙な感覚の間違いというのが、あれほど面倒臭いものだとは思わなかった。それぐらい面倒なんだ。


 目の前の2人には、ひたすらに運動をさせ続ける。2人とも弱くは無いが、強いとも言い切れない。もちろん、普通の傭兵と比べれば強いだろうが、俺としてはその程度で済ませる気は無い。


 最終的にはソロで竜を殺せる様になってもらうつもりだ。今この場でそんな事を言ったりしないが、気付いたら竜殺しが出来るように鍛えるつもりではある。ま、頑張ってもらおう。


 ちなみに俺の言う竜殺しは、希少金属などの武器を使わないでの竜殺しだ。俺自身は【魔法】や【闘気術】を使えば十二分に可能な事だが、出来るのでやらないだけだ。面倒だし……。


 とにかく、この2人は確実に竜殺しが出来るまでは鍛える。もちろん、ジャン達も同じレベルまで鍛え上げるつもりだ。そうすれば丁度良い風除けになる筈だからな。大活躍してもらおうかね。


 夕方になったので隣の食堂に移動していると、皆も部屋から出てきた。食堂に入り大銅貨15枚を支払って夕食を注文する。食事をしながら皆と雑談するのだが、ジャンから話があった。



 「あの……明日も修行をするのなら、僕の【浄化魔法】を見てもらえませんか? どうにも上手くいかなくて……特に【聖浄】と【聖潔】が上手くいかないんです。頑張っているんですが……」


 「まあ、明日もリヴィの修行なのは間違い無いから別に構わないが、いったい何処が上手くいかないんだろうな? あれらの魔法は、ジャンがそこまで苦戦するものじゃない筈だが……」


 「そうなのか? ジャンは手応えが無いとずっと言っていてな。【聖浄】や【聖潔】は発動しているみたい何だが……しっくりこないというか、納得がいかないみたいだ」


 「【浄化魔法】に限らず、魔法には必ず何かしらの手応えがあるものです。それが無いという事は失敗していると普通は考えるのですが……ここまでの魔法だと分からないんですよね」


 「手応えが無い……ねぇ。アタシはそんな事なかったけど、ジャンは手応えが無い。魔力の込め方が間違ってる……なんて事は発動している時点で無いだろうし、いったい何だろうね?」


 「さて? 私も普通に使えていますしね。……あっ! もしかしたら、ジャンには知識が無いのかもしれません。私達は人体の正しい構造をアルドから教えてもらいましたから」


 「ん~? 確か前にジャンには教えたぞ? 【房中術】を教えた時に……あれ? あの時は快楽に関わる部分しか教えなかったんだっけか? ……ヤバイ、覚えて無い」


 「必要なら私達が教えておこうか? 主様はそこの子で手一杯みたいだし、私達の復習も兼ねてやった方が良いだろう。それに、知識だけだからね。そこまで時間は掛からないよ」



 知識の有無でも魔法の効果って変わるんだよなぁ……。普段意識しないから忘れるが。



 ▽▽▽▽▽


 0398終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨8枚

 大金貨36枚

 金貨89枚

 大銀貨170枚

 銀貨127枚

 大銅貨231枚

 銅貨39枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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